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昆虫大戦争

  • posted at:2006-08-23
  • written by:砂月(すなつき)
こんちゅうだいせんそう
松竹
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年11月9日 併映「吸血髑髏船」
監督:二本松嘉瑞
製作:小角恒雄
原案:天田欽元
脚本:高久進
撮影:平瀬静雄 篠村荘三郎
音楽:菊池俊輔
美術:芳野尹孝
照明:青本辰夫
録音:中村寛
調音:松本隆司
編集:寺田昭光
監督助手:白木慶二
光学技術:石川智弘
装置:中村良三
進行:福山正幸
製作主任:内藤誠
現像:東洋現像所
協力:日本特撮映画株式会社 川上景司 菅沼峻
出演:園井啓介 川津祐介 新藤恵美 瞳麗子 キャシー・ホーラン
アメリカンビスタ カラー 84分

水爆を搭載したアメリカ軍戦略爆撃機B-52はベトナムに向かって高度一万メートルを飛行していたが、突如現れた昆虫の大群に突っ込みエンジンは大破した。操縦不能に陥ったB-52は墜落したが、空からは難を逃れた白いパラシュートが三つと赤いパラシュートが一つ舞い降りてきた。事故の報告を受け、事態を重く見たアメリカ軍基地ではゴードン中佐を隊長とした捜索隊が編制された。そして彼らは亜南群島の何処かに落下した水爆を回収すべく「折れた矢作戦」を開始した。捜索隊はパラシュートが落ちたとされる子島に上陸して調査した結果、機長と副操縦士の遺体と生存者一名を発見した。遺体には深い傷がいくつもあった。これを事件として捉えた地元警察は屋久島に住む秋山譲治を殺人容疑で逮捕した。

新婚の秋山は生物化学研究所の南雲義人から猛毒を持った昆虫の採集をする依頼を受け、子島に渡っていたが、それを口実にして金髪の美女・アナベルと会っていた。パラシュートが開くのを目撃した秋山は落下地点へ向かったがそこには誰もいなかった。足元の落ちていたアメリカ空軍の軍用時計を拾った秋山は、これを売った金で妻のゆかりを喜ばせようと仲間の松永恒夫や藤井徹に声を掛けたが気味悪がって買おうとはしなかった。その二人が警察に通報したことで秋山に容疑が掛けられたのだ。

ゆかりからの電報を受け取り東京からやってきた南雲は、秋山から真実を聞かされた。ゴードンの管理下にあった遺体を確認した南雲は、打撲や裂傷以外に虫に刺された痕が複数あったことから何か他に原因があるのではないかと考えていた。そこで生存者であるチャーリーから事故当時の証言を聞くことになった。ところが捜索隊の発見後も彼の意識は戻っていなかった。赤十字から派遣された小室純子からチャーリーがうわごとで虫のことを呟くことを聞いた南雲は、選択肢を一つに絞った。

チャーリーは病室で意識を取り戻したが、記憶を失っていた。彼は島でさまよううちに崖から転落してしまい、岩で頭を打ったのだった。ゴードンは「折れた矢作戦」遂行のために一刻も早くチャーリーの記憶を取り戻す努力をせよと軍医に命じた。しかし南雲には秋山の無罪さえ証明できれば軍の作戦などどうでもいいことだった。南雲はアナベルと会い、秋山のアリバイを証明して欲しいと頼んだが何のことかわからないととぼけた。実は彼女も秋山に昆虫採集の依頼をしていたのだ。子島は二十数年間、日本の手を離れていたため、昔のような大自然を取り戻した世界でも珍しい昆虫の楽園だった。太平洋戦争の激戦地だったこの島が再び戦争に巻き込まれて虫たちが滅びることをアナベルは嘆き悲しんだ。彼女の胸には戦争の傷が深く刻まれていた。

秋山が東京の裁判所へ連行される前夜、彼はゆかりから子供が出来たことを知らされた。彼は無実の罪で起訴されれば産まれて来る子供に顔向けが出来ないと考え脱走する決意を固めた。

屋台的映画館
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