びょういんへいこう
フジテレビジョン
配給:東映
製作年:1990年
公開日:1990年4月7日
監督:滝田洋二郎
製作:三ツ井康 村上光一
エグゼクティブプロデューサー:堀口壽一 岡田裕介
プロデューサー:鎌田敏郎 小林壽夫 河井真也
脚本:一色伸幸
撮影:浜田毅
音楽:高橋千佳子
美術:中澤克巳
照明:高屋齋
録音:橋本文雄
助監督:萩庭貞明
編集:冨田功
製作担当:久家豊
製作協力:メリエス
出演:真田広之 薬師丸ひろ子 大地康雄 斉藤慶子 平栗あつみ
アメリカンビスタ カラー 117分
広告代理店のコピーライター・新谷公平は、仕事に接待、浮気と日夜忙しいスケジュールに追われていた。深夜、公平が帰宅すると妻・春子の大きな笑い声が。彼女は知らない男と野球拳で盛り上がっていたのだ。公平が凝視すると視線に気づいた春子は動きを止め、男から笑顔が消えた。気まずい空気が流れる中、口を開いたのは春子だった。「おめでとうは?」。今日は30歳になった彼女の誕生日なのだ。仕事にかまけて自分に振り向いてくれないことに寂しさを感じていた春子は、誰でもいいから自分のことを祝って欲しかったのだ。頭にきた公平は隙を見て逃げ出した男をつかまえたが、二人は弾みで階段を転げ落ちたのだった。公平は春子に救急車を呼ぶように言ったが、動揺して電話を掛けられないため自ら呼んだ。搬送される公平は慶應病院や東大病院を希望した。何故なら裏口入学をしてプジョーを乗り回してるようなボンボン医者は嫌だと考えていたからだ。だが何処も満床だったため彼はそれほど有名ではない大学病院に運ばれた。当直は新米研修医の吉川みどりで、その日に限って急患が重なったことから彼女が担当することになったのだ。今までは医師のサポート役に徹しており、一人で診るのは今回が初めてだったことから、動揺して注射一本打つことが出来なかった。
公平が目覚めるとそこは6人部屋だった。隣のベッドから聞き覚えのある声がしたためカーテンをまくってみると、あの男がいた。二人が言い合うのを同室の患者たちは興味深く耳を傾けた。そしてそのうちの一人の牛丸が、引っ越したらそば、転勤したらカルピス、新入りなら当然でしょと手土産となる興味深い話を深くまで聞き出そうとした。するとそこへやってきた春子は公平の枕元に封筒を置き、男のところへ行くと好物を渡して謝罪した。そして封筒の中から離婚届が出てきたことで驚く公平が呼び止めるのも聞かずに病室を後にした。
みどりが挨拶にきたおかげで隣の男が如月十津夫という名であることがわかった。だがそんなことはどうでもよかった。右足大腿骨の骨折で明々後日に手術が行われるが、退院にひと月程度かかると言われたため仕事のことが気掛かりで苛立っていた。一方、十津夫は右足脛骨骨折と左手尺骨骨折で、ギブスの固定だけで3週間程度で退院出来るのだという。何故、間男が軽くて亭主の俺がこんな目に。
手術は無事終了。入院から1週間が過ぎ車いすで自由に移動出来るようになった頃、来客がめっきり減ったことで公平は暇つぶしに電話を頻繁に電話を掛けるようになった。同僚にも相手にされなくなったことから春子に電話を掛けた。当然謝るだろうと考えていた公平だったが、そこで驚愕の事実を知った。十津夫とは公平と結婚する前から付き合っていて今でも愛しているというのだ。唖然とした彼は黙って電話を切るしかなかった。それ以来、公平は十津夫の存在自体が嫌になり、ついにストレスがピークに達して吐血した。検査の結果、胃潰瘍と診断されたが、公平は自分がガンではないかと疑い始めた。
屋台的映画館
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