こんとごじゅうごごうじんるいのだいじゃくてん
東宝
配給:東宝
製作年:1969年
公開日:1969年8月13日 併映「日本海大海戦」
監督:福田純
製作:寺本忠弘 安達英三朗
企画:浅井良二
原作:町田浩二
脚本:江古武郎 平戸延介
音楽:小野崎孝輔
撮影:宇野晋作
美術:育野重一
録音:小沼渡
照明:下村一夫
整音:エコースタジオ
監督助手:根本順善
編集:大橋冨美子
現像:東京現像所
製作担当者:村上久之
製作協力:株式会社エコー
出演:萩本欽一 坂上二郎 白川由美 岡田可愛 大辻伺郎
アメリカンビスタ カラー 77分
競輪を生き甲斐としている大垂欽一は、身包み質に入れて作った虎の子の二万円を何十倍にもしてやろうと夢を見たが、現実は甘くなかった。残金はわずか三十円。腹が減ったと嘆きながら秋葉原の電気街を歩いていると、女性客から店員と間違えられた。彼が着ていたジャンパーが前を通り掛った店のものとそっくりなのだ。客から金を騙し取れるかもしれない。そう考えた欽一は店員に化けることにした。すると早速カモがやってきた。その客はジューサーを買いに来た人が良さそうな中年男で、欽一に言われるがままに商品代の五千円を支払った。そしてレジに用意してあった商品を持ち出そうとしたが、支払いがまだだと止められた。払った払ってないの押し問答となったが、外にいる欽一の姿をみつけ男は箱を持ったまま店を飛び出した。大胆な行動に驚いた店員たちは万引きだと叫びながら追い掛け、ついに男を取り押さえたのだった。男の名は駒形二郎。隅田署の詐欺係を任命されたばかりの刑事だった。逃げ延びた欽一は知り合いの大門幸子と出会った。キョロキョロと落ち着かない欽一の様子にどうしたの尋ねると、彼は財布を掏られてここまで追い掛けて来たが逃げられてしまったと嘘をついた。掏られた一万二千円は集金してきた金で、会社に納めなければ公金横領になると泣き言を言うと、幸子は私が貸してあげると言った。欽一は亡くなった幸子の兄の親友だったこともあり、彼女は信頼し切っていたが、欽一は手に入れた一万七千円を競輪に使うつもりでいた。
万引きの疑いは晴れたが、詐欺係配属初日にカモにされた屈辱は晴れなかった。そこで二郎は再び現れるであろう秋葉原に狙いを定めパトロールを始めた。すると予想どおり競輪で有り金を摩った欽一が通り掛ったのだ。二郎は逮捕寸前まで追い込んだが、まんまとしてやられた。タバコを騙し取ることを思いついた欽一は、大日本福祉協会で贈答用のタバコが不足しているため直ちに千個欲しいと向かいのタバコ屋に駆け込んだ。タバコ屋は用意したタバコと小さな息子に運ばせたため、欽一は簡単に手に入るぞとほくそ笑んだ。だがその子供はしっかり者で、現金との引き換えでなければ渡さないというのだ。困った欽一が受け取りの判子を持っているかと尋ねると、子供はそんなもの持っていないと答えた。すると、役所のようなところでは絶対に必要だと説明して取りに帰らせたのだった。こうして欽一はまんまとタバコをせしめたのだが、待ち伏せていた二郎に逮捕された。子供が通り掛った二郎に通報したことで逮捕に至ったのだ。留置場に送られた欽一は四日間で十二件の犯行を行い、手に入れた七十万円を全て競輪につぎ込んだ。数日後、面通しが行われ欽一は被害者に対する謝罪を述べる一方で断続的に咳き込んだ。その結果、同情を買うことに成功しまたもや金をせしめたのだった。巧妙な言葉で弁護士までも抱き込んだ欽一は、前科一犯の刑期をまじめに勤めて六ヵ月で仮出所した。実社会での再スタートを切った彼の最初の仕事は洋服店でスーツを拝借することだった。新しいスーツに身を固めた欽一の行く先は幸子が勤める旭光産業だったが、彼女は既に退職した後だった。その夜、幸子が会社を辞めた理由を知った欽一が彼女のために次の計画を頭の中で巡らせていると、腕に手錠が掛かった。二郎の第六感で逮捕された欽一は、再び半年間の別荘暮らしとなった。
屋台的映画館
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