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日活=NHKエンタープライズ21=ソニーPCL
配給:日活
製作年:1999年
公開日:2001年10月6日
監督:矢崎充彦
製作総指揮:中村雅哉
製作:酒井治盛 高野昌幸 猿川直人
プロデューサー:横手実 飯野恵子
協力プロデューサー:平井健一郎
ラインプロデューサー:田口聖
原案:矢崎充彦 まつざわなおと
脚本:矢崎充彦
撮影:栗山修司
企画:高橋康夫 尾又富雄 明石知幸
音楽プロデューサー:佐渡岳利
音楽:中尾淳
主題歌:「Sleeping Butterfly」山崎まさよし
照明:鳥越正夫
美術:山田好男
録音:横野一氏工
編集:普嶋信一
スクリプター:荘原はる
キャスティング:中澤サカキ
助監督:池上純哉
製作担当:白石治
出演:高田宏太郎 椋木美羽 美保純 伊集院光 松重豊
アメリカンビスタ カラー 108分
高校2年生の西野康助は、授業が終わるといつものようにアルバイト先である新宿のピザ・チェーン店「ピザーラ」へ向かい、いつものように細村店長と衝突した。遅刻が27回、無断欠勤が3回、客のピザを落としたのが2回あったことを理由に時給を下げるというのだ。要求を呑むか、それとも辞めるかの二択を迫られた康助は辞めることをしたのだが、ピザが焼き上がったため最後のピザの配達に出掛けた。街はクリスマスのイルミネーションで華やいでいたが、怒りが収まらない彼の心は一向に晴れなかった。そんなこともあって彼はバイクを飛ばして確認をせずに交差点の角を曲がろうとしたため、通行人に気付くのが遅れてた。康助は舗道に倒れ込む若い女性に対して思わず「ボーッとしてんなよ!」と毒づいたが、女性は自分の体よりも転倒したときに落としたバッグを心配した。彼女はプロのカメラマンで、バッグには商売道具のレンズが入っていたのだ。レンズは壊れていた。女性は康助に謝るように言ったが、俺は金がないからとバイクから降りようともしなかった。
康助は雑誌編集者の母・尚美との二人暮らしで父親とは昨年離婚した。母に事故のことを言い出せずお金の相談も出来なかったことから、彼は頼みの綱である細村に給料の前借りを申し出た。だが当然のことながら断られ、辞めるんじゃなかったのかと問い詰められた。さらに私用の電話をするなと言われ、その相手があの女性からだったとわかると自宅までバイクを飛ばした。絶対弁償するからと言うために。数日後、康助はレンズ代には遠く及ばなかったが、身の回りの私物を売り払って作ったお金を持って女性=飯塚令子の部屋を訪れ、そこで初めて「ゴメン」と謝った。その言葉を聞いた令子がお金のことかレンズのことかと問うと、康助は両方と答えた。それを聞いた令子は気持ちに区切りをつけるために散歩へ誘い、身近な話をすることにした。そして彼のことがわかるとお金を受け取ろうとせず、その代わりに康助が作ったピザを届けて欲しいと言った。そして思わず口から出た「すみません」という彼の言葉に、令子は謝るのって簡単でしょと言った。
今まで一度もピザを焼いたことがない康助は、スタッフの特訓を受けることになった。そして翌日ようやく一枚の特製ピザが完成したのだが、令子を訪ねていくら呼び鈴を鳴らしても彼女は出てこなかった。その様子に気付いた隣人は、彼女が田舎へ帰ったことを伝えた。康助が落胆して帰宅すると尚美は急ぎの雑誌の仕事に掛かり切りだった。彼は持ち帰ったピザを食べるように言ったが、後でと言って取り合わなかった。「好きな人が作ったものならうまいだろ!」。母には再婚するかもしれない雑誌カメラマンの真木という相談相手がいるが、自分にはいない。孤独感を感じた彼はひとり思い悩み、やることがあるからと言って再び出掛けた。そして閉店後の誰もいない厨房で令子のことを思い徹夜で納得が行くまでピザを焼き続けたのだった。明け方、バイト仲間の明を呼び出すと、令子がいる長崎へピザを届けると告げた。
屋台的映画館
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