どかべん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年4月29日 併映「恐竜怪鳥の伝説」「池沢さとしと世界のスーパーカー」
監督:鈴木則文
企画:太田浩児
原作:水島新司
脚本:掛札昌祐
撮影:出先哲也
録音:宗方弘好
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:森光正
記録:宮本衣子
擬斗:日尾孝司
柔道指導:池内憲二
スチール:加藤光男
進行主任:志村一治
装置:五十嵐靖治
装飾:住吉久良蔵
美粧:宮島孝子
美容:福原精吾
衣裳:石原啓二
演技事務:
現像:東映化学
音楽:菊池俊輔
主題歌:「がんばれドカベン」こおろぎ'73
・・・:「ああ青春よいつまでも」こおろぎ'73
協力:ナイル野球用品 株式会社鷺宮製作所 週刊少年チャンピオン
出演:橋本三智弘 永島敏行 高品正広 山本由香利 渡辺麻由美
シネマスコープ カラー 84分
私立明訓高校の校門付近では早朝から騒動が起きていた。まともに勝負しては太刀打ち出来ない運動部が一致団結して、2メートルはあろうかという大柄な男子生徒の岩鬼正美を叩きのめそうとしていたのだ。そんなことも知らずにそこへ駆け込んで来たのはずんぐりむっくりな転校生で、岩鬼とぶつかったにも関わらずビクともしなかった。転校生は、はずみで落とした鞄が岩鬼に踏んづけられているのを見て「あっ、弁当」と思わず漏らしてしまった。それを聞いた岩鬼は、自分がコケにされていると思い込み殴りかかった。だが転校生はひょいと交わすと、失礼しますと挨拶して立ち去った。転校生の名は山田太郎といい、岩鬼と同じクラスだった。昼休みの時間となり、山田が弁当を広げるのを見て岩鬼は驚愕した。30センチ四方はありそうな自分の弁当箱より一回り大きいのだ。何でも自分が一番でなければ気が済まない岩鬼は、帰りにグランドへ来いと怒鳴りつけた。
岩鬼が山田との決闘の場所に選んだのは、野球の練習場だった。部員たちが練習出来ずに困っているところへやってきたキャプテンでエースの長島徹は、岩鬼がピッチャーズプレートを下駄で踏んでいることに怒り、出て行けとぶん殴った。騒ぎを知って走ってきた山田は、脱いだ制服の上着でプレートを丁寧に拭き、決闘騒ぎを起こしたのは自分のせいだから許してくださいと頭を下げた。一方、怒りの収まらない岩鬼は拳で勝負をつけようとしたが、そばで見ていたソフトボール部キャプテンの朝日奈麗子は野球で勝負をつけるのがいいのではないかと提案した。そんな馬鹿馬鹿しい球遊びにつきあってられるかと呆れる岩鬼だったが、大好きな夏子が麗子に賛同したことであっさりと了承した。ルールは長島が岩鬼と山田に3球ずつ投げ1球でも打てた方か勝ち、というものだった。岩鬼、山田ともに空振りの三振だったが、長島は山田のスイングに異様さを感じていた。全ての球種をストレートで投げ込んだのだが、ボールは山田のスイング後にドロップのような変化をした。しかも彼は木のバットではなく、鉛入りのマスコットバットを使っていたのだ。後日、山田に不意打ちをかけてボールを投げた。そのときに見せた野球で培われたとしか思えない身体能力を見抜いた長島は、俺の球を受けてくれと言ってキャッチャーミットを渡した。現在の野球部には長島の変化球を捕ることが出来るキャッチャーがいないのだ。だが山田は野球は出来ないと断わった。
長島から野球部への勧誘を受けた山田だったが、彼はそれどころではなかった。明訓高校には弱小の柔道部があり、主将のわびすけから部の立て直しを先に頼まれていたのだ。山田は部員にならない代わりに、レスリング部からスカウトを受けた丹下を連れ戻すと約束したが、そのことを知った岩鬼が先回りしたことで話がややこしくなり、丹下は重傷を負った。責任を感じた山田は、まず他の運動部の物置と化している部室の片づけから始め、破れた畳を長屋に持ち帰った。山田の実家は畳屋で、畳職人の祖父と妹のサチ子との三人暮しだった。祖父譲りの技術で畳の修復を終えると柔道部に入部した。
屋台的映画館
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