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  • posted at:2013-05-25
  • written by:砂月(すなつき)
りぼるばー
にっかつ
配給:シネ・ロッポニカ
製作年:1988年
公開日:1988年10月22日
監督:藤田敏八
プロデューサー:山田耕大 小林寿夫
原作:佐藤正午
脚本:荒井晴彦
企画:藤田浩一
撮影:藤沢順一
音楽:原田末秋
照明:金沢正夫
録音:信岡実
美術:徳田博
編集:井上治
助監督:橋本匡弘
製作担当者:久家豊
製作主任:志田篤彦
企画担当者:角田豊
出演:沢田研二 村上雅俊 佐倉しおり 手塚理美 南條玲子
アメリカンビスタ カラー 115分

別府競輪場の窓口でぶつかったことがきっかけになり、競輪マニアの蜂矢圭介と永井新は意気投合した。軍資金を稼いだ二人は、次の目的地の西鹿児島に向かった。

鹿児島県警の清水信彦は上司・伊地知警部の顔を立てるために気の進まない縁談に出た。平凡な生活を望んでいた彼は昇級試験をあえて受けなかったが、静岡県警が指名手配していた犯人を職務質問で検挙し本部長賞を受賞したために受験せざる得なくなった。結果は合格、巡査部長に昇進したのだった。信彦が警察官になった理由は、拳銃が撃てるからだった。その後、彼は見合い相手の山川亜代と付き合い始めたものの、結婚する気などさらさらなかった。ある日、市内を自転車で警邏していた信彦は、亜代と海水浴場に行ったときに他人と間違えられた女性と再会した。彼女の名前は尾崎節子、バーのホステスだった。名刺を渡され興味を持った信彦は、仕事が終わると店に向かった。

節子の店のホステス・池上美希にしつこく言い寄る男がいた。その男・石森慎二は彼女が北海道旅行をしたときに一夜をともにした関係だったが、突然鹿児島までやってきたのだ。その恋は美希にとって過去のものだった。石森は店が引けた後も美希をつけ回したが、金をせびりに来たことを言い当てられ、逆上して彼女をレイプした。それを目撃した進学塾帰りの出水進は、ただ見ているだけで救うことが出来ず、彼は自力では立ち上がれない程に石森から暴行を受けたのだった。

亜代の夢や人生の計画に応えられる様な人間じゃない。警邏中の信彦は、公園のブランコに腰掛けてぼんやりとしていた。そんな彼の後姿を見ていたのは阿久根康男だった。同じ会社のOL・有村美里と不倫の関係にあった阿久根康男は、彼女から別の男と結婚するという衝撃的な告白をされた。しかも見せしめるように結婚式に招待されたのだった。断われば関係を疑われるため仕方なく出席したのだが、公園で考え事しているうちに信彦の姿が目に入ったのだ。阿久根は靴下に石を詰めると静かに近寄り、思い切り振り下ろした。

蜂矢と永井は繁華街の様子がいつもと違うことに気付いた。いつもより警官の数が多いのだ。その頃、阿久根は信彦から奪った拳銃で美里を射殺しようと考えていた。ところが二次会に行った社員たちと鉢合わせになり、深酒をして寝込んでしまった。目を覚ましたときには、もう美里は新婚旅行の飛行機の中だったが、そうとは知らない阿久根は彼女の新居に忍び込んで復讐しようとした。だが留守ではどうしようもなかった。自分が犯した罪の重大さに気付いても家庭には帰ることが出来ず、拳銃自殺もする勇気もなかった。家を出てとぼとぼと歩いていると、ピザを配達中のバイクと衝突し掛けた。空腹であることを思い出した阿久根は拳銃を構え「ピザをくれないか」と言った。

動物園で恋人の佐伯直子と待ち合わせをしていた進は、ピザを貪り食う中年男のことが気になって仕方がなかった。男はピザをあっという間に平らげコーラを飲み干すと、タバコを吸おうとして懐に手を入れた。すると懐から拳銃が滑り落ちたのだ。慌てた男は何事もなかったように取り繕い、ピザの箱へ拳銃をしまうとゴミ箱の捨てたのだった。周囲に誰もいないことを確認した進はゴミ箱の中から拳銃を拾い上げた。彼はこの拳銃で石森に復讐することにした。

屋台的映画館
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LIMIT OF LOVE 海猿

  • posted at:2010-06-14
  • written by:砂月(すなつき)

りみっとおぶらぶうみざる
フジテレビジョン=ROBOT=ポニーキャニオン=東宝=小学館=フジネットワーク27社
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年5月6日
監督:羽住英一郎
製作総指揮:亀山千広
製作:阿部秀司 尾越浩文 島谷能成 亀井修
プロデューサー:臼井裕詞 安藤親広
アソシエイトプロデューサー:小出真佐樹
ラインプロデューサー:森井輝
原作:佐藤秀峰
原案・取材:小森陽一
脚本:福田靖
撮影:佐光朗 さのてつろう 村埜茂樹
音楽:佐藤直紀
主題歌:「Precious」伊藤由奈
美術:清水剛
照明:水野研一
録音:柳屋文彦
装飾:秋田谷宣博
編集:松尾浩 穂垣順之助
音響効果:柴崎憲治
VFXスーパーバイザー:石井敦雄
ダイビングコーディネーター:金城正則
スクリプター:甲斐哲子
監督補:近藤一彦
製作担当:金子拓也
協賛:サクセス
制作プロダクション:ROBOT
出演:伊藤英明 加藤あい 佐藤隆太 大塚寧々 吹越満
アメリカンビスタ カラー 117分

第十管区鹿児島航空基地に赴任した一等海上保安士・仙崎大輔は、機動救難隊員として海難救助の最前線で働いていた。そんな彼のもとに突然現れたのは、婚約者・伊沢環菜だった。仙崎とは遠距離恋愛を継続しているが、プロポーズもされず婚約指輪も貰っていないことを不安に感じていた。そこで服飾デザイナーの環菜は、自分がデザインしたウェディングドレスで仙崎を驚かせるため、そして彼の本心を確かめるために横浜から車を運転して二十時間掛けて鹿児島にやってきたのだ。苦労したにも関わらず、仙崎は少し時間をくれないかと答えた。

翌日午後一時、鹿児島沖3キロで砂利運搬船がエンジントラブルを起こして漂流し、航路の大型フェリー・くろーばー号と接触した。その影響でフェリーは座礁し、出動命令を受けた仙崎たちは訓練を中止して事故現場に急行した。フェリーの船底には30メートル程の亀裂が生じていた。乗客620人の避難には四時間以上を必要としていたが、船体がそれまで耐えられるとは考えにくかった。傾きが50度を超えれば転覆する危険が増し、船内に残されている195台の車両が大惨事の要因となるからだ。仙崎と二等海上保安士の吉岡哲也は逃げ遅れた人を探すために船内に入ったが、フェリーが暗礁から滑り落ちたことで船体が大きく傾いたため、危険と判断してエントランスに避難した。ところがそこはパニックを起こした人で溢れ返っていた。呆然とする仙崎の目に飛び込んできたのは、どうしようもなくて立ち尽くす環菜の姿だった。仙崎の言葉にショックを受けた環菜は、車を運転するのが面倒になりフェリーに乗り込んだのだ。環菜のそばに駆け寄った仙崎は早く避難するように言ったが、手荷物は持つなというアナウンスが聞こえたにも関わらず彼女はウェディングドレスが入ったトランクを離そうとしなかった。仙崎は早く船を降りろと環菜を促すと怪我をした妊婦の治療に専念した。環菜は仙崎が遠く離れて行くような気がしてならなかった。人のいないレストランで妊婦・本間恵の治療を終えた仙崎は、車両甲板を通った方が出口に近いという彼女の言葉に従った。恵はフェリーの売店で販売員として働いているのだ。二人が階段を降りていると車のエンジンを吹かす音が聞こえ、慌てた仙崎は車に駆け寄って止めさせた。男・海老原真一は高級外車に傷を付けたらただじゃすまんぞと凄んだが、ガソリンの臭いに気付いた仙崎は彼の腕を掴んで走り出した。そのとき船体が大きく傾き、車が次々と横滑りして襲い掛かってきた。そしてフックの付いたチェーンが配電盤を直撃し、そこから火災が発生した。火は車両から流れ出したガソリンに引火し大爆発を起こした。

船内確認が完了し、最後の乗客・乙部志保里がライフジャケットを着けたことで救助活動は終了したかに思えた。ところが機動救難隊隊長・北尾勇は、仙崎からの報告でまだ乗客が残されていることを知った。遭難者の救助に向かい仙崎たちと合流した吉岡だったが、爆発に巻き込まれて目標物を失い現在地がわからなくなってしまった。そこで警備救難部救難課専門官・下川嵓に支持を仰ぎ、目印を探すことになった。配管に68-4Tと書かれた文字を発見したが、浸水は激しくなり室内の温度も上昇していた。第十管区海上保安本部で船内配管図を調べ挙げ、そこが2階の濾過循環室であることがわかった。それは最悪の状態だった。下は完全浸水、上は火災で彼らの逃げ場はなくなっていた。

屋台的映画館

リング0 バースデイ

  • posted at:2009-03-03
  • written by:砂月(すなつき)
りんぐぜろばーすでい
「リング0 バースデイ」製作委員会(角川書店=アスミック・エース エンタテインメント=東宝=イマジカ=日本出版販売=住友商事)
配給:東宝
製作年:2000年
公開日:2000年1月22日 併映「ISOLA 多重人格少女」
監督:鶴田法男
エグゼクティブプロデューサー:原正人
プロデューサー:小川真司 永井正夫 一瀬隆重
原作:鈴木光司
脚本:高橋洋
音楽プロデューサー:浅沼一郎 安井輝
音楽:尾形真一郎
主題歌:「finale」L’Arc~en~Ciel
撮影:柴主高秀
美術:山口修
照明:渡部嘉
録音:瀬川徹夫
編集:須永弘志
特殊造形:原口智生
装飾:大庭信正
スクリプター:天池芳美
サウンドエフェクト:倉橋静男
助監督:片島章三
製作担当:森賢正
製作プロダクション:アスミック・エースエンタテインメント
出演:仲間由紀恵 田辺誠一 田中好子 麻生久美子 若松武史
アメリカンビスタ カラー 99分

中央日報の記者・宮地彰子は11年前に山村貞子の担任を受け持った教師・須藤を訪ねた。入学が遅れた貞子は母親が亡くなるとすぐに父親に引き取られて島を去って行った。彼女が通っていた大島町立一ノ瀬小学校には彼女の写真が一枚も残っていなかった。須藤は、貞子は頭が良くきれいな子だったが海をひどく怖がっていたと彰子に証言した。水泳の時間にクラスで浜に出たが、海に入ったらみんな死ぬと言って貞子は怯えた。そして14人が溺れて死んだ。

昭和31年、貞子の母親・志津子が精神を病んで自殺したことで、山村貞子は生まれ故郷である伊豆大島の差木地を離れることになった。彼女を引き取ったのは父親の伊熊平八郎だった。平八郎は、千里眼を持っていた志津子の信奉者で心理学者だった。昭和43年、18歳になった貞子は上京し劇団「飛翔」の研修生となった。彼女は見えないものを見ることがあるため精神科に通院していたが、久野亘医師の勧めもあって芝居に打ち込むことにしたのだ。だがそれ以来、劇団内には不穏な空気が漂い、人間関係はギクシャクした。葉月愛子は楽屋で、貞子が来てからおかしなことばかり起こると有馬薫にこぼした。霊感が強い愛子は貞子の背後に何かが見えるというのだ。そして井戸も。愛子が最近見た夢の話をすると、私も見たと薫はつぶやいた。それは、井戸のある古い家に入って行くと二階へ上がる階段があり、そこから先へは怖くて行けない、という夢だった。舞台の稽古が始まったが、愛子は椅子に座ったまま動かなかった。不審に思った薫が声を掛けると愛子は既に死んでいた。

彰子は30年前に行われた志津子の千里眼の公開実験について調査をしていた。彼女は平八郎の弟子である久野に取材を試みたが、博士が提唱した学説は本人が否定したのだからそれに従うと久野は言った。すると彰子は、平八郎が学会を追放されるきっかけとなった公開実験の録音テープを、立ち会った人たちが死んだことは実験とは無関係だと主張する久野に聞かせた。テープには怒号の他に不快な音が記録されていた。

舞台初日の直前で主演女優を失い、劇団員はみな混乱していた。そんな中、演出家の重森勇作は代役として貞子を抜擢した。周囲からの冷たい視線に落ち込む彼女をかばったのは、音響効果を担当する遠山博だった。そしてその様子を平静を装って見ていたのは、博に思いを寄せていた衣裳係の立原悦子だった。愛子の死後も起こる奇妙な出来事は貞子が原因だと考えていた悦子は、久野を訪ねて真相を聞きだそうとした。だが久野は何も言えないと言って立ち去った。重森の指導のもと、「仮面」は上演に向けて順調な仕上がりを見せていた。その頃、舞台のチラシに書かれた名前で貞子の所在を知った彰子は、取材と称して劇団に接近した。彰子が社に戻ると、須藤が彼女を訪ねて上京していた。彼女は今まで誰にも口外したことがない話を口にした。貞子が学校に通っていた頃、山村家を訪ねた須藤は二階の奥にいたもう一人の貞子を目撃したのだった。彰子が貞子を追う理由、それは彼女への復讐だった。12年前に行われた公開実験で最初に死んだ新聞記者は彼女の婚約者だった。それ以来、貞子の行方を追い続けていたのだ。婚約者の恨みを晴らすため、そして呪われた劇団員を救うために暗殺を計画した。

屋台的映画館

リング2

  • posted at:2008-12-29
  • written by:砂月(すなつき)
りんぐつー
「リング2」製作委員会(角川書店=アスミック・エース 東宝=住友商事=IMAGICA=日本出版協会=オメガ・プロジェクト)
配給:東宝
製作年:1999年
公開日:1999年1月23日 併映「死国」
監督:中田秀夫
エグゼクティブプロデューサー:原正人
プロデューサー:一瀬隆重 石原真
原作:鈴木光司
脚本:高橋洋
音楽:川井憲次
主題歌:「氷のように微笑んで」今井美樹
撮影:山本英夫
美術:斎藤岩男
照明:小野晃
録音:柿澤潔
編集:高橋信之
サウンドエフェクト:柴崎憲治
助監督:李相國
プロダクションマネージャー:宮内眞吾
製作協力:アスミック・エース
製作プロダクション:オズ
出演:中谷美紀 佐藤仁美 深田恭子 小日向文世 沼田曜一
アメリカンビスタ カラー 95分

あの忌まわしい事件から一週間が経ち、古井戸の中から発見された山村貞子の死体が解剖された。井戸は貞子の母・志津子が持つ千里眼の研究者・伊熊平八郎の敷地にあり、30年前に売却されてからは一度も開けられたことがなかった。にも関わらず、検視の結果は死後1、2年しか経っていないことが判明した。もしそれが事実であれば、貞子は30年近く井戸の中で生きていたことになるのだ。遺体の身元確認にやってきた志津子の従弟・山村敬は、貞子の怨念の凄まじさに身も凍る思いをした。

貞子の遺体を発見した恋人・高山竜司の死に疑念を抱いていた高野舞は、もう一人の発見者で一人息子の陽一と一緒に行方がわからなくなっている浅川玲子を捜して、彼女が勤めるテレビ局を訪れた。テレビディレクターの岡崎は、先輩の玲子から託された呪いのビデオの取材を継続していたのだった。舞とともに謎を究明することになった岡崎は、玲子の部屋で異様な光景を目撃した。テレビが打ち壊され、空の浴槽の中ではビデオテープが燃やされていたのだ。だがそれが究明に直結するとは到底思えなかった。陽一のことを学校で調べようとした岡崎は住所録を探そうと引き出しの中を掻き回していたが、底の方からペンションで撮影された複数の写真が出てきたのだ。そのとき電話のベルが鳴った。

玲子の父・浩一が遺体で発見された。側には「ビデオは処分した。もう何も心配することはない」というメモが残され、二つのビデオデッキが繋がれていた。呪いのビデオの取材を行っていた岡崎は、ついに友人がビデオテープを持っているという女子高生・沢口香苗と出会った。岡崎がそれを手に入れて欲しいと頼むと香苗はためらいながらも了承した。そのとき取材している喫茶店の前を舞が通り掛かり、岡崎は後をカメラマンに任せるとこれまでにわかったことを彼女に説明した。玲子はペンションの写真に写っている彼女の姪・大石智子の死を不審に思い取材を続けていた。智子が死んだ夜、彼女と一緒にいた倉橋雅美はもがき苦しむその姿にショックを受け、口が利けなくなったのだ。精神病院を訪ねた舞は、彼女の担当医師で高山の大学時代の同期である川尻医師と会った。この病院では患者が抜け出したときのことを考えてカルテに写真を貼ることにしていたが、雅美をインスタントカメラで撮影すると何故か写真に妙なものが写り込むのだ。超常現象にも詳しい川尻は、それが念写による感光現象であることを突き止めたのだった。雅美と会った舞は、彼女の心に入り込み貞子の怨念がとり憑いていることを知った。雅美は舞に向かって大声で「助けて」と叫んだが、それは彼女が入院して初めて発した言葉だった。

屋台的映画館

リング

  • posted at:2006-03-10
  • written by:砂月(すなつき)
りんぐ
「リング」「らせん」製作委員会(角川書店=ポニーキャニオン=東宝=IMAGICA=アスミック=オメガ・プロジェクト)
配給:東宝
製作年:1998年
公開日:1998年1月31日 併映「らせん」
監督:中田秀夫
エクゼクティブ・プロデューサー:原正人
プロデューサー:河井真也 一瀬隆重 仙頭武則
アソシエイトプロデューサー:石原真
ラインプロデューサー:磯村達也
原作:鈴木光司
脚本:高橋洋
撮影:林淳一郎
音楽:川井憲次
オリジナルソング:「feels like ”HEAVEN”」HIIH
美術:斎藤岩男
照明:前原信雄
編集:高橋信之
助監督:李相國
製作担当:中村哲也
特別協力:WOWOW
出演:松嶋菜々子 真田広之 中谷美紀 沼田曜一 竹内結子
アメリカンビスタ カラー 95分

9月5日日曜日、大石智子の家に遊びに来ていた倉橋雅美は、呪いのビデオの話をした。小学生の男の子が家族と伊豆のペンションに泊まったのだが、東京でいつも見ている番組を見逃したくなくて部屋にあったビデオデッキで録画予約をした。だが伊豆は東京とチャンネルが違っていたためにビデオテープには目当ての番組が録画されていなかった。そのテープを自宅に持って帰って再生してみると、女が指差して「おまえは一週間後に死ぬ」と言った。男の子が驚いてビデオを止めたのと同時に電話が掛かり、受話器の向こう側から「見ただろう」という声が聞こえた。男の子は一週間後の同じ時間に死んだ。話を聞き終えた智子を不安が襲った。友人たちと一緒に伊豆へ旅行したときに同級生の岩田が変なビデオを見つけたのだ。何だろうと思いながらみんなで見たのだが、見終わったときに電話のベルが鳴り、誰かが受話器を取った。あの日から今日が一週間目だった。

子供たちの間で噂になっている「呪いのビデオ」について取材をしているテレビディレクターの浅川玲子は、姪・智子の葬儀に出席した。遺体は警察で解剖されたが、事件性はないと伝えられた。だが棺を一度も開けなかったことから、ただ事ではないと親戚中で噂になっていたのだ。数日前に車中で変死した女子高生が智子と同じ聖啓女子学園であることを知った玲子は、葬儀に来ていた友達に詳細を聞いてみることにした。そこで彼女は別荘に泊まった四人が同じ日に死んだことを知った。気落ちする叔母を慰めに行った玲子は、智子の机の上に置いてあったカメラ店の預り証を見つけた。店で受け取った写真は8月29日に伊豆パシフィックランドで撮影されたものだったが、四人が写った一枚だけ顔の部分が歪んでいた。

9月13日月曜日、玲子は現地での取材を敢行した。管理人室で宿泊者を調べてもらっていると棚に並んだ映画のビデオテープのケースに違和感を感じた。一番下の左隅にある一本だけ白いケースに入っていたのだ。気になった玲子は管理人にそのことを尋ねたが、彼は客の忘れ物かも知れないと言った。玲子は事件の発端になったとされるB4号棟にそのテープを持ち込み、リモコンの再生ボタンを押した。

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