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女囚701号 さそり

  • posted at:2006-05-05
  • written by:砂月(すなつき)
じょしゅうななまるいちごうさそり
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1972年
公開日:1972年8月25日 併映「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」
監督:伊藤俊也
原作:篠原とおる
脚本:神波史男 松田寛夫
企画:吉峰甲子夫
撮影:仲沢半次郎
美術:桑名忠之
音楽:菊池俊輔
照明:川崎保之丞
録音:広上益弘
編集:田中修
助監督:小平裕
記録:山内康代
スチール:遠藤努
擬斗:日尾孝司
進行主任:入葉一男
装置:石井正男
装飾:神谷好孝
美粧:須々木善三郎
美容:花沢久子
衣裳:山内三七子
演技事務:山田光男
現像:東映化学
出演:梶芽衣子 横山リエ 渡辺やよい 三原葉子 渡辺文雄
アメリカンビスタ カラー 87分

Y県Y刑務所では所長の郷田が27年間の功績に対して表彰されていた。そのとき、所内にサイレンが鳴り響いた。女囚二人が脱走したのだ。一人は木田由紀子、そしてもう一人は松島ナミだった。だが二人は刑務官たちの執拗な追跡に逃げることが出来ずに捕らえられた。白昼堂々と脱走を許し怒り心頭の郷田は管理体制を強化する訓示を行った。そのあおりを食ったのは女囚たちで、7日間の食事の減食処分を命じられたのだった。その頃、ナミは身動きが出来ないように縛られ懲罰房へ送られた。孤独感が彼女を襲うが、隣の部屋に由紀子がいることがわかると少しだけ救われた。そこにやってきた配膳係の井棟が日頃の恨みを晴らそうと冷たい水で濡らした毛布をナミの体に掛けた。そして井棟と入れ替わりにやってきた郷田は、お前のせいで罪もない女囚たちが苦労していると伝えて去って行った。暗く冷たい部屋に一人残されたナミは三年前の出来事を思い出していた。

平凡な暮らしをしていたナミは麻薬取締担当の刑事・杉見のことを心の底から愛していた。だがそんな彼女を杉見は利用したのだ。杉見は麻薬ルートの情報を掴むために海津興行というヤクザ組織が経営するナイトクラブへナミを潜入させた。囮捜査は簡単に気付かれ、ナミは一切口を割らなかったがために組員から強姦された。その現場に踏み込んだ杉見は、麻薬取締法違反と婦女暴行現行犯で組員を逮捕した。更に杉見はこのネタを利用して海津興行社長・海津敏を強請り大枚を手にしたのだった。裏切られたナミの悲しみは深く、情念の炎は燃え盛った。翌日、待ち構えてナミは城東警察署から出てきた杉見を包丁で襲撃するが、複数の警官に取り押さえ復讐を成し遂げることは出来なかった。
 
女囚たちはナミのせいで懲罰を被ったことに怒っていた。今の状況でナミに接触出来るのは井棟だけだったことから皆彼女に期待した。食事の時間となり看守とともに懲罰房を訪れた井棟は、まず由紀子の部屋へ行き彼女の体に沸騰した味噌汁を掛けて苦しむ姿を楽しんだ。叫び声を聞き事態を把握したナミは井棟を静かに待ち構えた。そして近づくタイミングを見計らい毛布を引っ張ると、足を掬われた彼女は頭からバケツの味噌汁を被ったのだ。全身に大火傷を負った井棟が運ばれて行くと、刑務官たちはナミに暴行を加えてここで何が起こったかを聞き出そうとしたが、彼女は何もしゃべらなかった。

麻薬組織の摘発により警視庁に配属された杉見は、海津との絆をより強いものにしていた。彼らにとってナミの存在は脅威で、法廷で何も証言しなかったのは杉見への憎しみが計り知れないものだからだと海津は考えていた。それだけに彼女の脱獄は衝撃的な出来事だった。身の危険を感じた海津は、麻薬の運び屋として逮捕された片桐という女を刑務所に送り込んで始末させることにした。

屋台的映画館
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