おんなきゅうけつき
新東宝
配給:新東宝
製作年:1959年
公開日:1959年3月7日
監督:中川信夫
製作:大蔵貢
原作:橘外男
脚本:中沢信 仲津勝義
企画:津田勝二
撮影:平野好美
音楽:井内久
美術:黒沢治安
照明:関川次郎
録音:泉田正雄
助監督:石川義寛
編集:後藤敏男
製作主任:藤岡治郎
出演:天知茂 和田桂之助 三原葉子 池内淳子 中村虎彦
シネマスコープ モノクロ 78分
東洋タイムスの記者・大木民夫を乗せた車はパーティー会場に向かっていた。その日は彼の婚約者である松村伊都子の誕生日だったため、遅れるわけには行かなかった。民夫は運転手にもっとスピードを出すように言ったが、運転手は道路を横切る女性に気付くのが遅れ撥ねてしまった。二人は女性を助けようと車外に飛び出したが、何処にも彼女の姿は無く車にも損傷はなかった。
時間になっても民夫は現れず、友人たちにせつかれた伊都子はパーティーを始めることにした。蝋燭の火を吹き消しケーキに入刀した伊都子だったが、ナイフで指を切ってしまった。その様子を見ていた彼女の父・重勝は、二十年前のことを思い出していた。松村邸に到着した民夫は遅刻を詫びた。それからまもなく部屋は停電し、二階の開かずの間から家政婦を呼ぶブザーの音が聞こえた。奇妙に感じた執事は重勝に耳打ちすると、かつて妻が暮らしていた部屋に二人で入った。ソファーに横たわっていたのは、昔のままの若さを保った妻・美和子だった。
美和子を診察した榊原博士は、内臓器官、皮膚細胞、筋肉組織のどれをとっても20歳の肉体だと言った。伊都子は帰ろうとした民夫を引き止め、この家で起きた不可解な出来事を新聞に書かないようにと釘を刺した。母親のことで気疲れしている伊都子を心配した民夫は、上野で開かれている二期会展に誘った。展覧会の目玉は無名の新人が描いて特選に選ばれた作品だったが、二人はその絵を見て驚いた。そこに描かれていた女性は美和子そっくりだったのだ。民夫は受付に行き、絵についての詳細を聞き出そうとしたが、絵の作者が祖父江四郎というペンネームであること以外わからなかった。伊都子が絵の前に立ち止まっていると、黒いサングラスの男が声を掛けてきた。男が余程この絵がお気に入りのようですねと言うと、彼女は何だか母親に似ているような気がすると答えた。男は深く頷くと小男を従えて去って行った。
その夜、ホテルに泊まっていた男はカーテンから漏れる月光を浴びたことでもだえ苦しみ始めた。部屋の前を通りかかった女性従業員はただならぬ事態であることを察知し中に入った。男はカッと目を見開くと従業員に襲い掛かった。死体の首には血を吸われた跡があった。
屋台的映画館
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