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ドラゴンヘッド

  • posted at:2007-09-11
  • written by:砂月(すなつき)
どらごんへっど
映画「ドラゴンヘッド」製作委員会(TBS=電通=アミューズピクチャーズ=東宝=TOKYO FM=毎日新聞社=WOWOW=カルチュア・パブリッシャーズ=スポーツニッポン=ツインズジャパン)
配給:東宝
製作年:2003年
公開日:2003年8月30日
監督:飯田譲治
製作プロデューサー:平野隆
製作総指揮:近藤邦勝
共同製作総指揮:濱名一哉 神野智
協力プロデューサー:下田淳行
原作:望月峯太郎
脚本:NAKA雅MURA 斉藤ひろし 飯田譲治
撮影監督:林淳一郎
VFXディレクター:立石静
VFXプロデューサー:浅野秀二
視覚効果デザイン:樋口真嗣
音楽:池頼広
・・・:「心ひとつ」MISIA
美術監督:丸尾知行
ビデオエンジニア:鏡原圭吾
照明:豊見山明長
録音:井家眞紀夫
編集:大永昌弘
出演:妻夫木聡 SAYAKA 山田孝之 藤木直人 近藤芳正
シネマスコープ カラー 123分

高校生の青木テルは、違和感の中で目覚めた。何故か自分が新幹線の床に横たわっていたからだ。徐々に甦る記憶・・・。痛む体を無理矢理起こして周囲を見回した彼は驚きのあまり声を失った。彼が見たもの、それは同級生たちの死体の山だった。

事故は静岡のトンネル内で起こった。修学旅行帰りのテルたちを乗せた新幹線は巨大な揺れに見舞われ脱線したのだ。車内は大混乱となり、乗客たちは反動で後方へ飛ばされ折り重なった。だが、テルは落とした缶コーヒーを拾おうとして姿勢を低くしていたことが幸いし命を落とさずに済んだのだった。彼は恐怖のあまり車外へ逃げ出したが、トンネルの出口は瓦礫で塞がれていた。閉じ込められたことに気付いたテルは携帯電話で救助を要請しようとしたが通じなかった。自分が置かれている状況を把握し落ち込むテルだったが、物音がしたことでまだ生存者がいるのではないかと思い直した。音の先では高橋ノブオがうずくまっていた。

テルはノブオと食堂車へ行き腹を満たした。ところがテルの一言で不安に駆られたノブオは落ちていた包丁を手に取ると、甘く見るなよと振り回したのだ。食堂車から追い出されたテルを再び大きな揺れが襲った。彼は慌てて車体の下に潜り込んだが、そこでもうひとりの生存者である瀬戸アコと出会った。アコは車内でとったノブオの異常な行動を目の当たりにし、あまりの恐ろしさに逃げてきたのだ。

ノブオは同級生たちからいつも学校でいじめられていた。救援のシグナルを送り続けていたが、誰も振り向いてくれなかったのだ。この日も車中の狭いトイレに連れ込まれると靴で顔を踏みにじられたのだが、それが彼の命を救ったのだ。死体が転がる号車に戻ったノブオは、虫の息となった担任教師から助けを求められ混乱した。今まで何もしてくれなかったのに…。いつも教師が持っている竹刀を手にしたノブオは、彼を死ぬまで叩き続けた。そして今度は動かなくなった生徒の体を引っ張り出すと今までの恨みをこめて踏み続けた。アコはその側で身を堅くしながら彼が通り過ぎるのを待った。狂気へ走るノブオの叫び声を話を聞いたテルは、身の危険を感じてアコとともに脱出を図った。必ず誰かが助けに来てくれることを信じて。

屋台的映画館
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土俵祭

  • posted at:2007-05-18
  • written by:砂月(すなつき)
どひょうまつり
大映(京都撮影所)
配給:紅系
製作年:1944年
公開日:1944年3月30日
監督:丸根賛太郎
製作:浅野辰雄
原作:鈴木彦次郎
脚本:黒澤明
撮影:宮川一夫
音楽:西梧郎
録音:藤谷徳蔵
美術:角井平吉 川村鬼世志
助監督:宮川孝至
出演:片岡千恵蔵 市川春代 羅門光三郎 山口勇 岸井彰
スタンダード モノクロ 83分(現存78分)

明治初期。西洋からの文化が流入したことで日本人の生活様式は変化した。しだいに西洋のものなら何でもよいと言う風潮が庶民に広がり、日本古来の伝統は時代遅れだと軽視された。それは相撲も同じで、朝早く鳴り響く陣太鼓が安眠妨害だとか旧時代の遺物に観客が集まるのは遺憾至極だと批判された。そんな中、少年・竜吉は関取の玉ヶ崎に弟子入りを志願した。一時間も待たせている竜吉のことが心配になったおかみさんがどうなさるんですと声を掛けると、考え事をしていた玉ヶ崎は突然立ち上がって部屋を出て行こうとした。目の前には竜吉。どんなわけか知らないがおかみさんが可哀相だと竜吉が詰め寄ると、玉ヶ崎は帰れと言って突き飛ばしたのだった。頭にきた竜吉は、散々待たせた上に夫婦喧嘩、お前みたいな奴がいるから相撲は裸の手踊りだなんて言われるんだと捨て台詞を残して去って行った。東京相撲会所から出て来た黒雲部屋の関取・大綱は、本場所に押し掛ける客を二倍三倍にすれば世間を見返すことが出来ると考えていた。そのためには勝ち負けだけではなく、面白おかしく見せることが必要だと玉ヶ崎に言った。魂のない相撲は一時は客が集まるかもしれないがやがて見放され軽蔑されると玉ヶ崎が反論すると、お前の考えは甘すぎると大綱は腹を立てた。そして迎えに来た人力車の車夫に八つ当たりしたのだった。その車夫こそ、玉ヶ崎が西の小結なら東へ行くと言って黒雲部屋に入門した竜吉だった。

明治十八年春場所、竜吉は富士ノ山の四股名で相撲を取っていた。だが大綱の富士ノ山への八つ当たりは相変わらずだった。そんな彼のことを気に掛けていた黒雲親方の娘・きよは、額のこぶを見てぶつかった羽目板は兄弟子というのねと笑って言った。大綱が勝ちにこだわる理由は、大関となってきよを娶り部屋を継ぐことだった。だが大一番で玉ヶ崎に敗れ昇進を逃してしまった。黒雲親方に呼び出された大綱は、今のお前のような了見じゃ大関にはなれないし部屋は継がせられないと説教された。黒雲親方は次の巡業で白玉部屋と組むことにした。白玉親方は病弱であり部屋も小さいことから、所属力士のことを考えて取り計らったのだった。巡業先でも大綱の横暴ぶりは目に余った。砂浜で涙を流す富士ノ山に声を掛けた玉ヶ崎は、俺が稽古をつけてやるから心配するなと言った。富士ノ山が大綱から暴力を奮われているという話は弟弟子の檣から聞いて知っていたのだ。大綱は、裸になった相撲取りには娑婆の出来事はどうでもいいんだと言って浴衣を脱ぎ捨てると富士ノ山に胸を貸した。巡業から帰って来た富士ノ山を見たきよは、何だか人が変わったように見えると言った。

屋台的映画館

どうぶつ宝島

  • posted at:2006-08-08
  • written by:砂月(すなつき)
どうぶつたからじま
東映動画
配給:東映
製作年:1971年
公開日:1971年3月20日 併映「キックの鬼」「タイガーマスク 黒い魔神」「魔法のマコちゃん」「のりものいろいろ」
演出:池田宏
製作:大川博
企画:山梨稔 伊藤企義 飯島敬
原作:ロバート・L・スチーブンソン
脚本:飯島敬 池田宏
作画監督:森康二
美術監督:土田勇
アイデア構成:宮崎駿
原画:小田部羊一 宮崎駿
音楽:山本直純
主題歌:「ちっちゃい船だって」ヤング・フレッシュ
挿入歌:「海賊のうた」メール・ハーモニー
撮影:平尾三喜 藤橋秀行
録音:神原広己
編集:古村均
音響効果:大平紀義
記録:的場節代
制作進行:吉岡修
現像:東映化学
声の出演:松島みのり 天地総子 小池朝雄 八奈見乗児 富田耕生
シネマスコープ カラー 78分

寂れた港町に住む少年・ジムの家は「ベンボー亭」という宿屋だった。その夜は、親友のネズミ・グランと一緒に赤ん坊のバブのお守りをしながらの留守番だったが、あまりにも退屈だったため居眠りをしてしまった。そこへやってきた猫の客は、ジムに金貨を渡すと二階の部屋に泊まった。木でできた小箱を大事に抱えていた猫は、怪しい奴が俺を捜しに来たらすぐに知らせろと言った。窓から見下ろしたジムは物陰に潜む黒マントのブタたちを見つけ、すぐに報告した。すると猫は、何があっても面を出すんじゃねえぞと言って小箱を渡した。やがて宿屋の周りを取り囲んでいた怪しい連中がなだれ込み、ジムは窓から屋根に上って危険が過ぎ去るのを待った。ブタたちは部屋の中のあらゆるところを探し始めたが、諦めて去って行った。部屋の中は荒らされ、そして猫の姿もなかった。憤るジムだったが、預かった小箱の中に何か金目のものが入っているかも知れないと思い直し、開けてみることにした。すると中には、大海賊のフリント船長が隠した宝の在処を記した地図が入っていた。グランは殺し屋たちから命を狙われることを心配したが、楽観的なジムは、そんなことより宝を探しに出掛けようと言った。

翌日、タル船・パイオニア号は宝島へ向けて出航した。やがて前方に船火事を発見したジムたちは興味本位に近づいて行った。ところがその原因が海賊船ポークソテー号による襲撃だとわかると彼らは全速力で逃げた。そして格納した小型砲で相手を攻撃しようとしたが、なんとそこにはバブが隠れていたのだ。結局三人は抵抗も空しく捕まってしまった。ブタのシルバー船長は、ジムとグランを海賊島に着くまで扱き使うことにした。

ジムたちはドクロの形をした海賊島に着くのを今か今かと待っていた。そして船員が目を離した隙に泳いで逃げ出したのだった。作戦は成功したかに見えたが、先回りしていたシルバーに捕まりカバの奴隷商人に金貨一枚で売られてしまった。彼らは牢屋に入れられたが、そこには既に先客がいた。彼女の名前はキャシー、フリントの孫娘だった。キャシーはシルバーがジムから宝島の地図を奪ったことを知ると憤った。シルバーはかつてフリントの手下であり、彼もまた宝を虎視眈々と狙っていたのだ。祖父の宝をシルバーなんかに渡すもんか、キャシーはそう心に誓った。ジムはグランの小さな体を利用して、外で居眠りをする奴隷商人から足枷の鍵を奪うことに成功した。だがキャシーはジムと一緒に逃げようとはしなかった。彼女にとって祖父の宝を狙う者は皆敵だと考えていたからだ。

爆弾を片手に船長会議に乗り込んだジムは、ついに宝島の地図を手にした。ところが彼は背後に忍び寄る影に気付かなかった。そのとき、ジムを助けたのは二丁拳銃のキャシーだった。キャシーは、これで借りは返したわよと言って地図を引っ掴むと姿を消した。

屋台的映画館

ど根性物語 銭の踊り

  • posted at:2006-04-25
  • written by:砂月(すなつき)
どこんじょうものがたりぜにのおどり
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1964年
公開日:1964年5月2日 併映「宿無し犬」
監督:市川崑
製作:永田雅一
企画:藤井浩明 斉藤米二郎
脚本:久里子亭
撮影:宮川一夫
音楽:ハナ肇 宮川泰
演奏:松本英彦クワルテット
美術:渡辺竹三郎
録音:飛田喜美雄
照明:伊藤幸雄
特殊撮影:築地米三郎
編集:中静達治
助監督:崎山周
現像:東洋現像所
製作主任:大岡弘光
出演:勝新太郎 江利チエミ 船越英二 浜村純 ロイ・ジェームス
シネマスコープ カラー 90分

正義感が強く、曲がったことが大嫌いなタクシーの運転手・町田八百は、喧嘩っ早いのが玉に瑕だった。ひき逃げを目撃すれば乗客がいるのも忘れて追跡し、車ごとぶつかって容疑者を捕まえた。大衆食堂では酔っ払いに絡まれた女性店員を助けるために大暴れした。そのおかげで多額の弁償金をいつも給料から天引きされていた。ある日の仕事帰り、八百は横付けしてきた黒塗りの自動車の男に乗らないかと声を掛けられた。一言、二言会話を交わし気を許した瞬間、彼は別の男に頭を殴られた。気を失った八百は男たちに連れ去れてしまった。パイプ椅子に縛られた八百が目を覚ました部屋は暗闇に包まれていた。それだけに男が持つデスクスタンドの明かりはとても眩しく感じた。部屋の中には三人の男がいた。姫一枝が映写機を動かすとスクリーンには一人の外国人の姿が映っていた。彼は国際的な実業家として名が通っていたが、裏では日本最大の麻薬組織のボスとして君臨していた。グループのリーダーである江戸仙蔵は、八百にこの男をどう思うかと聞いた。

彼らは、公平な正義の行われる世の中を切望するある人物の後ろ盾で、社会に悪影響を及ぼす害毒を殺すことを生業としていた。江戸たちが男の殺害方法を検討していたときに白羽の矢が立ったのが正義感、腕力、ど根性のどれを取っても申し分ない八百だった。堀川五六は彼の本籍地や生い立ち、賞罰などあらゆることを調べ上げ、一ヶ月間の行動を調査した結果、仲間に誘うことに決めたのだ。タクシーの仕事がつまらないと感じていた八百にとってこの話は刺激的だった。月給が30万円で、他に特別手当として1件当たり50万円が貰えると言うのだ。しかも税引きなしと言う話を聞いて八百は飛びついた。

八百の最初の仕事は強欲な金融業者・遊佐を事故に見せかけて消すことだった。遊佐は木曜と日曜を除く日は横浜にいた。彼は事務所へ行くために同じ道路をいつも午前11時頃に通過することから、そこが狙い目となった。まず八百は遊佐の車との間を詰めて尾行し、地点に差し掛かったところで追い抜きに掛かった後のタクシーを間に割り込ませた。後部座席の堀川がタクシーのタイヤを狙って銃を撃つと、パンクした車は遊佐目掛けて突き進んだ。タクシーに追突された遊佐の車は、玉突きの玉のように弾かれて道路の外へ飛び出して行った。翌日の新聞には、遊佐が交通事故死したと書かれていた。

八百の仕事ぶりが江戸に認められ、彼は次の仕事に取り掛かることになった。標的は麻薬王のクロード・デントンだった。姫が八百に麻薬についてのレクチャーしているときに建物へやってきたのは、食堂で助けた店員・十條月見だった。彼女は突然いなくなった八百のことを心配して行方を捜していたのだ。八百は、事務所には変な奴ばかりいるから近付かない方がいいと月見に遠回しに忠告した。

屋台的映画館

時をかける少女(1983年)

  • posted at:2005-11-03
  • written by:砂月(すなつき)
ときをかけるしょうじょ
角川春樹事務所
配給:東映洋画
製作年:1983年
公開日:1983年7月16日 併映「探偵物語」
監督:大林宣彦
製作:角川春樹
プロデューサー:山田順彦 大林恭子
原作:筒井康隆
脚本:剣持亘
潤色:大林宣彦
撮影監督:阪本善尚
音楽監督:松任谷正隆
音楽プロデューサー:高桑忠男 石川光
主題歌:「時をかける少女」原田知世
挿入歌:「愛のためいき」
美術デザイン:薩谷和夫
音響デザイン:林昌平
照明:渡辺昭夫
録音:稲村和巳
音楽録音:堀真慈
記録:黒岩美穂子
編集:大林宣彦
助監督:内藤忠司
製作担当:坂本至徳
出演:原田知世 高柳良一 尾美としのり 津田ゆかり 岸部一徳
アメリカンビスタ カラー 104分

4月16日土曜日の放課後。掃除当番の芳山和子はクラスメイトの深町一夫、堀川吾朗とともに理科室の掃除をしていた。二人がごみ捨てに行っている間に和子は室内の後片付けをしていたが、誰もいるはずのない実験室で物音がしたためドアの鍵を開けた。実験室には元々鍵はなかったが、様々な薬品がなくなる事件が起きたことから防犯のために付けられたのだ。和子は二人のいたずらだと考え恐るおそる覗いてみたが、そこには誰もいなかった。そのときフラスコが床に落ち、白い煙が室内に立ちこめた。和子は不思議な香りに包まれ意識を失った。保健室で意識を取り戻した和子は、担任の福島利男たちとともに実験室へ様子を見に行くが、何事もなかったようにきれいなままだった。ここで起きた出来事を誰も信じてくれなかったが、彼女は気を失うときに嗅いだラベンダーの香りをはっきりと覚えていた。この事件をきっかけに和子は奇妙な体験をすることになる。翌日、昨日のことが頭から離れない和子は散歩に出掛けた。気晴らしも兼ねて借りたハンカチを返しに吾朗の家へ行ったのだ。和子は素直な気持ちを吾朗に伝えようとしたが、店の手伝いが忙しくて取り合ってもらえなかった。吾朗は代々伝わる醤油屋を引き継ぐつもりでいたが、彼の母親は大学へ行かせようと考えていた。

4月18日月曜日。和子はいつもどおり登校したが、一日中気分が優れなかった。自宅に戻った彼女は漢詩の授業でわからなかった箇所を復習していたが、突然の地震に驚き家族とともに庭へ避難した。近所で消防車のサイレンが鳴り響いているのを聞いた和子が辺りを見回すと、吾朗の家の付近が燃えていることがわかった。居ても立ってもいられなくなった和子は、家族が止めるのも聞かずに現場へ向かった。幸い火元は醤油屋ではなかったため、心配になって来ていた一夫と帰ることにした。植物採集のために明日学校を休むと言う一夫と別れた和子は、暗闇で何者かに襲われた。

4月19日火曜日。ベッドで目覚めた和子は寝坊をした事がわかり、慌てて支度をして学校へと急いだ。途中で吾朗に追いついた和子は異変を感じた。突然お堂の屋根瓦が滑り落ち、彼女は吾朗をかばった。大きな悲鳴をあげたとき、和子はベッドで目を覚ました。いつものように登校する和子は目を疑った。崩れ落ちたはずのお堂の屋根瓦が何事もなかったように整然と並んでいたのだ。福島は昨日と同じネクタイをしているし、学級委員長の神谷真理子は今日は16日だと言い張るのだ。吾朗に地震と火事のことを話しても知らないと言うし、植物採集へ行くと言っていた一夫も教室にいる。さらにおかしなことは続いた。漢詩の授業では前日と同じ問題が出題され、復習したはずのノートには何の記述も残されていなかったのだ。クラブ活動を抜け出して雨の中を帰宅する和子を呼び止めたのは一夫だった。一夫が雨宿りするように言うと、和子は幼なじみにも関わらず一度も来たことがない家に上がった。和子はためらいながらもこれまでに起こった出来事を一夫に話すと、彼はデジャビュー(既視感)ではないかと答えた。しかし丸一日が同じように繰り返されることはどう考えてもありえなかった。そこで彼女は自分の部屋で地震が来るのを待った。午後8時、やはり地震は発生した。

屋台的映画館

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