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鏡の中の野心

  • posted at:2012-01-12
  • written by:砂月(すなつき)
かがみのなかのやしん
東活プロダクション
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年7月1日 併映「罠にはまった男」
監督:小林悟
原作:戸川昌子
脚本:松浦健郎
撮影:門口友也
音楽:白井多美雄
美術:松井敏行
照明:磯貝一
編集:中島照雄
助監督:高橋伴
監督助手:日留川雄二 斉藤高一
撮影助手:小島功
照明助手:福井通夫
効果:創音社
録音:目黒スタジオ
現像:東洋現像所
出演:荒木一郎 堤杏子 白石奈緒美 野村明治 今泉洋
アメリカンビスタ カラー 96分

パリ美容組合の機関誌「フォア・ヒュール・ド・パリ」の特派員と名乗る瀬木山雄二は、美容連合会が主宰するリゾート温泉ホテルでの慰安旅行に取材という形で飛び入り参加した。宴会場で彼は男嫌いで通っている田代圭子を口説いていたが、正面の女が自分を直視していることに気付いた。「俺は何処かであの女に会ったことがある。あの女の目は俺の過去を知っている目だ」。

美容連合会会長・喜多川女史の部屋に忍び込んだ瀬木山は、室戸事務局長と密会する現場に出くわした。そこで彼はその様子をカメラに収め、会話をテープレコーダーに録音することにした。
建設中である新都心ビルのフロアには東京一モダンな美容室が開設することになっていたが、室戸はその情報を大学の後輩であるビルの責任者・滝川総務部長から逸早く手に入れ、すでに工作の準備を始めていた。室戸は勝利を確信していたが、喜多川は昔からのライバルである谷本美容学院の院長・谷本香子の動きを心配していた。美容室の目玉が必要だという喜多川の意見に、室戸はフランス帰りの若い美容師・筒見杏子を推薦した。

翌日、瀬木山はルビー美容室の杏子を訪ね、美容連合会と谷本美容学院が看板として彼女を必要としていることを明かした。杏子はその学院を卒業していなかったが、院長が彼女の美貌と若さに目をつけ、内密の命令を受けてやってきたというのだ。ところが杏子はその話を信用しなかった。彼女は瀬木山が詐欺師だと見抜いていたのだ。5年前、瀬木山はパリ美容師協会の免状をエサにして美容観光団を募り、旅の途中で資金を持ち逃げしたのだ。その後、杏子は単独でパリに渡って修行を積み、今では店を経営するまでになっていた。

瀬木山はアポなしで谷本美容学院に乗り込み、この学校がパリの美容界で注目されていることを院長室の香子に明かした。そして彼は、特派員としてではなく香子の一ファンとして新都心ビルへの進出を手助けしたいと切り出したのだ。ビルの責任者である滝川総務部長は大学時代に空手部で一緒に稽古した仲で、奴の弱みを握っているから頭を縦に振らせることは難しくないと胸を張った。すると香子の心は揺れた。たとえ新店舗を展開できたとしても、現場から10年程離れていた自分が腕を振るうことにためらいを感じていたのだ。そこで瀬木山は、フランス仕込の美容師がいたらどうするかと聞いた。そこへ入ってきたのは杏子だった。

学院の理事長である香子の夫は、杏子の父親だった。彼は杏子が生まれると妻を捨て、大金持ちの令嬢と再婚した。杏子は財産目当てだと言われることが嫌で誰にもこの話をしなかったが、学院を乗っ取るつもりでいる瀬木山の悪魔ぶりに魅かれて打ち明けたのだった。

屋台的映画館
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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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