こるとはおれのぱすぽーと
日活
配給:日活
製作年:1967年
公開日:1967年2月4日 併映「新男の紋章 若親分誕生」
監督:野村孝
企画:柳川武夫
原作:藤原審爾
脚本:山田信夫 永原秀一
撮影:峰重義
照明:安藤真之助
録音:中村敏夫
美術:松井敏行
助監督:桑山朝夫
特殊撮影:日活特殊撮影部
編集:鈴木晄
製作担当者:牛山正夫
音楽:伊部晴美
挿入歌:「逢いたいぜ」ジェリー藤尾
出演:宍戸錠 小林千登勢 ジェリー藤尾 深江章喜 山田禅二
シネマスコープ モノクロ 84分
大田原組は外国の企業と提携して事業を行うことになっていたが、関西に拠点を構える島津組がそこに入り込み、計画を横取りをした。その件で島津が日本を離れることから、大田原組は旅立つ前に彼を暗殺することにした。案内役の金子は、尾行する車から島津と用心棒の船木の顔を狙撃手・上村周治に覚えさせ、毎朝決まった時間に屋敷を出て銀座にある事務所に出掛けることを説明した。島津は几帳面な性格からよほどのことがない限りスケジュールを変更することがなかった。そして車に張った防弾ガラス同様、事務所が入るビルにも防弾ガラスが張られていた。翌日の午後二時半に渡航手続きが終了、三時からは茶室で大田原と最後の会談が行われることになっていた。出発は翌々日。それまでは屋敷で静養することになっていた。金子は上村の弟分である塩崎駿の分も含めたパスポートと航空券、そして報酬の半金を手渡し、残りは仕事を確認してからだと言った。すると上村はあんたたちにわかりやすいやり方でやるさと答えた。
上村は自らの足で仕事の場所を探し、会談が行われる茶室が丸見えになるマンションを見つけた。部屋を見せて欲しいと管理人に頼むと、好都合にも四階の正面の部屋が空いていた。気に入ったと手付金を渡すと、もう少し中を見たいと言って管理人を追い出し鍵を掛けた。そして足音が消えるのを確認してから素早くバッグからパーツを取り出しライフルを組み立て始めた。完成すると窓を開け、タバコに火をつけた。一服するとそれを外に突き出し風向きを確認した。バッグを窓際において椅子代わりにすると島津が現れるのを待った。腕時計の針が三時を差すと大田原の次に島津が現れた。島津が大田原から勧められた茶を飲もうとしたそのときを狙い、上村は彼の胸に三発の銃弾を撃ち込んだ。そして慌てて駆け寄る船木も一撃で仕留めた。標的が動かないことを確認すると窓を閉め床に散らばった薬莢を拾い集めた。マンションの外では塩崎が車で待っていた。彼らが向かったのは馴染みのスクラップ工場だった。工員に渡したバッグは廃車の中に放り込まれ、車体とともに潰された。
二人を乗せた車が空港に向かっていると、車内に装備していた無線が鳴った。それは激怒した金子だった。上村がわかりやすい方法で仕事をしたことで、大田原が警察から事情聴取を受けることになったからだ。一刻も早く姿を消せと促された上村は、ドライブバンクで残りの半金を受け取ると空港に急いだ。到着しロビーに急ごうとしたそのとき、再び金子からの無線が鳴った。島津組が空港で待ち構えているというのだ。だが上村と塩崎は忠告を無視した。
屋台的映画館
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