くろいちぶさ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年6月4日
監督:土居通芳
製作:大蔵貢
脚本:杉本彰
企画:島村達芳
撮影:森田守
音楽:松村禎三
美術:加藤雅俊
録音:沼田春雄
照明:秋山清幸
編集:笠間秀敏
助監督:大貫正義
製作主任:川口倫二
出演:小畑絹子 池内淳子 高宮敬二 菅原文太 川喜多雄二
シネマスコープ カラー 78分
塚本によって仲間に引き込まれた村田桂子は、昼は闇ドル買い、夜はキャバレー勤めという生活を強いられていた。桂子は塚本に常に監視されていたため、逃げ出すことは出来なかった。ある日、彼女の母・まさ江が交通事故に遭い、知らせを聞いた桂子は病院に駆けつけた。重体のまさ江は心の奥にしまっておいた秘密を桂子に告白した。行方不明ということになっている桂子の父親は殺人の罪で網走刑務所に服役中で、妹・芳子の父親は小野重工業の社長だというのだ。まさ江は後から病室に入ってきた芳子の顔を見ると安心したように息を引き取った。
桂子の悩みはいつも付きまとう塚本の存在だった。そこで彼女はドル買いの現場を警察に密告した。自由の身となった桂子は、芳子に母親の遺言を伝えた。二人は異父姉妹で、桂子の父親は大会社の社長、そして芳子の父親は殺人犯だと。財産の横領を画策する桂子は、興信所を使って社長・小野正憲の身辺を調べ上げた。戸籍は戦災で焼け、親戚や知人が他にいないなど彼女にとって都合が良いことばかりが揃っていた。正憲の夫人はすでに亡くなり、子供がいないことから常務で甥の早川隆彦が相続人として予定されていた。そして正憲自身は心臓病を患って入院していた。
桂子は正憲が不在の会社を訪れた。応対した社長秘書・谷口弘は、後日連絡すると言って自ら調査に乗り出した。いくつもの不審な点が見受けられたが、証拠となる指輪と生命保険の証書を差し出されると実子である可能性を否定できなかった。谷口は芳子と会って話を聞くことにした。そして彼は芳子の人柄を信用し、桂子を正憲に会わせても良いと判断した。手術当日、谷口は正憲にこれまでに起こった出来事を報告した。そして早く会いたいという社長の希望を叶え、桂子を病室に招き入れた。正憲は娘との会話を楽しみ、やがて来る手術への覚悟を決めた。手術が始まり、成功を願う桂子と失敗を願う早川との思惑が交差した。
屋台的映画館
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