じゅうたい
サントリー=三菱商事=ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
配給:アルゴプロジェクト
製作年:1991年
公開日:1991年4月27日
監督:黒土三男
製作:岡田裕
プロデューサー:藤田義則 笹岡幸三郎
原作:黒土三男
脚本:黒土三男 佐藤峰世
撮影監督:高間賢治
音楽:ケニー・G
美術:丸山裕司
照明:吉角荘介
録音:林大輔
編集:川島章正
記録:白鳥あかね
助監督:大原盛雄
俳優担当:寺野伊佐雄
製作主任:小泉憲彦
製作担当:渡井敏久
アソシエイトプロデューサー:奥田誠治 三賀康隆
出演:萩原健一 黒木瞳 宝田絢子 湯澤真吾 岡田英次
アメリカンビスタ カラー 108分
秋葉原にある家電量販店「ナカウラ電気」の販売課長・藤林蔵は、浦安で妻・春恵、9歳の里美、7歳の大介と暮らしている。今年は販売成績が良かったことから、5日間の正月休みを貰うことが出来たのだ。久しぶりの長期休暇ということもあり、5年ぶりに林蔵の故郷である瀬戸内海の真鍋島に一家で帰省することにした。だがそこに必ず付いて来るのは金の問題だった。ボーナスの一部は既に車のローンと暮れの買い物で使っており、残りを交通費やお土産、お年玉など当てると使い果たしてしまうのだ。春江は心配するが、林蔵は自家用車で移動する手段を選んだ。予定を中止することも考えたが、父親に痴呆が始まっていることで今回はどうしても外せなかったのだ。多少は疲れるが、主な費用はガソリン代と高速道路代だけ。問題は渋滞だったが、朝早く出発しさえすれば問題ないのだ。「大丈夫だ」。林蔵は自分に言い聞かせるように言った。
12月30日早朝、家族を乗せた車は快適に進んでいた。ところが高速道路に乗った途端、渋滞に巻き込まれた。表示板には「新木場-浦安間、渋滞4km」の文字。焦っても仕方がないと高を括ったが、その先の表示板には「渋滞110km」と書かれていた。時間が経てば腹が減る。ストレスが溜まる。トイレに行きたくなる。日は暮れたが車はまだ沼津だった。痺れを切らした林蔵は高速を降りて旅館に宿泊することにした。温泉につかっておいしい料理をたらふく食べ、豪華な旅館で眠るのだ。そう決まると疲れは何処かへ飛んで行ってしまった。だが現実は甘くなかった。年末の旅館もホテルも当然のことながら満室。民宿でも断わられ、車中で一泊することになってしまった。
12月31日。いくらなんでももう混雑は治まっているだろう、そう思って出発した林蔵だったが道路はまたしても渋滞。地図を頼りに裏道を探し出そうとしたが、春恵が戸惑っているうちに交差点を通過してしまった。イライラが頂点に達した林蔵は春恵との間で口論を始めたが、そっちに気を取られて赤信号を見落としてしまった。
屋台的映画館
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