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チーム・バチスタの栄光

  • posted at:2010-06-17
  • written by:砂月(すなつき)
ちーむばちすたのえいこう
TBS=東宝=「このミス大賞」連合=MBS=CBC=RKB=HBC=S・D・P=朝日新聞社=TCエンタテインメント=クロスメディア
配給:東宝
製作年:2008年
公開日:2008年2月9日
監督:中村義洋
製作:加藤嘉一 島谷能成 劒重徹 當麻佳成 細野義朗 林尚樹 松田英紀 溝口博史 後藤尚雄 仲尾雅至
エグゼクティブプロデューサー:間瀬泰宏
企画:市川南
プロデューサー:佐倉寛二郎 山内章弘
ラインプロデューサー:橋口一成
原作:海堂尊
脚本:斉藤ひろし 蒔田光治
撮影:佐々木原保志
音楽:佐藤直紀
主題歌:「You’re my sunshine」EXILE
照明:祷宮信
録音:小野寺修
美術:部谷京子
編集:阿部亙英
キャスティング:空閑由美子
装飾:小池直実
スクリプター:柳沼由加里
助監督:高野敏幸
製作担当:畑山佳津子
出演:竹内結子 阿部寛 吉川晃司 池内博之 玉山鉄二
アメリカンビスタ カラー 118分

心臓移植が困難な拡張型心筋症の患者には、難易度の高いバチスタ手術が行われる。バチスタ手術とは拡張した左心室の心筋を切り取り、形を整えた後に縫い縮める方法である。一般的な成功率が6割程だったが、東城大学付属病院の外科医・桐生恭一は着任して一年の間に26回の手術を連続で成功させた。評判は全国に知れ渡り患者が各地から集まって来たが、桐生率いる「チーム・バチスタ」は何故かその後、三例の失敗を重ねた。事態を重く見た桐生が病院長の高階権太に相談をした結果、内部調査が行われることになった。高階は有働喜三郎神経内科学教室教授に調査を依頼したが、彼は私用を理由に職務を心療内科不定愁訴外来医(愚痴外来と呼ばれることが多い)の田口公子に押し付けたのだった。本来、このような調査はリスクマネジメント委員会が担当するのだが、事を大袈裟にしたくない高階は公子に調査を一任した。専門知識がない者を起用したことは、物事を客観的に捉えることが出来るからだった。

「チーム・バチスタ」はリーダーで執刀医の桐生の他に、彼の右腕と呼ばれる第一助手の垣谷雄次、第二助手の酒井利樹、麻酔医の氷室貢一郎、人工心肺を操作する臨床工学技士の羽場貴之、看護師の星野響子、病理医の鳴海涼の七人で構成されている。27回目以降の手術のうち、ケース27、29、30でいずれも成人の患者が死亡したが、何故かケース28の子供の患者だけ成功していた。公子は個別に聞き取り調査を行い、寿退職した響子に替わって入った大友直美が手術の流れに微妙な狂いを生じさせているという証言を垣谷から得た。彼女が加わったのはケース27からだったが、酒井の見解は違った。器械出しが替わったからといって手術が失敗するはずがなく、桐生のペースに付いて行けない垣谷の方に問題があると言うのだ。垣谷は次期助教授の呼び声が高かったが、アメリカから桐生が来たことでその立場が危うくなった。つまり手術の失敗を一番喜んでいるのは垣谷だと酒井は言った。一方で垣谷と同じ考え方をする者もいた。それは自分の未熟さを責める直美だった。彼女は響子との力量差がチームのリズムを狂わせ、患者を死に追い込んだのだと思い悩んでいた。公子は羽場にも直美のことを尋ねてみたが、人工心肺装置の操作に夢中でわからないという答えが返って来た。

ドクターヘリでアガピ・アルノイドという西アフリカの少年兵が急患として運ばれて来た。政府軍に撃たれ重傷を負った少年は国境なき医療団によって一命を取り留めたが、重い拡張型の心筋症が見つかった。反政府ゲリラということでアメリカが治療を拒否したことで「チーム・バチスタ」に白羽の矢が立ったのだ。そんな中、公子は忙しい氷室を捉まえ、術死が起きる前と後で何か違いがないかと尋ねた。氷室は思い当たることは何もないと答えたが、次は子供だから大丈夫じゃないかなと付け加えた。万が一の場合、国際問題に発展することも考えられたが、桐生は子供への手術で失敗をしたことがなかったからだ。切除した心筋から一部を切り取って凍らせ、薄切した部位を顕微鏡で見て確認を行うのが病理医・鳴海の仕事だ。公子は失敗した三例について尋ねたが、鳴海はナッシングでパーフェクトだと答えた。彼の右腕には大きな切り傷があり、それを不思議そうに眺める公子に気付いた鳴海は、外科医時代の不注意で出来たことを話し始めた。鳴海は桐生の義理の弟で、アメリカにいたときからチームを組んでいたが、細かい作業が困難になったことを理由に病理医へ転身したのだ。鳴海は三例の術死を殺人だと考えていた。

桐生の直属の上司で臓器統御外科の黒崎誠一郎教授が立ち会う中、ケース31は行われた。手術は困難を極めたが無事に終わり、公子はホッと胸を撫で下ろした。問題は何も見つからなかったという内容の報告書を提出し、いつもの日々に戻った公子のもとへ現れたのは、厚生労働省大臣官房付・白鳥圭輔だった。高階とは古くからの付き合いだという白鳥は、一連の術死は医療事故に見せかけた殺人だと断言した。

屋台的映画館
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地球防衛軍

  • posted at:2009-05-08
  • written by:砂月(すなつき)
ちきゅうぼうえいぐん
東宝
配給:東宝
製作年:1957年
公開日:1957年12月26日 併映「サザエさんの青春」
監督:本多猪四郎
制作:田中友幸
原作:丘見丈二郎
潤色:香山滋
脚本:木村武
撮影:小泉一
美術:安倍輝明
録音:宮崎正信
照明:岸田九一郎
音楽:伊福部昭
監督助手:梶田興治
編集:岩下廣一
現像:東洋現像所
制作担当者:坂本泰明
特殊技術・撮影:荒木秀三郎 有川貞昌
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:城田正雄
特殊技術・合成:向山宏
特技監督:円谷英二
出演:佐原健二 白川由美 河内桃子 平田明彦 志村喬
シネマスコープ カラー 88分

天体物理学者の白石亮一は、富士山麓に近い小さな村に移り住んでいた。夜通し行われる村祭りの夜、遊びに来ていた同僚の渥美譲治は亮一に岩本広子と一緒に踊れよと促した。すると二人の間は気まずい雰囲気になり、亮一は境内の外へ歩いて行った。彼のあとを追いかけた譲治は、広子との婚約を解消した理由を聞き出そうとした。すると亮一はしばらくこの村で暮らすから誰とも結婚をする気はないと言った。天体物理学者をやる者がここにいてどうするんだと尋ねたとき、亮一は向こうの山で火事が起きていることに気付いた。そして先に帰れと譲治にいうとその方向に走って行った。山火事は木の根元から火が立ち上るという奇妙な燃え方をしていた。亮一はその後、姿を消した。

亮一の様子を譲治に見に行かせたのは天体物理学の権威・安達賢治郎博士だった。預かった封筒には論文が入っており、安達はタイトルを見るなり相変わらずだなと言った。その「ミステロイドの研究」という論文は、火星と土星の間にある小さな星の群れはかつて一つの遊星だったという持論で、彼はその星をミステロイドと呼んでいた。だが途中までしか書いておらず、安達は自尊心の強い男が珍しいと首をひねった。そのとき譲治が勤める大学から村が大きな地滑りを起こしているという連絡が入った。心配になった譲治は再び村に戻ることにしたが、車中でこの地震は人工的なものかもしれないという話を警察官から聞き、不安にかられた。現場では壊れた神社の鳥居が本来とは違う場所で見つかったり、前日に見られた放射能の反応が極端に下がるなど奇妙なことが多発していた。譲治は警察官とともに山火事の現場に向かったが、その途中でジープのタイヤが焦げてパンクした。熱を持った地面にガイガーカウンターを向けると放射能の反応があり、原因を調べているうちに突然目の前の山が崩れ巨大なロボットが出現した。譲治たちは光線を放つロボットから命からがら逃げ出した。富士中央警察署は対策本部を置き、防衛隊に出動要請を行った。ロボットが次々と街を破壊して行く中、防衛隊は防御線を張って住民を避難、誘導した。そして火炎放射器やロケット砲などで応戦すると川の方へ誘い込み、鉄橋もろとも爆破した。落下したロボットは大破し活動を停止した。

天体望遠鏡で月を観測していた安達は、月の裏側に不思議な現象が起きていることに気付いた。それは亮一の論文に書かれていたことと一致していたのだ。安達は訪ねてきた譲治に写真を見せ、飛行物体が月、人工衛星、地球を往復しているという論文の内容を説明した。すると譲治も、亮一の妹・江津子と避難する際に三機の円盤を見たことを明かした。驚いた安達はマスコミを通じて全世界に情報を発信した。

屋台的映画館

地平線がぎらぎらっ

  • posted at:2008-03-02
  • written by:砂月(すなつき)
ちへいせんがぎらぎらっ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1961年
公開日:1961年3月1日
監督:土居通芳
原作:藤原審爾
脚本:内田弘三 土居通芳
企画:小野沢寛
撮影:森田守
音楽:松村禎三
美術:小汲明
照明:石森浩
録音:片岡透
編集:神島婦美子
助監督:深町幸男
製作主任:藤岡治郎
出演:ジェリー藤尾 多々良純 天知茂 沖竜次 大辻三郎
シネマスコープ モノクロ 89分

ヤクザとの抗争で相手を刺殺した太田政吉(通称カポネ)、婦女暴行の大平義男(通称色キチ)、麻薬の密輸で現行犯逮捕された佐野鉄治(通称海坊主)、情報を逆手に顧客を強請った興信所所長の松田茂(通称教授)。この四人が収監されている第27房に、新入りがやってきた。
バーテンダーだった土屋啓一郎はキャバレーのホステスとして働く妻にちょっかいを出した男のどてっぱらに風穴を開けたという話を披露した。そして以前服役した経験を生かして要領よく振る舞うと、彼のことを気に入った古株のカポネはバーテンというあだ名をつけて可愛がった。房内で保たれていた秩序が乱れたのは、次の新入りがきてからだった。新波(通称マイト)は型破りな青年で、横柄な態度を取る彼をカポネたちは袋叩きにした。それでも歯向かおうとしたことから、教授は刑務所でのしきたりとして、新人は挨拶、土産物、居場所は便所脇と決まっており、デカい面をするには前科がものを言うことを教えた。だが謝る気など更々ないマイトは歯向かい続け再び袋叩きに遭うのだった。夜が深まり皆が寝静まった頃、マイトは突然起き上がり、バケツをドラム代わりにして大声で歌い出した。そして取り囲まれると、4年経ってシャバに出たらこの敵を取ってやるから忘れんなよと怒鳴った。

連日騒ぐマイトのおかげで睡眠不足に陥った5人は作業に身が入らなかった。ちょっとしたことでイラつくカポネに、若い者は自分たちと考え方が違って仁義も作法もないのだから気を大きく持って住み良いようにやらせてみないかと教授は提案した。だがカポネは若者に舐められないためにしきたりを守るんだと言った。そしていざとなれば傷一つつけずに殺れる手を知ってるんだと掌の中のものを見せた。作業場で騒ぎを起こしたマイトが手錠をはめられていたことから、カポネは運ばれてきた夕食に毒薬を混ぜて彼を殺そうと企んだ。だがそれを阻んだのは意外にも海坊主だった。彼は他の仲間から聞いた話を4人に静かに話し始めた。マイトは金融業者殺しの共犯で、何処かに大量のダイヤモンドを隠しているというのだ。それを聞いたカポネたちは掌を返したように猫なで声でマイトに近づき、捕まった経緯を聞くことにした。

逗子に別荘を持つマイトの彼女の父親は金貸しで、戦時中の供出ダイヤモンドを係だった彼がどさくさ紛れに持ち出したことをマイトのアニキが調べ上げたのだ。その洋館には隠し金庫があり、父親を脅すと震えあがって半分出すと言ったのだが、ブローニング銃を突きつけてきたことで殺したのだ。カポネはそのダイヤモンドの在り処を聞き出そうとしたが、マイトはそんなことをおめえたちに教えられるかと吐き捨てた。だが地平線のぎらぎらしたところにちゃんと埋めてあるんだと自慢げに言った。

屋台的映画館

痴人の愛(1967年)

  • posted at:2006-03-05
  • written by:砂月(すなつき)
ちじんのあい
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1967年
公開日:1967年7月29日 併映「悪魔からの勲章」
監督:増村保造
企画:久保寺生郎
原作:谷崎潤一郎
脚本:池田一朗
撮影:小林節雄
音楽:山本直純
録音:渡辺利一
照明:柴田恒吉
美術:間野重雄
編集:中静達治
助監督:岡崎明
衣裳考証:真木小太郎
製作主任:林秀樹
現像:東京現像所
出演:安田道代 小沢昭一 田村正和 倉石功 内田朝雄
スコープサイズ カラー 95分

精油所の技師・河合譲治は酒やギャンブルに縁がなくスポーツにも興味がないことから、上司から稀に見る真面目人間だと思われていた。だが彼は密かにペットを飼育していた。

譲治がナオミを初めて見たのは行きつけの喫茶店だった。陰気で無口で顔色の悪い18歳のウェイトレスだったが、利口そうな彼女をあんな店に置いておくのはもったいない。引き取って教育し、立派な女になれば結婚してもいいと考えていた。彼女の実家は飲み屋で、夜はそこで働いている。ナオミの家族が譲治の考えに賛同したため、海から近く日当たりも空気もいい貸別荘を一軒借りて下宿から移り住んだ。だがナオミとは結婚したわけではなかった。親切なおじさんとして務めるため、寝室は別だった。譲治は趣味の写真とともにナオミの成長記録を克明につけた。
ナオミは日毎に元気になり、子猫のようにピチピチとして快活だ。肩、胸、腰、足、どの部分を眺めてもかぶり付きたいような魅力を持っていた。譲治はいつも風呂場でナオミの体を隅々まで磨いていたが、彼女はある晩、お嫁さんにして欲しいと言った。譲治は理想的な女になるまで我慢しようと決心していたが、欲望に負けてしまった。翌日、譲治はナオミの母・阿部正子に会い、正式に籍を入れたいと申し出た。一年間他人だったことに驚いた正子は、煮て食おうと焼いて食おうとご勝手にと言った。ナオミはこの家が大嫌いだった。だから譲治に拾われたことに感謝していた。一方、譲治もナオミと出会えたことを幸運に思っていた。

田舎の母親に許しを貰い、ナオミは譲治の正式な妻となった。だが大っぴらな結婚式は先に延ばした。二人だけの楽しい世界を人に知られたくなかったからだ。ナオミの体は日に日に美しくなり、胸もお尻も大きくなって見事に成熟してきたが、天は二物を与えなかった。賢い立派な女になる気配が全くなかったからだ。例えばナオミが選ぶ服は、ただけばけばしいだけで品がなく、贅沢で何着も買いたがった。20万円のピアノを買い与えたのに、先生が気に入らないから辞めると言った。料理も洗濯もせず、食事は外から取り寄せ汚れ物は放りっ放しだ。譲治は、だらしがないナオミを一度「締める」必要があると考えた。退屈だというナオミに譲治は英語の勉強をさせようとした。だがナオミはわからないと言ってテキストを破り捨ててしまった。頭にきた譲治は、結婚を止めにしてあの家に戻るか、それとも謝って言いなりになるかを選択させた。ナオミは手を付いて謝ったが、もし習うのなら英語ではなくイタリア語をやりたいと言った。近所の貸別荘に住むアメリカ将校の奥さんがイタリア人で、自宅で教えているからだ。譲治はダメだと言ったが、熱意に負けて了解してしまった。英語が嫌いな上に譲治からバカだと言われたナオミは、わざと出来ないふりをしてからかっていたのだ。ナオミは譲治に向かって「馬になりなさい」と言った。主導権を持っていた譲治はいつの間にか馬乗りの馬に成り下がっていた。

屋台的映画館

超能力者 未知への旅人

  • posted at:2005-07-22
  • written by:砂月(すなつき)
ちょうのうりゃくしゃみちへのたびびと
東映
配給:東映
製作年:1994年
公開日:1994年6月11日
監督:佐藤純彌
プロデューサー:河瀬光
脚本:早坂暁
企画:岡田裕介
撮影:浜田毅
音楽プロデューサー:石川光
音楽:長谷部徹
テーマ曲:「光は闇の中に」タカツカヒカル&TRY&…U
美術:小澤秀高
編集:西東清明
照明:渡邊孝一
録音:佐原聡
サウンドアドバイザー:本田孜
監督補:阿井正樹
助監督:山本伊知郎
進行主任:菊池淳夫
出演:三浦友和 原田美枝子 長谷川初範 フランキー堺 丹波哲郎
アメリカンビスタ カラー 111分

広告代理店に勤めるごく平凡なサラリーマン・タカツカヒカルは、母親が危篤状態に陥ったという連絡を受け、急遽病院に駆けつけた。担当医の石田の話では、タカツカの母は心筋梗塞による心臓は破裂寸前となり、あとは死を待つばかりとなっていた。悲しみに暮れるタカツカは死なないで欲しいと願い、母の左頬に右手をかざした。そのとき、彼の体に異変が起きた。突然体内に電流のようなものを感じると、右手は無意識のうちに母の胸の上に動いていた。すると低下していた血圧は上昇し、彼女は意識を取り戻した。そして数日後には退院するまでに回復した。石田には信じられなかったが、レントゲン写真に危険な箇所は見受けられなかった。

タカツカが母親の病気を超能力で治癒させたことは社内の食堂で知れ渡ってしまった。その話を聞いておもしろがった同僚の田村がタカツカにスプーンを渡すと、彼はいとも簡単に曲げてしまった。その後も見当たらない書類の在処が見えたりと説明できないことばかりが起きた。ある休日、妻の明子とともに母の顔を見に行ったタカツカは、彼女から子供の頃に起きた話を聞かされた。タカツカは六歳のときに奥多摩の川に落ち、五分以上行方がわからなかった。大人でも助からない状況で息を吹き返したことから、この子には何か特別な力があるのではないかと母は考えていた。だから病気が治せても不思議ではない、と。しかし明子は、夫の持つ特殊な能力のおかげで穏やかな日常が変わるのではないかと不安がった。

タカツカの会社に出入りするカメラマンの森は、タカツカに再生不良性貧血の姪を同じ方法で治して欲しいと頼み込んだ。断わりきれないタカツカは渋々了承した。その治療の様子は森を通じて週刊誌に発表され、評判を聞いた難病患者が連日、会社に大挙して押し寄せた。さらに医師協議会からは医師法違反で訴えられ、警視庁で取調べを受けることになった。取調べの様子を見ていた医務監視係の島田は、医師法や医療類似行為に違反していないと結論付けた。タカツカは無報酬であり、さらに医療行為である診察、診断、治療の三段階の行為を患者の体に触れることなく行うことは不可能だというのが理由だった。彼の行為が医師法違反でないことは証明されたが、会社では大問題になっていた。ロビーにあふれかえるほど患者がいれば、通常の業務に影響が出るからだ。そこで土、日だけ自宅のマンションで患者を治したいと明子に相談したが、彼女は大反対だった。タカツカは、患者たちが見せるすがるような目を忘れることが出来なかった。

タカツカの生活は未知の力を使い始めてから一変した。あれだけ好きだったアルコールが飲めなくなり、タバコと水、そして三時間の睡眠時間があれば疲れ知らずだった。しかしその負担は全て明子が背負い込んでいた。途絶えることのない患者とひっきりなしに掛かる電話、見ず知らずの人からの誹謗中傷に耐えられなくなっていた。そしてついに急性アルコール中毒で倒れてしまった。タカツカは力を使って治そうとしたが、何故か能力は発揮されず、慌てて救急車を呼んだ。

社長室に呼ばれたタカツカは、塙社長から情報開発部で働くように言われた。彼の仕事は、特殊能力を使って顧客先を開拓し、幅広い関係を築くことだった。初仕事で京急電鉄・村沢社長の足に出来たガンの治療を施したことで、会社は100億を超える取引を手に入れた。気を良くした塙は特別ボーナスを出すと言ったが、タカツカはそれを断わって週4日の出社にし、その他の日を患者の治療に当てたいとお願いした。社長は了承したが、それを後藤専務が就業規則に関わるという理由から契約社員になるように勧めた。治療活動を優先したタカツカの収入は激減し、今のマンションから家賃の安いマンションに引っ越すことになった。その作業中にやってきたのは、日本宗教研究会の理事・室伏だった。彼はタカツカに神様になるように言った。

屋台的映画館

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