ざっつかんにんぐしじょうさいだいのさくせん
フジテレビ
配給:東映
製作年:1996年
公開日:1996年8月10日 併映「友子の場合」
監督:菅原浩志
企画:重村一 久板順一朗
エグゼクティブプロデューサー:松下千秋 佐藤信彦
プロジェクトプロデューサー:宅間秋史
プロデューサー:小林壽夫 小牧次郎 宮澤徹
ラインプロデューサー:渡井敏久
原作:谷俊彦
脚本:斉藤ひろし
音楽:佐橋俊彦
主題歌:「ありがとう・・・勇気」TOKIO
エンディングテーマ:「SWEET 19 BLUES」安室奈美恵
撮影:栢野直樹
照明:長田達也
美術:沖山真保
装飾:柴田博英
録音:桜井敬悟
整音:小野寺修
編集:冨田功
記録:甲斐哲子
助監督:前田哲
製作担当:小川勝広
出演:山口達也 安室奈美恵 升毅 荒木定虎 山本太郎
アメリカンビスタ カラー 99分
日本理科大学の教室では有機化学の中間試験が行われていた。黙々と問題を解いていく生徒たち。その中に不審な動きをする者たちがいた。学生寮・シグマハウスに住む落ちこぼれの学生たちはあらゆる手口のカンニングで試験に臨んだ。一方、向かい側の棟では右田教授が双眼鏡を使って試験を監視していた。そしてついに亀井鶴之助が見つかってしまった。亀井はカツラのドレッドヘアーに用紙を仕込んでいたのだ。カンニング→学問の汚れ→秩序の乱れ→世界の破滅と考えている右田にとってこの出来事は屈辱だった。彼は教授会に諮り、亀井を無期停学処分にした。理事長と組んで大学を世界最高の設備と機能を備えた理想郷にしようと目論む右田は、シグマハウスの跡地にホテルを建設する計画を立てていた。邪魔者は去れ、それが右田のモットーだった。
シグマハウスには占いが趣味の亀井の他に、ロケット開発が夢だが実験が失敗続きの利根川翔、コンピューターに精通している中松匠、筋肉バカで栄養素に詳しい力丸一道、ジグソーパズルオタクで地味な江崎忍、そして成績は優秀だが合理的だからという理由で住んでいる木村見次がいた。見次は天文学に興味があり、将来は大学院に進んで鯰田教授の宇宙学研究室に入ろうと考えていた。亀井はマダム・バブーシュカのお告げでシグマハウスの存亡の危機を知ったが、寮生たちは誰もそれを信じようとしなかった。
右田は教授会で学生寮廃止論を訴えた。だが大学創立以来80年の歴史を持つ建物を取り壊すことに鯰田は反対した。他の教授たちも学生たちの生活を守ることは大学としての義務だと言ったが、右田は建物が老朽化している上にそこに住む寮生の成績が芳しくないことを例に挙げ、私立大学が生き残りを掛けるこの時代に効率の良い土地利用を考えることは当然のことだと主張した。すると徳田学長はそれも一理あると理解を示した。その結果、寮生の前期試験の成績を見て判断を下すことになってしまった。
ある日、寮に突然転がり込んできたのは、見次の友人でカンニングの常習犯の森下由美だった。彼女は内緒で猫を飼っていたが、それが管理人にばれてマンションを追い出されたのだった。寮の管理人・珍さんの好意で一緒に暮らすことになったが、悩みの種が一つ増えただけだった。翌日、鯰田はシグマハウスを訪れ、寮がなくなることを報告した。寮生が優秀な成績を収めれば問題ないのだが、それが一番の問題だった。そこで匠は成績を書き換えるために大学のコンピューターへ侵入しようとするが、既に右田に先手を打たれていた。右田の研究室に忍び込んだ由美は、そこで潰されるのは寮だけではなく鯰田の研究所も含まれているという情報を手に入れた。鯰田の分子形成論の一部を論文に盗用していた右田は、不正の発覚を隠すために彼を研究所ごと葬り去ろうと考えていたのだ。由美からその話を聞いた見次は急いで研究所に向かったが、科学の真理は誰のものでもないと言って鯰田は驚かなかった。そしてその隣にいた的中助手は、亀井がドジなだけでカンニングは捕まらないことが肝心だと言った。カンニングは美学だという鯰田は、太陽のフレアが発する紫外線を利用したカンニング法で自分が成し得なかった夢を見次たちに託そうとした。だが今年はその条件に最適な教室での試験がなかった。
屋台的映画館
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