しんざとういちやぶれとうじんけん
勝プロダクション=大映(京都撮影所)
配給:ダイニチ映配
製作年:1971年
公開日:1971年1月13日 併映「男の世界」
監督:安田公義
製作:勝新太郎
製作補佐:西岡弘善
原作:子母沢寛
脚本:安田公義 山田隆之
撮影:牧浦地志
音楽:冨田勲
美術:西岡善信
録音:大谷巖
照明: 美間博
編集:谷口登司夫
音響効果:倉嶋暢
擬斗:楠本栄一
助監督:太田昭和
製作主任:眞田正典
現像:東洋現像所
出演:勝新太郎 王羽 浜木綿子 寺田路恵 南原宏治
シネマスコープ カラー 94分
奥州街道の粕壁宿で杉戸一家のヤクザと大立ち回りを繰り広げた座頭市は、残党に付け狙われていた。叢の中で取り囲まれた市は、物音を立てない相手に難儀した。しかし草を踏む音が聞こえるや否や、拾った石を投げつけた。市は悲鳴の聞こえた場所へ走って行き、そこに仕掛けられた罠を確認すると掛かったふりをした。三人のヤクザは一斉に市に襲い掛かったが、一瞬のうちに叩き斬られた。
唐の武芸者・王剛は、興行を行う李向一座と親しくなり酒を酌み交わすことになった。街道筋を歩いていた一行は、将軍家への献上品を運ぶ南部藩の行列に出くわした。事情のわからない王剛は李向の指示に従って道の脇によりひれ伏したが、李向の息子・小栄は凧を追いかけて行列の供先を横切ってしまった。供先は刀を振りかざすと小栄に一太刀浴びせようとしたが、母・玉梅が身代わりとなって斬られてしまった。李向は傷を負いながらも小栄を助け出し、王剛はそれを援護した。無礼者を取り逃がした侍たちは、その場にいた百姓や町人たちを次々に斬殺した。
子供の泣き声がする方へ市が歩いていくと、側から血の臭いがすることに気付いた。蒼ざめた李向は、彼に子供を託すと息を引き取った。腹を空かせた小栄を連れてめし屋に入った市は、早朝に起きた無礼討ちの詳細を芸者のお仙から聞いた。行列の供先を斬った唐人はまだ捕まっていなかったのだ。
侍たちは王剛を石切り場の小屋に追い込んだが、武芸者を目の前にして手を出せずにいた。そこで王剛の首に五両の賞金を掛け、加勢する人足たちを集めた。石切り場を仕切る石川藤兵ヱはしびれを切らし、強面の部下三人に切り込むように命じた。ところが力の差は歴然で、三人は一瞬のうちに斬り倒されてしまった。そこで今度は小屋に火をつけて王剛を燻り出すことにした。逃げ場を失った王剛は外へ飛び出したが、侍たちの攻撃を身軽にかわすと走り去った。
小栄と裏街道を歩いていた市は、追っ手から逃れた王剛と出会った。王剛はこの子を何処へ連れて行くのかと市に言った。言葉を理解できない市は、彼が小栄を助けた唐人だとわかり懸命に対話を図ろうとしたが、王剛はついて来るなと市を突き放して小栄を連れて行ってしまった。まるで狐につままれたみてえだと市は言った。唐人は唐人同士もとの鞘へ納まったってわけだ、心配しても始まらねぇ、そうつぶやきながら歩く市の姿を目撃したのは杉戸一家の残党だった。
屋台的映画館
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