あかつきのひじょうせん
新東宝
配給:新東宝
製作年:1957年
公開日:1957年10月1日 併映「鋼鉄の巨人 怪星人の魔城」
監督:小森白
製作:大蔵貢
脚本:金田光夫
企画:島村達芳
撮影:岡戸嘉外
音楽:長瀬貞夫
美術:小汲明
照明:関川次郎
録音:澤田一郎
助監督:橋田寿久年
編集:永田伸
製作主任:藤岡治郎
出演:天知茂 三ツ矢歌子 和田孝 沼田曜一 舟橋元
スタンダード モノクロ 76分
深夜の銀行にギャング団が押し入り、金を奪うと行員に銃を発射して逃走した。深手を負った行員から通報を受けた警察は緊急配備を敷き検問を行った。だが厳重な取り締まりにも関わらず、犯人の足取りはわからなかった。警視庁は特別捜査本部を置いて捜査を強化した結果、昨夜の事件での残忍な手口が最近相次いだ銀行ギャング事件と類似していることから同一犯である可能性が高まった。
関東三輪一家では後継者問題が浮上していた。総長の村川重兵衛は跡目を長男の健一に譲ろうと考えていたが、健一はヤクザの世界が性に合わず、カタギの娘と結婚するつもりでいたのだ。いくら話をしても埒が明かないと感じた重兵衛は、跡目を幹部の馬島政吉に譲り健一の妹・雪江と結婚させようとした。この縁談は一家を乗っ取るために根回しした馬島の計画通りに進んでいた。雪江が承知していないことを知った健一は馬島との縁談に反対し、ヤクザの血は耐えてしまってもいいんだと言った。
重兵衛は、雪江の婿として馬島を迎えると集めた部下の前で発表した。だがこの縁談に反対だったのは雪江を幼い頃から世話をしてきた笠原伝造だった。笠原はたとえ一家が絶えても他人が跡目を継ぐことはありえないという考えの持ち主だった。雪江には新聞記者の恋人・木村三郎がいることを知っており、どうしても添い遂げさせてやりたかったのだ。笠原は話をつけるために馬島が仕切るキャバレー・モナコに乗り込んだ。その頃、事務所では馬島が仲間たちとともに銀行襲撃の計画を立てていた。そこに入ってきた笠原に驚く面々。二人きりになると、笠原は今後一切、三輪一家から手を引けと切り出し、お嬢さんに指一本でも触れちゃいけねえと怒鳴りつけた。すると馬島は、俺も代貸までやった男だからきれいに手を引くと約束した。「もしお前に少しでも人間の血が通っているのなら、悪いことは言わないから早く自首しろ」。笠松はそう言って事務所を後にした。その数時間後、上機嫌で夜道を帰る笠松は猛スピードで走る車に撥ね飛ばされた。物音に気付いた雪江は玄関先に横たわる血だらけになった笠松の姿に驚いた。雪江のことが心配でたまらない笠松は、這って家まで戻って来たのだ。慌てて駆け寄る雪江に、早くここを逃げるんだと告げると笠松は息絶えた。
屋台的映画館
PR