しゅらゆきひめうらみこいうた
東京映画
配給:東宝
製作年:1974年
公開日:1974年6月15日 併映「野獣死すべし 復讐のメカニック」
監督:藤田敏八
製作:奥田喜久丸
原作:小池一雄 上村一夫
脚本:長田紀生 大原清秀
撮影:鈴木達夫
音楽:広瀬健次郎
美術:樋口幸男
編集:井上治
照明:石井長四郎
録音:神蔵昇
整音:西尾曻
監督助手:松沢一男
殺陣:林邦史朗
アームズテクニカルアドバイザー:トビー門口
スチール:橋山直己
現像:東京現像所
製作担当者:丹野弘章
出演:梶芽衣子 原田芳雄 吉行和子 岸田森 安部徹
シネマスコープ カラー 89分
明治三十八年九月、日露戦争は終戦を迎え、これを契機に大日本帝国は強固な基盤を確立した。しかし戦後のインフレは凄まじく、国民の憤懣は限界に達していた。一方その頃、殺人請負を生業としていた鹿島雪は、道海和尚から修羅の子として厳しく育てられた寺に戻り、母親の墓参りをしていた。そのとき、彼女の周りを数人の男たちが取り囲んだ。男たちは刀を構えるやいなや次々に斬りかかって行ったが、誰も雪の腕に敵う者はなく皆屍と化した。刺客に命を狙われ、警察に追われ、雪は身も心も疲れ果てていた。凶悪殺人犯として全国に指名手配されていた雪は、海辺にいたところを警察隊に取り囲まれた。観念した彼女は、持っていた刀を放り投げると大人しく縛に就いた。裁判では絞首の極刑が言い渡され、雪は素直に受け入れた。
雪は生まれ故郷である女囚房へ入れられた。死刑執行の日、処刑場へ向かう馬車がお多福面を被った男たちに襲撃され、雪は屋敷へ連れて行かれた。そこで待っていた菊井精四郎は、雪に命を助けた貸しをその腕で返してもらうと言った。そして無政府主義を唱える徳永亂水を一ヶ月間見張り、屋敷から機密書類を盗み出すように命じた。雪は女中として徳永邸に潜入した。雪が徳永家の生活に馴染んだころ、亂水は張り込む警察の目を掻い潜って彼女をある場所へ連れて行った。そこは逆賊の汚名を着せられて死んでいった亂水の同志たちが眠る墓場だった。亂水は雪が修羅雪姫であることを知った上で事件の真相を語り始めた。
昨年の二月、吉沢という名の職工が神楽坂の交番に仕掛けた爆弾を破裂させ、逮捕された。秘密警察はこの若者を利用し、事件は主義者たちとの共同謀議のよるもので天皇暗殺の予行演習だったと嘘の供述をさせた。その首謀者は特警の菊井と彼の大親友である検事総長・寺内謙道だった。亂水の同志たちは検挙、投獄され、弁護士さえ付けられない暗黒裁判の結果、たちまち処刑された。そして唯一真実を知っていた吉沢も抹殺された。菊井はこのときの功績で長官の地位を得、寺内も司法大臣となった。亂水の手には彼らを引き摺り下ろすための武器=吉沢が二人の密談を克明に書き残し母親へ送った手紙が握られていた。真実を悟った雪は、亂水に協力することにした。
屋台的映画館
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