くるったやじゅう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年5月15日 併映「ラグビー野郎」
監督:中島貞夫
企画:奈村協 上阪久和
脚本:中島貞夫 大原清秀 関本郁夫
撮影:塚越堅二
照明:北口光三郎
録音:溝口正義
美術:森田和雄
音楽:広瀬健次郎
編集:神田忠男
助監督:藤原敏之
記録:森村幸子
装置:吉岡茂一
装飾:白石義明
美粧:枦川芳昭
結髪:中村美千代
スチール:木村武司
衣裳:高安彦司
演技事務:上田義一
擬斗:土井淳之祐
進行主任:長岡功
出演:渡瀬恒彦 室田日出男 川谷拓三 橘麻紀 中川三穂子
アメリカンビスタ カラー 78分
白昼の洛西銀行に銀行強盗が現れた。谷村三郎は拳銃を片手に現金を要求するが、形勢は逆転。警備員や行員に追いかけられて通用口から外に飛び出した。あっさり取り押さえられて袋叩きに遭っているところに包丁を持った仲間の桐野利夫が応援に駆けつけ、谷村を解放するととにかく走った。そして大通りに出たときに目に留まった停車中のバスに飛び乗ったのだった。谷村は乗客に銃口を向けて動くなと、桐野は運転手・宮本義一の首に包丁を突きつけて言うとおりにしろと恫喝した。京都駅行きの京洛バスには、彼らのほかにホステスの小林ハルミ、主婦の戸田政江、女優の卵の立花かおる、競馬好きの作業員・西勲、チンドン屋の極楽一郎、良子、米良達、小学校教師の松原啓一と彼の教え子の母で不倫相手の河原文子、無職の老人・半田市次郎、塾通いの小学生・加藤直樹と田中茂男、そしてバイオリンケースを大事に抱えるサングラスの男・速水伸が乗っていた。桐野は頃合いを見て降車するつもりだったが、谷村がその先にいた警官の姿を見て弱きになったことで腹を決めた。「このまま突っ走るんや!」。
京洛バスの社員たちは、警察からの連絡で自社のバスが銀行強盗に乗っ取られたことを知った。調べた結果、大覚寺発-京都駅行きの71系統バスであることがわかったが、乗務員の名前を聞いて皆愕然とした。なぜならば、宮本には心筋梗塞の疑いがあるからだ。本来ならばそのようなことはないのだが、勤めを休んだら乗務手当が出ないと泣きつかれた運行管理者が渋々認めたのだった。通常の業務に支障はないものの、極度の緊張状態が続けば・・・。その頃、バスの中は異様な空気に包まれていた。降ろして欲しいと懇願するかおるに谷村が銃口を向けて黙れ、黙れと連呼すると、政江が「もういい加減に堪忍してえな」と口を挟んだ。彼女の口撃に怯む谷村。その隙をついて西が飛びかかり速水も加勢した。西は拳銃を奪い取ると、舐めるなと叫びながら谷村に向けて引き金を引いた。だが拳銃には弾が入っておらず、包丁を振りかざした片桐に右足を刺された。バスには再び沈黙が訪れた。
路線バスがノンストップで走っているという市民からの通報で、京都府警には安堵の空気が流れた。緊急配備を敷きバスを包囲することに成功したが、それは別の試運転中のバスだった。その頃、ラジオの速報で事件を知った岩崎美代子は下京警察署でバスの行方を尋ねたが、警官に乗客の家族と勘違いされたため急いで逃げ出した。彼女は速水を待っていた。テストドライバーだった速水は視力の低下が原因で事故を起こし、会社を首になった。その後、同じチームにいた美代子とともに深夜の大阪の百貨店に侵入し、時価8500万円相当の宝飾品を盗み出すことに成功した。だが追手の目をくらますために別行動をとったことが裏目に出たのだった。
屋台的映画館
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