けんちょうのほし
「県庁の星」製作委員会(東宝=フジテレビジョン=アイ・エヌ・ピー=博報堂DYメディアパートナーズ=S・D・P=小学館)
配給:東宝
製作年:2006年
公開日:2006年2月25日
監督:西谷弘
製作:島谷能成 亀山千広 永田芳男 安永義郎 細野義朗 亀井修
企画:永田洋子
エグゼクティブプロデューサー:石原隆 中山和紀
プロデューサー:春名慶 市川南 臼井裕詞 岩田裕二
ラインプロデューサー:前島良行
原作:桂望実
脚本:佐藤信介 西谷弘
音楽:松谷卓
撮影:山本英夫
美術:瀬下幸治
照明:田部谷正俊
録音:武進
編集:山本正明
装飾:沢下和好
VFXスーパーバイザー:冨士川祐輔
選曲:藤村義孝
監督補:池上純哉
助監督:廣田啓
製作プロダクション:共同テレビジョン
出演:織田裕二 柴咲コウ 佐々木蔵之介 和田聰宏 紺野まひる
アメリカンビスタ カラー 131分
K県では民間に真似の出来ないサービスを提供する県主動の老人介護福祉施設「ケアタウンリゾート・ルネッサンス」の建設計画が進行していた。だが200億円という膨大な費用が掛かることで県の破綻を心配した市民オンブズマン・開かれた行政を求める県民の会は、ハコモノ行政に対し異を唱えた。 「ケアタウンプロジェクト」は、県庁産業政策課に所属する「政治は人の上に人を作り、人の下に人を作る」が信条の野村聡係長が担当していた。彼はプロジェクトに参加する地元大手、篠崎建設の社長令嬢・篠崎貴子を恋人にするなど、あらゆる手段を講じて出世を目論んでいた。ある日、計画の成功には民間意識を留意することが最重要だと記した野村の提案書が古賀等県議会議長に受け入れられ、彼は県政の目玉である民間企業との人事交流研修のメンバー7人のうちの1人に選出された。半年間の研修を終えて帰庁すればステップアップした未来が待っている。野村はそう信じて疑わなかった。
野村の研修先は県内に6店舗を展開するスーパーマーケット・満天堂だったが、派遣先である浜町店の店長・清水寛治は頼りなく、店自体も寂れていた。その清水が野村の教育係として紹介したのは、彼が全幅の信頼を寄せるパート従業員・二宮あきだった。比較的客の少ない寝具売り場を任された野村は、接客マニュアルや組織図がなければどう動いていいかわからなかった。そこでまず集客アップを考えた野村は売り場のレイアウトを変更ようとした。だがスーパーに来る客層はあくまで補充が目的だから、寝具一式を売るような方法を取る必要はないとあきに怒られてしまった。具体的な業務を与えて貰わなければ報告書に何も書けないと野村が言うと、あきは仕方なく彼をレジに立たせることにしたがここでもトラブルが発生した。客から預かったクレジットカードが限度額いっぱいで決済できず、野村はその状況を正直に伝えようとしたのだ。近くにいたあきは急いで駆け寄り、機械の故障だと説明した。野村を呼び出したあきは、客に恥をかかせないためにはうそとつくなどの配慮が必要だと言った。習っていなかったと野村が呟くと、あきは客商売は察するものだと厳しく言った。
研修が始まってからしばらく経った頃、県庁で緊急会議が招集された。研修先のスポーツクラブで苦情に腹を立てた研修員の1人・高橋が市民に対して暴力を振るったことを週刊誌にすっぱ抜かれたのだ。古賀は残りの6人に対して粛々と業務に当たるようにと釘を刺さした。清水は週刊誌の記事がイメージダウンとなって店舗が閉鎖に追い込まれることを恐れていた。そこで彼は野村をしばらく隠すことにした。客の前に立たせない方法、それは惣菜厨房に送り込むことだった。厨房にやってきた野村はそこで行われている光景に唖然とした。芽が出て商品価値のなくなったジャガイモを使ってポテトサラダを作り、売れ残った魚のフライを二度揚げして再生していたのだ。不正がマスコミに嗅ぎ付けられればこの店は即刻営業停止処分を受けてしまうと野村は訴えたが、あきは店が生き残るためにはそうするしかないと言った。些細なことが原因で自分のキャリアに傷が付くことなどありえないと考えていた野村は改善書を作成し清水に提出した。店長から話を聞いた浅野卓夫副店長は、厨房を従来の食材を使うチームと適正な食材を使うチームに分けて弁当を作らせ、勝った方に報奨金を出すことにした。
屋台的映画館
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