せかいのちゅうしんであいをさけぶ
「世界の中心で、愛をさけぶ」製作委員会(東宝=TBS=博報堂DYメディアパートナーズ=小学館=S・D・P=MBS)/東宝映画
配給:東宝
製作年:2004年
公開日:2004年5月8日
監督:行定勲
製作:本間英行
製作総括:島谷能成 近藤邦勝 安永義郎 亀井修 細野義朗 伊東雄三
プロデューサー:市川南 春名慶
協力プロデューサー:濱名一哉
原作:片山恭一
脚本:坂元裕二 伊藤ちひろ 行定勲
音楽:めいなCo.
主題歌:「瞳をとじて」平井堅
撮影:篠田昇
美術:山口修
録音:伊藤裕規
照明:中村裕樹
編集:今井剛
キャスティング:田中忠雄
助監督:蔵方政俊
製作担当者:前田光治
アメリカンビスタ カラー 138分
松本朔太郎は上司の出井から声を掛けられて慌てて飛び起きた。徹夜で仕事をした彼は会社のソファーで眠り込んでしまったのだ。朔太郎は自身の結婚式が近づいているにも関わらず、まだそれを他人事のように感じていた。その頃、婚約者の藤村律子は一人で引越しの準備を進めていた。衣裳ケースを開け、中の洋服を懐かしんでいた律子は服のポケットに一本のカセットテープが入っていることに気付いた。インデックスに「’86/10/28」と書かれたそのテープに心当たりはなかったが、気になり始めると作業どころではなくなり、ポータブルカセットプレーヤー・ウォークマンを電器店に買いに行くことにした。店を出た律子がプレーヤのスイッチを入れると、イヤホンから懐かしい声が聞こえてきた。すると彼女の頬を涙が伝った。その後、律子は部屋に書き置きを残して姿を消した。高松空港から伝える台風接近のニュースを見ていた朔太郎は、偶然映り込んだ律子の姿を目撃した。何かを直感した朔太郎は自分の故郷である四国・木庭子町に向かった。
1986年、夏。急逝した國村晴子校長の告別式が執り行われている寺に遅れて到着した朔太郎は、涙ひとつ見せずに弔辞を読み上げる広瀬亜紀に一目惚れした。美少女の亜紀はクラスメイトだったが、成績優秀でスポーツ万能の人気者だったため、自分とは違う世界に住む人だと考え一度も話したことがなかった。ある日、スクーターで帰宅しているところを亜紀に目撃された。朔太郎は担任教師に告げ口をされると覚悟したが、実は彼女も朔太郎と話をしたいと思い、帰り道で待っていたのだ。それが二人の運命的な純愛の始まりだった。その頃、若者たちの間で流行っていたもの、それはソニーのウォークマンだった。だが価格が3万円を超えるため、学生には高嶺の花だった。亜紀は朔太郎に、「ミッドナイト・ウェーブ」に投稿してどっちが先に読まれるか競争しようと提案した。「ミッドナイト・ウェーブ」は学生たちに人気があるラジオの深夜番組で、はがきを読まれたリスナーにウォークマンがプレゼントされるのだ。
文化祭の出し物、演劇「ロミオとジュリエット」の配役を決める投票がクラスで行われ、ロミオを大木龍之介、ジュリエットを亜紀が演じることになった。亜紀は、好きな人に先立たれる気持ちがわからないと朔太郎に相談すると、彼は重じいに聞いてみればいいと言った。重じいの初恋の人は晴子で、戦争で親兄弟と財産を失い無一文となった彼はがむしゃらに働いて結婚資金を作った。だが迎えに行ったときには既に親が決めた相手と結婚していたのだった。重じいはそんな彼女を今でも想い続けていた。朔太郎と亜紀は重じいが経営する写真館を訪れたが、ただじゃ嫌だと言った。重じいが出した条件とは、墓から晴子の遺骨を持ち出すことだった。
数日後、朔太郎が出したはがきが番組で読まれた。だがそれは、文化祭でジュリエット役を演じることになっていた同級生が白血病になったというでたらめな内容だった。翌日、朔太郎ははがきが読まれたことを自慢したが、亜紀は引っ叩きたくなる気持ちを抑えるために無視を決め込んだ。そしてどうしても伝えなければならないことがあるときは、声を録音したカセットテープを渡した。
屋台的映画館
PR