あそびのじかんはおわらない
にっかつビジュアル・リンク=サントリー=日本テレビ放送網
配給:アルゴプロジェクト
製作年:1991年
公開日:1991年10月5日
監督:萩庭貞明
製作:結城良煕
プロデューサー:吉田雅彦 坂本至徳 垂水保貴
原作:都井邦彦
脚本:斉藤ひろし
企画:植木実
撮影:高瀬比呂志
音楽プロデュース:高木完
音楽:高木完 工藤昌之
音楽コーディネーター:日永田広
美術:斉藤岩男
照明:高柳清一
録音:小野寺修
編集:奥原茂
助監督:井原真二
キャスティング:下山潤
製作担当:増渕滋夫
出演:本木雅弘 石橋蓮司 西川忠志 伊藤真美 萩原流行
アメリカンビスタ カラー 111分
閉店間際の平商工信用組合で強盗事件が発生した。犯人は二人組で、一人は行内へ、一人は逃走用の車内で待機していた。行内の男はカウンターにバッグを置くと女性行員に向けて通帳を開いた。通帳には手書きで「銃を持っている 黙ってこの鞄に金を詰めろ」と書いてあった。女性行員は自分を落ち着かせようと深呼吸し、足元のボタンを踏んだ。通報を受けた警察は、現場に急行した。パトカーは道路を封鎖して逃走車を追い込み、運転手を取り押さえた。一方、行内には一人の警官が一般客として紛れ込んでいた。出口へ移動した犯人は警官に背を向けた。その隙を見て警官は拳銃を抜こうとしたが、男の方が一瞬早かった。振り向いた男はロングコートの中に隠し持っていたライフルの銃口を警官に向けると、バンッと言った。
北里警察署が計画した防犯訓練は、地元銀行や商店街の協力で行われた。鳥飼署長は、実践さながらの生きた訓練にするために参加者、特に犯人役の二名に対し犯罪者として臨機応変に行動する様に指示した。警察側も犯人の動きに対し臨機応変に対応しなければならない、というのが今回の訓練の意図だった。しかし生真面目な性格の平田道夫巡査を犯人役に抜擢したことで目算が狂った。彼は任務を全うするために犯罪心理を学び、この日に備えていたのだ。命令に忠実であるがために犯人になりきってしまったのだ。平田は警官を射殺(したことに)すると行員たちを人質にして立てこもった。
警察は地元市民に信頼を与えるどころか、逆に裏切ってしまった。この失態に飛びついたマスコミは、事件を大々的に報じた。事態を重く見た警察は銀行を包囲し投降を呼びかけたが、入り口から出てきた平田は、署長がいる方向へ威嚇射撃を(したことに)した。警察側はこのまま訓練を中止するという選択肢もあった。しかしそれは犯人の勝ちを意味し警察組織全体の恥となってしまうため、人道的に事件を解決するしかなかった。そんな事情を知らない平田は、着々と計画を進めていった。
屋台的映画館
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