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遥かな時代の階段を

  • posted at:2007-07-06
  • written by:砂月(すなつき)
はるかなじだいのかいだんを
フォーライフレコード=映像探偵社
配給:フォーライフレコード
製作年:1995年
公開日:1995年3月18日
監督:林海象
製作:後藤豊
プロデュース:嵯峨芳春
プロデューサー:古賀俊輔 林海象 和田倉和利
脚本:天願大介 林海象
企画:福寿祁久雄
撮影監督:長田勇市
音楽:めいなCo.
エンディングテーマ:「水の音」山本京子
美術監修:木村威夫
美術:増本知尋
照明:長田達也
装飾:嵩村裕司
衣装:宮本まさ江
メイク:小沼みどり
特殊メイク:原口智生
スクリプター:内田絢子
演出補:塙幸成
音響デザイン:浦田和治
録音:荒畑洋
編集:冨田伸子
音響効果:帆苅幸雄
助監督:行定勲 荻生田宏治 小林大策
出演:永瀬正敏 鰐淵晴子 岡田英次 大嶺美香 南原清隆
シネマスコープ カラー 101分

横浜黄金町にある映画館・日劇の二階に私立探偵・濱マイクの事務所があった。探偵業界は不景気続きで依頼される仕事はペット探しなどの冴えないものばかりだった。その日の依頼も犬のマリーちゃん探しだったが、文句を言える立場ではなかった。そんなときに限って村瀬金融のレッカー車に出くわし、自慢のナッシュ・メトロポリタンは借金の形に取られてしまった。村瀬たちが置いていった自転車で仕方なく犬探しをしていたマイクはついに公園でマリーちゃんを発見した。ところがその公園には妹の茜とマリーちゃんを抱きかかえた友人の京子がいたのだ。マイクは代わりに飼い主に返してあげると言って京子から犬を預かると、かっこよく二人を見送った。茜は川沿いでスナックを経営する京子の母・幸子から食事に招待されていた。

横浜市では市会議員選挙が公示され、街中では選挙カーが走り回っていた。横浜新自由党公認候補・神野勝の選挙事務所では男たちが言い争っていた。松田は神野に川の利権に手が出せない理由を聞いた。山口も勢いづく台湾マフィアとの形勢を逆転するには川の利権を利用するしかないと言った。しかし神野は、川は白い男のものだと言った。戦後から川沿いは、警察や役所、そしてヤクザも手を出さず、男も彼らに手を出さないという暗黙の掟があったのだ。誰もその人物を見たことがなかったが、神野はルールを破る気は微塵もなかった。彼は二人に変なことを起こすな、選挙のことだけ考えろと言った。

黄金劇場に幻の舞姫=ダイナマイト・セクシー・リリーが帰ってきた。劇場でステージを観た岩崎、北村、近藤の三人が銭湯の湯船に浸かるマイクにそのことを報告すると、彼は憤慨した。リリーはマイクの母親だった。早速、マイクはリリーに会いに行ったが、あまりの懐かしさに優しい声を掛ける彼女に気持ちとは裏腹な冷たい態度を取った。そしてリリーが茜に会いたいと言うと妹には死んだことにしてあると言った。自分たちが捨てられたと思い込んでいるマイクにリリーはその訳を説明しようとしたが、彼は耳を閉ざし茜には連絡するんじゃないと吐き捨てて歩き去った。

白い男という亡霊に怯える神野はだめだと判断した山口と松田は、川の利権に手を出すことにした。白い男を倒しさえすれば、川はおろか神野のシマをも抑えることができるからだ。二人は、これからは俺たちの時代だと豪語した。翌朝、川には複数の死体が浮かび、その中には松田も含まれていた。伊勢佐木署捜査四課・中山八平刑事は事件現場に向かったが、署長からの命令でそれ以上の捜査を続けることが出来なかった。理由は、川は警察の管轄ではないからだ。海上保安庁も水上警察も同じ理由で手を引いた。犯人がわかっていながら手が出せない中山は、車をだしにしてマイクに協力させた。中山は以前からスナックのママ・幸子を窃盗容疑でマークしていたが、店に何度乗り込んでも証拠が見つからなかった。そこで何処にも属していないマイクに見張らせることにした。

屋台的映画館
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パラサイト・イヴ

  • posted at:2006-07-27
  • written by:砂月(すなつき)
ぱらさいといぶ
フジテレビジョン=角川書店
配給:東宝
製作年:1997年
公開日:1997年2月1日
監督:落合正幸
製作:村上光一 川合多喜夫
製作統括:重村一 久板順一朗 松下千秋 阿部忠道 宍戸健司 阿部秀司
プロデューサー:小牧次郎 大川裕 堀部徹
プロデューサー補:関口大輔
協力プロデューサー:遠藤龍之介 上木則安 内山浩昭 菊池信夫
ラインプロデューサー:安藤親広
原作:瀬名秀明
脚本:君塚良一
撮影:柴崎幸三
音楽:久石譲
美術プロデューサー:杉山廣明
美術:柳川和央
照明:吉角荘介
録音:山方浩
編集:深沢佳文
製作協力:ROBOT
出演:三上博史 葉月里緒菜 中嶋朋子 別所哲也 大村彩子
アメリカンビスタ カラー 121分

大学の薬学部に勤務する生化学者の永島利明は、ヒトの中で生き続けるミトコンドリアの研究をしていた。ヒトの体は細胞が集まって出来ている。細胞の中心には核があり、その中には臓器などを形成するための設計図となる遺伝子=DNAが存在する。細胞の中には核の他にゴルジ体や液胞など様々なものが詰まっているが、核と同様に独自のDNAを持っているのがミトコンドリアである。そのことから利明はミトコンドリアが一つの生命体だと考えていた。通常、ヒトの遺伝子は父親と母親から受け継がれるが、ミトコンドリアは母親からしか受け継がれたいという特異な性質を持っていた。そこで世界中のヒトが持つミトコンドリアのDNAについて大掛かりな調査が行われ、20万年前まで遡った結果、アフリカの女性に辿りついた。アダムとイヴの神話から、彼女は「ミトコンドリア・イヴ」と呼ばれた。ヒトがまだ微生物だった10億年ほどの昔にミトコンドリアは体内に寄生(パラサイト)した。そしてミトコンドリアは寄生よりも共生の道を選び、ヒトが活動するために必要な進化するエネルギーを作り出すという重要な役割を担うことになったのだ。

利明が市民講座を行っている教室にやってきたのは、彼の妻・聖美だった。その日は結婚一周年の記念日だったが、利明にはまだやっておかなければならない実験が残っていたのだ。利明はごめんと謝ったが、それが二人の最後の会話だった。利明は聖美の手術を担当した清水学医師から脳死状態に陥っていることを告げられた。聖美は帰宅の途中で交通事故に遭い、人工呼吸器と薬剤の投与がなければ生きられない状態だった。翌日、利明は清水から脳死判定検査でネガティブだったと聞かされた。彼は聖美の父・茂と肩を落としてロビーのソファーに座っていたが、そこにやってきたのは清水と臓器移植ネットワークの小田切悦子だった。利明は聖美が腎臓のドナー登録をしていることを知っていたが、愛する妻の体が切り刻まれることには反対だった。悦子は臓器移植の大切さを切実に訴えたが、聖美の意思を尊重するという茂の同意は得たものの利明からは良い返事が貰えなかった。悦子は主要組織適合性複合体(HLA)が一致した患者を見つけ出し、移植に向けての活動を始めていた。悦子は改めて利明に接触を試みたが、彼の心は変わらなかった。そこに現れたのは市立中央病院の吉住貴嗣医師だった。彼が担当している12歳の患者・安斎麻里子は二年前に同じ手術を受けたが拒絶反応を起こし、心に深い傷を受けていた。吉住は腎臓をくださいと頭を下げたが、聖美が死んだという現実が受け入れられない利明は、まだ生きているんだと主張した。研究室で聖美と過ごした時間を思い出して泣き明かした利明は、培養器の中に入っている容器に目が釘付けになった。

市立中央病院を訪れた利明は、吉住に移植を承諾すると言った。そしてその条件として腎臓を差し上げる代わりに肝臓が欲しいと付け加えた。それを聞いた吉住は答えを渋ったが、手術を成功させるためにその条件を飲むことにした。摘出手術は成功し、妻の肝臓を手に入れた利明は大学に戻ると研究室に篭り肝細胞の培養を始めた。

屋台的映画館

パルコフィクション

  • posted at:2006-01-23
  • written by:砂月(すなつき)
ぱるこふぃくしょん
「パルコフィクション」製作委員会(パナソニック=アーティストフィルム)
配給:パルコ=アーティストフィルム
製作年:2002年
公開日:2002年7月20日
エグゼクティブプロデューサー:座間隆司 米村知晃 甲斐真樹
Co-Producer:出真一 仁地乾人 矢口純子
発案:安田裕子
企画:安田裕子
音楽:金澤信一億
美術:早坂英明
編集:高成田大 中村平祐 森本亮裕
録音:小林徹哉
助監督:広田幹夫
制作担当:平山高志
撮影監督:白尾一博
照明:宮下昇
整音:鈴木昭彦
スタイリスト:トニー・クロスビー
ヘアメイク:小野あけみ
CG制作:大木靖久 三澤久睦
特殊美術:藤原慎二
企画協力:パルコ
アメリカンビスタ カラー 65分

『パルコ誕生』
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
オープニングナレーション:サエミマユコ
出演:田中要次 相馬剛三 小島大輝 寺十吾 椎名令恵

ある会社の役員会議室では「新時代のショッピングビル計画」にふさわしい名称について議論が行われていたが、魅力的なアイデアは一向に浮かばず会議は長時間に及んだ。タバコの煙が会議室を白く染める中、一人の役員が突然その煙にむせ返り新鮮な空気を求めて室内を走り出した。そして会議室を飛び出した途端、正面の壁に激突し負傷した。その頃、河川敷では業者が粗大ごみを不法に投棄していた。ごみには雨水が溜まり、そこに繁殖したボウフラが蚊となって飛び立っていった。蚊はコンビニに設置された殺虫灯へ吸い寄せられるように飛んでいくと感電死した。小学二年生の鈴木徹は、鯉の餌にするために虫の死骸をコンビニの店員から貰っていたが、父親の転勤で大切な鯉を手放さなければならなくなった。徹は鯉を川に逃がしたが、対岸で釣りをしていた老人が見事に釣り上げた。老人は自宅でそれを調理して食べたが、喉に骨が引っかかり苦しくて思わず立ち上がったが転倒してケガをしてしまった。翌日、病院の診察室には車椅子に乗った老人と入れ替わりに入ってきた会社役員の姿があった。彼は看護師が片付け忘れた老人の胸のレントゲン写真と自分のレントゲン写真を偶然重ね合わせたところ、驚くべきものが浮かび上がってきた。

『入社試験』
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
出演:真野きりな 近藤公園 福田勝洋 大高敏宏 古澤弘年

パルコの面接試験に臨んだ花子は、入社したらどのような仕事がしたいかという面接官の質問に広告に関することをやってみたいと答えた。一方、隣に座る東大男は、大学時代にコンピュータの通信ソフトを開発したのでその経験を活かしてネットワークに密接に結びついた新しい形の映像ソフトを作りたいと答えた。花子が鼻血を出したこともあり、この面接は終始、東大男のペースで進んでいった。面接官は落ち込んで廊下を歩いていた花子に一通の封筒を渡した。そして「この封筒を最後まで開けなかったら合格ですよ」と言った。自宅へ帰った花子は封筒の中を見たいという衝動に駆られ、きれいにのりを剥がす方法を試したが、無理だとわかるとあっさりと諦めてしまった。数日後、花子の採用が決まった。彼女は新入社員の中に東大男の姿を探したが、いないことを確認するとホッと胸を撫で下ろした。帰宅後、部屋の片付けをした花子は、雑誌の間から滑り落ちたあの封筒に気付いた。採用が決まってしまったし問題ないだろうと判断した花子は、封を切った。すると中には様々な指示が書いてあった。好奇心が強い彼女は、そこに書かれたとおりの行動してみることにした。

『はるこ』
監督:鈴木卓爾
脚本:鈴木卓爾
出演:村上東奈 進藤幸 高橋健太 田邊年秋 佐藤佐吉

木下家ではテレビでパルコのCMが流れ店名がコールされる度に自分が呼ばれていると祖母・はるこが勘違いした。はるこは夫から溺愛されたが、もう彼女を名前で呼ぶ人はこの世におらず毎日寂しい思いをしていた。はるこがそのつどおかしくなる様子を見て心配した孫娘のイズミは、こども電話相談室に電話をかけた。相談員の斧はCMが始まったらテレビを消す方法をアドバイスをし、イズミはCMが流れ始めるとそのとおりにテレビの電源を切ってみた。すると誰かが部屋に入ってきたのだ。イズミが驚いて振り向くと、そこに立っていたのは少女の姿をしたはるこだった。イズミは再びこども電話相談室に電話をかけた。すると斧は、CMを止めてもらうか店名を変えてもらうしかないとアドバイスをした。それを真に受けたイズミは、まぶだちのムラチューを連れて上京することにした。

『バーゲン』
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
出演:猫田直 塩野谷恵子 紫とも 坂井三恵 稲田千花

グランバザール初日、店員の鈴子にとって気がかりなことがあった。それは以前から目を付けていたピンクのワンピースが売り切れてしまうことだった。そのワンピースは人気があったが、一般客たちは買い控えをしてこの日を待っていた。そして鈴子の不安は的中し、ワンピースは飛ぶように売れていった。その様子に堪えられなくなった鈴子は、ついに禁じ手を使うことにした。一着だけ残っていたワンピースを店内に飾られた観葉植物の陰に隠しレジでこっそりと精算したのだ。計画はうまくいったかに見えたが、風水にこだわる店長によってその植木鉢が人の目に付きやすい場所に移動されてしまった。閉店後、照明の落ちた館内で機会を窺っていた鈴子は、巡回してきた警備員が遠ざかるのを待ち、チャンスと見るや店に戻ってワンピースを手にした。彼女は思わず微笑んだが落ち着いてはいられなかった。また警備員がやってきたのだ。慌てふためく鈴子はついに階段の踊り場に追い込まれてしまった。もう逃げられないと思ったそのとき、目に付いたのは小さな窓だった。彼女はその窓から脱出することに成功した。警備員から逃げ延びた鈴子は、自分が置かれている状況をすぐに把握することができなかった。彼女はビルとビルの間に挟まれていたのだ。

『見上げてごらん』
監督:鈴木卓爾
脚本:鈴木卓爾
出演:唯野未歩子 荒川良々 田村たがめ 徳井優 緒方明

パルコの店員・山谷美都子は、上を見ると気を失う世界でも稀なスカイ・スクレーパー症候群に悩まされていた。それは幼少期に起きた出来事がトラウマになっていた。小柄な美都子の悩みの種は満足できる恋愛が出来ないことだった。気になる男性はみな自分よりも背が高いのだ。さらに立ちくらみを恐れることでうつむくようになり、他人から卑屈だと思われることを気にしていた。自分を変えたいと思った美都子はセラピストのところへ相談に行きカウンセリングを受けた。仕事ではちょっとしたことで何度も気を失うことがあり、その度に警備員の大須観三が現れて美都子を助け起こすと「仕事ですから」と言って去って行った。ある日、美都子は観三から食事に誘われた。彼女の同僚・荒間素敵子は、ストーカーの誘いには応じない方がいいと警告したが、セラピストからは自らが変わる努力をしなければならないと忠告されていたこともあり、素直に応じることにした。美都子はハイヒールを履く努力をして待ち合わせの場所にやってきたが、観三が予約したレストランが見晴らしのよいところにあることを知って愕然とした。美都子は観三に不満をぶちまけたが、その拍子に彼女はいつの間にか階段を上っていた。我に返った美都子は立ちくらみを起こしてバランスを崩すと観三は慌てて抱きかかえたが、二人は階下へ転落して行った。

エンディング『ポップコーンサンバ』
監督:鈴木卓爾
脚本:鈴木卓爾

屋台的映画館

花嫁吸血魔

  • posted at:2006-01-16
  • written by:砂月(すなつき)
はなよめきゅうけつま
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年8月27日 併映「反逆児」
監督:並木鏡太郎
製作:大蔵貢
原案:七條門
脚本:長崎一平
企画:津田勝二
撮影:吉田重業
音楽:阿部皓哉
美術:小汲明
照明:秋山清幸
録音:沼田春雄
編集:神島帰美
助監督:勝俣真喜治
製作主任:川口倫二
出演:池内淳子 三田泰子 高宮敬二 寺島達夫 瀬戸麗子
シネマスコープ モノクロ 80分

毎朝日報の芸能記者・大田基保は有能なタレントが輩出されるニュー東京舞踊学佼の周囲をいつもうろつき、ネタ探しと称して女性を片っ端からナンパしていた。彼の決まり文句は「仕事を紹介する」だった。篠原英子もファッションモデルクラブを紹介すると言われて親しい仲になった。ある日、大田は白井藤子に映画会社との契約が決まったことを知らせた。極光映画は彼女を看板女優として売り出すというのだ。思いもよらぬ知らせに藤子は喜びを隠せなかった。会社の意向が急に変わり、すでに決まっていた滝内喜代子はキャンセルになった。藤子を一目見た監督がぜひにと会社に話を持ちかけたのだ。うれしい知らせを逸早く母親に知らせようと帰宅した藤子だったが、道子は町田弁護士と深刻な話をしていた。彼女は知らなかったが、白井家は多額の借金を抱え家と土地は抵当に入っていたのだ。病弱な道子の苦しむ姿を見た藤子は今すぐにでも学校を辞めて働くと言った。しかし道子は心配せずに志した道を進むようにと藤子を励ました。光武早苗の誕生日パーティーが開かれ、藤子はプレゼントを持って会場に現れた。藤子の美貌に早苗の兄で大田の同僚・貞夫も彼女に魅かれて行った。英子といた大田も藤子が踊る姿に魅了された。

極光映画との契約が正式に決まり、藤子の新たな生活が始まった。挨拶回りが終わり撮影所から出てきた藤子を待っていたのは貞夫だった。貞夫は藤子をデートに誘い、ドライブに出かけが、その様子を見ていた玉木里枝は藤子に嫉妬した。里枝は以前から貞夫にアプローチしていたものの彼の眼中にはなかったからだ。

英子は大田から突然別れを切り出された。彼は多くを語らなかったが、英子にはわかっていた。スターへの道を閉ざされた喜代子は、藤子のことを心底憎んでいた。三人は皆同じことを考えていた。全て藤子が悪いのだ。英子たちは早苗が計画する城ヶ島でのピクニックを利用して藤子を殺害することにした。

屋台的映画館

晴れ、ときどき殺人

  • posted at:2006-01-05
  • written by:砂月(すなつき)
はれときどきさつじん
角川春樹事務所
配給:東映セントラルフィルム
製作年:1984年
公開日:1984年5月26日 併映「湯殿山麓呪い村」
監督:井筒和幸
制作:角川春樹
プロデューサー:黒澤満
原作:赤川次郎
脚本:丸山昇一
撮影:浜田毅
録音:宮本久幸
照明:井上幸男
美術:徳田博
編集:冨田功
制作担当:青木勝彦
音楽:宇崎竜童
主題歌:「晴れときどき殺人(キル・ミー)」渡辺典子
音楽プロデューサー:高桑忠男 石川光
記録:今村治子
キャスティング:飯塚滋
スタイリスト:林洋子
メーキャップ:長岡英子
衣裳:斉藤昌美
スチール:浅石靖 今村幸正
コンピューターアドバイザー:宮野洋美
助監督:榎戸耕史 伊藤裕彰 加藤晃 田中潤
制作協力:株式会社セントラルアーツ
出演:渡辺典子 太川陽介 松任谷正隆 伊武雅刀 美池真理子
アメリカンビスタ カラー 98分

巨大グループ企業・北里インターナショナルの北里浪子会長は、翌日に着工を控えた自社ビル建設予定地に足を運びこれまでの苦労を思い返していたが、偶然そこでコールガールの惨殺死体を発見し、逃げる犯人らしき人物を目撃した。3ヶ月経った現在も犯人の手掛かりは得られず、浪子はというと未だに夢に出てくるコールガールの姿に悩まされていた。そんな中、警視庁から逮捕した容疑者の確認をして欲しいという要請があった。当時夜だったこともあって唯一の目撃者である浪子は自分の記憶に確信を持てずにいたが、直接見れば何か思い出すのではないかと考え引き受けることにした。だがその直後に聞き覚えのない声の男から電話が掛かり、警察に連行された男をコールガール殺しの犯人だと証言しろと脅された。さもなくばアメリカに留学中の娘・加奈子を殺すというのだ。プロの殺し屋を雇って四六時中監視しており、嘘だと思うなら廊下の植込みを見ろと言って電話は切れた。浪子がたまらず植込みを調べると、見つけた封筒の中には加奈子が生活をしている様子を捉えた写真が数枚入っていた。その後、周囲で不審な出来事が続いたことで命の危険を感じた浪子は偽証を決意した。その結果、無実の男は自殺に追い込まれたことで彼女は苦しみに耐えなくてはならなくなった。

3か月後、帰国する女子大生の加奈子を空港で出迎えた浪子はこれまでに起きたことを胸にしまうことに決めた。だが寝室で娘と二人きりになるとどうしても隠し切れずに真実を語った。写真と一緒に入っていた脅迫状と、昨年もらった年賀状のうち一枚の文字が良く似ていたことから、真犯人はごく身近な人の中にいることがわかっていた。心臓に不安を抱え自分には残された時間が短いと考えていた浪子は岩下公一という探偵を雇って調べさせており、明日にもその結果がわかることになっていた。彼女は犯人の名を告げようとしたが、そのまま眠るように息を引き取ったのだった。

悲しみに暮れる中、二人の刑事が訪ねてきた。浪子が目撃した事件の被害者は胸にほくろがあり頸動脈をひと突きされて殺されていたが、その一週間前に起きた事件の被害者(コールガール)も同様の手口で殺されていたというのだ。二つの事件が同一人物による犯行だとし、その容疑者として浮上したのは、大学を中退し今は無職の上村裕三という青年だった。写真を見せられても記憶になく、そうなると母の証言と食い違うことから、加奈子は一人で考えるために刑事たちを家から追い出した。一息つきコンタクトレンズを落としたことに気づいた彼女が床に這いつくばって探していると、ソファーの向こう側に人の気配を感じた。何故かそこに裕三が隠れていたのだ。

屋台的映画館

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