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帰ってきたウルトラマン 次郎くん怪獣にのる

  • posted at:2008-06-21
  • written by:砂月(すなつき)
かえってきたうるとらまんじろうくんかいじゅうにのる
円谷プロダクション=TBS
配給:東宝
製作年:1972年
公開日:1972年3月12日 併映「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」「ミラーマン」「かしの木モック」「みなしごハッチ ママにだかれて」「天才バカボン」
監督:山際永三
プロデューサー:円谷一
プロデューサー補:熊谷健
脚本:田口成光
音楽:冬木透
主題歌:すぎやまこういち
撮影:鈴木清
照明:小林哲也
美術:栗山吉正
助監督:東條昭平
特殊技術:高野宏一
撮影:佐藤貞夫
照明:原文良
美術:高橋昭彦
助監督:布施修
光学撮影:中野稔
光学作画:飯塚定雄
操演:塚本貞重
記録:久松えり子 中西邦江
製作主任:高山篤
編集:柳川義博
効果:東宝効果集団
録音:キヌタラボラトリー
現像:東京現像所
出演:団次郎 根上淳 岸田森 川口英樹 坂本新兵
スタンダード カラー 25分

小学生の坂田次郎は同級生のよし子の家に遊びに行ったが、彼女は父親の使いで出掛けていた。よし子の父親は建具職人で、主に風呂桶を作っていた。すぐに戻ってくるから待ってていいと言われた次郎は、机の上に置いていた不思議な気の箱に気付いた。それは内部や表面に細工を施し、一定の操作を行わなければ開かないように出来ている父親が作った細工箱だったが、実は作った本人でさえあけることが出来なくなっていた。次郎も挑戦してみたが、力ずくで開けようとしてもビクともしなかった。剥きになった彼は父親の許可を得て自宅に持って帰り、再び挑戦してみたがやはりだめだった。諦めて友達と遊びに行こうとしたのと入れ替わりに郷秀樹がやってきた。郷は次郎の姉・アキに会いに来たのだが、登山に行っていなかった。二人の仲はアキの兄で坂田自動車修理工場の社長・健も公認していた。がっかりして事務所に入ると、テーブルに置いてある箱に気付いた。それは次郎が置きっぱなしにしていたあの箱だった。

MAT(Monster Attack Team)の隊員である郷は無人宇宙ステーションNo.5の定期検査があるにも関わらず遅刻した。伊吹竜隊長にカミナリを落とされた郷はスペースアローに乗り込むと日本の上空250キロに静止しているNo.5に向けて出発した。点検は順調に進み、自動操縦に切り替えるとNo.5を後にした。郷は細工箱のことが気になり宇宙ステーションにまで持ち込んでいたが、そこに置き忘れてしまった。郷が帰還すると伊吹はお冠だった。No.5からデータが送られて来ないというのだ。自動スイッチを入れたことまでは覚えていたが、二つあるスイッチを全てオンにしたかまでは確信が持てなかった。心配でならない伊吹は南猛隊員に再点検を命じたが、郷はもう一度行かせて欲しいと志願した。その頃、次郎が家から箱を持ち出したことを知ったよし子は血相を変えてやってきた。あの箱の中には彼女にとって命の次に大切なものが入っているというのだ。次郎は事務所の中を隈なく探したが見つからなかった。騒動に気付いた坂田が、郷がいじっていたことを話すと次郎はMATに電話した。だが郷はもう基地にいなかった。。

スペースアローの郷は目の前の光景を疑った。No.5が何処にも見当たらないのだ。郷が帰還した午後10時、No.5から気温16度、湿度60パーセントというデータが送られて来た。途切れた電波を分析した結果、東京都内からであることがわかった。No.5は地球に落下していた。そしてその中には、次郎が閉じ込められていたのだ。彼はよし子の家に謝りに行ったが、誤って鳥かごを落としインコを逃がしてしまった。責任を感じた次郎は造成地に入って探していたが、そこで珍しい巨大なカプセルを見つけた。心を引かれ中に入ったそのとき、扉が閉まった。夜を徹して探した郷と南は、造成地でついにNo.5を発見したが、二人が近付くと突然動き出したのだ。宇宙ステーションは怪獣の棲み処になっていた。

屋台的映画館
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帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖

  • posted at:2008-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
かえってきたうるとらまんたつまきかいじゅうのきょうふ
円谷プロダクション=TBS
配給:東宝
製作年:1971年
公開日:1971年12月12日 併映「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦」「いなかっぺ大将 当るも当らぬも時の運だス」「みなしごハッチ 忘れな草に願いをこめて」「マッチ売りの少女」
監督:冨田義治
プロデューサー:円谷一 斉藤進
脚本:上原正三
音楽:冬木透
主題歌:すぎやまこういち
撮影:鈴木清
照明:森本正邦
美術:栗山吉三
助監督:東條昭平
特殊技術:佐川和夫
撮影:佐藤貞夫
照明:小池一三
美術:高橋昭彦
助監督:吉村善之
光学撮影:中野稔
光学作画:飯塚定雄
操演:塚本貞重
記録:植村よし子 水野佐知子
製作:高山篤
編集:柳川義博
効果:東宝効果集団
録音:キヌタラボラトリー
現像:東京現像所
出演:団次郎 塚本信夫 小林昭二 岸田森 榊原るみ
スタンダード カラー 48分

オパールやサファイヤの原石3トンを積んだ海神丸はオーストラリアを出港し、世界宝石展が開催される東京に向けて航行していた。赤道を通過しフィリピンの海峡に差し掛かった満月の夜、海神丸は突如謎の霧に包まれた。そして激しい衝撃を受けたことで船体に亀裂が生じ、そこから大量の海水が流れ込んで行った。窓の外で起きた発光現象を目撃した高村船長は、そこにいた巨大な生物の姿を見て思わず「シーモンス」と呟いた。

MAT(Monster Attack Team)の郷秀樹隊員と上野一平隊員が漂流する救命ボートを発見したのは遭難してから10日後だった。ボートに乗った三人のうち船員二人は比較的元気な様子だったが、高村は横になったままうわごとのように「シーモンス」という言葉を繰り返した。高村は娘の陽子が看護師として勤める南海病院に入院することになったが、病室には事故の責任を追究する保険会社調査員やマスコミが多数押し掛け、大破して座礁した海神丸の事故原因を聞き出そうと質問責めにした。しかし高村が受けたショックは大きく、とても受け答えの出来る状態ではなかった。そこで陽子は子供の頃に聞かされたシーモンスの話を父親の代わりにすることにした。彼女はシーモンスが西イリアン諸島近海に棲む四足歩行のメスの怪獣だと言ったが、誰も信じようとはしなかった。それは怪獣退治の専門家であるMATの隊員ですら聞いたことのない話だったからだ。陽子は落胆したが、事故の原因がその怪獣のせいだと信じて疑わなかった。

病室を出た郷と上野のもとへ救助された船員の一人が歩み寄り、小型のテープレコーダーを渡した。それは事故の直前に行われた宴会で録音された高村の歌声だった。昭和19年、高村はニューギニア戦線へ兵隊を運ぶ輸送船に乗っていたが魚雷攻撃を受けて船は沈没した。何とか浜辺に泳ぎ着いた高村は島民に助けられ、その際にこの歌を覚えたのだ。カセットテープをMAT基地の言語分析機で解読した結果、シーモンスのことが歌われていることがわかった。「シーモンスは島の守り神。シーモンスは気立ての優しい怪獣。だがシーモンスが海を渡る時は気をつけろ。恐ろしいことが起こる」。しかしシーモンスが実在するという確証がなければMATは動くことが出来なかった。

翌日、八丈島で巨大な生物が目撃されたという情報を受けたことでMATはシーモンスについての本格的な調査に入った。シーモンスの歌には続きがあることがわかり、高村の歌を聴いて育った陽子に歌ってもらうことになった。「シーモンスをいじめるな。シーモンスをいじめると角光る。角光ればシーゴラスも怒り、海も怒る」。そのとき東京湾B海域に怪獣が出現したという緊急情報が入り、郷たちは直ちに出動した。加藤勝一郎隊長はマットアローによる攻撃でシーモンスを東京への上陸を阻止しようとしたが叶わなかった。そこで新たな攻撃を加えたが、角が光るのを目撃した郷は歌の一節を思い出し加藤に攻撃中止の進言をした。攻撃を中止したことでシーモンスはおとなしくなったが、セメント工場にとっては大迷惑だった。敷地に居座り続ける怪獣が石灰石を貪り食っていたことで操業が出来なくなっていたのだ。東京に甚大な被害が及ぶことを恐れた加藤はしばらく様子を見るつもりでいたが、納得出来ない工場の社長は自衛隊に出動を要請した。自衛隊はシーモンスを退治する決断を下し、周囲に爆薬を仕掛けると爆破した。炎に包まれるシーモンスが悲鳴を上げると、その声を聞きつけたもう一体の怪獣が伊豆沖に姿を現した。それは二足歩行でオスのシーゴラスだった。シーゴラスの起こした大きな津波は漁村を飲み込んでしまった。連絡を受けた加藤たちは東京湾へ向かうシーゴラスを食い止めるためにマットアローで出撃した。一方、郷はシーモンスが父親から聞いたとおりの怪獣かどうか確かめに行った陽子を捜しに行った。シーゴラスを攻撃するMATに激怒したシーモンスは角を光らせると東京湾に巨大な津波を発生させた。陽子を発見した郷は彼女を守るためにウルトラマンに変身し、ウルトラバーリヤを使って津波を弾き返すことに成功した。しかしそのためにウルトラマンは著しくエネルギーを消耗し、シーモンスとの戦いに敗れた。

屋台的映画館

風に逆らう流れ者

  • posted at:2008-04-18
  • written by:砂月(すなつき)
かぜにさからうながれもの
日活
配給:日活
製作年:1961年
公開日:1961年4月9日
監督:山崎徳次郎
原作:高橋道治
脚本:山崎巌
企画:児井英生
撮影:横山実
音楽:大森盛太郎
主題歌:「さすらい」小林旭
・・・:「ダンチョネ節」小林旭
・・・:「オイトコ節」小林旭
挿入歌:「夜がまた来る」小黒幸子
美術:木村威夫
照明:河野愛三
録音:高橋三郎
編集:鈴木晄
助監督:斉藤和三郎
特殊技術:金田啓治
色彩計測:北条成
現像:東洋現像所
製作主任:武藤良夫
協賛:豊橋市観光協会 株式会社やまさ商店 三谷温泉ふきぬき旅館
出演:小林旭 浅丘ルリ子 白木マリ 楠侑子 神山繁
シネマスコープ カラー 82分

馬車に揺られて豊橋市へ向かっていた流れ者=野村浩次は、道中でごろつきに絡まれていた娘と甥を助け出した。馬車は何事も無かったように街へ向かった。親友の瀬沼が技師として働いている塩沢火薬を訪れた浩次は、支配人・木田から彼が爆発事故を起こしたという話を聞いた。警察の調べでは、瀬沼は仕入れの火薬を大量に横流していたが、それが発覚しそうになり切羽詰って事件を起こしたことになっていた。浩次は、信頼していた親友がそのようなことをする人物だとはとても思えなかった。

キャバレー・ブルースカイで酔いつぶれた初老の男をごろつきの手から救い出した浩次は、彼を自宅まで連れて行こうとしたが、男は「島」や「ふきぬき」という要領の得ない答えばかり返してきた。困った浩次はタクシーで「ふきぬき」まで送り届けることにした。浩次は温泉旅館でごろつきから助け出した娘と再会した。娘は浩次に駆け寄るとお礼を言った。彼女は瀬沼杏子といい、男は杏子の父親=庄造だった。

ブルースカイは木田が経営し、中にいたごろつきどもは塩沢火薬の社員だった。杏子は何故あの会社のことを気にするのかと浩次に聞いてみた。浩次が親友の話をすると、杏子はそれが兄であり、その子供が信夫だと答えた。庄造は近くの島で造船所を経営していたが、あの事件以来酒びたりになっていた。浩次は杏子から話を聞けば聞くほど瀬沼が事件を起こしたとは思えなくなった。

屋台的映画館

ガメラ対大魔獣ジャイガー

  • posted at:2008-04-03
  • written by:砂月(すなつき)
がめらたいだいまじゅうじゃいがー
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1970年
公開日:1970年3月21日 併映「透明剣士」
監督:湯浅憲明
脚本:高橋二三
企画:仲野和正
撮影:喜多崎晃
音楽:菊池俊輔
主題歌:「ガメラ マーチ」大映児童合唱団
・・・:「ぼくらのガメラ」大映児童合唱団
美術:山口煕
録音:清水保太郎
照明:泉正蔵
編集:宮崎善行
音響効果:小島明
助監督:小林正夫
製作主任:川村清
現像:東京現像所
特殊撮影・撮影:金子友三
特殊撮影・特撮合成:藤井和文
特殊撮影・美術:矢野友久
特殊撮影・助監督:阿部志馬
特殊撮影・照明:石森七郎
特殊撮影・操演:田中実
出演:高桑勉 ケリー・バリス キャサリン・マーフィ 炎三四郎 大村崑
シネマスコープ カラー 83分

北山小型船舶修理工場では、まもなく始まる大阪万博の準備に追われていた。遊園地のエキスポランドに設置されることになっている子供用の潜水艇は、危険防止の最終調整に入っていた。北山良作社長の息子・弘は、万博広報部員の沢田圭介から施設を一足早く案内してもらうことになっていたため、彼が来るのを今か今かと待っていた。日本万国博覧会(EXPO’70)は1970年3月14日から9月13日までの183日間に亘って大阪・千里丘で開催される。全世界から77カ国が参加してそれぞれが誇る新しい産業や文化を素晴らしい演出で展示するパビリオンが100以上も建設されることになっているのだ。

弘は圭介に絵はがきを見せた。そこには弘の友人・トミーの父・ウイリアム博士が撮影した奇妙な石像の写真が載っていた。圭介は、「悪魔の笛」と呼ばれるその石像を万博で展示することになり特使としてウイリアム博士が南太平洋にある赤道直下のウエスター島に派遣されたことを説明した。「人類の進歩と調和」がテーマである万博のシンボルとして、会場の中心部に太陽の塔が建造された。塔の内部には進化した生命の流れを模型等でわかりやすく表した「生命の樹」があり、その一環として古代文化の遺物を展示することになったのだ。そこで選ばれたのがウエスター島の石像だった。

事務所にやってきたウエスター島の文化使節・ギボーは、石像を動かすと崇りがあるから展示を今すぐ中止して欲しいと訴えた。事務局長は政府間で合意していることを何度も説明したが、先祖からの言い伝えだと言って聞く耳を持たなかった。堪り兼ねた局長は、古代文化が専門の圭介を呼び出したのだった。彼はスライドを使って丁寧に説明を始めた。松下館では、万博を機会に未来の人類に対してのメッセージを送ることにした。現代の文化を代表する様々な記録をタイムカプセルに入れて5千年後の人類に見てもらうことが目的だった。過去の歴史を知るためには化石や石器、彫刻等に頼るしかないため、謎の部分が多い。過去からのメッセージを完全に読み取ることが出来たなら、現在の人類はもっと違った存在になったことだろう。例えば、ムー大陸があったとされる地域の周辺にある小さな島々では不思議な彫刻が見つかっている。その謎を解く一番の手掛かりとして注目されたのがウエスター島の悪魔の笛だった。ギボーは画面に写った石像の写真を見るなり怒り出した。そして「ジャイガー」と叫ぶと部屋を出て行ってしまった。

ウエスター島では悪魔の笛を運び出す作業が行われていた。石像はヘリコプターで釣り上げられた後、貨物船・南海丸で輸送されることになっていたが、それを妨害したのはガメラだった。ガメラは数回石像の周りを旋回すると地上に降りたのだ。ガメラは地上から搬出作業を妨害しようとしたが、突然噴火した火山に気を取られたのだった。チームはその隙に作業を進め、南海丸に積み込むことに成功した。ガメラはエネルギーを摂取するために火山へ飛んで行った。

屋台的映画館

帰ってきたウルトラマン

  • posted at:2007-09-23
  • written by:砂月(すなつき)
かえってきたうるとらまん
円谷プロダクション=TBS
配給:東宝
製作年:1971年
公開日:1971年7月24日 併映「ゴジラ対ヘドラ」「いなかっぺ大将 猛獣の中にわれ一人だス/オオ!ミステークだス」「みなしごハッチ 傷だらけのバレリーナ」「日本むかしばなし わらしべ長者」
監督:冨田義治
プロデューサー:円谷一 斉藤進
脚本:上原正三
音楽:冬木透
主題歌:すぎやまこういち
撮影:鈴木清
照明:森本正邦
美術:育野重一
助監督:東條昭平
特殊技術:高野宏一
撮影:佐川和夫
照明:小池一三
美術:高橋昭彦 池谷仙克
助監督:吉村善之
光学撮影:中野稔
光学作画:飯塚定雄
操演:塚本貞重
記録:植村よし子
製作:高山篤 伊藤正純
編集:柳川義博
効果:東宝効果集団
録音:キヌタラボラトリー
現像:東京現像所
出演:団次郎 塚本信夫 岸田森 榊原るみ 川口英樹
スタンダード カラー 48分

東京・新宿にある地下ショッピングセンター近くの工事現場から巨大な岩のようなものが発見された。そばを通りかかった怪獣大好き少年の坂田次郎は、一部にアンモン貝の化石が貼り付いていることからジュラ紀の生物の卵かも知れないと思い至り、MAT(Monster Attack Team)に連絡した。通報を受けて駆けつけた郷秀樹隊員と岸田文夫隊員は早速調査を開始したが、岸田はショベルで叩いてもびくともしないことを理由に岩だと断定した。郷は更なる調査が必要ではないかと提案したが、岸田はたかが石ころひとつで手を煩わせることはないと言い放った。言い争いは基地に戻っても続き、二人の間に割って入った加藤勝一郎隊長は、我々は即断即決、臨機応変に対処せねばならないため、隊員一人ひとりの判断を信じるしかないと言った。その時、第二採石場で異常な微震が続発しているという通報があり、マットジャイロで出動した南猛隊員と上野一平隊員は鞭のような手を持つ怪獣と遭遇した。マットジャイロはバルカン砲で攻撃を加え、MN爆弾を搭載したマットアロー1号が到着すると交代した。怪獣を見た岸田はそれがグドンだとわかると作戦を開始した。岸田は機体を正面に接近させ郷に顔面への攻撃命令を出したが、郷は撃とうとしなかった。彼には逃げ遅れた少女の姿が目に入ったのだ。攻撃の機会を失ったことでグドンは地中に潜ってしまった。基地に戻った岸田は、郷が卵の一件以来、反発する機会を待っていたんだと不満をぶちまけた。そして今後も同じようなことが起これば任務に支障が生じるため断固たる処置が必要だと加藤に訴えた。自分の行動に自信を持っている郷は反論したが、加藤は命令違反を理由に三日間の自宅謹慎を言い渡した。

工事現場へ行き、岩を預からせて欲しいと申し出た郷だったが、岩は既に埋められた後だった。肩を落とす郷は坂田自動車修理工場の社長・坂田健に相談しようとしたが、彼は郷の顔を見るなり謹慎が堪えているようだなと言った。加藤は郷の後見人である坂田に事の次第を話していたのだ。坂田は悔しがる郷に子供の頃の体験談を話し始めた。坂田は小学校四年生のとき職員室のガラスを割った犯人にされ廊下に立たされた。いくら自分でないと説明しても信じて貰えなかったため、彼は行動を起こすことにした。一週間学校へ行かずに抗議した結果、とうとう一週間目に真犯人であるガキ大将が名乗り出たのだ。坂田は、少女を見たのなら胸を張ってどこまでも押し通すべきだと郷に言った。

坂田の妹・アキは貰ったばかりの給料で郷にシャツをプレゼントするつもりだったが、彼は謹慎中を理由に断わった。買い物を地下ショッピングセンターですることを聞いた郷はアキに行くのを止めるように言ったが、ただそんな気がするという理由だけでは説得力がなかった。最近、頻繁に起こる小さな地震があの岩と関連しているのではないかと心配でならなかったのだ。アキがシャツを選んでいるとき、突然大きな揺れが彼女を襲った。店内はパニックに陥り、人々は逃げ惑った。火事が起こったことで煙に撒かれてはいけないと判断したアキは友人たちと来た道を戻った。その時、天井が崩れ落ちた。

屋台的映画館

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