ながぐつをはいたねこ
東映動画
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年3月18日 併映「怪物くん 砂魔人をやっつけろの巻、怪物くんとハニワ怪人の巻」「ひみつのアッコちゃん サーカス団がやってきた」「チャコとケンちゃん」「ひとりぼっち」
演出:矢吹公郎
製作:大川博
企画:関政次郎 有賀健 渋谷幹雄
原作:シャルル・ペロー
脚本:井上ひさし 山元護久
ギャグ監修:中原弓彦
音楽:宇野誠一郎
主題歌:「長靴をはいた猫」石川進 水垣洋子 ボーカルショップ トリオ・ポワン
作画監督:森康二
原画:大塚康生 奥山玲子 菊池貞雄 小田部羊一 大田朱美 宮崎駿 大工原章
美術:浦田又治 土田勇
撮影:平尾三喜 高梨洋一
録音:榊原広巳
編集:千蔵豊
音響効果:大平紀義
記録:河島利子
演出助手:及部保雄 蕪木登喜司
制作進行:古沢義治
現像:東映化学工業株式会社
声の出演:石川進 藤田淑子 水垣洋子 水森亜土 益田喜頓
シネマスコープ カラー 80分
「月がとっても蒼かった」ことを理由にネコの世界の掟を破ってネズミを助けたペロは、王様から死刑を宣告されたが、縛られた縄を切って逃げだした。それ以来、彼は王様が放った三匹の殺し屋ネコに命を狙われるようになった。追っ手を振り切ったペロが農家の軒先で雨宿りをしていると、中から話し声が聞こえてきた。その家の主である父親は、兄弟三人で仲良く財産を分けるようにと死ぬ間際に言ったが、長男のダニエルと次男のレーモンは三男のピエールに与えずに二人で山分けしようと考えていた。心の優しい少年・ピエールは引っ込み思案なところがあったため、日頃から意地悪な二人の兄に家事全般を押し付けられた上にまともな食事も与えられなかった。ペロのくしゃみを聞いたピエールは、彼を台所に誘うと暖かいスープをご馳走した。その様子を外から窺っていたのは、懲りずにペロを負い掛けて来た殺し屋たちだった。ペロと三匹は家の中で大騒動を繰り広げて部屋をメチャメチャにしてしまった。父親の遺産を少しでも多く手にしたかったダニエルとレーモンは、これ幸いとばかりにピエールを家から追い出してしまった。降り頻る雨の中に放り出されたピエールは、ペロと旅に出ることにした。
ペロとピエールは城下町にたどり着いた。張り紙の前に人だかりが出来ていることに気付いたペロが駆け寄ると、そこにはこう書かれていた。「この世で一番大金持ちで、この世で一番武勇に優れている人物をローザ姫の婿にする」。ペロは馬車に乗るローザに見とれるピエールに「おムコさんになれよ」と言った。城では世界各国から集まった6人の花婿候補の選考会が行われていたが、そこへ雷鳴とともに現れたのは魔王ルシファだった。ルシファは魔力を使ってたくさんの金貨を出し、城の壁をダイヤモンドにして結婚を迫ったが、ローザは死んでも嫌だと言った。怒ったルシファは城を廃墟に変え、お前は世界一の大金持ちを婿にすると公表したではないかと王様に詰め寄った。そして、その言葉に背くとお前とお前の国がどうなるかをよく考えるのだと脅迫した。ルシファは、今日から三日後の満月の晩にローザ姫との結婚式を行うと言い残して去って行った。広間に置かれた鎧の中で一部始終を見ていたペロは、ピエールをおムコさんにするまたとないチャンスだと考えていた。ピエールが魔王を倒せばいいのだ。食料を盗もうとして捕まり手下となったネズミの親分とその子分たちに、ペロは仕事を言いつけた。それはピエールにぴったりと合う上等な服を盗み出すというものだった。親分たちは花婿さがしの噂を聞きつけたやってきたダニエルとレーモンの部屋に蚤を投げ込み、脱げ捨てた服を持ち出すことに成功した。
ペロは着飾ったピエールを城のベランダに立つローザが見えるところに立たせた。だが口下手なピエールは何も話せずにいた。そこでペロは彼の代わりに熱弁した。ところがいいところで殺し屋たちが現れ、ペロは何処かへ行ってしまった。困っているピエールを助けたのは親分の息子のチビネズミだった。チビネズミは、この世の中で一番優しくて一番勇ましいカラバ公爵がルシファを必ずやっつけてくれるから心配要らないと言った。その言葉を聞いたローザ姫に笑顔が戻った。だがピエールは嘘をつき通すことに後ろめたさを感じていた。
屋台的映画館
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