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暁の非常線

  • posted at:2010-07-22
  • written by:砂月(すなつき)
あかつきのひじょうせん
新東宝
配給:新東宝
製作年:1957年
公開日:1957年10月1日 併映「鋼鉄の巨人 怪星人の魔城」
監督:小森白
製作:大蔵貢
脚本:金田光夫
企画:島村達芳
撮影:岡戸嘉外
音楽:長瀬貞夫
美術:小汲明
照明:関川次郎
録音:澤田一郎
助監督:橋田寿久年
編集:永田伸
製作主任:藤岡治郎
出演:天知茂 三ツ矢歌子 和田孝 沼田曜一 舟橋元
スタンダード モノクロ 76分

深夜の銀行にギャング団が押し入り、金を奪うと行員に銃を発射して逃走した。深手を負った行員から通報を受けた警察は緊急配備を敷き検問を行った。だが厳重な取り締まりにも関わらず、犯人の足取りはわからなかった。警視庁は特別捜査本部を置いて捜査を強化した結果、昨夜の事件での残忍な手口が最近相次いだ銀行ギャング事件と類似していることから同一犯である可能性が高まった。

関東三輪一家では後継者問題が浮上していた。総長の村川重兵衛は跡目を長男の健一に譲ろうと考えていたが、健一はヤクザの世界が性に合わず、カタギの娘と結婚するつもりでいたのだ。いくら話をしても埒が明かないと感じた重兵衛は、跡目を幹部の馬島政吉に譲り健一の妹・雪江と結婚させようとした。この縁談は一家を乗っ取るために根回しした馬島の計画通りに進んでいた。雪江が承知していないことを知った健一は馬島との縁談に反対し、ヤクザの血は耐えてしまってもいいんだと言った。

重兵衛は、雪江の婿として馬島を迎えると集めた部下の前で発表した。だがこの縁談に反対だったのは雪江を幼い頃から世話をしてきた笠原伝造だった。笠原はたとえ一家が絶えても他人が跡目を継ぐことはありえないという考えの持ち主だった。雪江には新聞記者の恋人・木村三郎がいることを知っており、どうしても添い遂げさせてやりたかったのだ。笠原は話をつけるために馬島が仕切るキャバレー・モナコに乗り込んだ。その頃、事務所では馬島が仲間たちとともに銀行襲撃の計画を立てていた。そこに入ってきた笠原に驚く面々。二人きりになると、笠原は今後一切、三輪一家から手を引けと切り出し、お嬢さんに指一本でも触れちゃいけねえと怒鳴りつけた。すると馬島は、俺も代貸までやった男だからきれいに手を引くと約束した。「もしお前に少しでも人間の血が通っているのなら、悪いことは言わないから早く自首しろ」。笠松はそう言って事務所を後にした。その数時間後、上機嫌で夜道を帰る笠松は猛スピードで走る車に撥ね飛ばされた。物音に気付いた雪江は玄関先に横たわる血だらけになった笠松の姿に驚いた。雪江のことが心配でたまらない笠松は、這って家まで戻って来たのだ。慌てて駆け寄る雪江に、早くここを逃げるんだと告げると笠松は息絶えた。

屋台的映画館
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  • posted at:2010-03-21
  • written by:砂月(すなつき)
あな
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1957年
公開日:1957年10月15日
監督:市川崑
製作:永田秀雅
脚本:久里子亭
企画:藤井浩明
撮影:小林節雄
音楽:芥川也寸志
Song:「DREAM」石原慎太郎
美術:下河原友雄
録音:渡辺利一
照明:米山勇
装置:高橋辰蔵
装飾:隠田茂治
小道具:神田一郎
背景:清水豊
園芸:高花重孝
移動効果:大久保松雄
工作:田村誠
電飾:奥田秀雄
音響効果:小倉信義
俳優事務:大堀善造
技髪:工藤貞夫
結髪:篠崎卯女賀
衣裳:原貞一
スチール:椎名勇
記録:大橋仁子
撮影助手:浅井宏彦
録音助手:峰尾猛
照明助手:千品正治
美術助手:井上章
進行係:大橋俊雄
編集:中静達治
助監督:井上芳夫
製作主任:熊田朝男
出演:京マチ子 菅原謙二 船越英二 川上康子 山村聡
スタンダード モノクロ 103分

文芸公論の美人記者・北長子は、鳥飼秋太巡査から聞き出した情報を基にして汚職警官の実態を記事にした。記事ではG警察のS警部となっていたものの、思い当たる節のある猿丸警部はカンカンだった。編集長室に乗り込んだ猿丸は名誉毀損で訴えてやると大声でまくし立て、大屋はその責任を十分に感じているとから記事を書いた者は昨日クビにしたと言った。

ジャーナリストとして最高の記事を書いたのに会社を辞めさせられた長子は、悲観して自宅で遺書を書いていた。彼女はいつも落ち込むと遺書を書くのだ。そこへやってきた友達の赤羽スガは、誰でも読みたくなるような記事を書けば、次の仕事はすぐに見つかると彼女を慰めた。そこでスガは、警察力の行き渡った小さな島国でありながら年間に30人余りの行方不明者が発生している日本の現状に目を付け、失踪事件のルポルタージュを書きそれを売り込むことを勧めた。そして事件のモデルは長子自身がやればいいと言った。

早速、二人は企画を週刊ニッポン社に持ち込んだが、社長兼編集長兼キャメラマン兼社員の甘粕左平は乗り気ではなかった。そこでスガはとっておきの企画を提案した。週刊ニッポンと長子が賭けをやるというのだ。長子が1ヶ月間失踪し、彼女が発見されれば発見者に賞金を。捕まらなければ賞金は彼女のものになり、同時にルポルタージュを雑誌に掲載するというものだった。感銘を受けた(儲かると踏んだ)甘粕は即答し、最新号に企画を載せることにした。

OKは出たものの、必要経費は自前で用意しなくてはならなかった。長子はスガの紹介で第億銀行の渋谷支店長・白州桂吉と会った。白州は長子が話す奇妙な企画を神妙な面持ちで聞いていたが、スガとの古くからの知り合いということもあり、彼女を信用して融資することになった。白州が担保がない長子に融資をしたのは徒ならぬ理由があった。白州は、部下の千木恋介、六井外次と共謀して、顧客の預金を横領する計画を立てていた。そして長子をその犯人に仕立てようと企んでいたのだ。そんなこととは知らない彼女は日本中を逃げ回った。

屋台的映画館

Undo アンドゥー

  • posted at:2010-02-16
  • written by:砂月(すなつき)
あんどぅー
フジテレビ=ポニーキャニオン
配給:ヘラルド・エース
製作年:1994年
公開日:1994年10月7日
監督:岩井俊二
製作:堀口壽一 田中迪
プロデューサー:牛窪正弘 馬場勲 尾越浩文
コ・プロデューサー:加藤裕子 南條昭夫 堀部徹 亀井宏幸 長澤雅彦 
脚本:岩井俊二
撮影:篠田昇
美術:細石照美
ポストプロダクションスーパーバイザー:掛須秀一
音楽:REMEDIOS
録音:土屋和幸
照明:隅田浩行
編集:岩井俊二
助監督:行定勲
出演:山口智子 豊川悦司 田口トモロヲ
スタンダード カラー 47分

犬が飼いたいと妻・萌実が言い出した。だが夫婦が暮らすマンションには動物を飼ってはならないという規則があったため、夫・由起夫は一計を案じた。彼がペットショップで買ってきたもの、それは二匹の亀だった。電動ドリルで甲羅に穴を開け、そこにリードを繋げば散歩だって可能だ。当初、萌実は不満げだったが、次第に受け入れた。歯列矯正の治療が終わったことで自由な時間が出来た萌実だったが、それとは逆に由紀夫の方は仕事に追われるようになった。時間を持て余した萌実は退屈しのぎに編み物を始めた頃、由紀夫は亀が二匹とも毛糸で縛られていることに気付いた。ノソノソ歩かれると困るということだったので亀を水槽に戻した。それから数日後、調べ物のために本棚に向かった由紀夫は奇妙な光景を目撃した。一冊の本が糸で縛られているのだ。糸を切ろうとしてペン立てから取り出したハサミも縛られていた。苦労をしてハサミを自由にしたとき、編み物をしていた妻から呼び掛けられた。何気なく振り向いた由紀夫は、萌実の様子に愕然とした。彼女の両手には毛糸が複雑に絡まっていたのだ。由紀夫は萌実を連れてカウンセラーを訪ね、診察をしてもらった。その結果、強迫性緊縛症候群と診断された。病名を聞いて戸惑う由紀夫に、カウンセラーは「一種の愛の病ですよ」と言った。その日を境に萌実の症状は悪化し、物を縛る行動はエスカレートして行った。呼びかけにも耳を貸さず、一心不乱に物を縛るようになった萌実を心配した由紀夫は、再びカウンセラーを訪ねた。

カウンセラーは、萌実には自分が縛られているような強迫観念があり、二人の生活の中に何かその要因があるからそれが症状となって現れるんですと言った。心当たりを聞かれしばらく考えた由紀夫は、縛りつけているというより、むしろほどけているんだと思いますと答えた。カウンセラーは何度も頷きながら、そういうことですよと言った。帰りのタクシーの中で由紀夫は、今度の週末に何処か出掛けようと萌実に話しかけた。仕事が一段落したら南の島へでも行こうかなどとひとり言を呟く彼に、「由紀夫ちゃん、病気なの?」と萌実は言った。由紀夫はその言葉に衝撃を受けた。むしろ自分の方が病気なのかもしれない、と。物を縛るだけで満足出来なくなった萌実は、「待ってる」や「愛」など目に見えないものまで縛るようになっていた。由紀夫から症状を聞いたカウンセラーは、縛られることで幾分かの安心感が得られるでしょうから、とりあえず今夜辺り本人を縛ってみてくださいとアドバイスした。

屋台的映画館

憧れのハワイ航路

  • posted at:2009-07-23
  • written by:砂月(すなつき)
あこがれのはわいこうろ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1950年
公開日:1950年4月1日 併映「妻と女記者」4月2日より
監督:斎藤寅次郎
製作:伊藤基彦
原作:サトウハチロー
脚本:八住利雄
撮影:友成達雄
音楽:上原げんと
主題歌:「憧れのハワイ航路」岡晴夫
・・・:「憧れのブルーハワイ」岡晴夫
・・・:「思い出の丘」岡晴夫
美術:加藤雅俊
録音:沼田春雄
照明:秋山清幸
編集:神島婦美子
助監督:松林和尚
合成撮影:天羽四郎
製作主任:鈴木義久
出演:岡晴夫 美空ひばり 花菱アチャコ 古川緑波 清川玉枝
スタンダード モノクロ 78分

小料理屋・宇喜代の二階には、夜間中学の英語教師・岡田秋夫と画家の山口五郎が下宿していた。山口は東京都建設課が募集する公会堂新設設計図案の懸賞に掛かり切りになっていたが、岡田がギターを奏でて歌い始めると彼は決まって音を立てずに階段を下りてきた。岡田は二人の父親のこと思いながら歌うのだ。

ハワイで生まれた岡田は父親と幸せに暮らしていたが、中等教育を受けるために日本へやってきた。しかし戦争が始まり、戦災で彼の世話をしていた叔父と叔母を亡くした。さらに父親の消息もわからなくなり、彼は一人ぼっちになった。そんな時、岡田に手を差し伸べたのは音楽教師の春元だった。岡田は春元を父親のように慕い、その影響で音楽に携わるようになった。その話を山口から聞いた宇喜代の女将・みきは、自分の身の上を岡田に話した。夫に先立たれたみきは姑からいじめられる毎日を送っていたが、溜まらず二人の子供を残したまま家を飛び出した。その後、松吉と結婚したが、今になって子供の事が頭から離れなくなり後悔ばかりしていた。

支配人に無断で商売しキャバレー・パシフィックを追い出された花売り娘・君子は、縄張りを荒らしたという理由でチンピラから追いかけられていたが、ちょうどそこを通りかかった岡田に助けを求めた。暴力が苦手な岡田は、学校で貰ったばかりの月給を支払って解決することにした。下宿に君子を連れ帰った岡田は、みきに事情を説明して店内で花を売る許可を貰った。しかし客は誰一人買おうとはしなかった。そこで君子が歌を歌うと花はあっと言う間に完売した。うれしさのあまり君子はお礼を言うと急いで店を飛び出して行った。常連客が床に落ちていたハンカチを拾い上げると、そこには「6年A組 川村君子」と書いてあった。その名前を見たみきは顔色を変えた。

屋台的映画館

愛の讃歌

  • posted at:2009-07-01
  • written by:砂月(すなつき)
あいのさんか
松竹
配給:松竹
製作年:1967年
公開日:1967年4月29日 併映「春日和」
監督:山田洋次
製作:脇田茂
原作:マルセル・パニョル
翻訳:永戸俊雄「ファニー」より
脚本:山田洋次 森崎東
撮影:高羽哲夫
美術:梅田千代夫
音楽:山本直純
照明:青木好文
編集:浜村義康
録音:小尾幸魚
調音:松本隆司
監督助手:大嶺俊順
装置:小島勝男
進行:池田義徳
製作主任:沼尾鈞
現像:東洋現像所
協力:山口県柳井市 上関町
出演:倍賞千恵子 中山仁 小沢昭一 千秋実 北林谷栄
シネマスコープ カラー 94分

瀬戸内海に浮ぶ日永島。立花春子は、波止場の近くにある食堂と連絡船の切符売り場を兼ねた待帆亭という店で働きながら二人の妹を養っている。待帆亭の主人は亀井仙造という男で、頑固者で何かと憎まれ口を叩くが皆からは慕われていた。ある日、春子のもとに一通の手紙が届いた。一週間前に友人と神戸に行った仙造の息子・竜太からだった。春子と竜太は結婚の約束をしており、帰ってくるのが今日だとわかると彼女は今か今かと心待ちにしていた。港で竜太を笑顔で出迎えた春子だったが、同行しているのがジロウだとわかると顔が曇った。部屋で考え事をしている竜太に春子は神戸で何かあったのかと尋ねた。すると竜太はしばらく考えた末に言った。「俺、やっぱりブラジルに行く」。ジロウと竜太は神戸で渡航の手続きをし、パスポートや移住許可書などの必要な書類を既に手に入れていたのだ。

仙造の反対を押し切って島を出た竜太は、昨年の夏、工場が閉鎖になって戻ってきた。怒り狂う仙造に対し、竜太はブラジル行きの夢を諦めたからと待帆亭で働くことで許しを乞うたのだった。だが親父のいう通りになりたくない竜太は心の中でいつか家を飛び出して行きたいと考えていた。何も知らされていない春子は酷く動揺し「うちはどうなるの?」と言った。すると竜太は「一人前の技術者になって帰ってくるから3年、いや2年待ってくれ」と懇願した。春子は行かないでと引き留めたが、竜太の腹はもう決まっていた。

数日後、待帆亭に速達の葉書が届いた。それは神戸を出航するブラジル行きの船の知らせだった。出航が明日の午後10時に迫っていることを知った春子はどうしていいかわからなかった。一方、口では強がっていた竜太もその日が迫るとどうしていいかわからなくなっていた。ジロウを波止場に呼び出した竜太は、妹二人を抱えて苦労する春子のことを考えると渡航を諦めるしかないと言った。それを聞いたジロウは、今夜の列車に乗らないと間に合わないというときにそんなことを言うなんてどうかしていると怒鳴った。何故ならブラジル移住事業への参加を誘ったのは竜太の方だったからだ。

列車の時間が迫り春子は決断した。竜太の部屋に行き、せっかくここまで漕ぎつけたのだから止めることはないと言ってタンスの中から集めた紙幣を餞別として彼の前に置いたのだ。せっかく止める決心をしたのに今になって無理をするなと竜太はそれをつき返したが、夢を犠牲にして恩を着せられるのは嫌だと言って春子が鞄に荷物を詰め始めると彼の心は揺らいだ。「お前は後悔しないのか?」。それを聞いた春子は「うちはここを離れられないから、誰かいい人を見つけてここで暮らして行くのが二人のためにも幸せよ」と気丈に言った。

屋台的映画館

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