あきれたむすめたち
新東宝
配給:新東宝
製作年:1949年
公開日:1949年10月10日
監督:斎藤寅次郎
製作:伊藤基彦
原作:阿木翁助
脚本:八住利雄
撮影:友成達雄
音楽:上原げんと
作詞:サトウハチロー
美術:加藤雅俊
録音:沼田春雄
照明:秋山清幸
編集:後藤敏男
助監督:毛利正樹
製作主任:鈴木義久
出演:柳家金語楼 花菱アチャコ 月丘千秋 久我美子 千石規子
スタンダード モノクロ 83分
不二銀行の雑務係をしている泉山金太郎は、戦時中の国策である「生めよ増やせよ」が祟って今では12人の子持ちになっていた。子供たちの食欲は旺盛で、貧乏所帯はさらに生活が困窮して行った。家庭内では兄弟ゲンカが日常茶飯事であることから金太郎は頭を痛めていた。
金太郎は銀行から仕事ぶりを評価され、本店への現金運搬を任されていた。夕方はいつもリュックを背負って運ぶのだが、その日は数人の暴漢に待ち伏せされた。金太郎はいきなり男たちに取り囲まれると腹を一発殴られ、リュックを奪われてしまった。次男・二郎が父親に会いに銀行の通用口へ行くと、そこには知らない係員が立っていた。二郎はその男と話すうちに金太郎が勤めを辞めたことを知った。安月給で頭でも割られちゃ敵わないと急に嫌気が差したのだ。退職金を貰った金太郎は、妻・おみよと儲かる商売の相談をしていた。すると日頃顔を出さない子供たちが噂を聞きつけて二人の周りに集まり出した。離婚して三人の子供を養う長女・初江は、文房具屋を始めるのにいい物権が見つかったから資本金を出して欲しいと言い出した。二郎は宿直の晩に学校のガラスを割られ、責任を負うためにお金が必要だと言った。タクシー会社に勤める三女・留子は、自動車事故を起こし弁償のためのお金がいると言った。
子供たちに退職金をあらかた持って行かれた金太郎は、なけなしの資金でアイスキャンデー屋を始めた。公園でアイスキャンデーを売り歩く金太郎は、少年たちと草野球に興じる見知った男を発見した。それは長男・一郎だった。一郎が勤めていた会社はひと月前に閉鎖されたが、妻には黙って職探しをしていた。毎日仕事へ行くふりをして出かけていたのだ。金太郎には扶養家族が6人いる一郎の気持ちが痛いほどわかった。
屋台的映画館
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