もうじゅうぶいえすいっすんぼうし
石井プロダクション
配給:石井プロダクション=スローラーナー
製作年:2001年
公開日:2004年3月13日
監督:石井輝男
プロデューサー:石井輝男
原作:江戸川乱歩
脚本:石井輝男
音楽:藤野智香
撮影:石井輝男
照明:野口素胖
録音:岩井澤健治
美術:鈴屋港 八木孝道
特殊美術:原口智生
記録:氏家とわ子
編集:矢口将樹 山下暁子
製作主任:菅原養史
出演:リリー・フランキー 塚本晋也 平山久能 リトル・フランキー 藤田むつみ
スタンダード カラー 94分
評判を聞いた三文小説家の小林紋三は、浅草レビュー「ムーランルージュ」のスター・水木蘭子の舞台を観に行った。館内は蘭子のファンばかりで盛り上がりは最高潮に達していたが、隣に座っていた男だけは何故か終始うつむいていた。彼は盲目だった。ムーランルージュや映画館、劇場が跳ね街に静けさが戻ると、浅草は別の顔を見せた。紋三は何が起こるかわからないこの街に胸をときめかせた。公園のベンチに座っていると、早速近寄って来たのはおかまだった。彼の周りには一風変わった面々が入れ代わり立ち代りやってきたが、しばらくすると子供が小さな包みを抱えて歩いていくのが見えた。だが良く見ると、それは体の小さな成人の男だった。紋三は然したる目的もなく一寸法師の後をついて行った。探偵小説のネタになればいい、そんな軽い気持ちだった。酔っ払いは一寸法師の前に歩いて来たかと思うとその場に寝込んでしまった。困った一寸法師はその男を飛び越えたのだが、そのときに包みを落としたのだった。紋三は風呂敷きの隙間から人の手が覗いているのを見てしまったため、最後まで見届けることにした。だが古ぼけた寺の庫裏で見失ってしまった。
翌朝、女の片足が見つかったという新聞記事を読んだ紋三は男が消えた寺を再び訪ねたが、いくら呼び掛けても返事はなかった。近くのタバコ屋で聞いてみても、女主人からは五十年住んでいるがそんな男は見たこともないという答えしか帰って来なかった。諦めて帰ろうとしたとき、紋三は山野大五郎の妻・百合枝と出会った。百合枝とは同郷の誼で親しくしていたが、彼女は本当に困ってしまったと悩みを打ち明けた。百合枝は大五郎と二十歳も年の差がある夫婦で、義理の娘の三千子とは四歳しか違わなかった。家出した三千子を捜して欲しいと紋三は願い出たが、明智の興味は失踪した蘭子の事件にしかなかった。だがしつこく頭を下げられたため、しかたなく引き受けることにした。
三千子の寝室は洋館の二階にあるのだが出入り口は一つしかなかった。出入り口の前には夫婦の寝室があるため、部屋から出ればすぐにわかるはずだった。だが消えてしまった。明智はこの家に関わる人を集め話を聞くことにした。下女の話で収集日でもないのに朝早く衛生夫が来たことを知り、明智はそれが事件を謎を解く鍵ではないかと考えた。ゴミ箱の中に人間を隠し収集と同時に持ち去るという突飛な着想を考え出したのは誰なのか。明智の犯人捜しが始まった。
屋台的映画館
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