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OL忠臣蔵

  • posted at:2007-01-24
  • written by:砂月(すなつき)
おーえるちゅうしんぐら
光和インターナショナル
配給:松竹=松竹富士
製作年:1997年
公開日:1997年9月13日
監督:原隆仁
製作:鈴木光
プロデューサー:青木勝彦 山本勉 三沢和子
脚本:神山由美子 長崎行男 真崎慎 原隆仁
企画:鈴木光
撮影:浜田毅
音楽:大島ミチル
音楽プロデューサー:伊藤圭一
主題歌:「それなりの明日」平松愛理
美術:今村力
照明:渡辺三雄
録音:林大輔
編集:川島章正
スクリプター:高橋タツ子
キャスティング:名須川伸吾
助監督:鳥井邦男
製作主任:橋本靖
製作担当:氏家英樹
出演:坂井真紀 南果歩 細川直美 中島ひろ子 吉野公佳
アメリカンビスタ カラー 112分

通販会社オレンジハウスの商品企画部に所属する入社4年目の佐倉ふぶきは、彼女がデザインしたバッグが不評であることを理由にクレーム処理専門のカスタマーサービス課に転属を命じられた。社員食堂で同僚に愚痴っていたところにやってきたのは、全米第一位の通販会社JJドリームの代表取締役・朝吹季里子だった。季里子は落ち込むふぶきにクレーム処理はマイナスをプラスに変えるビジネスチャンスだとアドバイスした。ユーザーの生の声はデザインをする上でとても役に立つという話に感銘を受けたふぶきは、物事を前向きに考えるようになった。

JJドリームはオレンジハウスに季里子を派遣し業務提携の話を持ちかけた。この降って沸いたような話に社長・塩嶋秀次郎は驚いたが、彼女の説明に納得した。自分が創業した会社が世界へ進出するチャンスだと考えた塩嶋は、役員会議を招集すると全員の了承を得た。こうしてオレンジハウスは世界への第一歩を踏み出した。ところが業務提携を発表した翌日、JJドリームは倒産した。オレンジハウスの株価は大暴落し、その責任を問われた塩嶋は辞任に追い込まれた。そして役員会議で新社長に選任されたのは、栗林重吉専務だった。栗林は臨時会議を開き、管理職を集めた。困難な状況を打開するには大規模な改革を行う必要があると説明し、新たに経営企画室を設け、その責任者に季里子を指名した。季里子が打ち出した改革とは、大規模なリストラだった。女子社員とパートタイマーのほとんどが解雇通告をされ、塩嶋の息がかかった管理職は子会社へ出向を命じられた。アメリカのM&A企業に乗っ取られたオレンジハウスは、解体へ動き出した。

理不尽な扱いを受けたふぶきは、季里子のやり方に疑念を抱いていた。そこで彼女は同志を募り、ノウハウ本「サルでもわかる労基法」を武器に立ち上がった。

屋台的映画館
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お墓がない!

  • posted at:2006-10-31
  • written by:砂月(すなつき)
おはかがない
光和インターナショナル=フジテレビジョン
配給:松竹
製作年:1998年
公開日:1998年2月7日
監督:原隆仁
企画・製作:鈴木光
製作:久板順一朗 関一由
プロデューサー:山本勉 三沢和子 山形淳二
脚本:大森寿美男
音楽:大島ミチル
音楽プロデューサー:裕木陽 伊藤圭一
主題歌:「この素晴らしき世界 ”WHAT A WONDERFUL WORLD”」小比類巻かほる
撮影:前田米造
照明:加藤松作
美術:和田洋 沖山真保
録音:橋本文雄
編集:川島章正
スクリプター:森永恭子
キャスティング:名須川伸吾
助監督:杉山泰一
製作担当:原田文宏
スクリプトボード:川越淳
出演:岩下志麻 安達祐実 袴田吉彦 金田明夫 田口トモロヲ
アメリカンビスタ カラー 112分

映画「宣告」の製作発表記者会見が行われ、ガンの娘を持つ母親役に抜擢されたベテラン女優・桜咲節子は、役作りのために病院での取材を重ね、その一環として自ら健康診断を行ったことを公表した。彼女には気掛かりのことがあった。大学病院で検査を受けた際、担当の医師から貧血の疑いがあると言われたからだ。その医師はMRI検査を体験してみませんかと気軽に言ったが、検査入院が必要なことがわかると節子は思わず「私はガンね」と口走った。医師は笑いながら否定したが、大真面目な彼女は、私はあとどのくらい生きられますかと詰め寄った。困り果てた医師はただの貧血だと何度も説明したが、彼女はあと半年の命だと決め付けて診察室を後にした。

余命半年の娘役を演じる一風弓に自分の姿を重ねた節子の演技は、これまでの作品を凌駕していた。その日の撮影スケジュールが終了し、休息を取っていた節子は、マネージャーの松江敏子から翌日の撮影が休みであることを知らされた。自分に残された時間を有効に使いたいと思っていた節子は監督に文句を言いに行った。撮休にしたのは監督ではなく撮影所所長の命令だった。人の命をテーマにした映画を撮影しているのだから先祖の墓を粗末にするなという戒めを込めてスタッフ全員に盆休みを与えたのだ。彼女の耳にスタッフが話す言葉が飛び込んできた。「お墓のない人が死んだらどうするんでしょうねぇ」。

自宅に戻った節子は思い悩んでいた。これまでに築き上げたものは全て自分の力。もしそうであれば、最後まで自分でやるしかない、と。翌々日、節子は時間になっても撮影所に現れなかった。敏子がいくら電話を掛けても通じず、スタッフも誰一人、居場所を把握していなかったのだ。撮影所はパニックになっていた。そんなみんなの心配をよそに、彼女は老婆に変装して郊外にある霊園に出掛けていた。前日、彼女は由緒ある寺で住職に自分が入る墓の相談をしたが、檀家としての継承者がいなければ受け入れられないと言われたからだった。霊園についての説明は聖香メモリアル社員・川嶋一平が行い、補足を上司の辻沼信一が受け持つことになっていた。そこで節子は「骨壷に入ってコンクリートの墓に入って、どうやって土に還るの?」とか「生前に墓を建てた人が長生きをすると言うが、それはガンにも有効なの?」など率直な疑問をぶつけて辻沼を困らせた。そして定期使用申込書に記入させ、入金がなくなると同時に追い出すという手口に不快感を示した節子が「あなたはこんなお墓に入れますか?」と言うと辻沼は激怒した。そんなやりとりを見ていた川嶋は、誠意で墓を売ることは出来ないのだろうかと考えていた。

屋台的映画館

踊る大捜査線 THE MOVIE

  • posted at:2006-09-19
  • written by:砂月(すなつき)
おどるだいそうさせんざむーびー
フジテレビジョン
配給:東宝
製作年:1998年
公開日:1998年10月31日
監督:本広克行
製作:村上光一 中村敏夫
企画:北林由孝 山田良明 河村雄太郎
プロデューサー:亀山千広 臼井裕詞 堀部徹 安藤親広
キャスティング:東海林秀文
協力プロデューサー:石原隆 高井一郎
ラインプロデューサー:羽田文彦
脚本:君塚良一
音楽:松本晃彦
音楽プロデュース:森田和幸
主題歌: 「Love Somebody[CINEMA Version]」 織田裕二
撮影監督:藤石修
照明:石丸隆一
録音:芦原邦雄
美術監督:梅田正則
美術デザイン:青木陽次
編集:松尾浩
助監督:羽住英一郎
製作担当:曵地克之
出演:織田裕二 柳葉敏郎 深津絵里 いかりや長介 水野美紀
アメリカンビスタ カラー 119分

午前7時前、青島俊作巡査部長は神田湾岸署署長、袴田健吾刑事課課長とともに一人の男を張り込んでいた。周囲の住民には自分たちの存在を知られてはならないのだ。そしてその時は来た。男が自宅の玄関からその出てくると、三人は一斉に車から飛び出した。男の前に立った神田は二人よりも前に出るとこう言った。「お待ちしてました」。男の正体は、吉田敏明警視庁副総監。青島たちは署長会ゴルフコンペに出席する吉田の送迎を任せられたのだ。

その頃、川の中央に水死体が浮かんでいた。その川は湾岸署と勝どき署の管轄を隔てていたが、運悪く水死体は湾岸署側に流れ着いてしまった。一方、刑事課では魚住二郎警部補の小銭入れや真下正義警部の腕時計、そして青島の領収書の束がなくなる事件が発生していた。変死体には外傷がなく、水も飲んでいなかったことから死後に川へ捨てられたことがわかった。腹部には素人が行ったとした思えない手術痕があり、胃の中には熊のぬいぐるみが押し込まれていたのだ。

猟奇事件に窃盗事件、様々な問題を抱えてごった返す湾岸署に更なる問題が発生した。刑事局参事官・室井慎次他本庁の面々が現れ、会議室に特別捜査本部を勝手に設置したのだ。新城賢太郎管理官は、この事件は本庁のみで行うから所轄の刑事は入ってくるなと青島たちに言った。その日の夕方、ゴルフコンペから帰宅した副総監が何者かによって誘拐された。自分たちの管轄内で起きた事件であるにも関わらず手出しできないことに青島は苛立っていた。

被害者の男の家に行った真下は、様々な手掛かりを手にして帰ってきた。パソコンに残された記録から、男は猟奇殺人のデータや人の殺し方を載せたホームページに頻繁にアクセスしていることがわかった。その中には彼が熱心にチャットをしているサイトがあり、死にたいという被害者をバーチャルの世界で殺して遊んでいたのだ。青島は柏木雪乃巡査部長にこのサイトの製作者を捜すように言ったが、真下はチャットで直接話しかけてみることにした。ハンドルネーム・Teddyは真下よりも雪乃の書き込みに反応した。それは雪乃が女であり、この手のサイトには女性の書き込みがほとんどないからだった。彼女がTeddyと会話し続けた結果、ついに会う約束を取り付けた。

屋台的映画館

俺は待ってるぜ

  • posted at:2006-09-13
  • written by:砂月(すなつき)
おれはまってるぜ
日活
配給:日活
製作年:1957年
公開日:1957年10月20日
監督:蔵原惟繕
製作:水の江滝子
脚本:石原慎太郎
撮影:高村倉太郎
音楽:佐藤勝
主題歌:「俺は待ってるぜ」石原裕次郎
美術:松山崇
照明:大西美津男
録音:橋本文雄
助監督:松尾昭典
編集:鈴木晄
製作主任:中井景
出演:石原裕次郎 北原三枝 二谷英明 波多野憲 小杉勇
スタンダード モノクロ 91分

レストラン「リーフ」のマスター・島木譲次は閉店の作業を終えてから外国行きの手紙をポストに投函した。並木道を抜けた彼は波止場を彷徨うレインコートの女の様子が気になり声を掛けた。女はかまわないでと言ったが、雨に濡れて震えている彼女を放っておくことは出来ず店で温まってから何をするか何処へ行くかを決めればいいと言った。女の名前は早枝子、キャバレーの歌手だった。彼女は譲次が作ったスープをおいしそうに飲んだが、一日中いろいろなことがありすぎて疲れ果て、物音がするとひどく怯えた。譲次は自分の心情を隠さずにしゃべり、早枝子に心配事を他人に打ち明けてみると案外薄らぐかも知れないと言った。すると彼女は思い悩んだ末に重い口を開いた。「私、人を殺してしまったかもしれない」。キャバレー「地中海」のオーナー・柴田に強引に言い寄られた早枝子は、身を守ろうとして近くにあった花瓶を引っ掴むと投げつけた。すると花瓶は柴田の頭に当たり、ソファーに横たわったまま動かなくなったのだ。それを見た早枝子は怖くなって逃げ出したのだった。早枝子は、これ以上譲次に迷惑を掛けてはいけないとリーフから出て行こうとしたが、落ち着くまで居たっていいという彼の言葉に甘え、しばらくそこで働くことにした。

映画館から帰った譲次は、店の郵便受けに三通の手紙が入っていることに気付いた。それは全て彼が兄に宛てて書いた手紙だった。譲次の兄は一年前にブラジルへ渡り、目鼻が付いたら連絡をくれることになっていたが、待ち切れなくなった譲次はこれまでに三度手紙を書いた。しかしいずれも返事はなく、宛先不明で返却されて来たのだった。譲次は同じ番地に住む戸崎明に問い合わせることにした。それからしばらく経ち、戸崎から返事が届いた。その手紙を読んだ譲次は愕然とした。兄はブラジルに渡っていなかったのだ。譲次は無敵のボクサーとして活躍していたが、売られた喧嘩で相手を殴り殺し、ライセンスを剥奪されてしまった。ブラジルへ行くことは彼の夢であり、過去と決別することでもあった。信頼していた兄にまで裏切られたという思いは譲次の心を熱くたぎらせた。

屋台的映画館

お引越し

  • posted at:2006-06-20
  • written by:砂月(すなつき)
おひっこし
讀賣テレビ放送
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画=アルゴプロジェクト
製作年:1993年
公開日:1993年3月20日
監督:相米慎二
製作:伊地智啓 安田匡裕
プロデューサー:椋樹弘尚 藤門浩之
企画:岡野晋一 吉野俊太郎 堀井博次 大木達哉
企画協力:河野洋範 松尾修治 和田幸雄 山崎隆明
原作:ひこ・田中
脚本:奥寺佐渡子 小此木聡
音楽:三枝成彰
撮影監督:栗田豊通
美術監督:下石坂成典
照明:黒田紀彦
録音:野中英敏
美術デザイナー:山崎秀満
衣装デザイナー:小川久美子
編集:奥原好幸
記録:河辺美津子
助監督:橋本匡弘
製作担当者:丹羽邦夫
プロデューサー補:朝倉千代子 田辺順子
宣伝プロデューサー:関根房江
出演:中井貴一 桜田淳子 田畑智子 須藤真里子 田中太郎
アメリカンビスタ カラー 124分

京都に住む小学校6年生の漆場レンコは母・ナズナと二人暮らしを始めた。両親が離婚を前提に別居することになり、父・ケンイチが出て行ったからだ。ケンイチの引越しの当日、学校の昼休みを使って家に帰ってきたレンコは、父親と最後の時間を過ごした。やがて別れがやってきたが、レンコは発車したトラックに飛び乗り新居のマンションまでついて行ってしまった。空のクローゼットで遊んでいたレンコは、あるとき突然こことあたしの部屋の押入れが超常現象で繋がってしまうんやとケンイチに言った。その日の夕方、ケンイチは不要なものを空き地で燃やしていたが、レンコはそれを見て驚いた。慌てて火の中から取り出したものは、家族三人で写った思い出の写真だった。

ナズナはレンコを二人の門出と称してレストランに連れて行った。そしてそこで初めて元の姓に戻すことを打ち明けたが、レンコは家が二つでええやんかと言った。ナズナは新生活を始めるために「2のための契約書」を作った。それはお互いの出来事を包み隠さず話したり家事を分担するという家庭内の憲法だった。この中の「お父さんのこと」という項目がレンコは気に入らなかった。そこには「ナズナの許可なくお父さんのところへ行ってはいけない。母ナズナとケンカしたときお父さんのところへは逃げないこと」と書かれてあった。

ある日の昼休み、先生から作文の宿題を出されたことで生徒たちは何を書こうかと相談していた。レンコはお父さんのことを聞かれたため、最近会社に行くようになり、休みの日は夫婦で映画館に行ったりお母さんがお父さんの散髪をしたりすると答えた。すると転校生のサリーが気持ち悪いと言った。それがきっかけで二人は大ゲンカになり、仲裁に入った大木ミノルも巻き添えを食った。ミノルはいつもレンコのことを気に掛けていた。サリーは仲直りをするためにレンコと会った。彼女の両親は離婚していたが、レンコも自分と同じような境遇であることが一目でわかったのだ。

夏のある日、レンコが学校から帰るとテーブルの上に手紙が置かれていた。そこには契約違反だが洗濯物を干して欲しいと書かれていた。彼女は指示に従ったが、その代わりに壁に貼ってある契約書を破ると自転車でケンイチのマンションへ向かった。

屋台的映画館

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