かいびょうありまごてん
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1953年
公開日:1953年12月29日 併映「十代の誘惑」
監督:荒井良平
企画:高桑義生
脚本:木下藤吉
撮影:伊佐山三郎
録音:林土太郎
照明:島崎一二
美術:上里義三
音楽:高橋半
編集:菅沼完二
特殊撮影:佐野義雄
製作主任:竹内次郎
装置:梶谷輝男
装飾:海老瀬弥一
背景:小倉清三郎
美粧:日樫義雄
結髪:花井りつ
衣裳:吉実しま
記録:秋山みよ子
スチール:杉山卯三郎
助監督:古川俊男
撮影助手:本多省三
録音助手:近藤正一
照明助手:伊藤貞一
移動効果:山根正一
擬斗:宮内昌平
演技事務:久松健二
進行:吉岡徹
出演:入江たか子 坂東好太郎 阿井三千子 杉山昌三九 北見礼子
スタンダード モノクロ 49分
筑後久留米藩主有馬頼貴は新参の側室おたきの方を寵愛した。すると古株のおこよの方を始めとする奥女中たちはそれを妬みいつか陥れてやろうと画策していた。ある日、奥御殿に猫が紛れ込み膳の鯛に悪さをした。それがおたきの方の可愛がる玉だとわかるとおこよの方は彼女を呼び出し、殺して詫びよと命じた。困ったおたきがどんなことでもすると言うと、おこよの方の隣にいた岩波が裸踊りをさせようとした。すると騒動を聞きつけてやってきた頼貴の弟の大学は双方を諫めた。自分の部屋に戻ったおたきの方はまた同じようなことがあれば只では済まないと考え、玉の首に鈴をつけると女中のお仲とともに外へ放した。
数日後、女中たちによる紅白武術試合が行われ、圧倒的な強さで岩波が勝ち残った。もう出る者はいないかと大学が呼び掛けるが返事はなし。すると岩波は一手願いたいとおたきの方を指名した。頼貴が止めさせようとすると、おこよの方は勝負を挑まれて敵に後ろを見せるのは卑怯であり、奥勤めの間ではその者を誰も相手にしないと言った。仕方なく竹刀を握ったおたきの方だったが、町家育ちの彼女が勝てるはずがなかった。開始の合図直前に降参を申し出るが、岩波は構わずに竹刀を振り下ろしたのだった。おたきの方に恥辱を与えたことでおこよの方はほくそ笑むが、頼貴の心は離れて行った。
おたきの方憎さの余り、おこよの方は奥庭の祠に丑の刻参りをして呪殺しようと試みるが、不審な音を聞いた夜回りがやってきたため成就しなかった。御神木には釘で打ち込まれた藁人形があり、藤乃と小桜から報告を受けたおこよの方は夜回りがその者の顔を見ていないことがわかると安堵した。岩波と呉竹が呪殺はおたきの方の仕業だと言いがかりをつけると、言われない疑いを掛けられるのは自分が至らぬせいだと彼女は御暇乞いをした。それでも怒りが収まらないおこよの方を案じた岩波は、おたきの方がお仲を実家への遣いに出したことを知ると呉竹たちを引き連れて部屋へ行き、懐刀で自害したように見せかけて殺したのだった。それ以来、奥御殿では怪異な出来事が起こるようになった。
屋台的映画館
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