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戦国自衛隊1549

  • posted at:2010-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
せんごくじえいたいいちごうよんきゅう
「戦国自衛隊1549」製作委員会(角川映画=日本映画ファンド=日本テレビ放送網)
配給:東宝
製作年:2005年
公開日:2005年6月11日
監督:手塚昌明
製作:黒井和男
製作補:佐藤直樹 秋葉千晴
プロデューサー:鍋島壽夫 土川勉 貝原正行
原案:半村良
原作:福井晴敏
脚本:竹内清人 松浦靖
撮影:藤石修
音楽:shezoo
主題歌:「涙の数だけ」Full Of Harmony
美術:清水剛
照明:渡辺三雄
整音:中村淳
録音:湯脇房雄
編集:普嶋信一
特撮監督:尾上克郎
VFX:道木伸隆 大屋哲男
音響効果:柴崎憲治
殺陣:深作覚
馬術指導:田中光法
助監督:兼重淳
キャスティング:杉野剛
製作担当:芳川透
出演:江口洋介 鈴木京香 鹿賀丈史 北村一輝 綾瀬はるか
アメリカンビスタ カラー 119分

2003年10月13日、東富士駐屯地で行われた陸上自衛隊による実験で事故が発生した。太陽の活動は十一年周期で活発化し、その際にフレアと呼ばれる爆発が起こる。爆発によって発生したプラズマは、地球上の電子機器に障害を与える可能性が高い。それが有事に起これば自衛隊は無力になってしまうのだ。そこで人工磁場を使ってプラズマの方向性を変え、障害を排除するシステムの開発に着手した。実験は秘密裏に行われ、的場毅一佐率いる第三特別実験中隊が参加した。その日はプラズマが地球に到達するという好条件だったが、その大きさは磁場シールドの耐久測値を上回っていた。しかし指揮官は作戦を強行した。すると実験場は嵐に包まれ、静まったときには第三特別実験中隊を囲んだ一帯が消滅していた。代わりにそこに出現したのは、叢だった。

事故から2年後のある日、居酒屋の雇われ店長・鹿島勇祐の前に二人の自衛官が現れた。一人は森彰彦3等陸佐、そしてもう一人は、あの実験の指揮官、神崎怜2等陸尉だった。二人は勇祐にこれまで起こった経緯を話し始めた。調査をした結果、実験場に出現した叢は約500年前のものであることが判明した。その3日後、叢は消え再び元の地面が現れた。それと同時に騎馬武者も運ばれてきたのだ。このことから一時的に過去と現代の空間が転移し、再生したのではないかと考えられた。そこで防衛庁はこの転移を利用して的場一佐たちを救うべく二度目のタイムスリップを行う計画を進めていたのだ。オペレーション・ロメオという名の救出作戦は、観測衛星で再びフレアが観測されたことで現実味を帯びてきていた。勇祐は的場が創設した特殊部隊・Fユニットの一員であり、彼が作製した攻略不能といわれる演習シナリオ・D-3を制圧した唯一の人間だった。勇祐なら的場の行動パターンが読めるかもしれないということで指名されたのだ。

彼らを救出する目的はもう一つあった。日本各地では「ホール」と名付けられた虚数空間が発生し、成長をし続けていた。この「ホール」の存在は、過去へ飛ばされた第三特別実験中隊がその時代で何らかの過剰な干渉をしたのではないかと考えられていた。本来なら彼らが過去へ飛ばされた時点で消滅したかもしれない現在が存在するということは、小さな傷であれば歴史には修復する能力があり、もしそれが本当であれば早めに手を打つ必要があった。過去での彼らの行動が現代社会を消滅させかねないからだ。話を聞き終えた勇祐は二人にこう言い放った。「消えちまえばいいんだ、こんな世界」。政治的な事情でFユニットが解散に追い込まれてから、彼は生きる熱意を失っていた。

翌日、勇祐の店に一人の男が現れた。奇妙な言葉を使うその男は、「美濃の国、斎藤山城守道三が家臣、飯沼七兵衛」と名乗った。2年前の事故のときに戦国時代から飛ばされてきたあの侍だったのだ。平和で自由な世の中が消えてしまうかもしれないという火急時に身勝手な態度をとる勇祐を腹立たしく感じていた。彼は最後にこう言い残して歩き去った。「そのような腰抜けならば、おぬしこそこの世から消えてしまえば良いのだ」。勇祐は、退官するときの的場からかけられた「己の信念をに従い、未来に対する責任を持って生きろ」という言葉を思い出した。その責任を全うするため、彼はロメオ隊への入隊を志願した。

屋台的映画館
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