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怪猫五十三次

  • posted at:2010-07-29
  • written by:砂月(すなつき)
かいびょうごじゅうさんつぎ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1956年
公開日:1956年7月19日
監督:加戸敏
製作:武田一義
脚本:八尋不二
企画:税田武生
撮影:牧田行正
音楽:鈴木静一
和楽:中本利生
美術:神田孝一郎
録音:奥村雅弘
照明:加藤庄之亟
編集:西田重雄
製作主任:白井祥雄
出演:勝新太郎 三田登喜子 林成年 若松和子 入江たか子
スタンダード モノクロ 87分

江戸岡崎藩邸では藩主本多三河守が老中に任ぜられたことで、慣例として将軍家への御礼として何かを献上しなければならなかった。そこで墨染の茶碗を国許から取り寄せる提案すると、家老鳴海十兵衛は御家の宝として将軍家もご存じなのでこの上ない献上品となるでしょうと言った。今の地位は十兵衛の尽力あったればこそと考えていた三河守は、娘の顔が見たいであろうと日頃の労いを込めて娘の浪路に御勤めを申し付けることにした。心許ないと心配する十兵衛の気持ちを察した三河守は、警護として南三次郎をつけることにした。三次郎は藩切っての剣の使い手であり、浪路の婚約者でもあったのだ。若い二人の五十三次の旅は一生の思い出になるに違いないと三河守は考えていた。だがそれに待ったを掛けたのは留守居役大高伝蔵だった。十兵衛への寵愛を妬む伝蔵は、そのようなことは当家の格式にはなく、もし間違いがあった場合はいかがなされますかと尋ねた。すると三河守は、国許の領民が納めた血税を伝蔵が横領したことを大勢の前で咎め、留守居役の任を解かれ謹慎を言い渡されたのだった。怒りに打ち震える伝蔵はある計略を巡らせた。将軍家へ献上の茶碗墨染が途中で紛失すれば鳴海家が断絶になることは間違いない。そこで剣客の原小平太を呼び寄せると伝蔵の昔の女である岡崎藩の局藤波に手紙を渡すように言った。

岡崎から江戸まで往復でひと月余り。寂しくはないかと案ずる三次郎の気持ちを知ってか知らずか浪路は浮かれていた。そんな姉を弟の源一郎は冷やかし母に叱られた。やがて茶碗は藤波によって届けられたが、奥方の指図で墨染献上の遣いに添役として彼女も同道するのだという。それを知った源一郎は余計なババアめがと毒づいた。その夜、寝ずの番をしていた三次郎に浪路が声を掛けた。愛猫のすずが落ち着かない様子だったことで異変を感じていたのだ。翌朝早立ちということもあり心配は無用だと落ち着かせようとしたが、すずが何処かへ消えたことで気が気ではなかった。その頃、屋敷の外では刺客の一団が待ち伏せていたが、すずが威嚇を続けたことで不吉を感じ退散したのだった。

支度を終えた三次郎と浪路だったが、藤波が用心のためにと供を四人も召し連れてきたことで面食らった。すると藤波が用意した駕篭からすずが現れ、浪路が旅立つのを止めるように甘えるのだった。おとなしく留守番するのですよと諭して母に預けると、一行は危険を孕んだ旅に出た。

屋台的映画館
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仮面学園

  • posted at:2010-03-07
  • written by:砂月(すなつき)
かめんがくえん
「仮面学園」製作委員会(角川書店=ホリプロ=東映=アスミック・エース エンタテインメント)
配給:東映
製作年:2000年
公開日:2000年8月5日 併映「死者の学園祭」
監督:小松隆志
エクゼクティブプロデューサー:原正人
プロデューサー:柘植靖司 石矢博
原作:宗田理
脚本:橋本裕志
撮影:高瀬比呂志
音楽プロデューサー:浅沼一郎 安井輝
音楽:真魚
主題歌:「ランブル フィッシュ」Do As Infinity
照明:赤津淳一
録音:武進
美術:内田哲也
編集:足立浩
スクリプター:赤澤環
音響効果:柴崎憲治
キャスティング:杉野剛
助監督:原正弘
製作担当:朝比奈真一
製作プロダクション:アスミック・エース エンタテインメント
出演:藤原竜也 黒須麻耶 渡辺いっけい 石垣佑磨 栗原千明
アメリカンビスタ カラー 90分

私立光陽館高校に通う川村有季のもとに一通の電子メールが届いた。それはパーティーへの招待状だった。送り主は中学時代に同級生だった殿村秀治で、内気な性格だった彼とは一度も話をしたことがなかった。そんな彼からの招待を簡単に断わっていいものかと思い悩んでいた有季は、翌日クラスメイトの芦原貢に相談した。すると貢も同じメールを受け取っていたことがわかった。殿村は中学のときの同級生全てにメールを送信したが友達と呼べる人は誰もいなかったため、受け取った人は皆困惑していた。その日、いじめが原因で登校拒否をしていた段田徹が突然学校に現れた。不気味な仮面をつけた彼は初めて鬼頭誠に言い返したのだった。三日後、段田の影響を受けた北村憲治たちが仮面をつけて行動を起こし、鬼頭に歯向かった。事を荒立てたくない2年A組担任・野坂弘美は、段田と中学の同級生だった有季と貢に説得して欲しいと願い出たのだった。二人は段田と話す機会を持ち、仮面はいじめられる側の武装で、生まれ変わった自分を手に入れるためのアイテムであることがわかった。その情報の発信源は殿村であることを知り興味を引かれた有季は今夜のパーティーに出席することにした。

パーティー会場へやってきた有季と貢が驚いたのは、おとなしかった殿村が別人のように弾けていたからだった。殿村はこの会場に集まった人たちに仮面を付けさせた。そうすることで参加者は別の人格となり、大胆になれるからだった。貢が付けようかと迷っていると、有季の大きな声が響いた。「何考えてんのよ、スケベ!」。怒った有季は部屋を出て行った。有季は出口を探しているうちに一人の少年と出会った。少年は有季をある場所へ導いて行った。そこは仮面工房という名の小さな建物だった。壁に仮面が飾られた階段を降りて行くと、美しい顔の青年が座っていた。青年は仮面の製作者である堂島暁だった。有季は堂島が差し出した仮面を受け取ってしまった。

パーティーを境に、仮面を付けて登校する生徒が格段に増えた。その頃、世界的なファッションデザイナーのケン・ダイモンがブームに便乗して奇抜な新作を発表し、仮面モデルHIROKOとTOSHIを売り出した。都立田原西高校では仮面を教師から無理矢理剥がされたことを苦にした自殺者まで現れたことで、精神科医の城之内雄一郎は仮面がファッションの領域を超えて社会現象にまで高まっていると説いた。有季は、殿村が教師から仮面を取られたという理由だけで自殺したという話に疑問を感じていた。そこで週刊ホッパーの編集者でおじの矢場守に取材を依頼した。

屋台的映画館

仮面ライダー THE NEXT

  • posted at:2010-01-14
  • written by:砂月(すなつき)
かめんらいだーざねくすと
「仮面ライダー THE NEXT」製作委員会(東映ビデオ=東映=東映チャンネル=東映エージェンシー)
配給:東映
製作年:2005年
公開日:2005年11月5日
監督:田﨑竜太
製作:石井徹 中曽根千治 古玉國彦 福中脩
エグゼクティブプロデューサー:鈴木武幸
プロデュース:加藤和夫 矢田晃一 白倉伸一郎 武部直美
企画:日達長夫 吉田順 金子建 松田英史
スーパーバイザー:小野寺章
原作:石ノ森章太郎
脚本:井上敏樹
撮影:田中一成
音楽:安川午朗
主題歌:「CHOSEN SOLDIER」ISSA
挿入歌:「Platinum Smile」小坂りゆ
美術:和田洋
キャラクターリファインデザイン:出渕裕
編集:大畑英亮
キャスティングプロデューサー:福岡康裕
ラインプロデューサー:木次谷良助
助監督:高橋浩
制作主任:小沢禎二 石川貴博
制作プロダクション:東映東京撮影所
出演:黄川田将也 高野八誠 加藤和樹 石田未来 森絵梨佳
アメリカンビスタ カラー 90分

巷では顔面を切り裂かれる事件が続発していたが、同時に奇妙な噂が広まっていた。それは超人気アイドル・Chiharuの「プラチナム・スマイル」という曲を聞くと誰かに殺されるというものだった。その都市伝説が世間を騒がせている頃、本郷猛は城南大学付属高等学校の教壇に新米の生物教師として立っていた。真面目過ぎるが故に生徒たちからバカにされるお人好しな彼の正体は、世界を裏で操る秘密結社「ショッカー」の改造人間だった。彼はあることをきっかけにして自我に目覚めると復讐を開始し、刺客として送り込んできた一文字隼人をも巻き込んで戦うことになったのだ。ショッカーを裏切ってから2年が経ったある日、クラスの問題児である菊間琴美の家庭訪問を抜き打ちで行うことにした。彼女はクラスメイトとコミュニケーションを取ることが苦手なため度々授業を休むことがあるのだ。授業が終わると猛は彼女が住むアパートに向かったが、それよりも遅く帰った琴美は関係ねえだろうと捨て台詞を吐くと素通りして戸を閉めた。困った猛は入り口に放置してある段ボールの雑誌をゴミ集積所に出してあげようとしたが、出掛けるために着替えてきた琴美に余計なことをするなよと怒鳴られた。

琴美の唯一の親友はChiharuだった。仕事が忙しくなってからも交流は続いていたが、ある日突然連絡が途絶えた。心配になり連絡ルートを模索した結果、思いついたのはファンクラブの会長・岡村と接触することだった。その夜、琴美は岡村と会う約束しレストランで待ち合わせをしていると窓の外に車の中から手を振る彼の姿が見えた。その後、駐車場へ向かう岡村だったが琴美にChiharuのことを伝えることなく車中で殺された。そのことを知らない琴美は、しばらく待っても彼が店に入ってこないため心配になり迎えに行くことにした。すると見覚えがある車が道路に放置してあり、不思議に思いながら近づいて行くと岡村が顔面を切り裂かれて死んでいた。その惨たらしい様子を見て気絶する琴美に近づいてきたのは猛だった。

猛は琴美をアパートまで運び看病することにしたが、彼女とChiharuが仲良く寄り添う写真立てに手を伸ばそうとしたときに目を覚ました。感謝する琴美は、両親が昨年離婚し既に再婚したことでわずかながらの仕送りで一人暮らししていること、急に連絡が取れなくなったChiharuが最後に泣きながら死にたいと電話してきたことを話した。彼女の身に何かあったとしか考えられないと琴美が言うと猛は協力すると約束したが、日頃から学生たちにバカにされている彼の言葉は信用されなかった。

屋台的映画館

悲しき天使

  • posted at:2009-11-22
  • written by:砂月(すなつき)
かなしきてんし
ツインズジャパン
配給:ファーストウッド・エンタテインメント
製作年:2006年
公開日:2006年10月28日 先行公開(大分)2006年10月21日
監督:大森一樹
製作:神野智
プロデューサー:原公男
アソシエイトプロデューサー:浅沼孝
ラインプロデューサー:山下秀治
脚本:大森一樹
企画:吉田晴彦
撮影:林淳一郎
音楽:山路敦
・・・:「Those were the days」Ryu
美術:丸尾知行
照明:磯野雅宏
装飾:藤田徹
録音:井家眞紀夫
整音:山本逸美
編集:菊池純一
スクリプター:江口由紀子
助監督:吉村達矢
製作担当:井上順
出演:高岡早紀 山本未來 河合美智子 筒井道隆 岸部一徳
アメリカンビスタ カラー 113分

多摩川河川敷で男性の射殺体が発見された。松下泰造・59歳。三重県から息子・和夫を訪ねて上京した。警視庁の沖島啓介刑事と河野薫刑事は事情を聞くために和夫が住んでいるアパートを訪れた。彼は薄暗い部屋の中で震えていた。

和夫の母親が泰造を連れてきたことで平和な家庭が崩壊した。辛い目に遭った和夫は高校を卒業するとすぐに家を飛び出し、アルバイト仲間とともに秋葉原でインターネットゲームのサイトを作った。事業は成功しマスコミに取り上げられたが、その新聞記事を見た泰造が金をねだりに来たのだ。口論して熱くなった二人はもみ合いになり、和夫は泰造を思わず突き飛ばした。クローゼットに頭を打ち付けた泰造はそのまま動かなくなり、動揺した和夫は、姉・那美に電話を掛けて助けを求めた。那美は和夫より先に上京していた。二人は会うことはなかったが、電話で連絡は取り合っていた。相談を持ちかけられた那美は泰造を多摩川に捨てる計画を立てた。「気にすることない。私たちを苦しめた当然の報いだから」。河川敷に来たとき、和夫に背負われた泰造が息を吹き返した。一時的に気を失っていただけだったのだ。泰造は和夫の首を後から締め付けると地面に押さえ込んだ。それを見た那美は、車内から拳銃を取り出し銃口を泰造に向けた。そして憎しみを込めて三度引き金を引いた。「人の人生、無茶苦茶にしやがって・・・」。

沖島と薫は、上司や同僚に無断で大分県・別府へ向かった。温泉地・鉄輪には那美の昔の恋人・関川慎二が社長を務める旅館・筑新があった。四日市にある高校のサッカー部のエースだった関川は、そのころから那美と付き合っていた。大学に進学した関川は、プロになったら結婚しようと約束していたが、その二人の仲を引き裂いたのが泰造だった。旅館・みなとやの三階からは、筑新の様子がよくわかった。銃をお守りにする那美に共感を覚えた薫は、彼女がそこへやってくることを信じていた。電話連絡をし、上司から与えられた期限は6日間。二人は張り込みを開始した。

屋台的映画館

仮面ライダー THE FIRST

  • posted at:2009-10-29
  • written by:砂月(すなつき)
かめんらいだーざふぁーすと
「仮面ライダー THE FIRST」製作委員会(東映ビデオ=東映=東映チャンネル=東映エージェンシー)
配給:東映
製作年:2005年
公開日:2005年11月5日
監督:長石多可男
製作:石井徹 中曽根千治 古玉國彦 福中脩
エグゼクティブプロデューサー:鈴木武幸
プロデューサー:加藤和夫 矢田晃一 白倉伸一郎 武部直美
企画:日達長夫 吉田順 金子建 松田英史
原作:石ノ森章太郎
脚本:井上敏樹
撮影:田中一成
音楽:安川午朗
・・・:「レッツゴー!!ライダーキック」藤浩一
・・・:「Bright! our Future」DA PUMP
美術:斉藤岩男
キャラクターリファインデザイン:出渕裕
編集:須永弘志
出演:黄川田将也 高野八誠 小嶺麗奈 小林涼子 宮内洋
アメリカンビスタ カラー 90分

取材のために足しげく通う週刊ABBA社の記者・緑川あすかは、城南大学で行われている水の結晶の研究に興味を持ち、その研究を行う大学院生の本郷猛にも惹かれた。だがあすかは同僚の矢野克彦とゴールイン間近で、それを知っていた猛は彼女が幸せになることを願っていた。ある夜、バイクで帰宅していた彼はトンネル内でショッカーと名乗る集団に襲われた。ショッカーは社会の裏側に暗躍する組織で、類まれな頭脳とずば抜けた身体能力を持った彼に食指を伸ばしたのだった。

深夜のウェルコンピューター社に警報が鳴り響いた。警備員が該当現場に駆け付けると、そこにはショッカーの改造人間・ホッパーが立っていた。ホッパーは警備員を次々となぎ倒すとメインフレームのある部屋に軽々と侵入し破壊した。爆風とともに外へ脱出したホッパーの正体は、洗脳とともに肉体の改造手術を施された猛だった。任務の成功に喜ぶショッカーが彼に与えた次の任務は、組織の活動に妨げとなる人間の排除だった。既に計画は動いており、猛は他の仲間のサポート役を命じられた。

ABBA社の編集長は過去に雑誌で組んだ特集の記事が気になっていた。それはあすかが書いた「オフィス街に『怪人現る』!」というもので、ウェルコンピューター社での目撃談をもとにした記事だった。彼はあすかを呼び出すと、この事件に拘る話をした。あすかが取材し怪人を見たと証言した5人のうち4人が行方不明になっていた。彼女自身はそれを単なる都市伝説の類かと思っていたが、編集長の話で不安になり克彦に相談した。その結果、最後の手掛かりとなる証言者を2人で追跡することにしたのだ。ところが男が乗ったタクシーは叫び声とともに急停車し、あすかたちが駆け寄ったときにはもう姿がなかった。再び公園の中で叫び声が上がり、その方向へ向かうと横たわった証言者は既に息がなかった。そのとき頭上から改造人間・スパイダーが現れ、あすかに飛び掛かると彼女は頭を打って気絶した。一方、克彦は一刻も早くその場から離れようとして駆け出したが、彼の前にホッパーが立ち塞がった。彼の首を掴んで持ち上げたホッパーだったが、空から舞い落ちる雪に触れた瞬間、洗脳が解けたのだった。ホッパーが手を下さないことで痺れを切らしたスパイダーが克彦に止めを刺そうとしたそのとき、猛はそれを阻止した。スパイダーはホッパーを倒そうとしたものの圧倒的なパワーの違いを見せつけられ「裏切り者にはショッカーの裁きを」と言い残して姿を消した。人の姿に戻った猛は克彦を介抱しよう近づいたが、その様子を回復したあすかに見られたため慌てて逃げ出したのだった。

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