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キャバレー日記

  • posted at:2015-04-11
  • written by:砂月(すなつき)
きゃばれーにっき
にっかつ
配給:にっかつ
製作年:1982年
公開日:1982年6月25日 併映「白薔薇学園 そして全員犯された」
監督:根岸吉太郎
プロデューサー:岡田裕
企画:成田尚哉
原作:和田平介
脚本:荒井晴彦
音楽:甲斐八郎
撮影:前田米造
照明:野口素胖
美術:菊川芳江
録音:小野寺修
編集:川島章正
記録:河辺美津子
助監督:鈴木潤一
色彩計測:高瀬比呂志
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
出演:竹井みどり 伊藤克信 森村陽子 星野久美子 松田静子
アメリカンビスタ カラー 82分

新宿・歌舞伎町にある明朗会計と濃厚サービスで有名なキャバレー・ミスニッポン。その新宿グラマー店で働く和田が仕事を終えて歓楽街を歩いていると、同じ店で働くナンバーワンホステスの宏美が道の端で酔い潰れていることに気づいた。近づいてくる野郎どもを追い払いタクシーに乗せて見送ろうとしたが、宏美は和田に送って欲しいと言った。制裁を恐れ申し出を断わると宏美は悪態をついて去って行った。翌日、出勤するといきなり課長の福永にいきなり殴られた。二人が一緒にいるところを誰かに密告されたのだ。全国チェーン店の売り上げナンバーワンを目指す新宿グラマー店は、その一環として徹底した軍隊式スタッフ管理が行われ、厳しい風紀規律の中に社員とホステスとの私的交際を禁じていた。たとえそれが喫茶店での同席や駅のホームに居合わせた場合でもだった。午後5時15分、開店前に黙想が行われ、それが終わるとスタッフ全員で店歌を歌った。そして同志八ヶ条を唱和すると新たな一日が始まるのだ。

ミスニッポンでキャンペーンが行われることになり、今まで一度も負けたことがないと豪語する河本店長は私を勝たせてくださいとホステスの前で土下座した。どんな手を使ってでも売上を伸ばせという福永の号令のもと、ホステスたちはあらゆる手段を使って客の財布の紐を緩めて行った。社員一丸となった努力の結果、新宿グラマー店はついに全国3位となった。神田店、立川A館に追い付き追い越すために、河本はフラワータイムを発案した。フラワータイムでは客を必ず昇天させて退店させるというものだったが、飲酒していることもありうまく行かないこともあった。その場合は手だけでなく、嫌でも口や本番に頼るしかなかった。

ナンバー2の淳子が福永と行方を晦ましてから3日が経った。二人は密かに関係し、淳子は子供を身篭っていたのだ。おまけに稼ぎ頭である宏美まで無断欠勤をし、その影響もあってか新宿グラマー店は上野店に抜かれて4位となった。危機感を感じた河本は係長の五木を課長に、和田を係長に昇格させて巻き返しを図ろうとした。和田は宏美の家庭訪問を行い、置きっぱなしにしていた日記で尊敬していた福永が宏美とも関係を持っていたことを知った。そこで和田は福永に対する宏美の気持ちを聞くために食事に誘った。肝心なところで彼女の機嫌を損ねた和田は思い悩み、仕事への意欲を無くすと初めて無断でキャバレーを休んだ。

屋台的映画館
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喜劇 爬虫類

  • posted at:2014-10-26
  • written by:砂月(すなつき)
きげきはちゅうるい
松竹
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年5月15日 併映「悪党社員遊侠伝」
監督:渡邊祐介
製作:脇田茂
企画:本田延三郎
脚本:田坂啓
撮影:荒野諒一
美術:佐藤公信
音楽:八木正生
照明:佐久間丈彦
編集:杉原よ志
録音:山本忠彦
調音:松本隆司
監督助手:山根成之
装置:石渡敬之助
進行:萩原辰雄
現像:東洋現像所
製作主任:沼尾鈞
出演:渥美清 西村晃 大坂志郎 小沢昭一 森下哲夫
シネマスコープ カラー 91分

石川県山中温泉にある銀星ミュージックにやってきたストリップ一座。その目玉は看板スターのメリイ・ハーローによる外人ヌードショーだった。一座を仕切る座長格の関元三郎は、まず最初に地元の山乃江警察署に手土産を持って顔を出し、米田一作刑事に挨拶をしようとしたがいなかった。彼は町の風紀を取り締まるための見回りと称してストリップ劇場の最前列に陣取っていたのだ。それを知った関は、楽屋に招き入れると仕事の鬼だとおだてて機嫌を取った。言い訳がましく御託を並べる米田の目に留まったのは、下着姿で部屋を歩き回るメリイの姿だった。思わずカーテン越しに覗こうとする米田を止めたのは、アメリカかぶれの雑用係で彼女の付き人のメリケンこと露木操だった。メリイのことが気に入った米田は、関にブロマイドをせがんだ。

劇場は連日満員だったものの、日給100ドル、食事はビフテキという高待遇のメリイを雇い、メリケンたちに給与を払うためには費用を削るしかなく、そのしわ寄せは一座の食事にまで及んでいた。夕食を待つ特攻くずれの用心棒・ソロモンこと山口勝則が俺たちのはどうなってるんだと食事係の坊やこと佐倉吾郎に怒鳴ると、関も早くしろウスノロと同調した。頭に来た坊やはご飯に洗濯用洗剤を混ぜて反撃した。深夜、下痢に悩まされてトイレ通いをする三人を見て彼はほくそ笑んだ。

ある日、劇場に米田が訪ねてきた。その用件とは、点数を稼がなければ本署に顔向け出来ないという理由から、わいせつ物陳列罪で関を取り調べるというのだ。彼は馴れ合いの芝居を打ち、その場を凌げればいいと考えていたが、ブロマイドが証拠となったことで3日間のヌードダンス禁止令を出さざるを得なくなったのだ。ダンスでなければ芝居や演劇でもいいという米田のアイデアを関が劇場主の仙波に伝えると、金髪女の全ストでないまがい物で客足が落ちたらギャラダウンは仕方がないと脅した。結局、客足が遠退いたことで夕食の水準はさらに下がり、ソロモンはあんな腐れ刑事を信用するからだと不満を口にした。その日メリイは食欲がなく、ビフテキをメリケンに譲った。それをパクつく彼に薦められたソロモンは、俺は毛唐の残飯をありがたがるほど落ちぶれちゃいねえと怒鳴った。さらに、戦場での食事の水準の差が先の戦争の勝敗を分けたというメリケンの言葉がソロモンの神経を逆撫でした。彼のあだ名はソロモン諸島で起きた過酷な戦いを生き抜いてきたことの証しだった。アメリカナイズされたメリケンに腹を立てたソロモンは思い切りぶん殴った。するとメリイはメリケンをかばって出て行けと怒鳴った。今まで聞いたことがないような大声に気圧されたソロモンはすぐに出て行ってやると啖呵を切ったが、誰も止めようとしないことに拍子抜けした。「義理も人情もねぇのか」。そうつぶやくと劇場を後にした。

屋台的映画館

君よ憤怒の河を渉れ

  • posted at:2014-04-11
  • written by:砂月(すなつき)
永田プロダクション=大映映画
配給:松竹
製作年:1976年
公開日:1976年2月11日
監督:佐藤純彌
製作:永田雅一
製作協力:徳間康快
企画:宮古とく子 並河敏
原作:西村寿行
脚本:田坂啓 佐藤純彌
撮影:小林節雄
音楽:青山八郎
録音:大橋鉄矢
照明:高橋彪夫
美術:今井高司
製作担当:高山篤
製作主任:桜井勉
助監督:葛井克亮
編集:諏訪三千男
記録:原益子
宣伝:荒木啓二郎
スチール:柳沢英雄
技斗:高瀬将敏
監督助手:出倉寿行
撮影助手:竹沢信行
照明助手:生井典克
録音助手:金子義夫
美術助手:丸山裕司
小道具:森田穣
装飾:隠田茂治
撮影効果:諸星勇
製作進行:片岡詔一郎
特殊撮影班監督:崎山周
特殊撮影班撮影:金子友三 東通弘
特殊撮影班照明:大原正男
航空撮影:山本駿
別班撮影:秋野友宏 山本修右
航空撮影協力:坪井一郎 臼井国夫 飯野太蔵
現像:東京現像所
録音:アオイスタジオ
衣裳:第一衣裳
結髪:山田かつら店
協力:トリオ株式会社 東京ヒルトンホテル 日本中央競馬会 オンワード牧場 本桐牧場 浦河町
サウンドトラック盤:キングレコード
出演:高倉健 中野良子 原田芳雄 倍賞美津子 池辺良
シネマスコープ カラー 151分

10月10日午後3時、東京・新宿。雑踏の中で男を指差した女が声を荒げてこう言った。「あの男が犯人よ!」。電話を掛けていた東京地方検察庁検事・杜丘冬人は、警官に囲まれ連行された。女は西大久保に住む水沢恵子といい、10月3日の午前2時頃に杜丘が自宅に侵入し、現金20万円とダイヤの指輪を盗まれた上に強姦されたというのだ。住所と姓名を聞き出そうとする警官に、本庁の矢村警部にしか話す気はないと杜丘は黙秘した。警視庁新宿署に身柄を移された杜丘は捜査一課の矢村から取り調べを受けたが、アリバイを証明することは出来なかった。その後、3日の午前1時頃に起きた窃盗事件の面通しが行われ、被害者の寺田俊明がこの男にカメラなどを盗まれたと証言したことで杜丘は拘留された。翌日、矢村とともに東京地検に顔を出した杜丘は、検事正・伊藤守に自分は無実だと訴えた。だが伊藤は、たとえ無実であっても現職の検事が強盗、強姦の容疑者として逮捕されたことを恥だと考えていた。マスコミが騒ぎ出すことを恐れた彼は、一日も早く無実であることを証明するために杜丘同行で家宅捜索を行うことにしたのだが、リビングからは寺田が盗まれたというカメラが、書斎の水槽からは恵子が盗まれたという指輪が、そして寝室からは現金20万円が見つかったのだ。何者かの罠だとわかっていてもそれを証明出来ない杜丘は、吐き気がすると言って監視付きで洗面所に行った。そして監視役の刑事が一瞬目を離した隙にドアを閉めると窓から逃走したのだった。この失態にマスコミは直ぐ様飛び付き、その日の各夕刊には「凶悪検事、逃亡す」の見出しが支配した。その夜、杜丘は警戒配備が敷かれる中、自分が強盗に入ったという西大久保のアパートの管理人室を訪ねた。管理人の古谷は驚きもせずに杜丘の顔をまじまじと眺めると、あの女よりあんたの方が信用出来そうな気がすると言って中に招き入れた。杜丘が訳を尋ねると、恵子は夫婦喧嘩をして別居したいからと10月1日に越してきたものの、騒動の翌日である今日(11日)、いきなり出て行ったからだと言うのだ。古谷は、まだ警察やマスコミにも言っていない情報を杜丘に教えた。

10月13日午前11時、杜丘は能登半島にある能登金剛生神(うるかみ)にいた。古谷が恵子に悪いと思って伏せていた情報とは、彼女が抱えていた小包に書かれた住所だった。港町を歩く杜丘の目に飛び込んできたのは、写真館の店先に飾られた恵子の花嫁写真だった。店主の話でその花嫁が横路加代という名前で、昨日バス停で見かけたということを知った杜丘は加代の家を訪ねたが、彼女はすでに何者かに絞殺されていた。何か手掛かりはないかと目で探っていると、近くにあった小物入れの中から顔を出した婚礼写真が気になった。ページを開いてみると、加代の隣にいるのはカメラを盗まれたと証言した寺田だった。10月15日午前11時、杜丘は北海道日高を走る列車の中だった。寺田は本名を横路敬二といい、様似に実家があることを突き止めたのだ。乗り継ぎのバスを降りた杜丘は地元の人に教えてもらって横路邸を目指したが、既に警察が先回りをして張り込んでいた。

屋台的映画館

凶弾

  • posted at:2014-02-16
  • written by:砂月(すなつき)
きょうだん
松竹映像=富士映画
配給:富士映画
製作年:1982年
公開日:1982年9月15日
監督:村川透
製作:升本喜年 増田久雄
企画:奥山和由
原作:福田洋
脚本:石森史郎 北村彰 押川国秋
音楽:羽田健太郎
音楽監督:鈴木清司
主題歌:「LAST GOOD-BYE」山本達彦
撮影:坂本典隆
撮影助手:満井坦彦 池谷秀行 篠崎昭雄
オプチカル:石川智弘
美術:横山豊
美術助手:成沢守
録音:島田満
録音助手:近藤勲 林義昭 鈴木考史
調音:小尾幸魚
照明:八亀実
照明助手:高岩進 飯島興一 藤田繁夫 加藤実 福岡昭男
編集:池田禅
編集助手:中西正義 松浦和也
装置:石渡敬之助 田村武男 前田勝巳
装飾:町田武 奥村松太郎
衣裳:松竹衣裳 相澤登記雄
メーク:大庭礼子
スチール:金田正
記録:宮下こずゑ
監督助手:南部英夫 内田秀哉 飛河三義 羽二生茂樹
擬斗:國井正廣
カー・スタント:スリーチェイス
特殊機械:NK特機
車輌:トランスポート(有)
現像:東京現像所
宣伝プロデューサー:下川東彦
進行:田沢連二
製作主任:早川喜康
製作協力:(株)プルミエ・インターナショナル
出演:石原良純 古尾谷雅人 秋吉久美子 勝野洋 高樹澪
アメリカンビスタ カラー 112分

大学生の荒木英夫は少年院時代の仲間の沼田昭彦、内山正一と再会を果たした。正一の車で向かった先は北アルプスで、目的は英夫が手に入れた父親の形見であるベルギー製のライフル銃を試射することだった。気心の知れた三人は、白樺の木を標的にするなどして思い存分野山を駆け回った。その帰り、車中で昭彦が銀行強盗でもやるかと口にした。それを聞いた正一は乗り気だったが、英夫の顔色を察した昭彦は冗談だとすぐさま打ち消した。英夫の提案で石和温泉に行くことになり、高揚した正一は車を飛ばした。辺りが暗くなった頃、雨の中をずぶ濡れになって歩く裸足の女に昭彦が気づいた。駅なら何処でもいいという女を乗せた車は松本市の国道をひたすら走っていたが、前をノロノロと走るトラックを追い越したところを取り締まっていたパトカーに見つかった。追い越し違反、飲酒、スピード違反、そして車輌の窃盗容疑が掛けられた正一は、硬派な警官に引きずり出され若い警官に警察署へ連行された。車内からライフル銃が出てきたことで若者たちの言動に不審を抱いた硬派な警官は、英夫に制裁を加えた。それを見た昭彦は彼を守ろうとして揉み合いになり、警官が手放したライフル銃を掴むと銃床で何度も殴りつけたのだった。体を張って止めた英夫は昭彦を車に押し込むと、思い切りアクセルを踏んだ。

長野県警はパトカー28台と78人の警官を投入して幹線道路の検問など警備を強化したが、英夫たちの足取りは掴めていなかった。そのころ、署内では正一が刑事たちから執拗な取り調べを受けていたが、彼は決して余計なことをしゃべろうとはしなかった。「仲間を売るなんて絶対嫌だ!」。少年院で出会った三人は、両親がいないという境遇が似ていたことで絆が深まって行ったのだ。早朝、乗り捨てられた盗難車が県警に発見され、車内の指紋から英夫と昭彦の身元が割れた。少年院上がりということで、宮下捜査官は奴らは何を仕出かすかわからないと福本刑事部長に報告した。それを聞いた福本は、先入観で未成年者の犯罪を見誤ってはならないと釘を刺した。その頃、緑色の軽ワゴン車に乗り換えた英夫たちは交通量の少ない道路を選んで信濃坂駅を目指していた。駅に着くと、女は誰にも言わないからと手を振って去って行った。そこに巡回中のパトカーが現れたため、何事もないように車を発進させた。しばらく農道を走っていたが、英夫は考え事をしているうちに車を脱輪させてしまった。昭彦の力を借りて抜け出そうと試みていたところを警官に見つかり、二人は車を諦め走って逃げた。

正一の取り調べを行っていた刑事の中に、英夫と関わりの深い人物がいた。岩井刑事部長は松本北署時代に英夫が起こした事件を担当していたのだ。五歳のときに交通事故で両親を失った英夫は、姉・知子と寄り添うように生きてきた。それから十数年後、知子は年上の男と付き合っていたが、妊娠したことがわかると暴力を振るい始めた。暴力に耐え切れず堕胎すると、それを知った男は英夫の前で「近親相姦だったんじゃないのか」と言った。その言葉で頭に血が上った英夫は金属バットで男を撲殺したのだ。英夫と面会した岩井は妙な印象を受けた。殺人を犯した人物が澄んだ目をしていたからだ。それ以来、事件を起こした少年たちの心情をわかろうと努力していた。

保護司である森下周造の寺にたどり着いた英夫と昭彦は、一緒に警察に行って自分たちの言い分を伝えて欲しいと頭を下げた。だが既に寺の周囲は警察に包囲されていたのだ。森下に裏切られたと誤解した英夫は、警官に発砲すると昭彦と裏山に逃げ込んだ。

屋台的映画館

恐怖のヤッちゃん

  • posted at:2013-10-26
  • written by:砂月(すなつき)
きょうふのやっちゃん
東映
配給:東映洋画
製作年:1987年
公開日:1987年7月4日 併映「新宿純愛物語」
監督:金子修介
企画:佐藤雅夫
プロデューサー:豊島泉 厨子稔雄
原作:「恐怖のヤッちゃん」
脚本:一色伸幸
音楽:梅林茂
主題歌:恐怖のヤッちゃん~愛と抗争の日々」土田由美withヤッちゃんズ
挿入歌:「夢で出会った少年」渡辺典子
挿入歌:「仕返しロングシュート」渡辺典子
撮影:北坂清
美術:佐藤義和
照明:安藤清人
録音:芝氏章
整音:伊藤宏一
編集:玉木濬夫
助監督:比嘉一郎
記録:中野保子
進行主任:宇治本進
企画協力:ニッポン放送 アミューズ・シネマ・シティ
製作協力:サンダンス・カンパニー
出演:山本陽一 松田洋治 南渕一輝 土田由美 三宅裕司
アメリカンビスタ カラー 90分

日本中にはびこるヤッちゃん。ちょっと気の弱い高校生の井上鉄はそのヤッちゃんに苦い思いをさせられた。ある金曜日の夜、燃えないゴミの日に古新聞の束を出そうとする男を注意をしたのが運の尽きだった。その男はパンチパーマ、刺青、首から下げたお守り、そして左手には小指がないという正真正銘のヤッちゃんだった。「やっぱり燃えるか?」。新聞を突きつけられ怖気づいた鉄は思わず、最近は新聞って燃えないんですよと答えてしまった。それを聞いたヤッちゃんは鉄に新聞の束を背負わせると火をつけたのだ。その出来事がきっかけで彼は家族とともに桜町へ引っ越したのだった。

バカはいるけどヤッちゃんはいない平和な千葉県桜町に謎のぬいぐるみ劇団がやってきた。彼らの正体は羊の皮を被った狼ならぬぬいぐるみに身を隠した陣内組だった。桜町のコミュニティーセンターが管理費だけで入居出来ることを聞きつけた陣内組は劇団沈丁花を装って申し込み、面接にまでこぎつけたのだ。ぬいぐるみ演劇で子供たちの上層教育の役に立ちたいという殺し文句に心を動かされたセンター長は、文化団体であれば問題ないだろうと結論づけ入居を許可した。その頃、鉄は偶然通り掛った駅の近くでヤッちゃんたちが話す陰謀を聞いてしまった。驚いた彼はセンターに通報しに行こうとしたのだが、その途中で美少女に呼び止められ心を奪われた。そして桜町高校は何処かと聞かれると通報のことなどすっかり忘れて高校まで送り届けたのだった。その頃、契約を終えた幹部が広場に向けて大きく丸印のサインを送ると辺りは一変した。ぬいぐるみから出てきたのは、体中に彫り物をこさえた強面ばかりで、街はパニックに陥ったのだ。そこに到着した鉄はあまりの恐ろしさに腰を抜かしてしまった。

ヤッちゃんたちの巧妙な手口に次々と騙される住民たち。それは鉄や友人も例外ではなかった。鉄は1万円のヒヨコを買わされ、田中春樹はパンチパーマ、小山明夫は1パック4800円のたこ焼きを買わされたのだった。翌日、学校で愚痴りながらそのたこ焼きを食べた三人は、廊下で鉄が学校まで案内したあの美少女と出会った。会議室から出て来た担任の服部さち子が転校生の陣内くるみだと紹介すると、鉄は同じクラスになったことで心をときめかせた。放課後、くるみと親しげに話す鉄の姿に明夫と春樹は嫉妬したが、さち子の話に青ざめた。くるみは陣内組組長の娘なのだ。さち子は鉄の小指を守ってあげてと懇願したが、意地の悪い二人は逆にくっつけてやろうと企んだ。

屋台的映画館

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