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夜がまた来る

  • posted at:2012-11-29
  • written by:砂月(すなつき)
よるがまたくる
ビデオチャンプ=キングレコード=テレビ東京
配給:アルゴ・ピクチャーズ
製作年:1994年
公開日:1994年10月22日
監督:石井隆
製作:酒井俊博 池口頌夫 小林尚武
プロデューサー:新津岳人
宣伝プロデューサー:関根房江
アシスタントプロデューサー:國生晃司
脚本:石井隆
撮影:笠松則通
音楽:安川午朗
照明:市川元一
録音:杉山篤
整音:小野寺修
音響効果:中村佳央
美術:山崎輝 金勝浩一
編集:北澤良雄
記録:松葉摂胡
スタイリスト:勝俣淳子
衣裳:松本美奈子
メイク:山本佐奈恵
特殊メイク:原口智生
助監督:石田和彦
製作担当:宮川健治
製作主任:神谷英男 黛威久
制作進行:小野寺敦
企画製作:アルゴ・ピクチャーズ ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
出演:夏川結衣 根津甚八 寺田農 椎名桔平 永島敏行
アメリカンビスタ カラー 108分

横浜湾に男の死体が浮かんだ。土屋満、現職の警察官だった。土屋は麻薬ルート解明のために囮捜査で池島組に潜入していたが、真相の発覚を恐れた警察は彼に汚職の濡れ衣を着せた。このスキャンダルに飛びついたマスコミは、妻・名美や親族を追い回したのだ。葬儀を終えた夜、池島組のヤクザたちが部屋に乗り込んで来た。土屋が室内に麻薬を隠しているというのだ。男たちは怯える名美を次々とレイプした。幾時間か経ち、名美は目を開いた。そして自分が置かれている状況を把握すると室内にばら撒かれた夫の遺骨で手首を切った。 通報により一命を取り留めた名美は、今でも夫の無実を信じていた。夫を殺したのは池島組会長の池島政信だと確信した名美は、週刊誌に掲載された池島の写真を脳裏に焼き付け駐車場で待ち伏せていた。ナイフを握ってタイミングを見計らっていたとき別の抗争が勃発、名美に気付いた池島組の村木哲郎は彼女を取り押さえると何事もなかったように取り繕ったのだった。絶好の機会を逃し落胆する名美は海岸へ車を飛ばした。そして大量の睡眠薬を服用すると、入水自殺を図ったのだ。だが再び彼女の命を救ったのは村木だった。どうして助けたのかと名美と尋ねると、今度俺の前に現れたらあんたの素性をばらすと言った。池島組と関わるのは止めろという忠告だった。

半年近くが経った頃、名美はみつると名を変えてクラブのホステスとして働いていた。彼女はまだ池島への復讐を諦めていなかったのだ。雪の降るある夜、名美は村木の心配をよそに、客としてやって来た池島に近付いた。泥酔した名美を部屋に連れ込んだ池島は彼女の体を玩ぶと舎弟の柴田一哉に後を任せた。深夜、名美はベッドの隣りで眠る池島を暗殺しようと企てたが、柴田に見破られてしまった。彼の恩情でこの件をもみ消したが、数日後に名美は再び寝込みを襲った。だがナイフは急所を外れ、池島を葬り去ることは出来なかった。激怒した池島は柴田に命じ、名美を拷問に掛けた。組内の極秘情報が外に漏れていたことから、彼女にはスパイの容疑も掛けられていたのだ。村木は暴走族上がりとして入った春日が警察官であることを突き止め射殺した。そして調べ方が甘かったと池島の前で指を摘めて詫びた。血迷いだと判断された名美は場末のバーに売られた。

村木は全国を捜し回り、ついに名美との再開を果たした。だが麻薬漬けにされた彼女は変わり果てていた。村木はバーから名美を連れ出すと、池島組が管理する物件に一緒に住み込み、本懐を遂げさせるべく更生に尽力を注いだ。それからは二人の長く辛い日々が続いた。

屋台的映画館
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妖怪大戦争(2005年)

  • posted at:2011-04-24
  • written by:砂月(すなつき)
ようかいだいせんそう
「妖怪大戦争」製作委員会(角川映画=日本映画ファンド=日本テレビ)
配給:松竹
製作年:2005年
公開日:2005年8月6日
監督:三池崇史
製作総指揮:角川歴彦
プロデュースチーム「怪」:水木しげる 荒俣宏 京極夏彦 宮部みゆき
製作:黒井和男
プロデューサー:井上文雄
原作・脚本プロデュース:荒俣宏
妖怪キャスティング:京極夏彦
脚本:三池崇史 沢村光彦 板倉剛彦
撮影:山本英夫
企画:佐藤直樹
美術:佐々木尚
音楽:遠藤浩二
主題歌:「愛を謳おう」忌野清志郎 with 井上陽水
挿入歌:「教えてジィジ」忌野清志郎 with 井上陽水
照明:木村匡博
録音:中村 淳
編集:島村泰司
音響効果:柴崎憲治
助監督:山本英之
製作担当:朝比奈真一
出演:神木隆之介 宮迫博之 豊川悦司 栗山千明 菅原文太
アメリカンビスタ カラー 124分

10歳の稲生タダシは、母・陽子、祖父・俊太郎と三人暮らし。両親が離婚したことで、4歳年上の姉は父親と、タダシは母の故郷である鳥取で暮らしていた。日中は陽子が働きに出ていたため、最近ボケの始まった俊太郎の世話はタダシが見ていた。東京の生活に慣れたタダシにとって、ここでの生活は戸惑うことばかりだった。神社のお祭りの日、タダシは大勢の子供の中から麒麟送子に選ばれた。麒麟送子とは、世界の平和を守るという正義の味方だ。その昔、子供をさらっていく悪い大天狗をやっつけ、観念した大天狗は麒麟送子の家来になった。麒麟送子は大事な剣を大天狗に預け、この地の守り神になるように言いつけたのだった。それ以来、その役に選ばれた子供は山を登り、大天狗から剣を取ってくるというしきたりが続いていた。一学期の終業式の帰り道、タダシは勇気を振り絞って大天狗の山を登った。ところが山中で聞こえた不気味な声に震え上がり、一目散に逃げた。そしてそこを通りかかったバスに飛び乗った。

タダシは、バスの中でうずくまっていた小動物を連れて帰った。ケガをしたその小動物は、何故か人間の言葉を理解した。それが妖怪・すねこすりだとわかると、タダシは翌日、水木しげる記念館へ行った。すねこすりは、大人には見えなかった。帰宅したタダシは、俊太郎の書き置きを見つけた。その書き置きには、大天狗の山で待つと書かれてあった。驚いたタダシは、自転車を飛ばして山に駆けつけた。陽はとっぷりと暮れていた。タダシは山中で様々な妖怪と出会い、その度に怖気づいた。妖怪たちは彼を脅かし続けたが、悪気はなかった。タダシを誘い出したのは俊太郎ではなく、麒麟送子の先導役である妖怪・猩猩だった。猩猩はタダシに聖剣を抜く資格があるか試したのだ。

その頃、日本の各地では化け物が人間を襲う事件が多発していた。黒幕は、陰陽道の使い手で日本を壊滅させるために度々歴史上に現れた、古代先住民族の怨念=加藤保憲だった。彼は人間に捨てられた機械などの廃棄物の怨念と日本古来の妖怪たちとを、大怨霊ヨモツモノの力で混ぜ合わせ、新種の悪霊・機怪を作り出した。そして加藤の手先となった鳥刺し妖女・アギによって、日本全国の妖怪たちは捕獲された。

猩猩は最終テストを行い、タダシに聖剣を渡した。その時、アギと複数の機怪が現れた。タダシは聖剣を抜くとアギに向けて投げつけた。

屋台的映画館

黄泉がえり

  • posted at:2007-01-28
  • written by:砂月(すなつき)
よみがえり
「黄泉がえり」製作委員会(TBS=電通=東宝=アイ・エム・ジェイ=毎日新聞社=カルチャ・パブリシャーズ=WOWOW=日本出版販売=イマジカ=ツインズジャパン)
配給:東宝
製作年:2003年
公開日:2003年1月18日
監督:塩田明彦
製作:児玉守弘
企画:濱名一哉 神野智
プロデューサー:平野隆
アソシエイトプロデューサー:下田淳行 久保田修
原作:梶尾真治
脚本:犬童一心 斉藤ひろし 塩田明彦
撮影:喜久村徳章
音楽:千住明
主題歌:「月のしずく」RUI
挿入歌:「風の果て」RUI
・・・:「泪月-oboro-」RUI
美術:新田隆之
照明:金沢正夫
録音:細井正次
ビジュアルエフェクト:浅野秀二
編集:菊地純一
スクリプター:柳沼由加里
助監督:毛利安孝
製作担当:斉藤玉恵
ラインプロデューサー:藤原恵美子
宣伝プロデューサー:伴田雄輔
アシスタントプロデューサー:岡田有正 原公男
出演:草彅剛 竹内結子 石田ゆり子 哀川翔 山本圭壱
アメリカンビスタ カラー 126分

九州・阿蘇地方で、戦時中に失踪した少年が当時の姿のまま現れるという出来事が起きた。86歳の内藤サキはその少年の姿を見てすぐに息子の勝男だとわかった。その後、熊本県と医科大との合同調査が行われ、サキが保管していたへその緒と少年のDNA鑑定が一致していることがわかった。ありえないことだが、二人は同一人物である可能性が非常に高いのだ。謎の現象を探るために厚生労働省から派遣された川田平太は、空港で県職員の梶原とサキの親戚でもある医科大の神崎教授から出迎えを受けた。

北阿蘇町役場に勤務する橘葵は今でも死んだ俊介のことを忘れられずにいた。数年前、彼が大好きな海で命を落としたことから、皆と相談し俊介の望みどおり遺骨を海に撒くことになった。葵はそれが気持ちの整理に繋がると思っていたが、愛する人を失った悲しみは予想以上に大きかった。そんな葵は前向きに生きることが出来ずにいたが、斉藤医師と出会うことで人生が変わった。彼女は斉藤のカウンセリングを受けることで本来の自分を取り戻して行った。その日も仕事が終わると診療所でへ行き、捨てられずにいる俊介が大事に育てていたライティアの鉢植えの話をした。このままじゃいけないという葵の言葉を聞いた斉藤は、そう思うってことはそれなりに進歩しているって事じゃないですかと静かに言った。彼の言葉で気持ちが軽くなった葵はバス停でバスを待っていたが、そこを通りかかったサーフィン仲間の車で自宅まで送ってもらうことになった。

その夜、アパートに戻った葵はドアの前で彼女の帰りを待つ平太の姿を見て驚いた。平太と葵は幼なじみで、俊介の葬式以来の再会だった。葵に出張の内容を聞かれた平太は、58年前に阿蘇の森で消えた少年が戻ってきた話をした。すると彼女の顔色が変わった。ある男性から死んだ奥さんが生き返ったので死亡届を取り消して欲しいという依頼が町役場にあったばかりだったのだ。翌日、葵は平太と梶原とともに依頼者宅へ向かった。妻・嘉子を亡くしたことで生きがいを失った津田春雄は老いと死のことばかり考えて生活していた。先週の朝、鉢植えの手入れをしていると後ろに嘉子が立っていたが、春雄はてっきりお迎えが来たのだろうと思っていた。ところが彼女の口から出たのは、ただいまという言葉だった。一方、嘉子には病院で看取られる記憶しかなく、気が付くと庭先に立っていたというのだ。平太たちには二人が嘘をついているようには見えなかった。そこで改めて勝男を再調査することにした。

いじめを苦にして自殺した中学生・山田克典は、自分の葬儀に顔を出し会場にいた親族や関係者たちをパニックに陥れた。当時、彼は心肺停止状態で病院に運び込まれ、胸部切開して直接心臓マッサージを行ったが意識を取り戻すことはなかった。克典はその病院で改めて診察を受けたが、ロープを首に掛けたときに出来た傷や切開の痕は何処にも見当たらなかった。その話を聞いた梶原は、生き返ったというより黄泉がえりだと言った。

屋台的映画館

夜の診察室

  • posted at:2005-11-15
  • written by:砂月(すなつき)
よるのしんさつしつ
大映
配給:ダイニチ映配
製作年:1971年
公開日:1971年9月4日 併映「遊び」
監督:帯盛廸彦
脚本:長谷川公之
企画:林万夫
撮影:中川芳久
音楽:伊部晴美
美術:山口煕
録音:高橋温生
照明:上原正一
編集:中静達治
助監督:伊藤昌洋
現像:東洋現像所
製作主任:井上信彦
出演:松坂慶子 峰岸隆之介 高橋昌也 藤村有弘 真山知子 
シネマスコープ カラー 85分

平和な1970年代の娯楽の一つである商品化されたセックスは、末梢神経に呼びかける情報の氾濫により人々に楽しみよりも苦しみ、喜びよりもむしろ悩みを与えることが多い。そのようないわゆる夜の生活のための診察をするのが麻生診察室である。マンションの6階にあるこの診察室では、精神分析の大家・麻生周造医学博士とアルバイトの石川弘医学士が診察と治療を担当している。リクライニングシートが据えられた診察室の壁にはテレビカメラとマイク組み込まれ、患者の苦しみと悩みはそれらを通して一人一本のビデオテープに記録される。機器の操作は、受付兼記録係で麻生の一人娘の梢が行っているが、そのテープの数は彼女の予想を遥かに超えていた。

常連の患者である柳田民代は予約している時間に診察室を訪れたが、梢から室長の不在を伝えられるとせっかく来たのにこのままでは帰れないと言って駄々をこねた。そこで大学で心理学を専攻している梢が代わりに彼女の話を聞くことになった。民代は毎日イライラのしどおしで夜もろくに眠れない状態が続いていた。その理由を聞くと、民代は主人の浩司が2、3ヶ月ご無沙汰だと言った。献立をスタミナ料理に変えてみたが、今度は鼻血を出して寝込んでしまったというのだ。セックス経験のない梢はそれが夫婦間の性的交渉が実行されていないことだとわかったが、毎日の焦燥感や不眠症は奥様の性的衝動が処理されないところから来る欲求不満が原因ではないかと考えていた。そして結婚から7年目が統計的にも一番危険な時期だと言うと民代もそれを疑い、私立探偵を雇って夫の足取りを調査させたが何もやましいことがなかったのだ。そこで新築した家の寝室にさまざまな工夫を凝らしてみたものの結果は出なかった。悲観したまま診察室を後にした民代は、街角で一枚のビラを受け取った。そこには「倦怠期に悩む奥様のためのチャームスクール開講!!」と大きく書かれていた。早速スクールに足を運んだ民代は講師の言葉を一つひとつ頭の中に入れた。男性と女性では性的興奮への必要条件が違うため、音楽や照明による雰囲気よりも女体に男は魅かれると講師は言った。むしろチラリズムが効果的だと知った民代は、自宅で夫が帰るのを待った。そして帰ってきた浩司が風呂に入るというので彼女は背中を流そうと風呂場に入ったが、浴衣の胸元がはだけているのはみっともないと指摘され第一の作戦は失敗した。そこで今度は夫の目の前で色っぽく着替えをすると、浩司は民代を抱きかかえて寝室に飛び込んだ。ところが途中で止めてしまい、また今度にしましょうと言って寝入ってしまった。

翌日、麻生から欲望は年齢とともに純化されて高まると聞いた民代は、夫が今の家に引っ越してから変わったことを話し始めた。以前は狭い家に住んでいたが、そこには彼女の妹が同居していた。声が聞こえるんじゃないかと心配しながら生活していたため新居には寝室を作ったが、妹は急に嫁いで出て行ってしまったのだ。結果的に二人は理想的な生活を手に入れたが、麻生は妹に気兼ねしなくなったことで刺激が無くなったのが原因ではないかと指摘した。記録室で民代の話を聞いていた好奇心旺盛の梢は、建設会社の設計部長である浩司の調査に乗り出すことにした。

屋台的映画館

妖怪百物語

  • posted at:2005-10-06
  • written by:砂月(すなつき)
ようかいひゃくものがたり
大映
配給:大映
製作年:1968年
公開日:1968年3月20日 併映「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」
監督:安田公義
脚本:吉田哲郎
企画:八尋大和
撮影:竹村康和
特撮監督:黒田義之
音楽:渡辺宙明
美術:西岡善信
録音:大角正夫
照明:伊藤貞一
音響効果:倉嶋暢
編集:菅沼完二
擬斗:楠本栄一
助監督:太田昭和
製作主任:西沢 治
現像:東洋現像所
出演:藤巻潤 高田美和 平泉征 坪内ミキ子 ルーキー新一
シネマスコープ カラー 79分

甚兵衛長屋の隣にある社の宮守・伍平は、突然現れた但馬屋の番頭・藤兵衛や重助から立ち退くように言われ憤慨した。豪商・但馬屋利右衛門は社を取り壊してそこに岡場所を作るというのだ。すでに寺社奉行からは取り壊しの許しを受けており、社と長屋の土地は全て但馬屋のものになっていた。伍平は、あの長屋の土地は甚兵衛さんの持ち家じゃないかと食い下がったが、藤兵衛は当人がうんと言えば文句ないだろうと言った。その言葉に心を痛めたのは甚兵衛の娘・おきくだった。

長屋の住人は甚兵衛の屋敷に集まり、藤兵衛が言った言葉の真偽を確かめた。すると甚兵衛はすまないと頭を下げた。彼は誰にも相談せずに長屋を抵当にして利右衛門から三十両を借りたのだ。甚兵衛の死んだ女房は病気で長い間寝込んでいたが、そこに付け込んだ利右衛門がオランダ渡りのいい薬があると勧めて来た。甚兵衛はその企みあっての親切に甘えたが、借金は積もり積もって行き、利息を払うことで手一杯の状況で借金の全額返済を迫ってきたのだ。その話を聞いて憤る太吉たちに、甚兵衛はもう一度猶予を頼んでみるから事を荒立てないようにと釘を差した。そこに駆け込んできたおきくは、伍平が死んだと言った。伍平は但馬屋の人足たちに抵抗し、殴られて死んだのだ。太吉は但馬屋へ敵討ちに行こうとしたが、それを押し止めたのは同じ長屋に住む浪人・安太郎だった。安太郎は、犠牲を出すだけだからやめとけと太吉に言って屋敷を出て行った。

利右衛門は岡場所建設に関わった人たちを呼び寄せて宴席を設け、百物語という変わった趣向を用意した。これは噺家が百の怪談を語り、一つ済むごとに蝋燭の一つを消すというものだった。最後の火が消えたとき、しきたりとして憑き物落しのまじないをすることになっていたが、利右衛門は妖怪が出るというのは下々の者が言う迷信だといって拒否した。噺家は、謂れがあって昔から伝えられてきたものだからおろそかには出来ないと言ったが、利右衛門は私なりの憑き物落しをするつもりだと言って聞かなかった。利右衛門は、世の中にはこれに勝るお守りはないと言って来客に小判を振舞った。その客の中に安太郎が紛れ込んでいた。

屋台的映画館

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