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おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!

  • posted at:2015-09-28
  • written by:砂月(すなつき)
おにゃんこざむーびーききいっぱつ
フジテレビジョン
配給:東宝
製作年:1986年
公開日:1986年8月23日 併映「そろばんずく」
監督:原田真人
製作:日枝久
プロデューサー:角谷優 岡田裕
スペシャルアドバイザー:石田弘 笠井一二
プロデューサー補:新津岳人 河井真也
脚本:原田真人
撮影:長谷川元吉
美術:丸山裕司
録音:中野俊夫
照明:小熊良洋
編集:冨田功
キャスティングディレクター:笹岡幸三郎
助監督:渡辺孝好
製作担当:川崎隆
製作主任:坂井淳一
使用曲:「セーラー服を脱がさないで」おニャン子クラブ
・・・:「バレンタイン・キッス」国生さゆり
・・・:「お先に失礼」おニャン子クラブ
・・・:「乙女心の自由型」おニャン子クラブ
・・・:「瞳に約束」渡辺美奈代
・・・:「夏のクリスマス」おニャン子クラブ
・・・:「風のインビテーション」福永恵規
・・・:「およしになってねTeacher」おニャン子クラブ
・・・:「KISSはMAGIC」福永恵規 内海和子
・・・:「夏休みは終わらない」おニャン子クラブ
・・・:「象さんのすきゃんてぃ」うしろゆびさされ組
・・・:「自分でゆーのもなんですが」ニャンギラス
・・・:「落葉のクレッシェンド」河合その子
・・・:「バナナの涙」うしろゆびさされ組
・・・:「避暑地の森の天使たち」富川春美 渡辺美奈代 渡辺満里奈
・・・:「夏を待てない」国生さゆり
・・・:「シンデレラたちへの伝言」高井麻巳子
・・・:「瞳の扉」おニャン子クラブ
・・・:「冬のオペラグラス」新田恵利
・・・:「じゃあね」おニャン子クラブ
・・・:「真赤な自転車」おニャン子クラブ
選曲:柿沢潔
装飾:藤田徹 佐々木博崇 高橋正法
操演:小林正己
テクニカルアドバイザー:柘植久慶
スタント:高橋レーシング
移動効果:大塚伸一
スタイリスト:堀田都志子
メイク:浜田芳恵
記録:牧野千恵子
製作宣伝:ファンハウス 都筑隆史
スチール:竹内健二
現像:東京現像所
製作進行:吉岡亨 山中富雄
出演:おニャン子クラブ 関根勤 宮川一朗太 江口洋介 原田遊人
アメリカンビスタ カラー 78分

横浜スタジアムで行われるおニャン子クラブの全国縦断コンサート「あぶな~い課外授業」まであと7日。国生さゆりの追っかけをしているマージャン・ボーイは実家のある福島から仲間たちと飛行機で行こうと考えていたが、同じ高校の陸上部のマラソン・ボーイは居ても立っても居られず走って行くと言い出した。止めるのも聞かずに走り出したが、根性のある奴ではないので夕方には戻ってくるとだろうと考えていた。

敏腕プロデューサーの帆足ホタルは日々おニャン子クラブのことばかり考えていたが、頭痛の種は彼女たちにつきまとう息子のユージンだった。離婚後の親権はロサンゼルスにいる夫にあるのだが、おニャン子クラブのことが好きでたまらず日本に残ってからは事あるごとに現れるのだ。ホタルは生意気なユージンに、もし彼女たちと遊んでもらいたければ謙虚にお願いをしなさいと言った。

あと6日。
ユージンは自分で撮ったおニャン子クラブのメンバーのフィルムをパピヨンという女に渡していた。彼女は現像した写真をファンに違法に販売して金を稼いでいるのだ。ユージンは悪いことだとわかっているのだがパピヨンの命令は絶対だった。新たなオーダーは「自分の部屋でくつろぐ渡辺美奈代」という難易度の高いものであり、向かいの建物からカメラを構えて彼女が帰ってくるのを待っていると見知らぬ男が部屋に忍び込んだ。男はブラシについた髪の毛を財布の中に忍ばせると大きな紙袋を抱えて部屋を後にした。そして赤のアストンマーティンのトランクにそれを積み込むとある場所へ向かった。

ユージンが男の車を追うと白い建物にたどり着いた。中で行われていたのは隠れおニャン子クラブファンの総会で、レアグッズのオークションが行われていた。メンバーの間では身の回りの品がなくなることが度々起こっていたが、その原因は彼らにあったのだ。陰から様子を窺っていたユージンはそこで驚くべき計画を知った。オークションで得た200万ドルの売り上げ金を元手におニャン子クローンを開発しようとしていたのだ。ラスベガス郊外にあるオッペンハイマー博士の工場で次月から生産が開始されることになっており、完成までにあと1千万ドルが必要だった。総会最後の目玉である国生さゆりのクローンの声帯がオークションに掛けられると、ユージンは居ても立っても居られず妨害した。

屋台的映画館
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俺たち賞金稼ぎ団

  • posted at:2015-07-09
  • written by:砂月(すなつき)
おれたちのしょうきんかせぎだん
俺たち賞金稼ぎ団(東映=東映ビデオ=木下グループ=東映エージェンシー)
配給:東映
製作年:2014年
公開日:2014年5月10日
監督:坂本浩一
製作:鈴木武幸 間宮登良松 木下直哉 松田英史
企画:白倉伸一郎 加藤和夫
プロデューサー:大森敬仁 中野剛
脚本:酒井善史
脚本監修:上田誠
音楽:三澤康広
撮影:百瀬修司
照明:太田博
美術:福澤勝広
装飾:大庭信正
録音:山口満大
編集:須永弘志
アシスタントプロデューサー:沖拓史
助監督:伊藤良一
ラインプロデューサー:樫崎秀明
主題歌:「Shiny Road」PASSPO☆
音楽プロデューサー:本谷侑紀
製作プロダクション:東映東京撮影所
アクション監督:坂本浩一
出演:竜星涼 斉藤秀輔翼 金城大和 塩野瑛久 今野鮎莉
アメリカンビスタ カラー 99分

獣電戦隊キョウリュウジャーが悪魔の軍団デーボス軍と死闘を繰り広げていた頃、警察官の青木純蔵は同級生の金原寿朗とファミリーレストラン・タイガーボーイで昼食を取っていた。劇団バズーカを主宰する金原は自主公演の資金を必要としており、青木はそんな彼のためを思って指名手配犯・安藤リコの情報を集めて欲しいと願い出たのだった。300万円の賞金が懸かったこのうまい話に簡単に乗ってくるかと思ったが、金原は意外と用心深かった。地球が滅亡するまで何とか解決したいと頭を下げているところに店内へ入ってきたのは覆面を被った強盗だった。そうとは知らずにお腹を壊してトイレから出てきた就職活動中の大学生・赤井達也が人質に取られたため青木どうすることも出来なかった。ところが店内のテレビに映っていた特撮ドラマ「ヘルズフェイス」の主人公・澤村蓮治朗に影響された赤井は人が変わったようになった。ひ弱な姿は何処へやら、見得を切ると大暴れし強盗をノックアウトした。ところが騒動が収まると彼は何も覚えていなかった。彼に憑依型アクション俳優の素質を見た金原は、強盗を逮捕した青木に「この捜査、俺たち劇団バズーカが引き受けた」と言った。

父・辰秀が口うるさいため赤井はとりあえず一社だけ面接試験を受けてみることにした。そうすればしばらく何も言わないだろうとブツクサ言いながらビルに入ると突然非常ベルが鳴った。彼を待っていたのは清掃員の制服を着た金原と劇団員で、気絶させられた赤井は用意されたワゴン車に詰め込まれた。劇団バズーカには金原を筆頭に、妄想の役者の異名を持つ黒田賢、切れ者の役者・緑慎太郎、ドSの役者・桜川カオリの計4人が所属している。赤井が目を覚ましたのは彼らが活動の拠点としている事務所だった。金原は就職活動がうまく行っていないのであれば劇団に今すぐ入団しなさいと言った。芝居の経験がない赤井がどうしていいかわからずに迷っていると、そこに青木がやってきていきなり捜査会議を始めた。約1年前、安藤リコが実の母・さゆりを殺害し放火殺人の容疑で逮捕されたがその後逃走し全国に指名手配された。そこで金原はバウンティーハンターならぬバウンティーアクターとして犯人を捕まえ、もらった賞金を元手に自主公演を行おうと考えたのだ。そのための人材確保として役者も出来る赤井をスカウトしたのだった。

屋台的映画館

女必殺拳 危機一発

  • posted at:2014-11-26
  • written by:砂月(すなつき)
おんなひっさつけんききいっぱつ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年12月7日 併映「脱獄広島殺人囚」
監督:山口和彦
企画:吉峰甲子夫 高村賢治
脚本:鈴木則文 掛札昌裕
撮影:中島芳男
録音:小松忠之
照明:銀屋謙蔵
美術:中村修一郎
音楽:菊池俊輔
編集:鈴木宏始
助監督:岡本明久
記録:山内康代
擬斗:日尾孝司
スチール:加藤光男
進行主任:東一盛
装置:小早川一
装飾:田島俊英
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣裳:河合啓一
演技事務:山田光男
現像:東映化学
協力:社団法人日本少林寺拳法連盟
出演:志穂美悦子 光川環世 室田日出男 石橋雅史 内田朝雄
アメリカンビスタ カラー 83分

夜の香港。繁華街の路地で男が暴漢たちに襲われ、腹をナイフで何度も刺された。そこに通り掛った少林寺拳法の使い手の李紅竜は、力を見せ付けて暴漢たちを追い払ったが、男の命を救うことは出来なかった。彼は息を引き取る間際に、王渕明先生に報告して欲しいと義眼を紅竜に手渡した。義眼の中にはマイクロフィルムが仕込まれていた。渕明を捜し出した紅竜は、フィルムに写った画像を見る機会を得た。香港の富豪である渕明の娘・美麗が誘拐され、事が公になることを恐れた彼は極秘に元香港警察刑事の謝希大に情報収集を依頼した。希大は彼女が密輸組織によって日本に連れて行かれた事を探り当て、その様子をカメラに収めたのだが、暴漢によって命を落としたのだ。美麗は紅竜のハイスクール時代の親友だったことから、渕明は紅竜に娘の救出を依頼した。すると紅竜も東京にいる姉の白蘭が力になってくれるはずだからと了承した。

東京に到着した早々に刺客から命を狙われた紅竜だったが、何とか切り抜け姉と再会した。彼女は百貨店の宝石売り場で働く宝石デザイナーの白蘭に美麗を誘拐した組織を追っていることを打ち明けた。すると白蘭はひどく動揺し2、3日急用で帰れないから私のアパートで待っていてちょうだいと言って鍵を渡した。深夜、窓から吹き込む微風に気配を感じた紅竜は、組織が送り込んだと刺客と対峙した。雨の中で苦戦する紅竜だったが、騒ぎに住民が駆けつけたことで事なきを得た。翌日、紅竜は少林寺拳法東京道院長の藤田徹道を訪ね、三節棍の使い手に心当たりはないかと尋ねた。するとその横で聞いていた徹道の娘・琴絵が台南短槍術の本位田鹿二郎ではないかと言った。日本武道会に悪名高い本位田三兄弟は、天魔流拳法の流祖・猪一郎、武剛流空手の使い手・蝶三郎ともに利益の為ならいかなる卑怯な手段も選ばなかった。そこで徹道は少林寺として全力をあげて協力すると約束した。

大曽根一成が社長を務める大曽根興行の正体はダイヤ密輸組織だった。香港で誘拐され運び屋となった女性たちの臀部にはダイヤの原石が埋め込まれ、東京にある手術室で取り出されるのだ。そしてこの計画のボディーガードとして数々の武術の達人たちが雇われていたのだった。徹道の情報網によりその手術室がナイトクラブの地下にあることを知った紅竜は花売り娘として店内に入り、隙を見て専用口に忍び込んだ。その頃、大曽根のもとに椿俊輔という名の武道家が自分を売り込みに来ていた。

屋台的映画館

女必殺拳

  • posted at:2014-11-07
  • written by:砂月(すなつき)
おんなひっさつけん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年8月31日 併映「極道VSまむし」
演出:山口和彦
企画:吉峰甲子夫 高村賢治
脚本:鈴木則文 掛札昌裕
撮影:中島芳男
録音:長井修堂
照明:元持秀雄
美術:中村修一郎
音楽:菊池俊輔
編集:中田修
助監督:深町秀煕
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
進行主任:志村一治
装置:小早川一
装飾:酒井喬二
美粧:住吉久良蔵
美容:花沢久子
衣裳:河合啓一
演技事務:石原啓二
現像:東映化学
出演:志穂美悦子 早川絵美 宮内洋 大堀早苗 石橋雅史
アメリカンビスタ カラー 86分

少林寺拳法の逸材と呼ばれる李万青が東京で失踪した。その三ヵ月後、彼の妹で香港人を父に、日本人を母に持つ紅竜は、香港警察総部に呼び出されその経緯を伝えられた。万青は香港警察麻薬捜査官の一員で、巨大な麻薬組織という裏の顔を持つ日本の商社・セントラル貿易に極秘潜入していた。活動内容は先に潜入している女Gメンのファン・シンに伝えられることになっていたが、突如途絶えたことで香港警察は身動きが取れなくなっていた。ボスの角崎重臣は恐るべき武術の達人たちをボディーガードに据えていることから、それに対抗出来る拳法の使い手である紅竜に白羽の矢が立ったのだ。兄思いの彼女はこの重大任務を引き受け、横浜にあるクラブ・マンドリンでファン・シンと連絡を取ることになった。第3土曜の夜8時、合図はバラの花。

横浜に到着した紅竜は伯父の李玉堂を訪ねたが、八方手を尽くして捜したが梨のつぶてだったと落胆した。それを見た紅竜は、兄の行方は私が絶対に突き止めますと自分に言い聞かせるように励ました。その夜、マンダリンに出掛けた紅竜は、カウンター席に座ると花瓶に刺してあったバラの花を手に取った。すると内股にバラの刺青をした女が目配せをした。外で落ち合うために店を出て行こうとしたファン・シンを遮ったのは、彼女の動向を探っていたセントラル貿易の殺し屋たちだった。一瞬の隙を突いて店の裏口から逃げ出したファン・シンを紅竜は助け出そうとしたが、仲間が運転する車に連れ去られてしまった。すると車の行く手を阻む謎の男が現れ、次々と殺し屋を蹴散らすと車とともに去って行った。

翌日、紅竜は拳法の恩師である少林寺拳法東京道院長の藤田徹道を訪ねた。徹道は、たとえ警察は動かなくても日本の少林寺は君を見捨てることはないと勇気付けた。彼は万青の行方を独自に追っていたが、その使命を受けたのが型破りな性格の響征一だった。征一を見た紅竜は思わず声をあげた。昨夜、男たちを蹴散らしてファン・シンを連れ去った人物だからだ。征一から無事であることを聞いた紅竜は、早速彼の恋人が経営する湖城しのぶバレエ教室を訪ねた。寝室にいるファン・シンに兄の安否を尋ねるが、万青が密輸の証拠を掴むために屋敷の地下室へ忍び込んだことまでしかわからないと答えた。そしてそこに落ちていたという万青のペンダントを紅竜に渡すと彼女は突然苦しみ始めた。ファン・シンは角崎によって薬漬けにされていたのだ。その頃、教室では角崎のボディーガードで少林寺一門を宿敵と狙う犬走一直の手下たちがしのぶにファン・シンを出せと詰め寄っていた。

屋台的映画館

おしどり喧嘩笠

  • posted at:2013-09-01
  • written by:砂月(すなつき)
おしどりけんかがさ
新芸術プロダクション
配給:東宝
製作年:1957年
公開日:1957年5月22日 併映「あらくれ」
監督:萩原遼
製作:福島通人 杉原貞雄
原作:長谷川伸
脚本:中田竜雄
音楽:万城目正
主題歌:「おしどり喧嘩笠」美空ひばり
・・・:「呼んでみたとて」美空ひばり
撮影:服部幹夫
美術:川村鬼世志
録音:志木田隆
照明:仲村文悟
監督助手:門木隆
編集:河田貞夫
振付:花柳啓之
殺陣:宮内昌平
制作進行:金沢佳都夫 安藤英男
出演:鶴田浩二 美空ひばり 小堀明男 北川町子 堺駿二
スタンダード モノクロ 95分

幕末。渋川一家に世話になったいろはの伊四郎は、一宿一飯の恩義で黒馬一家との喧嘩に助っ人として加わり、親分・黒馬の丑五郎を討ち果たした。渋川の勘平は丁重に礼を言ったが、伊四郎はただ渡世の義理を果たしたまでで礼を言われる程のことではないと素っ気なかった。そして一家が勝ち鬨を挙げる中、手ぬぐいの切れ端で刀の鍔と鞘の下緒を結んで封印したのだった。これを最後の喧嘩にやくざの足を洗い堅気になることに決めていた伊四郎は、母親の待つ桐生に向かった。その夜、安宿に泊まることにした伊四郎だったが、何故か主人が上ばかり気にしていることに気付いた。どうしたのかと尋ねると、二階の客がどうもおかしいというのだ。伊四郎が主人からよそってもらった晩飯のうどんを食べようとしたそのとき、器の中を天井から落ちてきた赤い血が染めた。「なるほど、こいつは確かに変だぜ」。伊四郎が主人とともにその部屋を訪ねると、血だらけの侍が仰向けになって倒れていた。部屋の隅で怯える娘・お才に伊四郎が何があったのか尋ねようとしたところ、突然男が部屋に駆け込んで来た。男は笠松戒三という侍で、同僚の仇と伊四郎に斬りつけたのだった。すんでのところでかわした伊四郎はお才の手を取って逃げ出したが、そこへやってきた目明しと鉢合わせした。だが彼らの用は階段を降りてきた手配中の笠松の方にあった。二階へ戻った笠松は、死んだ侍の葛篭から刀と包みを鷲づかみにすると部屋伝いに逃げ出した。

古寺で雨宿りをしていた伊四郎はお才から宿での出来事を聞いた。鷲宮の街道で二人の侍と道連れになったお才は、立派な人柄だったことから同じ宿を取った。だが寝る頃になって一人が突然、部屋にやってきて酌をしろと言い出したのだった。お才は丁重に断わったが、侍が体を求めてきたため彼女は手近にあった刀を抜いて喉元に突きつけ死ぬ覚悟をした。侍は刀を取り上げようとした際、誤って倒れそれが体に刺さったのだった。話を聞き終えた伊四郎は、身を守るためにやったことだから気にしない方がいいと慰めたが、木更津から沼田まで若い娘が一人旅をしていることに疑問を感じていた。お才は妻として迎えようとする代官古渡千助と後添として望んでいる松伏一家の親分・源太郎から逃れるために、子供のときに慕っていた従兄の和之助を頼って旅に出たのだった。

笠松の話で興奮した鹿毛平之助は、兄・平助の仇を討つために旅に出ようとした。それを見た笠松は驚き、慌てて止めた。笠松と平助は尊王倒幕の同志で、軍資金五百両を届けるという使命を受けていたが、その途中でお才との揉め事が起きたのだ。大切な友人を失った今、笠松は仇討を諦めて協力して欲しいと平之助に願い出たのだった。だが彼の決心は変わらなかった。

屋台的映画館

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