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嗚呼!おんなたち 猥歌

  • posted at:2005-07-24
  • written by:砂月(すなつき)
ああおんなたちわいか
にっかつ
配給:にっかつ
製作年:1981年
公開日:1981年10月23日 併映「悪女軍団」
監督:神代辰巳
プロデューサー:三浦朗
脚本:荒井晴彦 神代辰巳
撮影:山崎善弘
美術:渡辺平八郎
照明:加藤松作
録音:橋本文雄
選曲:小野寺修
挿入歌:「きめてやる今夜」内田裕也
・・・:「コミック雑誌なんかいらない」内田裕也
・・・:「ONE NIGHT ララバイ」内田裕也
・・・:「パンク・パンク・パンク」内田裕也
・・・:「俺は最低な奴さ」内田裕也
・・・:「タレントロボット」アナーキー
・・・:「ローリング・オン・ザ・ロード」萩原健一 沢田研二
編集:鈴木晄
助監督:加藤文彦
色彩計測:高瀬比呂志
現像:東洋現像所
製作担当者:栗原啓祐
写真提供:週刊平凡
技斗:高瀬将嗣
出演:角ゆり子 中村れい子 内田裕也 絵沢萠子 太田あや子
シネマスコープ カラー 82分

妻・恵子に愛想をつかされた売れないロック歌手・田川ジョージは、今はソープランド嬢で愛人の佳江のヒモ同然となって暮らしていた。いつまでも煮え切らないジョージに佳江は籍を入れて欲しいとせがんだが、彼は首を縦に振ろうとはしなかった。ヒット曲を飛ばしたら絶対に捨てられると信じていた佳江はジョージの態度にヤケを起こし彼が運転する車のハンドルを掴んだ。道路を飛び出した白い車は横転し、大破した。二人は病院に担ぎ込まれたが、佳江が重傷だったのに対しジョージは奇跡的にかすり傷で済んだ。

ジョージは演歌歌手のように地方のレコード店を回ることに反対だったが、マネージャーのユタカに言い包められて新曲のキャンペーンを行うことになった。彼はくぬぎ楽器の店頭で「ONE NIGHT ララバイ」を歌ったが、レコードは一枚も売れなかった。キャバレーで歌っていても野次ばかりで相手にされなかった。そこで持ち歌を取りやめて「与作」を歌ったが、客の態度に怒りが爆発した。ジョージとユタカは大立ち回りを繰り広げ、客四人を殴り倒した。

佳江は退院をしたが、ジョージの洗濯物の中から電話番号が記されたメモを見つけ激怒した。その番号の主は、彼女が眠る病室でジョージが犯した看護師の羊子だった。住所を突き止めた佳江は部屋に上がりこみ、彼は自分のものだと主張した。一方、羊子も負けじと応戦した。取っ組み合いをした結果、お互いが苦労していることがわかり二人の間に奇妙な友情が芽生えた。

ステージでの過激なパフォーマンスが受け、ジョージの新曲は有線放送の29位にランクされた。喜びに浸るジョージは控え室にいた一美をファンだと思い込み犯した。ところが彼女はユタカの恋人だった。ジョージはユタカに自分を殴れと言ったが、苦楽をともにしてきた彼に手を出すことは出来ず怒りの矛先は一美に向いた。お前に隙がなければこんなことにならないんだとユタカに言われた一美は、彼にもう一度認めてもらうためにジョージを告訴した。この事態はスターダムにのし上がろうとしていたジョージにとって致命的だった。告訴を取り下げるようにと土下座するユタカに一美は言った。「あの人と私とどっちが大事なの?」。

屋台的映画館
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忍びの者 伊賀屋敷

  • posted at:2005-07-16
  • written by:砂月(すなつき)
しのびのものいがやしき
大映
配給:大映
製作年:1965年
公開日:1965年6月12日 併映「狸穴町0番地」
監督:森一生
脚本:直居欽哉 服部佳
企画:伊藤武郎
撮影:今井ひろし
美術:太田誠一
音楽:渡辺宙明
照明:伊藤貞一
録音:林土太郎
編集:谷口登司夫
装置:高地汗
擬斗:楠本栄一
音響効果:倉島暢
助監督:大洲斉
製作主任:大菅実
出演:市川雷蔵 八千草薫 山形勲 鈴木瑞穂 今井健二
シネマスコープ モノクロ 89分

寛永十四年、関ヶ原以来の豊臣の残党は島原の乱に多数参加し死力を尽くして戦ったが、衆寡敵せず、遂に潰滅した。勝ち誇った徳川軍は、総大将松平伊豆守信綱を先頭に意気揚々、江戸に向かって凱旋した。だがここにあくまで徳川を仇敵と狙う最後の一人がいた。霧隠才蔵は亡き殿の無念を晴らすために単身で徳川軍に斬り込む覚悟を決めた。そこで子息である才助にこれまでのいきさつを話すことにした。才助とともに育てた妹の小百合は、真田幸村が最後の合戦に出陣する際、才蔵に預けた百合姫だった。才蔵は、才助に姫の命を守るように言うと霧隠家に代々伝わる諸刃の剣を渡した。才助に別れの言葉を告げた才蔵は、木陰から伊豆守が街道を通る頃合いを見計らっていた。そして隊列が差し掛かったとき、才蔵は勢い良く飛び出し斬りかかった。しかしいくら才蔵と言えども多勢が相手では分が悪かった。追い詰められた才蔵は自害して果てた。

慶安三年。柳営三代の穏やかな天下は、一門親族の確執や上下相尅を根絶するために儲けられた切腹、家名断絶、領地没収等峻烈非情な政策の上に築かれていた。一門の岡崎三郎信康を始め大名小名の取り潰しは、総高七百二十二万八千五百三十余石に上った。その結果陋巷にさ迷う浪人の数はおよそ二十万に達し、生計の道を断たれた彼らの鬱積した不満は不気味な暗雲となって天下にたれこめていた。丸橋忠弥と金井半兵衛は江戸城内の絵図面を挟んで顔をつき合わせ、幕府転覆の計略を練っていた。二人はそこに現れた忍者たちに襲われたが、新たに現れた忍者に助けられ事なきを得た。その男は、伊豆守配下の甲賀忍者にくれぐれもご注意を、と言い残し去って行った。

道場にやってきた男は、丸橋を通じて由井正雪と話し合う場を得た。男の正体は才蔵の最後を遠くから見届けた才助だった。才助はあの日から父の意志を受け継ぎ、同時に名も受け継いでいたのだ。天下にあまねき微動だにしない徳川の権勢を打ち破るには、志を同じくするものが力を合わせる必要があった。しかし正雪はあくまで中立の立場を守ろうとした。才蔵は一騎当千の門弟たちを京、大阪の要所に配していることを例に挙げ、無関心を装っている正雪が決起の機会を窺っていることを指摘した。

才蔵は敵の内情を知るために伊豆守の邸に小物として忍び込んだが、そこで思わぬ人物と再会した。それは、子供のときに生き別れた百合姫だった。

屋台的映画館

すっかり・・・その気で!

  • posted at:2005-07-16
  • written by:砂月(すなつき)
すっかりそのきで
田中プロモーション
配給:東宝
製作年:1981年
公開日:1981年12月20日 併映「グッドラックLOVE」
監督:小谷承靖
製作:田中壽一
プロデューサー:中沢敏明 佐々木健一
脚本:田波靖男
撮影:加藤雄大
音楽:広瀬健次郎
美術:薩谷和夫
照明:小中健二郎
録音:神保小四郎
編集:井上治
記録:天野春代
整音:辻井一郎
殺陣:宇仁貫三
助監督:吉田一夫
製作デスク:田上純司
出演:烏丸せつこ ビートたけし 植木等 なべおさみ 本田博太郎
アメリカンビスタ カラー 87分

弱小芸能プロダクションの従業員・伊東たかしは、映画プロデューサーになる日を夢見て業界に飛び込んでみたが、現実は雑用に追われる毎日だった。忙しい日々を送るうちに持ち前の情熱はいつしかナンパへ傾き、暇があればいつも女性を口説いていた。ある日、そんなたかしのところへ映画製作の話が舞い込んできた。有田金作は自分の手で映画を製作するためにたかしをプロデューサーとしてスカウトし、彼に優秀映画鑑賞会や文部省が推薦したくなるような観る人の胸を打つ、笑いあり、涙ありの感動巨編を作りたいと打ち明けた。さらに体が丈夫で無駄金を一切使わず有田の意図に沿った映画を撮れる監督を探すように指示した。いきなりの大仕事に困ったたかしは、行きつけのスナック・OSCARでママに相談することにした。そしてたまたまカウンターの隅で飲んでいた男と意気投合したたかしは、彼に仕事を任せることにした。その男は、5年前の仕事を最後に現場から遠ざかっていた映画監督・山川俊介だった。山川は仕事が来ない間も準備を怠らず、絵コンテまで描いて次回作の企画を暖めていた。その企画とは、ベストセラー小説「瀬戸ぎわのコッコちゃん」だった。話はトントン拍子に進んでいった。有田は映画がクランクインしたら資金を出すと約束したが、準備に掛かる費用を出そうとはしなかった。有田はある計画を提案し、たかしはそれを実行することにした。

テレビ番組に出演したたかしは、映画のPR活動を行った。その際、一般の観客の興味を引くために映画を株式公募方式で制作することを説明した。株式公募方式とは、制作費の一部を一株100円で公募し、利益が出れば株主に還元するというものだった。これが話題を呼び、有田の事務所には連日、長蛇の列が出来た。一流のスタッフが集まり撮影は快調に進んでいたが、突然撮影中止の命令が下された。有田からの入金が遅れていたため大手映画会社が一時的に費用を立て替えていたが、一向に入金される様子がないことから撮影中止に踏み切ったのだ。その通達に驚いたたかしが事務所へ戻ると、多くの出資者が詰め掛けて金を返せと怒鳴っていた。有田は製作資金を持ち逃げしてしまったのだ。たかしは出資者たちの手で警察に突き出された。

釈放されたたかしは、女子工員が男に貢ぐために五千万円を詐取して逮捕されたという記事を新聞で読み、銀行員を利用出来るのではないかと考えていた。頭の中が金のことでいっぱいだったたかしは、五菱銀行麹町支店の職員出入口でカモを待っていた。そこで出会ったのは、以前撮影所でナンパした春日さち子だった。さち子は仕事を辞めたがっていたが、それでは都合が悪いため、たかしは懸命に思いとどまらせようとした。たかしはさち子が銀行員だと思い込んでいたが、彼女はダイアナ美容整形で働いていた。さち子にとってモデルを兼任していたことが災いしていた。持って生まれた美貌とプロポーションが手術で作られたものだと周囲に思われることが不快だったのだ。さち子が以前付き合っていた毛利浩二と別れた理由もそうだった。生まれてくる子供の想像がつかないという毛利の言葉に傷付いたのだ。その毛利から突然呼び出されたさち子は、彼が会社の資金を使い込んだことを知った。毛利はその後、令嬢と結婚したが、格差は埋まらなかった。家庭がおもしろくない毛利は競馬にのめり込むようになり、会社の資金にまで手をつけるようになった。そして気が付けば、その金額が三千万円にまで膨れ上がっていたのだ。
その話を聞いたさち子は、何とかしてみると言った。さち子と毛利の間の誤解は会話を重ねることで解けていった。

さち子は、たかしのところへ相談に行った。彼女は自分が美容整形で働いていることを告白した上で、その病院から金を盗む計画を持ちかけた。さち子は院長が脱税した金を使って高利貸しのような行為を行っていることを知っていた。そしてその資金が何処にあるかも知っていた。たとえ違法な金が無くなったとしても相手が警察へ届け出る心配がなかったことから、二人は協力して大金をいただくことにした。

屋台的映画館

あの手この手(1952年)

  • posted at:2005-07-07
  • written by:砂月(すなつき)
あのてこのて
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1952年
公開日:1952年12月23日
監督:市川崑
企画:辻久一
原作:京都伸夫
脚本:和田夏十 市川崑
撮影:武田千吉郎
録音:大谷巌
音楽:黛敏郎
照明:岡本健一
美術:西岡善信
編集:宮田味津三
製作主任:竹内次郎
衣裳調達:近鉄百貨店
協力:近鉄日本鉄道
装置:吉原多助
装飾:秋山辰雄
背景:小倉清三郎
美粧:福山善也
結髪:石井ヱミ
衣裳:後藤定子
移動効果:宇野薫
スチール:斉藤勘一
助監督:多田英憲
撮影助手:青柳寿博
録音助手:林土太郎
照明助手:中岡源権
美術助手:内藤昭
記録:木村恵美
演技事務:中村元次郎
進行:吉岡徹
出演:森雅之 久我美子 堀雄二 水戸光子 伊藤雄之助
スタンダード モノクロ 92分

大阪の郊外に住む大学の万年助教授・鳥羽は、原稿を依頼されることが多くなったため、いっそ作家にでもなろうかと考えるようになった。しかし妻・近子の前で出来る話ではなかった。近子は新聞社の文化部顧問や婦人同盟の役員、さらに家庭裁判所の仕事や女学校の講師まで務めるキャリアウーマンで、そんな彼女の代役となって動いていたのが家政婦の鈴江だった。近子に頭が上がらない鳥羽は、妻に気を使いながら毎日を送っていた。ある日、全国から送られてきた相談の手紙を読む近子の部屋に入った鳥羽は、鈴江が恋心を抱く雑誌PPPグラフのカメラマン・天平が東京に出張したことを話した。そして何と言っても文化の中心は東京だねとさりげなく言うと、雑誌に寄稿した「教師と学生の昨今」の評判を口にした。それを聞いた近子はとても喜び創作活動を続けた方がいいと言った。そこで鳥羽は意を決して、原稿が忙しくなるから学校を辞めようかと思うと切り出した。しかし近子は驚かなかった。決まった勤め先があることは強みだし、先生という仕事が一番地に着いた仕事だから辞めない方がいいと言われ、出鼻をくじかれた鳥羽は引き下がるしかなかった。

翌朝5時前、鳥羽は近子に揺り起こされた。玄関のベルが何度も鳴り響いているというのだ。強盗かも知れないと身構えたが、その正体は家出して来た近子の姪・アコだった。近子は家出の理由を聞き出そうとしたが、アコはどうしても言おうとしなかった。鳥羽は、然るべき理由があるのだろうから家に置いてあげようと妻に言ったが、近子は絶対に認めないと反対した。アコは近子の姉の一人娘で養子の父親との間に生まれた。その後、姉は亡くなり祖母に育てられたのだが、わがままな性格になったのはそのせいだと近子は考えていた。

水曜日、出張する近子の代わりに鳥羽がアコを志摩へ連れて行くことになった。ところがアコに振り回されて彼は阿倍野にいた。一晩泊まったら必ず帰ると約束させた鳥羽は大学に休みの電話を入れようとしたが、学生たちがかわいそうだというアコの願いで大学へ行くことになった。講義を終えた鳥羽たちが通りを歩いていると、東京へ出張したはずの天平と出会った。編集長の気まぐれで担当が替わったのだ。行きつけのバーへ二人を連れて行った鳥羽は、教え子だった天平の愚痴やアコの家出話を聞いた。酒が進むと話題は近子のことになり、アコは鳥羽が父親と同じで奥さんにイニシアティブを取られていると言い、天平もそれに同意した。その言葉に鳥羽は奥さんなんか怖くないと反論した。入り口にいた学生の秋山まで引き連れて意気揚々と家に帰ったが、近子の顔を見た鳥羽は借りてきた猫のようになった。近子は何のためにこの家に住みたいのかとアコに尋ねると、彼女は勤めをせずに結婚を待つ訳を理路整然と語り、社会機構が男性中心であることを指摘した。近子はその主張に共感したが、人の世話が如何に大変であるかを説いた。結局、アコは志摩から迎えが来るまで鳥羽の世話をすることになった。

屋台的映画館

愛染恭子の未亡人下宿

  • posted at:2005-06-18
  • written by:砂月(すなつき)
あいぞめきょうこのみぼうじんげしゅく
マイルストン
配給:にっかつ
製作年:1984年
公開日:1984年12月22日 併映「刺青 IREZUMI」「初夜の海」
監督:山本晋也
プロデューサー:渡辺護 奥村幸士
企画:野路孝之
原作:山本晋也
脚本:吉本昌弘 山本晋也
撮影:志村敏雄
照明:出雲静二
美術:斉藤岩男
録音:金沢信一
編集:鍋島惇
挿入歌:「健康な奴キライ!!」なぎら健壱
選曲:佐藤富士男
効果:斉藤昌利
助監督:薬師寺光幸
製作担当:松川充雄
現像:東洋現像所
製作協力:株式会社フィルムワーカーズ
番組協力:「トゥナイト」(テレビ朝日) 「笑っていいとも」(フジテレビ) 「海賊チャンネル」(日本テレビ)「スーパーギャング」(TBSラジオ)
出演:愛染恭子 朝吹ケイト 城源寺くるみ 桜金造 モト冬樹
アメリカンビスタ カラー 74分

未亡人下宿のママ・池田かつは卒業生の高橋を部屋に招くと、夫の遺影にごめんなさいと声を掛け仏壇の扉を閉めた。かつは社会に巣立つ下宿生を抱いて送り出す慰愛の聖母観音のような女だった。翌朝、高橋を玄関先で見送ったかつは、ポストの中にビデオレター在中と書かれた封筒が入っていることに気付いた。それは下宿人・尾崎の後輩でアパートを火事で追い出された佐藤からだった。彼女は佐藤を受け入れることに決め、その夜は恒例のすき焼きパーティーで歓迎した。下宿には国土舘大学土木学部道路標識学科・尾崎の他に、東京大学文学部の松田、早稲田大学政経学部の鈴木、慶応大学経済学部の山本が住み込んでいた。和やかだった食卓も鍋の中に肉が入ると先輩たちの目の色が変わり、佐藤の入る余地はなくなった。

ある日、タバコ屋の看板娘・ミドリに一目惚れした松田は吸えもしないのに通い続け、買ったマイルドセブンは山のようになっていた。その話を聞いた尾崎は松田のことを馬鹿にしていたが、かつに風呂の当番のことで注意され腹を立て、風呂を壊した。困ったかつは銭湯に通うことにしたが、その話を聞きつけた彼女の大ファンである肉屋と八百屋は壁越しに女湯を覗いた。だが彼らより一枚上手だったのは風呂屋の主だった。主は堂々と女湯に入って行き、かつの上品さを他の客にレクチャーした。そして怪しげな韓国語を操る新人を呼び寄せ彼女の背中を流せと指示した。

数日後、下宿に初老の男が訪ねてきた。彼は佐藤の父親で、突然家出をした息子を捜し歩き、かつの下宿にたどり着いたのだ。父親の顔に亡き夫を重ね合わせたかつは、食堂でゆっくりと話を聞くことにした。佐藤は父親に仕送りをするために、アルバイトに精を出していた。昼は灘高を受験する中学生に数学を、夜はハーバード大学を受験する学生に教えていることになっていたが、歓楽街でピンク産業のビラ貼りをしているところを尾崎と鈴木に見られてしまった。佐藤は二人に金を握らせ、父親にだけは黙っていて欲しいと頭を下げたのだった。松田は佐藤が恋人を連れてくるというので一晩だけ部屋を貸した。翌日、自分の部屋に戻ると落ちていたペンダントを拾い上げて愕然とした。それは彼がミドリにプレゼントしたペンダントだった。佐藤は松田がミドリに好意があることを知りながら彼女と肉体関係を持ったのだ。かつは絶望した松田を優しく抱いた。

松田から話を聞いた尾崎は、父親の前で佐藤の秘密を暴露した。佐藤が中学を卒業するの頃、父親は事業に失敗し多額の借金を抱えた。彼はそのことが言い出せず、家族に黙って日雇いの仕事を続けていた。そんな父親を安心させるために実入りのいいポン引きを選んだのだった。佐藤は、ビデオレターを残して姿を消した。

屋台的映画館

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