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キサラギ

  • posted at:2011-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
きさらぎ
「キサラギ」フィルムパートナーズ(ミコット・エンド・バサラ=東芝エンタテインメント=テレビ東京=キングレコード=読売広告社=東映チャンネル=東映ビデオ=YAHOO! JAPAN=PARCO)
配給:ショウゲート
製作年:2007年
公開日:2007年6月16日
監督:佐藤祐市
エグゼクティブプロデューサー:三宅澄二
Co.エグゼクティブプロデューサー:加藤鉄也
プロデューサー:野間清恵 望月泰江 井口喜一
共同プロデューサー:宮下史之
原作:古沢良太
脚本:古沢良太
原案協力:48BLUES
企画:野間清恵
撮影:川村明弘
音楽:佐藤直紀
音楽プロデューサー:平川智司
主題歌:「キサラギ」ライムライト
挿入歌:「ラブレターはそのままで」如月ミキ
技術プロデューサー:佐々木宣明
美術プロデューサー:杉川廣明
録音:島田隆雄
照明:阿部慶治
映像:高梨創
編集:田口拓也
VFXスーパーバイザー:野崎宏二
ラインプロデューサー:鈴木勇
キャスティング:杉野剛
助監督:本間利幸
出演:小栗旬 ユースケ・サンタマリア 小出恵介 塚地武雅 香川照之
アメリカンビスタ カラー 108分

永遠の清純派グラビアアイドル・如月ミキが自殺してから早一年が経っていた。1周忌追悼会は「ミキちゃんを応援する掲示板」へ書き込んだ一熱狂的ファンの提案がきっかけとなって実現化した。

2月4日、ファンサイトの管理人で追悼会の幹事を担当した家元は、まだ見ぬ掲示板の住民たちを心待ちにしながら準備に取り掛かった。会場となったその部屋は、家元が大家と交渉し快く貸してくれたビルの最上階(天国の如月ミキに一番近い場所で)だった。そこへ最初にやってきたのは、お菓子作りが趣味の安男だった。ところが彼は腕によりをかけた自慢のアップルパイを時間潰しに使ったコンビニに忘れてきたことに気付き、取りに戻った。次に現れたのは、「如月ミキを愛する気持ちは誰にも負けないつもりなんで、ヨロシク」と七回も連投したスネークだった。家元はミキへのアツさを感じていたが、それはスネークが単にパソコン操作を誤っただけだった。三番目に現れたのは、男らしい文章を書くオダ・ユージだった。理想のハンドルネームが思い浮かばず、たまたまテレビに出ていた俳優の名前を安易な気持ちで書き込んでしまったことを後悔していた。追悼会は彼の提案で始まった。オダ・ユージは家元のラフな格好を指摘した。家元は気楽なパーティを予定していたが、喪服を着たオダ・ユージの真意は違っていた。亡くなった人に対する真摯な気持ちがあるのならば、それに相応しい服装があるはずだと主張するとスネークもそれに同調した。迫力に気圧された家元は、服を着替えるために出て行った。

家元が戻ると部屋は異様な雰囲気になっていた。安男が服装のことでスネークに説教され、部屋の奥には見知らぬ中年男が立っていた。オダ・ユージたちが大家だと思い込んでいた男を家元は一度も見たことも無かった。男は言った。「いちご娘です」。参加者五人が揃い、追悼会は穏やかに始まったように見えた。ところが今度は安男が異議を唱えた。一人だけトレンディな格好をしていることに抵抗を感じていたのだ。彼は建物の近所にある洋服の青山で喪服を買う、喪服でなければ盛り上がれないんだと叫びながら出て行った。そんな安男を気にも留めず、家元のミキちゃんコレクションが公開された。デビュー前のグラビアや直筆の手紙、そしてイベントの写真に一同は盛り上がった。しかしそれは次第に涙へと変わっていった。一年前の2月4日にミキは自殺を図った。オダ・ユージはそのニュースを知ったときからミキの死に疑問を持っていた。新聞に載ったその原因は仕事上での悩みということになっていたが、自殺する間際まで見せていた笑顔を考えると納得できなかった。そこで彼はある仮定を口にした。「自殺じゃないとしたら・・・」。

屋台的映画館
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キューポラのある街

  • posted at:2011-09-22
  • written by:砂月(すなつき)
きゅーぽらのあるまち
日活
配給:日活
製作年:1962年
公開日:1962年4月8日 併映「青年の椅子」
監督:浦山桐郎
原作:早船ちよ
脚本:今村昌平 浦山桐郎
企画:大塚和
撮影:姫田真佐久
音楽:黛敏郎
美術:中村公彦
録音:古山恒夫
照明:岩木保夫
編集:丹治睦夫
特殊技術:金田啓治
助監督:大木崇史
製作主任:山野井正則
出演:吉永小百合 浜田光夫 東野英治郎 市川好郎 鈴木光子 
シネマスコープ モノクロ 100分

埼玉県川口市には500を数える鋳物工場やキューポラと呼ばれる鉄の溶解炉の煙突が並び立ち、江戸の昔から鋳物職人の町として息づいている。その中の一零細企業で騒動が持ち上がっていた。松永鋳工は親方による放漫経営で会社が立ち行かなくなり、会社を丸三鉄工所に売り渡すことになった。その結果、不必要だと判断された三人の従業員が解雇されることになった。三人のうちの一人、石黒辰五郎の解雇理由は「体を壊した半端職人だから」だった。その話を聞いた塚本克巳は親方に猛烈な抗議をした。そして辰五郎の不自由になった足は整備不良のクレーンを使用したことで起こったのだから会社の責任だと指摘した。ところがそこへ割って入った辰五郎は、長年世話になった親方をかばった。そしてお前たちの気持ちはありがたいと言って話を丸く収めようとした。この好景気に路頭に迷うはずがないと明るく振舞っていたため、克巳たちは引き下がるしかなかった。その夜、辰五郎の妻・トミは自宅近くの病院で男児を出産した。にも関わらず辰五郎は酒を飲み歩いて病院へは顔も出さなかった。トミに付き添っていた長女・ジュンは見舞いに来た克巳に抱きついて泣いた。石黒家の家計はとても苦しかった。中学3年生のジュンは高校への進学を考えていたが、母親からはいい返事を貰っていなかった。そこで同級生のヨシエにパチンコ屋でアルバイトをしたいと相談を持ちかけた。

ジュンにはタカユキとテツハルの二人の弟がいた。タカユキは鳩の雛を育てて売り、小銭を稼いではテツハルやヨシエの弟・サンキチを子分に従えて遊び回っていた。ある日、洗濯物のズボンに入っていた150円の内訳を明確に答えられなかったタカユキは、両親に怒られ家出してしまった。親方の息子=ノッポの話からタカユキが嘘を言っていないことがわかり、トミはうなだれていた。弟の行き場所に心当たりがあるジュンはヨシエの家へ行ってくると母親に告げると、その話を聞いた辰五郎が怒鳴った。「野郎、朝鮮の子と付き合ってんのか。このろくでなし」。その言葉を聞いて頭にきたジュンは、頭から思い込んで変えようとしないのが一番いけないと説教した。そこへやってきた克巳は、従業員からの餞別と、丸三の労働組合の委員長と掛け合って労災や退職金について問題にしてもいいという話を持ってきた。ところが職人気質の辰五郎は、組合が嫌いだという理由で断わった。

ジュンに見つかって家に連れ戻されたタカユキに不幸が待っていた。大切に育てていた鳩の雛が猫に襲われたのだ。タカユキはすでに手付金を受け取っていたため、ノッポの命令で泥棒の片棒をかつぐしかなかった。ところがジュンには全てお見通しで、廃材置き場から出てきたノッポを問い詰めると彼の後ろにはアニキがいることがわかった。ジュンはそのアニキと直接話をつけることにした。

屋台的映画館

セックス・チェック 第二の性

  • posted at:2011-09-17
  • written by:砂月(すなつき)
せっくすちぇっくだいにのせい
大映
配給:大映
製作年:1968年
公開日:1968年6月1日
監督:増村保造
原作:寺内大吉
脚本:池田一朗
企画:関幸輔
撮影:喜多崎晃
音楽:山内正
美術:下河原友雄
照明:伊藤幸夫
録音:飛田喜美雄
編集:中静達治
助監督:崎山周
製作主任:渡辺俊策
現像:東京現像所
出演:安田道代 緒形拳 小川真由美 内田朝雄 滝田裕介
シネマスコープ カラー 89分

木下電気では女子工員の選考に原専務が関わり、陸上競技に参加できる人を優先的に採用した。もしも陸上部の中からオリンピック選手が誕生すれば、必然的に木下の名が世界中に知れ渡ることになるからだ。ただ、そうなるためには優秀なコーチが必要だった。そこで原は日本スポーツ連盟に顔が利く元陸上選手で社内医の峰重正雄にコーチの選任を任せた。峰重は選手時代の同期で名スプリンターの宮路司郎を推薦した。

宮路はすっかり落ちぶれていたが、彼の人生を狂わせたのは昭和14年の春に行われたアメリカ遠征の際、カーターというコーチに言われた言葉だった。「記録の壁は人間の力では破れない。破りたければ獣になれ。狼になれ」。宮路がその言葉を実行した矢先に日本は戦争に突入した。獣となった宮路は大陸の戦場を駆け抜け、銃剣で敵を刺し殺し、女を犯した。復員してからは先輩や仲間に嫌われ、連盟から除名された。その後は本能の赴くままに生き、今ではホステスのヒモとなっていた。宮路は峰重にとって大学時代以来の憧れの存在だった。そこで峰重は彼を救いたいという一心でコーチに誘ったのだ。しかし宮路は屑を指導するのは嫌だと突っぱねた。それでも諦めきれない峰重は、自宅へ招き入れて接待した。

翌日、診療所に現れた宮路の姿を見て峰重は喜んだ。ところが宮路の口から出た言葉に峰重は驚きを隠せなかった。彼は峰重の幸せを妬み、妻・彰子を強姦したというのだ。峰重はもう二度と顔を見たくないと静かに言った。部屋から追い出された宮路は、体育館でコーチに反抗的な態度を取るバスケットボール部の選手が目に留まった。男勝りの気の強さに惚れ込んだ宮路は、退部処分を受けた南雲ひろ子を陸上部にスカウトし、コーチを引き受ける決心をした。ひろ子にスプリンターの資質を見出した宮路は診療所に駆け込んで峰重に意気込みを力説したが、彼の心はもうそこに無かった。代わりに俺がここを辞めると言って部屋を出て行った。その夜、宮路はひろ子を家に連れて帰り祝杯をあげた。そして彼女に髭を剃るカミソリをプレゼントした。宮路は彼女の中に潜む男の能力を揺すり起こさなければ限界は超えられないと考えていた。そこでこれまでの生活環境を一新し、ひろ子を男に作り変えようとした。

宮路はひろ子に付ききりで指導したが、それが他の部員たちの不評を買った。その噂は社内中に広がり原の耳にまで届いていた。しかしひろ子以外の部員は屑同然だと考えていた宮路は、トレーニングに集中するためには彼女を女子寮から出した方がいいと原に提案した。猛特訓の結果、ひろ子はついにオリンピック標準記録に迫る11秒7の好記録を何度も出せるようになった。そこで宮路は売り込みを掛けるために連盟に乗り込んだ。協会の幹部である笹沼は大学時代のライバルだったが、宮路は強引に押し切って短距離強化記録会の出場権を手に入れた。記録会当日、宮路の狙い通りひろ子は100メートルを11秒7で走り抜けた。ホラだと思っていた話が現実となり笹沼は驚きを隠せなかったが、ある疑問が湧いた。本当に女なのか?宮路は絶対に女だと主張したが、公約どおり彼女とは男女の関係を絶って練習に集中したため、裸体を一度も見たことが無かったのだ。選手登録には女性証明書が必要になるため笹沼はセックス・チェックをひろ子に受けさせるよう宮路に指示した。その話を聞いたひろ子は、社宅のベランダで泣いた。彼女には人に話せない悩みがあった。

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新しい神様

  • posted at:2011-09-09
  • written by:砂月(すなつき)
あたらしいかみさま
W-TV OFFICE
配給:VIDEO ACT!
配給協力:UPLINK
製作年:2000年
公開日:2000年8月5日
監督:土屋豊
撮影:土屋豊 雨宮処凛 伊藤秀人
撮影協力:遠藤大輔 田中由紀 水谷勝憲
主題曲:「新しい神様」加藤健(REBEL BLUE)
ライブシーン使用曲:「無国籍野郎」維新赤誠塾
・・・:「ニイタカヤマノボレ」維新赤誠塾
・・・:「平和ボケ日本に捧ぐ」維新赤誠塾
・・・:「スリーエス政策」維新赤誠塾
・・・:「評論家気取り」維新赤誠塾
・・・:「平成維新の歌」維新赤誠塾
編集:土屋豊
映像提供:大西景子
協力:自主日本の会 かりの会 一水会
題字:雨宮処凛
宣伝:VIDEO ACT!
ナレーション:雨宮処凛 伊藤秀人 土屋豊
出演:雨宮処凛 伊藤秀人 土屋豊 塩見孝也 木村三浩
スタンダード カラー 99分

雨宮処凛は幼少期からイジメを受け、思春期を家出、ヴィジュアル系バンドの追っかけ、リストカットに費やした。社会の中に自分の存在価値を見出せなかった彼女は、右翼の思想に傾倒した。そして愛国パンクバンド「維新赤誠塾」でボーカルを務め、思いのたけを歌に載せてぶちまけた。

「維新赤誠塾」のライブハウスでのコンサートを見た映画監督・土屋豊は、雨宮の放つ痛々しさに衝撃を受けた。鏡に反射する屈折した光が胸に鋭く突き刺さるような痛みを感じた土屋は、雨宮と塾長・伊藤秀人の話を聞いてみたくなった。

伊藤秀人が土屋のことを知ったのは、反天皇思想の左翼主義者である彼が監督した「あなたは天皇の戦争責任についてどう思いますか?」という映画だった。戦争で散っていった軍人や天皇陛下に不敬極まりない言動を行う輩はどんなことがあっても許すことが出来ないかった。伊藤の心情を考えた土屋は、「新しい神様」の撮影に入る前にその映画を見せることにした。その結果、伊藤はお互いの立場は違うが国対について考える真剣さに感銘を受け、撮影に協力することにした。

三人は話し合う場を何度も設けたが、それぞれが持説を主張するだけで議論がかみ合うことはなかった。個人、民族、国家、そして天皇陛下。彼らは本当にそれらを自分の言葉で語っているのだろうか?そんな疑問を抱いた雨宮は、自分の問題が自分自身の中にあることに気付いた。彼女は縋れるもの、依存できるものを探し、絶対に信じられる「大きな物語」を望んでいた。そこで北朝鮮へ渡り、チュチェ思想を学ぶことにした。

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修羅雪姫 怨み恋歌

  • posted at:2011-08-21
  • written by:砂月(すなつき)
しゅらゆきひめうらみこいうた
東京映画
配給:東宝
製作年:1974年
公開日:1974年6月15日 併映「野獣死すべし 復讐のメカニック」
監督:藤田敏八
製作:奥田喜久丸
原作:小池一雄 上村一夫
脚本:長田紀生 大原清秀
撮影:鈴木達夫
音楽:広瀬健次郎
美術:樋口幸男
編集:井上治
照明:石井長四郎
録音:神蔵昇
整音:西尾曻
監督助手:松沢一男
殺陣:林邦史朗
アームズテクニカルアドバイザー:トビー門口
スチール:橋山直己
現像:東京現像所
製作担当者:丹野弘章
出演:梶芽衣子 原田芳雄 吉行和子 岸田森 安部徹
シネマスコープ カラー 89分

明治三十八年九月、日露戦争は終戦を迎え、これを契機に大日本帝国は強固な基盤を確立した。しかし戦後のインフレは凄まじく、国民の憤懣は限界に達していた。一方その頃、殺人請負を生業としていた鹿島雪は、道海和尚から修羅の子として厳しく育てられた寺に戻り、母親の墓参りをしていた。そのとき、彼女の周りを数人の男たちが取り囲んだ。男たちは刀を構えるやいなや次々に斬りかかって行ったが、誰も雪の腕に敵う者はなく皆屍と化した。刺客に命を狙われ、警察に追われ、雪は身も心も疲れ果てていた。凶悪殺人犯として全国に指名手配されていた雪は、海辺にいたところを警察隊に取り囲まれた。観念した彼女は、持っていた刀を放り投げると大人しく縛に就いた。裁判では絞首の極刑が言い渡され、雪は素直に受け入れた。

雪は生まれ故郷である女囚房へ入れられた。死刑執行の日、処刑場へ向かう馬車がお多福面を被った男たちに襲撃され、雪は屋敷へ連れて行かれた。そこで待っていた菊井精四郎は、雪に命を助けた貸しをその腕で返してもらうと言った。そして無政府主義を唱える徳永亂水を一ヶ月間見張り、屋敷から機密書類を盗み出すように命じた。雪は女中として徳永邸に潜入した。雪が徳永家の生活に馴染んだころ、亂水は張り込む警察の目を掻い潜って彼女をある場所へ連れて行った。そこは逆賊の汚名を着せられて死んでいった亂水の同志たちが眠る墓場だった。亂水は雪が修羅雪姫であることを知った上で事件の真相を語り始めた。

昨年の二月、吉沢という名の職工が神楽坂の交番に仕掛けた爆弾を破裂させ、逮捕された。秘密警察はこの若者を利用し、事件は主義者たちとの共同謀議のよるもので天皇暗殺の予行演習だったと嘘の供述をさせた。その首謀者は特警の菊井と彼の大親友である検事総長・寺内謙道だった。亂水の同志たちは検挙、投獄され、弁護士さえ付けられない暗黒裁判の結果、たちまち処刑された。そして唯一真実を知っていた吉沢も抹殺された。菊井はこのときの功績で長官の地位を得、寺内も司法大臣となった。亂水の手には彼らを引き摺り下ろすための武器=吉沢が二人の密談を克明に書き残し母親へ送った手紙が握られていた。真実を悟った雪は、亂水に協力することにした。

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