もほうはん
「模倣犯」製作委員会(東宝=小学館=博報堂=日本出版販売=毎日新聞社=スポーツニッポン新聞社=FM TOKYO=日本テレビ放送網)
配給:東宝
製作年:2002年
公開日:2002年6月8日
監督:森田芳光
製作:島谷能成 亀井修 安永義郎 棚次隆
企画:鶴田尚正 中島健一郎 北條茂雄 青山悌三
プロデューサー:本間英行
アソシエイト・プロデューサー:市川南 春名慶 堀口慎
企画協力:三沢和子
原作:宮部みゆき
脚本:森田芳光
音楽:大島ミチル
オープニングテーマ「modulation」&挿入曲「ピースのジレンマ」:☆タカハシタク(m-flo)
音楽プロデュース:長崎行男 北原京子
撮影:北信康
美術:櫻井佳代
録音:橋本文雄
照明:渡辺三雄
編集:田中愼二
キャスティング:田中忠雄
助監督:杉山泰一
製作担当者:金澤清美
出演:中居正広 藤井隆 津田寛治 木村佳乃 山崎努
アメリカンビスタ カラー 124分
東京の下町で豆腐店を営む有馬義男。彼は娘の古川真智子、孫娘の鞠子と暮らしていた。夫が帰ってこないことで落ち込む母にの代わりに家事を手伝う鞠子の姿を義男が見たのは、2月なのに春のように暖かいということを除けば、いつもと変わらないその日が最後だった。仕事に行ったまま帰ってこない鞠子を心配した真智子は、眠っている義男を揺り起こした。時計の針は午前三時を指していたが、義男はきっと用事でも出来たのだろうと真智子を落ち着かせようとした。警察に行ってくださいとせがむ娘に義男はゆっくりと頷いた。
鞠子が行方不明になってから10ヵ月後、犬を連れて大川公園を散歩していた少年が銀色の保冷シートに包まれた人の右腕とショルダーバッグを発見した。その第一発見者は、佐和市教師一家殺人事件で命拾いした塚田真一だった。彼を心配した雑誌記者の前畑滋子は、兄・昭二に一緒に暮らしてあげて欲しいと頼み込んだ。真一は不幸な事件に遭遇したことで大きなショックを受けたが、そのときに取材で知り合った滋子にだけ心を開いていた。連絡を受けた義男は真智子をつれて警視庁に向かったが、彼女は心労で倒れ入院した。その頃、犯人を名乗る人物が生放送のテレビ番組に電話出演し、公園の片腕は別人で、ショルダーバッグは鞠子のものだと言った。犯人は通常の悪戯と区別するために警視庁にあるパソコンのキーナンバーを伝え、声紋を分析出来ないようにデジタル信号化した声を使ってしゃべっていた。彼は義男に電話を掛け、横浜にあるベイシアターホテルに呼び出した。そしてフロントでメッセージを受け取った義男は28階にあるバー「ベイ・ビュー」に向かった。水割りの飲みながら待っていると、家の郵便箱の中を見ろという内容の電話が犯人から掛かった。自宅に戻った義男が郵便箱から取り出した封筒を開けると、中から鞠子の腕時計と手紙が入っていた。そこには「これで僕が本物だってわかったろ?」と書いてあった。
番組に電話を掛けた犯人は遺体のある場所を教えると言った。だがその方法はインターネット上に流した画像をヒントに遺体を探し出すというクイズだった。警察が先か、それとも一般人が先か。この前代未聞の展開に人々の好奇心は駆り立てられて行った。前回と同様のシートに包まれた遺体は白骨化した状態で見つかったが、現場となった千鳥のガスタンク付近は遺体探しに参加した野次馬が警察関係者と揉み合いとなり、騒然とした雰囲気に包まれた。警視庁から重要参考人として取調べを受けた田川一義は匿名で番組に出演していたが、そこへ犯人が電話で割り込み、顔を晒せと挑発した。そして今後起こる殺人の現場をライブ配信すると予告したのだ。予告当日の午後8時、中継は始まった。その頃、山梨県のグリーンロードで一台の乗用車がガードレールを突き破って転落、炎上した。栗橋浩美と高井和明は即死、そして車のトランクからは昭二の遺体が発見された。彼は滋子の本の愛読者という顧客から別荘の畳の見積もりを依頼され、山梨に出掛けたのだ。捜査の結果、栗橋のマンションから事件に関係する写真や証拠品が多数見つかり、高井と二人でいるところを目撃したという証言があることから、彼らが一連の殺人事件に関与している可能性が高いと発表した。兄を失った滋子は悲しみに暮れていたが、被害者遺族を取材する側からされる側に移ったことでマスコミの無神経さを痛感した。
事件は収束に向かうと思われていた頃、栗橋たちの中学時代の同級生で経営コンサルタントの網川浩一がテレビ番組に出演した。彼は高井は事件とは関係なく、栗橋が別の人物とともに犯行に及んだのだと思うと言った。
屋台的映画館
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