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女獣

  • posted at:2012-11-20
  • written by:砂月(すなつき)
にょじゅう
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年8月19日
監督:曲谷守平
製作:大蔵貢
企画:小野沢寛
脚本:葉山浩三 志原弘
撮影:平野好美
照明:小山正治
録音:竹口一雄
美術:岩武仙史
音楽:三保敬太郎
編集:永田紳
助監督:小川清一
製作主任:山本喜八郎
出演:小畑絹子 松浦浪路 菅原文太 江見俊太郎 岬洋二
シネマスコープ モノクロ 76分

白昼の山道で現金輸送車が襲われ、5500万円の入ったジュラルミンケースが盗まれた。輸送車の周囲には職員二人の他に女の死体があった。警視庁が女の身元を調べた結果、新宿界隈の不良グループに所属していた中田秀子であることがわかった。捜査第一課長の安藤は、犯人が口封じのために女を殺害したのではないかと考えていた。そこで安藤は事件の背後関係を調べるために、部下の瀬川路子を秀子の友人の山田鈴子として不良グループに潜入させることにした。

多摩女子少年院に受刑者として入った鈴子は、エミが秀子と同じにグループに所属していることがわかると近付き、脱走しようとそそのかした。だが彼女はそれができるのならとっくにやっていると話に乗ってこなかった。翌日、もう一度エミを誘った鈴子は、女教師の目を逃れて鶏を運ぶトラックに乗り込み脱走に成功した。計画は手筈通りに進んだ。

エミと鈴子が路地に身を隠していると、誰かが走って来た。その女は新宿の繁華街で麻薬の取り引きしているところを警官に見つかった不良グループの圭子だった。路地に引き入れ警官をやり過ごしたエミは圭子との再会を喜んだ。鈴子は圭子の紹介でナンバーワンホステス・竜子の世話になることになった。その夜、圭子はチンピラに呼び出された。逃げるときに隠したはずの麻薬がゴミ箱の下にないというのだ。チンピラが圭子を暁興行のボス・山村のところへ連れて行こうとしたそのとき、そこに現れたのはグループのリーダー・木村朝子だった。朝子が代わりに弁償すると言うとチンピラは圭子を解放した。

ジャズ喫茶・パンドラにやってきた杉山正一は鈴子に近寄り、ちょっとそこまで付き合って欲しいと言った。その様子に気付いた竜子は中に割って入り二人を引き離した。すると正一は改めて三郎に仁義を切ったのだ。鈴子と会うことに成功した正一は自分の部屋に彼女を誘った。正一の正体は厚生省麻薬局麻薬課の麻薬Gメンだった。警視庁が捜査する輸送車襲撃事件と厚生省が捜査する麻薬密輸事件には共通点があったため、安藤が正一に協力を依頼したのだ。 香港で発見された紙幣が強奪されたものであり、それが麻薬取引に使われていることがわかった。そしてその裏では暁興行が巨大な麻薬密売組織を動かしているのではないかと推測された。

鈴子は圭子から秀子の男のことを何度も聞きだそうとしたが、彼女はその話題になると何故か口を噤んだ。その夜、圭子は殺された。

屋台的映画館
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俺っちのウエディング

  • posted at:2012-11-12
  • written by:砂月(すなつき)
おれっちのうえでぃんぐ
セントラルアーツ=日本テレビ放送網
配給:松竹
製作年:1983年
公開日:1983年4月29日 併映「ふしぎな國 日本」
監督:根岸吉太郎
製作:黒澤満 後藤達彦
プロデューサー:紫垣達郎 山口剛
脚本:丸山昇一
撮影:前田米造
音楽:大野克夫
音楽プロデュース:浅岡弘行
挿入歌:「ミステリー・ヒステリー・ヒストリー」時任三郎
照明:渡辺三雄
録音:木村瑛二
整音:小野寺修
効果:小島良雄
美術:菊川芳江
装飾:中島昭司
編集:川島章正
監督助手:森安建雄 渡辺容大 伊藤裕彰 細野辰興
撮影助手:田村輝行 柳島克己 山本朗
照明助手:山岸清海 黒田紀彦 市川元一 山崎隆 小峰睦男
録音助手:中山義廣 林大輔
装飾助手:山口茂樹 平野哲 長谷川晴生
編集助手:北沢良雄 藤山伊世子
スチール:関谷嘉明
記録:今村治子
衣裳:岩崎文男
メーキャップ:太田とも子
擬斗;荻原紀
撮影効果:NK特機
カースタント:スリー・チェイス
製作宣伝:松本淳
演技事務:飯塚滋
製作担当:川崎隆
製作担当補:坂本忠久 伊藤正敏
録音スタジオ:にっかつスタジオセンター
衣裳:第一衣裳
車輌:富士映画
現像:東映化学
出演:時任三郎 宮崎美子 伊武雅刀 美保純 伊東四朗
アメリカンビスタ カラー 104分

新郎の大村勉は、結婚式当日の朝であるにも関わらずまだ出張先の直江津にいた。取引先の社長と飲んでいるうちに盛り上がり、朝を迎えてしまったのだ。新婦の小椋真紀子に詫びの電話を入れると、あさま6号に飛び乗った。一方、勉の到着を待つ結婚式場では、ナイフを隠し持ったウエディングドレス姿の女が真紀子に突然切り掛かった。女は真紀子の腹部を刺すと逃げ出し、倉庫に駆け込んだ。そして自ら持ち込んだ爆薬で爆死したのだった。そんな事情を知らずにガランとした式場で立ち尽くす勉は、顛末を聞かされ病院に向かった。幸い真紀子の傷は軽くて済んだが、精神的なショックが大きかった。

勉から話を聞いたチーフの田島耕平刑事は、専任として岡村博刑事を付けることにした。実は同じ日の同じ会場で岡村も結婚式を挙げていたのだ。田島は犯人がウエディングドレス姿という手の込んだ方法を取っていたことから、真紀子を怨んだ者の犯行ではなく勉と過去に関係を持った者の犯行ではないかと言った。勉は学生時代に付き合っていた二人の名前を挙げたが、捜査の結果どちらとも生きていることが判明した。犯人は憎い勉の過失を捨て身で世間に公表し、二人の仲を引き裂きだけでなく将来までも破壊しようとしたのだと田島は仮説を立てたが、勉は心当たりはないととぼけた。勉にはもう一人、警察に言えない女がいた。それは帰省先の長崎から東京へ戻る寝台特急の中で出会い、深い関係を続けた太田時子だった。そのことが知れ渡ると良好な真紀子との関係に亀裂が入る可能性があるため、勉は隠し通すことに決めたのだった。勉は時子のその後が気になり、彼女が以前勤めていた美容院を訪ねた。花嫁学校に行っていたという話を聞いた勉はピンと来た。そこは「花嫁学校」という名のキャバレーなのだ。だが残念ながら足取りはそこで途絶えてしまった。その頃、マスコミは勉の人物像を不逞な輩に仕立て上げ事件を大々的に報じた。そのおかげで真紀子の両親からは冷たくあしらわれ、会社では営業から倉庫番に追いやられてしまった。その夜、仲間とともに飲みに行ったが、売り言葉に買い言葉でケンカになってしまった。深酒で悪酔いした勉は帰宅途中に気分が悪くなり、陸橋の上でタクシーを降りた。すると何者かが背後から近付き、突き落とした。

屋台的映画館

GTO

  • posted at:2012-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
じーてぃーおー
フジテレビジョン=関西テレビ=講談社=研音
配給:東映
製作年:1999年
公開日:1999年12月18日
監督:鈴木雅之
企画:河村雄太郎 山崎一彦 栗原良幸 児玉英毅
プロデューサー:宅間秋史 小林壽夫 波止康雄 臼井裕詞
ラインプロデューサー:渡井敏之
協力プロデューサー:和田行
原作:藤沢とおる 相沢春吉
脚本:田辺満 長谷川隆
撮影:浜田毅
音楽:服部隆之
主題歌:「POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~(MOVIE MIX) 」反町隆史
美術:中澤克巳
照明:渡邊孝一
装飾:大坂和義
整音:小野寺修
録音:北村峰晴
編集:田口拓也
キャスティング:前田浩子
助監督:原正弘
製作担当:鷲頭政充
企画協力:AVEC
製作協力:メリエス
出演:反町隆史 藤原紀香 田中麗奈 笠原秀幸 夏八木勲
アメリカンビスタ カラー 108分

1999年・冬。北海日報社会部記者・喜多嶋薫は、いやに暑かった今年の夏の出来事を思い出していた。スクープを撮ることに夢中だった薫は連続強盗犯を追い掛けて北海道幌比内町に辿り着いた。その町はバブルの真っ只中である1989年の夏にテーマパーク・幌比内カナダ村を開園させた。町おこしの一環で始まったこの事業に町民は幸せな未来を思い描いていたが、それは大きな勘違いだった。経営の失敗でカナダ村は廃園。その影響で過疎化が進み、町は寂れた。

1999年・夏。幌比内町にひとりの男がやって来た。「GTO」(Great Teacher Onizuka)という異名を持つ鬼塚英吉は、北文館学園高校の臨時教師として赴任して来たのだ。財布を落として困っていた鬼塚は、同じクラスの市川楽をカツアゲする河原崎一郎太と中条行人に近付き、おまえらはやり方が手ぬるいと言った。そして楽を逆さにして持ち上げると揺さぶって有り金を地面に落とした。次に二人の方を向くと、ちょっとだけお金を貸してくれないかなあと頼んだ。ボコボコにされたいのかと強がる一郎太に鬼塚はクイズを出した。ボコボコにされるのはどっちでしょう。一、財布を落としておまけにガス欠の僕。二、そんな僕のお願いを聞いてくれない君たち。

三人を引き連れて出勤した鬼塚だったが、校内では騒動が起きていた。生徒の桂木綾乃が校舎の屋上から飛び降りようとしていたのだ。楽とともに屋上に現れた鬼塚は、先に飛ばしてやってくれと綾乃に言った。鬼塚は、このままいじめられ続けるなんて耐えられないだろうと言って楽を落とそうとしたが、彼にはそんな度胸はなく拒み続けた。二人のやりとりにあきれた綾乃は自殺するのを止めた。ところが楽は鬼塚を道連れにして本当に飛び降りてしまったのだ。二人はクッションで命拾いしたが、鬼塚の噂は一瞬で学園中に広まった。生徒に自殺を勧める鬼塚のやり方に猛反発した教師たちは、校長からの通達で彼が2年C組の担任になったことを知ると皆密かに笑った。そこは楽や綾乃たちのような問題を抱えた生徒が集うクラスだった。

金も住む場所もない鬼塚は楽の家に押しかけて夕食をごちそうになり、母・政美と意気投合するとそのまま居座った。楽は綾乃に一方的な恋心を抱いていた。綾乃は理事長・桂木圭介の娘で、学園の他にデパートや酪農工場を経営するなど手広く事業を展開していた。そしてカナダ村を始めたのも圭介だった。実業家の娘と牧場主の息子の恋。そのことを知った鬼塚は一肌脱ぐことにした。

翌日、連続殺人犯が幌比内町方面に逃走したという情報を掴んだ薫は、同僚の石山健次とともに村に入った。スクープを持って帰らなければクビだと脅されている薫は、犯人逮捕の手掛かりになる有力な証拠を持っていた。それは犯人が落としたと思われる財布の中に入っていたコンドームだった。薫は「愛の2回目」とペンで書かれたコンドームを石山に自慢げに見せびらかしていたが、鬼塚と楽が乗る自転車に気付くのが遅れ衝突した。怒鳴り合う二人。だが鬼塚の目は薫の右手に釘付けだった。「俺の財布を拾ってくれました?」。その言葉を聞いた薫は、鬼塚が殺人犯だと確信した。

屋台的映画館

喜劇 一発大必勝

  • posted at:2012-10-06
  • written by:砂月(すなつき)
きげきいっぱつだいひっしょう
松竹
配給:松竹
製作年:1969年
公開日:1969年3月15日
監督:山田洋次
製作:島津清 上村力
原作:藤原審爾
脚本:森崎東 山田洋次
撮影:高羽哲夫
美術:梅田千代夫
音楽:佐藤勝
照明:戸井田康国
録音:小尾幸魚
調音:松本隆司
編集:石井巌
監督助手:大嶺俊順
装置:小島勝男
進行:萩原辰雄
製作主任:吉岡博史
現像:東京現像所
協力:名古屋観光自動車株式会社 知多乗合株式会社
出演: ハナ肇 倍賞千恵子 谷啓 佐山俊二 田武謙三
シネマスコープ カラー 92分

荒木つる代は市内を巡回する路線バスに新人ガイドの指導員として乗り込んでいた。ある日、彼女の父・定吉が同じ長屋に住む杉野源三郎、石川誠、野田松吉の三人とともにカラーテレビの箱を抱えてそのバスに乗って来た。つる代は必死に止めたが、定吉たちは強引に乗り込んでしまったのだ。箱を物珍しそうに見る乗客が何インチかと尋ねると、定吉は確か60インチだったかなと答えた。やがてバスは停留所の焼き場前に到着し、四人は箱をバスから降ろそうとしたが、路肩に足を取られた松吉が滑り落ちてしまった。すると箱も一緒に転がり、中から人の足が飛び出した。

乱暴者のウマは長屋の住民にとって厄介な存在だったが、フグの毒にあたって突然死んだ。身寄りのないウマを不憫に思った日永市保健所の職員・左門泰照は棺桶代を寄付したのだが、四人はうれしさのあまりその金を使って祝杯を挙げたのだ。そこへやってきたのは、顔中にヒゲを蓄えたウマの友人だった。事情を知ったヒゲ男は「お前ら、ウマを殺しやがったな」と凄んだ。彼は一生懸命言い訳する四人をうるさい黙れと一喝し、骨壷の骨をすり鉢で粉にし始めた。そしてそれに水と醤油を加え、ウマの仕返しだと言って男たちに無理やり飲ませたのだ。おかわりはいるか?というヒゲ男の言葉に恐れをなした四人は家を飛び出し、長屋はパニックに陥った。

翌日、嘔吐と下痢で苦しむ定吉たち四人の姿を見た左門はコレラを疑い、ボルネオ帰りで不潔の塊のヒゲ男が感染源だとして対策を考えていた。その頃、御大と呼ばれることを好んでいたヒゲ男は、長屋を出て行く気になっていた。その話を聞いた杉野たちが御大のもとへ行くと、彼はウマの持ち物を処分してその代金は適当に使って欲しいと言った。すると互助組合・白菊会の会長を務める杉野は、喜んでその代金を寄付金として会計に繰り入れると答えた。住民から冠婚葬祭や旅行の積立などのために会費を徴収していることを知った御大は、ウマのために御影石の墓を立ててやりたいと切り出した。そして俺が全額出してもいいんだが、それじゃあ長い間親戚付き合いしていたあんたらの気が済まねえよなあと猫なで声を出した。杉野たちがグズグズしていると、ウマ殺しの件を警察に垂れ込むぞと凄んだ。 御大の部屋にやってきた左門は医者のいうことを聞いて欲しいと頼んだが、彼は出て行くといって聞く耳を持たなかった。そこで左門は表から封鎖するという強硬手段に出たのだ。だが御大は家を破壊して外に出ると大暴れした。そして杉野から手切金の会費全額を受け取ると、骨がひとかけらもねえんだから墓は立てられねえわな言って出て行った。

一年後、白菊会では一泊二日の温泉旅行が行われることになった。バスは旅館に向けて出発したが、その途中の観光地で御大と遭遇してしまい、ガイドを務めるつる代はそれが悪名高い男だと知らずにバスに乗せてしまった。旅行は始終御大に振り回され、皆疲れ果ててしまった。そしてつる代もバスの中で眠り込んでしまい、大阪で降りるはずだった御大をまた長屋に連れて来てしまった。

屋台的映画館

惑星大怪獣ネガドン

  • posted at:2012-09-26
  • written by:砂月(すなつき)
わくせいだいかいじゅうねがどん
スタジオマガラ
配給:コミックス・ウェーブ
製作年:2005年
公開日:2005年11月5日
監督:粟津順
プロデューサー:角南一城
脚本:粟津順
音楽:寺沢新吾
主題歌:「天然色の夢 ~昭和九十年の空~」湯本あかね
音響効果:寺沢新吾
特技考証:加藤健二郎
モデリング/アニメーション/視覚効果:粟津順
モデリング/アニメーション(吉澤):宮原眞
恵美文字/エンディング絵画:大石麻紀子
キャスティングコーディネイト:矢野剛
オンライン編集:来栖和成
ミキサー:田中俊
スタジオコーディネイト:清水由紀恵
オンライン編集/MAスタジオ:映広
広報:遠田尚美
協力:村上徹 岩田尚 中島弘道 小曽根雷太
製作/著作:粟津順 コミックス・ウェーブ
声の出演:清水大 貴志昌文 笹原琢磨 湯本あかね
シネマスコープ カラー 25分

昭和100年。世界の人口は100億を超え、地球のあらゆる資源は使い尽くされた。そのため宇宙技術を有する国々は、他の惑星を地球と同じ環境に改造し人類を移住させる世紀の一大事業「火星テラフォーミング計画」に着手した。だがこの計画が更なる試練を人類に強いることになるとはまだ誰も知らなかった。

7月6日、ロボット工学の権威・楢崎龍一の屋敷に訪ねて来たのは、防衛省・技術研究本部第七研究所の吉澤政次だった。楢崎は「火星テラフォーミング計画」への参加を軍から依頼されたが、技術が兵器に利用されることを恐れ辞退したのだった。頑なに拒み続ける楢崎に、今は10年前と違うとは吉澤は言った。彼はその頃、楢崎の助手をしていたのだ。「火星テラフォーミング計画」でロボットの需要が飛躍的に増え、防衛軍は兵器への転用を認めていた。一線を離れた先生にとって再起のチャンスだと吉澤が訴えると、私は意地を張っている訳ではないと楢崎は静かに言った。志など10年もあれば捨てずとも消えると彼は呟いた。

昭和90年、楢崎歩行重機研究所の所長だった楢崎は巨大ロボットの研究を行っていた。これさえ完成すれば、建築や海洋開発はもちろん宇宙ステーション、火星基地の建造にも役立ち世界は大きく変わる。ロボットが地上や海、宇宙で活躍する未来を作ることが楢崎の子供の頃からの夢だった。だがそれは一つの事故によって失われた。内燃機関の燃焼実験で内部からの圧力が上昇し、外れたバルブが楢崎の一人娘である恵美に直撃したのだ。私がロボットなど作らなければ。自責の念に駆られた楢崎はそれ以来、研究から退いたのだった。

7月7日、火星から帰還途中だった原子力宇宙輸送船「いざなみ」が大気圏外で突如爆発を起こし、船体は東京25区付近に墜落した。残骸と化した「いざなみ」から現れた巨大な生物は、大空へゆっくりと舞い上がると強力な破壊能力で街を攻撃し始めたのだった。防衛軍が保有する戦闘機や戦車の攻撃は全く歯が立たず、東京は潰滅の時を待つばかりとなっていた。楢崎は考えていた。人間は常に自らの手で災いを招き寄せ、後になって遅いと気付く。何故それがわからないのか。彼は格納庫へ行きそこに眠る巨体に「ずいぶんと待たせたな」と語り掛けた。楢崎は娘との約束を守るために立ち上がった。

屋台的映画館

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