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初笑い びっくり武士道

  • posted at:2005-08-29
  • written by:砂月(すなつき)
はつわらいびっくりぶしどう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年1月21日 併映「生まれかわった為五郎」
監督:野村芳太郎
製作:杉崎重美 浅井良二
原作:山本周五郎
脚本:加藤泰 三村晴彦 野村芳太郎
撮影:川又昂
音楽:冨田勲
美術:重田重盛
録音:栗田周十郎
調音:松本隆司
照明:三浦礼
編集:浜村義康
タイトルデザイン:荻原賢次
監督助手:山根成之
装置:中村良三
装飾:印南昇
進行:長嶋勇治
衣裳:東京衣裳
現像:東洋現像所
製作主任:吉岡博史
出演:萩本欽一 坂上二郎 光本幸子 岡崎友紀 榊原るみ 
シネマスコープ カラー 86分

越前・福井の藩士である双子六兵衛は、家禄は永代御堀支配の役で百八十石三十五人扶持を頂戴している。御堀支配とは、城の内濠外濠における水量の監視や泥浚い、石垣の崩れを修理するなど堀に関する一切を管理する役目だが、六兵衛の父の代からこれらは普請奉行の管轄となった。今では名目だけで実務なしという状態が続いていた。その六兵衛が臆病者だということは藩内の誰もが知っていた。ある晩、南田利兵衛は彼に怖いの話をし、その後すぐに屋敷の見回りに行かせた。風に舞う枯葉の音におっかなびっくりしながら歩く六兵衛は、厠へ行った殿様・松平宗矩と傍に仕える美少年・加納平兵衛を幽霊と見間違え、慌てふためいた末に布団の中に頭を突っ込んだ。彼が飛び込んだその部屋は殿様の寝所だった。体を震わす六兵衛を見た宗矩はあきれ返った。翌日、その話は城中に知れ渡っていた。六兵衛は宗矩の寛大な計らいにより切腹を免れたが、皆彼の姿を見て蔑み嘲笑した。

六兵衛の妹・かねは中野大八郎と結婚の約束をしていたが、彼は父親にその話を打ち明けることが出来なかった。それは六兵衛が起こした幽霊騒動を聞き、ひどく立腹していたからだ。家に帰ったかねは、兄妹揃って縁談の話がないのは兄上が臆病者だと言われているからだと言った。そして侍でいて臆病者と言われるような者のところへ嫁が来ないのは当然だとまくし立てた。そうは思わないかと問われた六兵衛がうすうす感づいていたと答えると、かねは臆病者の汚名をすすぐためになにかをしてもいい頃ではないかと拳を震わせながら言った。すると六兵衛は、自分でもそう思うんだが道に落ちている財布を拾うというわけにはいかないと答えた。その言葉を聞いたかねは兄を一喝した。「お拾いなさい!」。

延享三年秋、領内兎ヶ岳において福井藩家例の牧狩が催された。その夜、開かれた宴席で平兵衛はかねてから想いを寄せていたお抱え武芸者で剣道指南役の仁藤五郎太夫昂軒に胸の内を訴えた。昂軒もその道は嫌いではなかったが、平兵衛の告白が衆道の義理に外れた振る舞いだと烈火のように怒った。武士として義理に外れた者を許すわけにはいかないと判断した昂軒は平兵衛を斬り、城下を逐電した。昂軒は、城の門に貼り紙をして出て行った。そこには、これから北国街道をとって江戸へ行く、逃げも隠れもしないから追っ手を向けるなら尋常に勝負致すと書かれてあった。平兵衛を寵愛していた宗矩は、昂軒はおれに刃を向けたも同じだ、上意討だと激怒し、すぐに討手を出せと命じた。ところが相手が相手なだけに私がと名乗り出る者は一人もいなかった。だからといって人数を組んで立ち向かえば越前家の面目に関わる。どうしたものかと評議しているところに名乗り出たのは六兵衛だった。六兵衛は震えながら私が参りますと言ったが、何の冗談かと誰も相手にしなかった。そこへやってきた宗矩は、誰が討手に決まったのかと中老・中野を急かした。中野はこの男でございますと六兵衛を指差した。

六兵衛は旅支度のために帰宅した。事情を知らないかねは、兄が何かをやらかして夜逃げをするのだと思っていたが、長い間の汚名をすすぐときがきたと奉書の包みを差し出されると息を呑んだ。その表には「上意討之趣意」とあり、中には仁藤昂軒の罪状と、討手役・双子六兵衛に便宜を与えてくれるようにという内容が藩公の名でしたためてあった。かねはやめて下さい、そんなばかなことと哀願したが、六兵衛は、だめだと言った。そしてこれは私のことだ、私も一生に一度ぐらいは役に立つ人間だということを証明したいんだと言った。かねは泣きながら自分を責めた。その姿を見た六兵衛は、早く旅の支度をしてくれ、泣くのはあとだと言った。昂軒を追って早籠を飛ばした六兵衛は、大聖寺川の渡し場でついに追いついた。そこで十数人の荒くれ人足と立ち回る昂軒の姿を見た六兵衛の足は震えた。どうしようもないくらい震えた。

屋台的映画館
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波涛を越える渡り鳥

  • posted at:2005-08-19
  • written by:砂月(すなつき)
はとうをこえるわたりどり
日活
配給:日活
製作年:1961年
公開日:1961年1月3日 併映「大出世物語」 1月9日~「俺の血が騒ぐ」
監督:斎藤武市
原作:原健三郎
脚本:山崎巌
企画:児井英生
撮影:高村倉太郎
音楽:小杉太一郎
主題歌:「アキラのブンガワンソロ」小林旭
・・・:「ギターを持った渡り鳥」小林旭
美術:坂口武玄
編集:近藤光雄
録音:米津次男
照明:大西美津男
助監督:神代辰巳
色彩計測:幸田守雄
現像:東洋現像所
製作主任:林本博佳
技斗:高瀬将敏
出演:小林旭 浅丘ルリ子 宍戸錠 白木マリ 小高雄二
シネマスコープ カラー 80分

昭和三十五年十一月、横浜。滝伸次は港でギャング団に襲われている男を助け出した。その男=松本丈二は、友人から頼まれた地図を香港へ届けるように言われ、自宅から持ち出した帰りに襲われたのだ。彼の友人=東都大学の研究員・南篠は、カンボジアにあるアンコールワット遺跡の発掘に携わっていた。ギャング団について見に覚えが無いことから、丈二は彼らが地図を何か別の書類と勘違いしたのだろうと考えていた。しかし伸次には気に掛かることがあった。主犯格の男の首に掛かっていたペンダントだった。争ったときに思わず引きちぎったそのサンゴのペンダントは伸次と兄しか持っていないはずだった。

昭和十九年十一月、ビルマ・タイ国境付近では、仕事で来ていた滝一家が敗色濃厚の日本軍とともに退却していた。上空に爆音が轟き、突然の空襲に驚いた人々は逃げ惑った。伸次の父と母は機銃掃射に見舞われ、兄は弟を救うために自分の身を犠牲にして谷底に落ちた。一人残された伸次は父親の取引先である資産家のロチャ・ナ・ブリを訪ね、終戦まで大切に育てられたのだ。

翌日、主犯格の男を何度か飛行機の中で見かけたことを思い出した丈二は伸次と空港へ行き過去の乗客名簿を洗い出し、男が香港忠安公司のヴァン・ジェラールであることを突き止めた。ところがジェラールはその日の定期便で香港へ旅立っていた。伸次は、仕事でマニラへ行くことになった丈二のかわりに香港へ書類を届けることになった。

香港の空港では丈二の妹で東洋芸大の学生の則子が南篠の代理として伸次を出迎えた。則子は調査でバンコクへ行った南篠の許嫁だった。伸次は則子の案内で忠安公司を訪ねるが、その場所はすでに別の会社が所有していた。兄のことがわかるかもしれないと思っていた伸次は手掛かりを失い落胆した。その夜、ホテルに泊まった伸次は、向かいの則子の部屋が騒がしいことに気付き、急いで駆け付けた。そこには先回りして忍び込んだジェラールが則子から地図を奪おうとしていた。伸次の一撃でジェラールは怯んだが、地図は掴んだまま離さなかった。彼は銃を構えて伸次を威嚇すると窓から逃げ出した。南篠の身が危ないと感じた伸次は、バンコクへ行くことになっていた則子に同行することにした。ジェラールから地図を取り返すために。そして兄の手掛かりを探すために。

屋台的映画館

裸足のピクニック

  • posted at:2005-06-21
  • written by:砂月(すなつき)
はだしのぴくにっく
ぴあ=ポニーキャニオン
配給:ぴあ
製作年:1993年
公開日:1993年10月30日
監督:矢口史靖
製作:林和男 丸山寿敏
プロデューサー:古澤敏文 桂田真奈
エグゼクティブプロデューサー:矢内廣
脚本:鈴木卓爾 中川泰伸 矢口史靖
企画:熊倉一郎 大柳英樹 南條昭夫
撮影:古澤敏文 鈴木一博
音楽:うの花(橋本兼一 萩原崇弘)
録音:木浪洋一
ミキシング:鈴木昭彦
音響効果:高野慎二
ポジ編集:矢口史靖
ネガ編集:鵜飼邦彦
助監督:村山伸明
衣装:カネガエリツコ
ヘアメイク:神崎美香
美術:稲村彰彦
特殊美術:藤永哲也
特殊メイク:浦野克人
監督補:鈴木卓爾
出演:芹沢砂織 浅野あかね Mr.オクレ 梶三和子 娘太郎 
アメリカンビスタ カラー 92分

大学生の先輩とつき合っている女子高生の鈴木純子は馬鹿にならないひと駅の交通費を浮かすために友人の定期券を使いまわして電車に乗っていたが、その日に限って運悪く車掌にキセル乗車がばれてしまった。駅の事務所に連れて行かれた純子だったが、駅員が目を逸らした隙に定期券入れを引っ掴むと逃げ出した。構内を走りエスカレーターを駆け上がりトイレに逃げ込んで気持ちを落ち着かせようと用を足したがトイレットペーパーがなかった。慌ててカバンの中からティッシュペーパーを取り出そうとしたところ、中は空っぽ。そこには教材や生徒手帳、そして人には見せられない先輩とのツーショット写真が入っているはずだったが、走るのに夢中であちこちにばら撒いたことに気づかなかったのだ。しばらく考えた末、おとなしく事務所に戻ることにした純子だったが、連絡を受けて呼び出された母親と担任の姿を見た途端、足は他所へ向いてしまった。

行く当てのない純子は、電車で郡山に住む祖母のところに行くことにした。家の勝手口には鍵が掛かっておらず、こっそりと入り込むと誰もいない部屋の畳まれた布団にもたれ掛かった。すると疲れが出たのかそのままぐっすりと眠り込んでしまった。その夜、電話のベルで目覚めると誰かが表の扉の鍵を開けて入ってきた。頭がはっきりしない純子は相手が驚く声でようやくそれが誰だか理解した。それは彼女の両親だった。母から祖母が亡くなったと聞き、それでこの家に誰もいなかったのかと気づいたのだ。葬儀が終わり両親に連れられて自宅に戻る純子だったが、父が運転する車が走行中にバイクと接触事故を起こした。父母ともに病院に入院することになり、幸い無傷だった純子は母の言いつけに従って祖母の遺骨を自宅まで届けることになった。最寄りの駅に着き暗い夜道を歩いて帰っていたが段差につまづき車道に骨壺を落としてしまった。間が悪いことにそこへ路面清掃車が通り掛かり、粉々に砕け散った破片や遺骨をきれいに片付けて行ったのだった。その様子を呆然と眺める純子。相談相手を求めて先輩のアパートを訪れたが不在だったためあきらめて帰ることにしたが、その途中で清水家の通夜の会場の前を通り掛かり良からぬことを思いついた。この家の親類として上がり込み故人の遺骨を盗み出そうと考えたのだ。純子は台所にきたおばさんから火葬場へ行くのは明日だと聞き落胆した。そのおばさんから燗をつけるようにと頼まれた彼女はコンロに火をつけようとしたが、いつもと勝手が違うので難儀した。ようやく問題は解決したのだが、そのときに点いた火が彼女の背中に飛び火し、そうとは知らない純子が移動する度に火種をまき散らした。そしてようやく自分の服に点いた火に気づき、消そう家を飛び出したときには大変なことになっていた。

屋台的映画館

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