かいだんばらばらゆうれい
大蔵映画
配給:大蔵映画
製作年:1968年
公開日:1968年5月28日
監督:小川欽也
脚本:津川京一
撮影:岩橋秀光
音楽:長瀬貞夫
美術:宮坂勝己
照明:石田清三郎
録音:星一郎
助監督:佐藤治
編集:金子半三郎
記録:今井敏夫
結髪:小池律子
製作主任:永野保徳
出演:秋川玲子 林美樹 清水世津 椙山拳一郎 二階堂浩
シネマスコープ パートカラー 71分
小泉正子は最愛の父・大作が自動車事故で死去したことを知り日本へ戻ってきた。もう二度とこの地を踏むことはないと思っていたが。自宅に着くと呼び鈴を何度押しても誰も出て来なかったため勝手に上がって居間でくつろいでいた。するとしばらくして着衣が乱れた友子が現れた。その様子と灰皿の中にある吸い殻から正子は彼女に疑いの眼差しを向けた。外交官だった大作はバーの女給だった友子と一度だけ関係を持ったが、その後は友子の方から一方的に押し掛けた。彼女のことを愛していない大作はそのことを迷惑がり再婚を渋ると、友子は自殺して新聞沙汰にするとわめき散らして脅迫したのだった。その結果、二人は再婚することになったが、正子は反対し結婚式の夜に家を飛び出すとアメリカへ旅立ったのだ。この再婚を裏で操っていたのは塚越五郎で、結婚する前からの関係は今でも続いていた。こんなつらい思いをするなら帰ってこなければよかったと後悔している正子の前に現れたのは、腹違いの姉・澄江と恋人の伸二郎だった。伸二郎は正子のかつての恋人だったが、彼女が父への憎しみで理性を失い結婚式の夜に突然旅立ったことでおいてきぼりを食ったのだ。再び目の前に現れた正子に、伸二郎はもう一度僕にチャンスを与えてくれますかと尋ねた。あなたを信じ愛することを。彼が自分を必要としていることを知った正子はもう一度やり直すことに決めた。
友子は伊崎弁護士から遺言書のに基づく財産分配の話を聞いた。株券や不動産のなど1億円近い遺産のほとんどが正子名義になっているというのだ。そこで彼女は色仕掛けで伊崎に迫り遺言書を手に入れると塚越はそれを燃やした。遺産が自分名義になっていることを正子が知らなければ、あとは伊崎がうまくやってくれる手筈になっていた。そしてもしものときのために塚越は密会の証拠を写真に残していた。伸二郎と一夜をともにした正子が自宅に戻ると、友子が塚越と逢瀬を重ねていた。父や母との大切な思い出を汚されたくない正子は家を出ることに決めたが、それに慌てた友子は思い止まらせようと説得した。一方、伸二郎が結婚を決意した正子といるところを偶然見かけた澄江は、彼があの遺産を独り占めしようと考えているのではないかと疑った。伸二郎も澄江が伊崎と度々会っていることを知っていた。友子が伊崎を抱き込んだら除け者にされてしまうからだと澄江が言うと伸二郎はそれを信じた。
正子は4人の前で、父の墓参りをしてから日本を発つので財産はみなさんで処分してくださいと言った。だが伊崎からの電話で正規の遺言書が東南銀行の金庫に保管されていることを知り友子たちは愕然とした。遺産の分配には正子の承諾が必要であることから、翌日自身で銀行へ出向いて書類の内容を確認し、父の墓前に4人を集めると回答を行った。それは今住んでいる家と別荘は澄江と友子に任せ、その他の財産は不幸な子供たちに寄付するというものだった。落胆する4人は再び集まると正子の殺害計画を立てた。
屋台的映画館
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