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痴人の愛(1967年)

  • posted at:2009-02-15
  • written by:砂月(すなつき)
ちじんのあい
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1967年
公開日:1967年7月29日 併映「悪魔からの勲章」
監督:増村保造
企画:久保寺生郎
原作:谷崎潤一郎
脚本:池田一朗
撮影:小林節雄
音楽:山本直純
録音:渡辺利一
照明:柴田恒吉
美術:間野重雄
編集:中静達治
助監督:岡崎明
衣裳考証:真木小太郎
製作主任:林秀樹
現像:東京現像所
出演:安田道代 小沢昭一 田村正和 倉石功 内田朝雄
シネマスコープ カラー 95分

精油所の技師・河合譲治は酒やギャンブルに縁がなくスポーツにも興味がないことから、上司から稀に見る真面目人間だと思われていた。だが彼は密かにペットを飼育していた。

譲治がナオミを初めて見たのは行きつけの喫茶店だった。陰気で無口で顔色の悪い18歳のウェイトレスだったが、利口そうな彼女をあんな店に置いておくのはもったいない。引き取って教育し、立派な女になれば結婚してもいいと考えていた。彼女の実家は飲み屋で、夜はそこで働いている。ナオミの家族が譲治の考えに賛同したため、海から近く日当たりも空気もいい貸別荘を一軒借りて下宿から移り住んだ。だがナオミとは結婚したわけではなかった。親切なおじさんとして務めるため、寝室は別だった。譲治は趣味の写真とともにナオミの成長記録を克明につけた。
ナオミは日毎に元気になり、子猫のようにピチピチとして快活だ。肩、胸、腰、足、どの部分を眺めてもかぶり付きたいような魅力を持っていた。譲治はいつも風呂場でナオミの体を隅々まで磨いていたが、彼女はある晩、お嫁さんにして欲しいと言った。譲治は理想的な女になるまで我慢しようと決心していたが、欲望に負けてしまった。翌日、譲治はナオミの母・阿部正子に会い、正式に籍を入れたいと申し出た。一年間他人だったことに驚いた正子は、煮て食おうと焼いて食おうとご勝手にと言った。ナオミはこの家が大嫌いだった。だから譲治に拾われたことに感謝していた。一方、譲治もナオミと出会えたことを幸運に思っていた。

田舎の母親に許しを貰い、ナオミは譲治の正式な妻となった。だが大っぴらな結婚式は先に延ばした。二人だけの楽しい世界を人に知られたくなかったからだ。ナオミの体は日に日に美しくなり、胸もお尻も大きくなって見事に成熟してきたが、天は二物を与えなかった。賢い立派な女になる気配が全くなかったからだ。例えばナオミが選ぶ服は、ただけばけばしいだけで品がなく、贅沢で何着も買いたがった。20万円のピアノを買い与えたのに、先生が気に入らないから辞めると言った。料理も洗濯もせず、食事は外から取り寄せ汚れ物は放りっ放しだ。譲治は、だらしがないナオミを一度「締める」必要があると考えた。退屈だというナオミに譲治は英語の勉強をさせようとした。だがナオミはわからないと言ってテキストを破り捨ててしまった。頭にきた譲治は、結婚を止めにしてあの家に戻るか、それとも謝って言いなりになるかを選択させた。ナオミは手を付いて謝ったが、もし習うのなら英語ではなくイタリア語をやりたいと言った。近所の貸別荘に住むアメリカ将校の奥さんがイタリア人で、自宅で教えているからだ。譲治はダメだと言ったが、熱意に負けて了解してしまった。英語が嫌いな上に譲治からバカだと言われたナオミは、わざと出来ないふりをしてからかっていたのだ。ナオミは譲治に向かって「馬になりなさい」と言った。主導権を握っていた譲治はいつの間にか馬乗りの馬に成り下がっていた。

屋台的映画館
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