いざかやゆうれい
サントリー=テレビ朝日=東北新社=キティ・フィルム
配給:東宝
製作年:1994年
公開日:1994年10月29日
監督:渡邊孝好
製作:稲見宗孝 古川吉彦 中川眞次 伊地智啓
プロデューサー:椋樹弘尚
原作:山本昌代
脚本:田中陽造
撮影:藤澤順一
照明:上田なりゆき
録音:紅谷愃一
美術:稲垣尚夫
編集:鈴木晄
助監督:冨樫森
キャスティング:阿部敏信
製作担当:黒田晃司
音楽:梅林茂
ミュージシャンマネジメント:内田音楽事務所
音楽プロデューサー:向井達也
主題歌:「あなたのいない休日」平松愛理
提供:アルゴ・ピクチャーズ
出演:萩原健一 山口智子 室井滋 三宅裕司 西島秀俊
アメリカンビスタ カラー 110分
居酒屋「かづさ屋」を一人で切り盛りする壮太郎。店舗兼家屋の2階では妻のしず子が床に臥せっていた。彼女は知っていた。もうすぐ自分が死を迎えることを。どうせ死ぬのならせめて家で死なせたいと病院から引き取るなんて壮太郎なら考えそうなことだ。彼は違うと否定するがそんな嘘などお見通しだ。しず子は壮太郎のことが好きで好きでたまらなかった。結婚のアプローチをしたのは彼女からだった。今夜が最後の別れとなると、心配になるのは壮太郎の行く末だった。死んだらきっと別の女と一緒になる。そう考えると居ても立っても居られなかった。すると壮太郎はそんなに俺が信用出来ないかと言った。そして万が一の場合は一生独りでいるし所帯を持つ気もないと約束すると、しず子はそれが嘘だったら化けて出るよと言った。壮太郎はしず子がいつもの自分らしさを取り戻したことで安心したが、朝早く目覚めると彼女は息を引き取っていた。
葬式が終わり忌が明けると壮太郎は店を再開した。彼を心配する常連客が次々と訪れ、またいつもの日常が戻った矢先に兄の豊造がやってきた。その要件とは見合いだった。しず子との約束を破るわけにはいかないと考えていた壮太郎は断るつもりでいたが、豊造が置いて行った写真の女性を見て心がグラついた。それ以来、行く先々で姿を見掛けるようになったが偶然にしてはわざとらしかった。一度会うだけならいいかと兄が経営する料亭で会食するが、好きになってしまったからあのような行動を取ってしまったと告白されたことで壮太郎の心は決まった。
新妻となった里子がやってくるとかづさ屋は花が咲いたように明るくなり、常連客たちも一目見ようと押し寄せ店は活気づいた。店が終わると里子は独り身となった理由を話し始めた。夫は死んだのではなく遠い所へ行ったことが原因だと告白するが、壮太郎は気にも留めずにいいよと言った。里子があまりのうれしさに抱きつくと、部屋の中に突然風が吹き抜け、テレビの画面が乱れ、家が軋んだ。違和感を覚えた壮太郎が顔を上げると傍らでしず子が睨んでいた。
屋台的映画館
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