さびたくさり
日活
配給:日活
製作年:1960年
公開日:1960年11月12日 併映「情熱の花」
監督:斎藤武市
脚本:池田一朗 秋元隆太
企画:岩井金男
撮影:高村倉太郎
音楽:小杉太一郎
主題歌:「若さがいっぱい」赤木圭一郎
・・・:「朱い星ロック」杉山俊夫
美術:千葉一彦
照明:大西美津男
録音:古山恒夫
編集:近藤光雄
助監督:神代辰巳
色彩計測:幸田守雄
現像:東洋現像所
製作主任:松吉信幸
出演:赤木圭一郎 笹森礼子 小高雄二 白木マリ 宮城千賀子
シネマスコープ カラー 95分
長岡英二は大学の休み期間を利用して、横浜港の荷役のアルバイトをしていた。仕事を終えた英二を待っていたのは彼の兄・健一の恋人の冬木美枝だった。美枝は健一とデートの約束をしていたが、急用が入ったためすっぽかされたのだ。英二は美枝を連れて仲間たちが待つ大衆酒場へ行った。美枝は英二が美味そうに飲む焼酎に初めて挑戦し、一気にグラスを空けた。ところがそのままダウンしてしまい、英二は彼女を自分の家まで担いで帰る羽目になった。その頃、英二の家は大変な事態に陥っていた。父・康三郎が社長を務める長岡企業の二千万円の手形が奪われたのだ。通常、手形割引等の重要な業務は康三郎が行っていたが、その日は専務の健一に任せることになっていた。横浜銀行の接客室に通された健一は、部屋で待っていたパクリ屋に殴られ気を失った。康三郎は町田弁護士に電話を掛け、対抗策として大矢根組のサルベージ屋を雇うことにした。その噂を聞きつけた水原商事の水原泰三は、長岡が心臓マヒでも起こしてくれるといいねと部下に言った。翌日、長岡企業に手形金融・三田村平之進という男から電話が掛かった。奪われた手形が三田村の手元にあるというのだ。康三郎は男の指示通り、料亭へ出向くことにした。彼は三田村からお酌された酒を飲むと意識を失い、高尾医院に運ばれた。死因は心臓マヒだった。
告別式が終わり、会社では株主総会が開かれた。満場一致で健一が新社長に選ばれたが、会議中に水原が現れ要件があると言った。手形金融の水原は半月前に同業者から頼まれ長岡企業の五百万円の手形四枚を割り引いたが、それがパクリだったというのだ。弱みを握った水原は会社の専務に納まった。水原は利益優先の会社運営を推し進め、沖仲仕たちに連日の時間外勤務を命じた。さらに福利厚生や危険防止の費用を冗費とみなすとことごとく削っていった。その結果、業績はグンと上向いた。しかし現場で働く人々の疲労は溜まって行く一方だった。ある日、いつも陽気な松平政吉がハッチのはしごから足を滑らせて転落死した。親友を失った英二は、健一を病院へ連れて行き政吉に対面させた。現場での事故は社長に報告されていなかったのだ。健一は作業員の前で労働条件の改善を約束した。ところが水原は労働者の言い分を笑い飛ばした。そこで健一は命令を聞けないならば株主総会を開いて辞任させると脅したが、水原は手形のことを忘れてもらっちゃ困ると言った。健一はどんなことをしてでも金は作ると意地を張ったが、銀行は責任問題に関わると言って金を貸さなかった。そこで今度は父親が世話になった人たちを頼って金策に走ったが、目標額には程遠かった。
屋台的映画館
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