あいぞめきょうこのみぼうじんげしゅく
マイルストン
配給:にっかつ
製作年:1984年
公開日:1984年12月22日 併映「刺青 IREZUMI」「初夜の海」
監督:山本晋也
プロデューサー:渡辺護 奥村幸士
企画:野路孝之
原作:山本晋也
脚本:吉本昌弘 山本晋也
撮影:志村敏雄
照明:出雲静二
美術:斉藤岩男
録音:金沢信一
編集:鍋島惇
挿入歌:「健康な奴キライ!!」なぎら健壱
選曲:佐藤富士男
効果:斉藤昌利
助監督:薬師寺光幸
製作担当:松川充雄
現像:東洋現像所
製作協力:株式会社フィルムワーカーズ
番組協力:「トゥナイト」(テレビ朝日) 「笑っていいとも」(フジテレビ) 「海賊チャンネル」(日本テレビ)「スーパーギャング」(TBSラジオ)
出演:愛染恭子 朝吹ケイト 城源寺くるみ 桜金造 モト冬樹
アメリカンビスタ カラー 74分
未亡人下宿のママ・池田かつは卒業生の高橋を部屋に招くと、夫の遺影にごめんなさいと声を掛け仏壇の扉を閉めた。かつは社会に巣立つ下宿生を抱いて送り出す慰愛の聖母観音のような女だった。翌朝、高橋を玄関先で見送ったかつは、ポストの中にビデオレター在中と書かれた封筒が入っていることに気付いた。それは下宿人・尾崎の後輩でアパートを火事で追い出された佐藤からだった。彼女は佐藤を受け入れることに決め、その夜は恒例のすき焼きパーティーで歓迎した。下宿には国土舘大学土木学部道路標識学科・尾崎の他に、東京大学文学部の松田、早稲田大学政経学部の鈴木、慶応大学経済学部の山本が住み込んでいた。和やかだった食卓も鍋の中に肉が入ると先輩たちの目の色が変わり、佐藤の入る余地はなくなった。
ある日、タバコ屋の看板娘・ミドリに一目惚れした松田は吸えもしないのに通い続け、買ったマイルドセブンは山のようになっていた。その話を聞いた尾崎は松田のことを馬鹿にしていたが、かつに風呂の当番のことで注意され腹を立て、風呂を壊した。困ったかつは銭湯に通うことにしたが、その話を聞きつけた彼女の大ファンである肉屋と八百屋は壁越しに女湯を覗いた。だが彼らより一枚上手だったのは風呂屋の主だった。主は堂々と女湯に入って行き、かつの上品さを他の客にレクチャーした。そして怪しげな韓国語を操る新人を呼び寄せ彼女の背中を流せと指示した。
数日後、下宿に初老の男が訪ねてきた。彼は佐藤の父親で、突然家出をした息子を捜し歩き、かつの下宿にたどり着いたのだ。父親の顔に亡き夫を重ね合わせたかつは、食堂でゆっくりと話を聞くことにした。佐藤は父親に仕送りをするために、アルバイトに精を出していた。昼は灘高を受験する中学生に数学を、夜はハーバード大学を受験する学生に教えていることになっていたが、歓楽街でピンク産業のビラ貼りをしているところを尾崎と鈴木に見られてしまった。佐藤は二人に金を握らせ、父親にだけは黙っていて欲しいと頭を下げたのだった。松田は佐藤が恋人を連れてくるというので一晩だけ部屋を貸した。翌日、自分の部屋に戻ると落ちていたペンダントを拾い上げて愕然とした。それは彼がミドリにプレゼントしたペンダントだった。佐藤は松田がミドリに好意があることを知りながら彼女と肉体関係を持ったのだ。かつは絶望した松田を優しく抱いた。
松田から話を聞いた尾崎は、父親の前で佐藤の秘密を暴露した。佐藤が中学を卒業するの頃、父親は事業に失敗し多額の借金を抱えた。彼はそのことが言い出せず、家族に黙って日雇いの仕事を続けていた。そんな父親を安心させるために実入りのいいポン引きを選んだのだった。佐藤は、ビデオレターを残して姿を消した。
屋台的映画館
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