忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ゴルゴ13(1973年)

  • posted at:2014-09-23
  • written by:砂月(すなつき)
ごるごさーてぃーん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1973年
公開日:1973年12月29日 併映「女囚さそり 701号恨み節」
監督:佐藤純彌
企画:吉峰甲子夫 矢部恒 寺西國光 坂上順
原作:さいとう・たかを さいとう・プロダクション
脚本:さいとう・たかを K・元美津
製作協力:イラン政府 萩野荘都夫
撮影:飯村雅彦
録音:広上益弘
照明:梅谷茂
美術:藤田博
音楽:木下忠司
編集:田中修
助監督:深町秀煕 福湯通夫
記録:山内康代
スチール:遠藤努
進行主任:東一盛
擬斗:日尾孝司
装置:吉田喜義
装飾:米沢一弘
美粧:入江荘二
衣裳:福崎精吾
演技事務:和田徹
美容:石川靖江
理容:藤井正信
衣裳デザイン:秋山幸輝
通訳:熊田倭文子 フェレステ・ハミディアン
現像:東映化学
・イランスタッフ
製作:モルテザ・ジャフリイ
監督補佐:ホーマン・プールマン
製作主任:ハミッド・アリマルダニ
計算:アミール・バルジンチャ
調整:パルビス・ノダダト
準備:モハメド・ノルジイ
進行:モルテザ・バクダリ
美術:スーサン・アヤリ
美容:パルバネ・フィルバク
照明:メヒディ・シャフィ
照明助手:ラジャビイ
照明準備:ナザリ
出演:高倉健 モーセン・ソーラビイ ジャレ・サム シーランダミ ジェラル
アメリカンビスタ カラー 104分

世界中に組織を持ち、武器と麻薬を密輸する犯罪王マックス・ボア。だがその素性は誰にも知られていなかった。イランに滞在しているという情報を掴んだ亡国秘密警察は4人の捜査員を派遣したが、全員が行方不明になったことに頭を抱えていた。秘密警察はイランでボアを逮捕することが出来なかった。たとえ逮捕し身柄の引渡しを要求したとしても、ボアは本国に送り返された後、裁判にもかけられず釈放されることは目に見えていた。何故ならば、彼はその国の政府の大スポンサーだからだ。ボアは人身売買という新たな動きを見せ世界中からたくさんの女性が消えていた。逮捕の任務を解かれた警察部長のリチャード・フラナガンは、消された部下たちの仇を討つために最終手段を取る決断をした。フラナガンがボアの暗殺を依頼したのは、デューク東郷という東洋系のスナイパーだった。ゴルゴダの丘でイエス・キリストに荊の冠をかぶせて殺した13番目の男=ゴルゴ13という通称を持つ彼は国籍や出生地、生年月日など謎の部分が多かった。フラナガンは一連の説明を終えると、連絡係に秘書のキャサリンを任命した。だがゴルゴは翌朝早く単身でテヘランに向かった。

テヘラン警察のアマン・ジャフアリ警部は、半月もの間に20人の女性が行方不明になっている奇妙な事件を追っていた。身代金を要求されていないことと被害者家族からの届出が遅れていることが捜査の混乱を招いていた。仕事に没頭し一週間も家に帰らないアマンを心配した妻のシーラが警察署に顔を出すと、パプリカという名の店で食事をする約束をした。その頃、ゴルゴはホテルにチェックインし届いた荷物を開封した。そして部品を組み立て完成させたアサルトライフル「アーマライト」M16の調整を行うと夜の街に出掛けた。彼がパプリカの前の歩道に差し掛かったとき、シーラが男たちによって車に押し込まれ連れ去られた。何も見なかった様にその場を立ち去ろうとするゴルゴに声を掛けたのはアマンだった。シーラを本当に見なかったのかという問いに首を横に振るゴルゴを、彼は疑いの眼差しで見送った。

私立探偵のエグバリと接触したゴルゴは、ミスターワインという暗黒街に顔の売れた情報屋がシエラザークラブにいることを知った。その夜、新たな情報を得るためにエグバリの部屋を訪ねたゴルゴだったが、彼は殺された後だった。開いていたドアから住人がそれを見て騒いだことから、管理人は即座に通報。ゴルゴは「マックス・ボアは小鳥を可愛がっている」と書かれたメモを手に入れると窓から逃げた。一方、現場に駆けつけたアマンは、管理人などの証言から前日に会った東洋人を容疑者のリストに加えた。

屋台的映画館
PR

高校大パニック(1978年)

  • posted at:2014-06-20
  • written by:砂月(すなつき)
こうこうだいぱにっく
日活
配給:にっかつ
製作年:1978年
公開日:1978年8月19日 併映「帰らざる日々」
監督:澤田幸弘 石井聰亙
プロデューサー:結城良熙 大屋龍二
原作:石井聰亙 大屋龍二
脚本:神波史男
撮影:山崎善弘
照明:高島正博
録音:酒匂芳郎
美術:川船夏夫
編集:鈴木晄
音楽:スペース・サーカス
助監督:菅野隆
色彩計測:野田悌男
現像:東洋現像所
製作担当者:天野勝正
技斗:高倉英二 松尾悟
協力:有限会社金子銃砲火薬店 象印株式会社 株式会社兵林館 株式会社サウンド・エイト
出演:山本茂 浅野温子 内田稔 江角英明 久富惟晴
シネマスコープ カラー 94分

ある夏の日の九州・博多。中州高校三年の田中祥二が建設中のビルの屋上から転落死した。その影響は社会全体に及び、マスコミは学校教育や受験勉強への批判的な報道を過熱させた。校長は翌々朝の校内放送で、彼の死は一個人のノイローゼであり受験勉強によるものではなかったと説明した。生徒たちの動揺を早期に鎮静化させるとともに、名門校としての権威と伝統を守るためだった。こうした受験優先という考え方は教員全体に浸透していた。校長の話が終わると、田中のクラスの担任で数学教師の井原修はいつものように授業を始めようとした。三年七組ではホームルームの時間を数学の授業に充てていたのだ。すると生徒の馬場が立ち上がり、今日は話すことがありますと言った。それを聞いた井原は、田中のことだったら校長の話に尽きると無視した。そして田中は負けたのだから、彼の分まで生きて一題でも多く問題を解くんだと言った。井原の態度に憤激した城野安弘はツカツカと歩み寄った。そして田中を殺したのはあんただと怒鳴り殴りかかると、怒りを抑えることが出来ずに外へ飛び出して行った。井原は授業についていけない生徒を見捨てる傾向があり、城野の行動を賞賛する者が少なからずいた。

城野が川端通商店街を歩いていると、ふと銃砲店の看板が目に留まった。フラフラと店内に入ると、テーブルにはライフル銃がむき出しのまま置かれていた。城野は珍しいおもちゃでも見るように手に取ったが、店主は接客に気を取られて彼のことに気づいていなかった。奥から出てきた店員が不審に思い声をかけると、驚いた城野は銃とそばにあった銃弾入りの箱を抱えて逃げた。櫛田神社に逃げ込んだ彼はようやく自分が何をしでかしたのかを理解した。そして息を整えると弾層に銃弾を込めた。

ライフル銃を持った生徒を目撃したという市民の通報を受けた警察は、事実確認のために警官の山内正勝を中州高に向かわせた。その頃、三年七組の教室では、興奮した城野が教室の後方に立っていた。「数学が出来んで何が悪い!」。包んでいた神社の幟を外すと黒光りする銃が現れ、それを見た井原は恐れおののいた。「殺したるぅ!」。そう叫ぶと乱射した。一発目は棚の花瓶に当たり、二発目は井原の前に立っていた女子生徒に当たった。焦った城野は井原に近寄ると、至近距離から数発撃った。弾が切れたことで我に返った城野は校外へ逃げようとしたが、教頭の米重満洲男と話していた山内が迅速な応援要請を行ったことで学校の周囲は警官隊によって包囲され、逃げ道を失った。

屋台的映画館

転がれ!たま子

  • posted at:2014-02-05
  • written by:砂月(すなつき)
ころがれたまこ
近代映画協会=シネカノン=衛星劇場=S・D・P=ハピネット・ピクチャーズ
配給:シネカノン
製作年:2005年
公開日:2006年2月4日
監督:新藤風
製作:新藤次郎 李鳳宇 石川富康 細野義朗 川島晴男
プロデューサー:新藤次郎 里中哲夫 長谷川安弘
脚本:しんどうぎんこ
音楽:磯田健一郎
撮影:佐々木原保志
照明:祷宮信
録音:白取貢
美術:中澤克巳
小道具:相田敏春
編集:渡辺行夫
スクリプター:松橋章子
助監督:森宏治
製作担当:岩谷浩
出演:山田麻衣子 岸本加世子 竹中直人 松澤傑 広田レオナ
アメリカンビスタ カラー 103分

運河に囲まれた町に住む桜井たま子は、美容室たつまきを経営する母・タツコと、高校三年生の弟・大輔と暮らしている。たま子は幼いときにプールで溺れ、人一倍用心深い娘になった。そしてかくれんぼの最中に父・平吉が家を出て行くと、ますます用心深くなった。それ以来、彼女は何処に行くにも父親手製の鉄かぶとが手放せなり、周囲から「鉄かぶとのたま子」と呼ばれた。そんなたま子の大好物は、日進月歩堂のジイチャンが作る甘食で、美容室のレジから小銭をくすねて買いに行くのが日課になっていた。生まれたときから食べている甘食を自分の部屋のベッドに寝転んでかじりつく。そしてベッドの下に住んでいる居候のネコ・タマに少しばかりおすそ分けする。それが彼女にとって至福の時だった。だが24歳になったある日、タツコに「自分の甘食は自分で買え!」と言われ、たま子に恋焦がれる金福寺の和尚・トラキチの紹介で配送所のアルバイトを始めることになった。 アルバイトから帰る途中、乳母車を押した女性に出くわしたたま子は、苦手な「人」を避けるために細い路地に入った。すると今度は苦手な「犬」に咆えられ、さらに住宅街の奥へ奥へと入り込んで行った。するとバッタリ会った不思議な少年に「気をつけて。穴に落ちるよ」と警告を受けた。その言葉に驚いたたま子は身を堅くしたが、その先からやってくる自転車の男に気づき、思わず後ずさった。そして、道路にぽっかりとあいた穴に落ちた。

5メートルはある穴からたま子が這い上がったとき、世界が変わっていた。タツコとトラキチが年の差を超えて激しい恋に落ち、日進月歩堂がジイチャンの急病で休業していたのだ。ショックを受けたたま子は、平吉が経営する鳥越メカニックに立ち寄った。平吉はたま子の数少ない理解者で、家を出てからは自動車整備士として働き、時間が空くと鉄を使ったオブジェ作りに勤しむのだった。たま子は自由気ままな平吉のことが大好きで、何事かあると必ず工場を訪ねるのだ。彼女が四六時中、鉄かぶとを被っているのは、いつも平吉が自分のことを守ってくれているように感じていたからだった。その平吉も雑誌の取材を受けたことでアーティスト魂に火がつき、ペーター鳥越としてニューヨークに旅立とうとしていたのだ。 絶望に打ちひしがれて家に帰ると、大輔がテレビの画面をぼんやりと見つめていた。映っていたのはタツコの幼なじみでバスガイドのマーブルで、彼女を尊敬する大輔は観光バスに客として乗り込み、ビデオカメラでガイドの様子を撮影した映像を見ていたのだ。彼はたま子の方に顔を向けるとこう言った。「俺、バスガイドになることにした」。何が何だかわからなくなったたま子は部屋に戻ると、どうしようとタマに声を掛けた。だが返事はなく、タマが姿を消したことを知った。

タツコとトラキチの結婚式が行われた翌日、たま子は部屋に引きこもっていた。彼女の心には、式の直前にタツコから言われた「自立しなさい」という言葉が引っ掛かっていたのだ。「甘食が食べたい」。そう思わずつぶやくと、あの少年が側らに現れ、食べればいいじゃないかと言った。その言葉に勇気付けられたたま子は、運河に囲まれた半径500メートル足らずの小さな世界から抜け出して隣町へ甘食を買いに行くことに決めた。

屋台的映画館

仔犬ダンの物語

  • posted at:2013-09-12
  • written by:砂月(すなつき)
こいぬだんのものがたり
「仔犬ダンの物語」「お菓子な大冒険!」製作委員会(東映=テレビ東京=テレビ東京ミュージック=エス・エス・エム=小学館=講談社=アップフロントエージェンシー)
配給:東映
製作年:2002年
公開日:2002年12月14日 併映「お菓子な大冒険!」
監督:澤井信一郎
製作:山崎直樹
企画:黒澤満 木綿克己 沼部俊夫 泉正隆 亀井修 坂井裕 瀬戸由紀男
プロデューサー:冨永理生子 遠藤幸子 荒井充興 両角誠 太田克己 入江祥雄 寺本保治 山本茂之
脚本:東多江子
音楽プロデューサー:つんく
音楽:川村栄二
音楽制作:北神行雄 佐藤尚 津島玄一 宮地修平
音楽制作協力:ローファーズハウス 東映音楽出版
主題歌:「がんばっちゃえ」モーニング娘。とハロー!プロジェクト・キッズ+後藤真希
主題歌:「HEY!未来」モーニング娘。
ラインプロデューサー:山本勉 齋藤勇司
撮影:北信康
照明:小野晃
美術:山崎秀満
録音:柴山申広
VE:小田切徹
編集:只野信也
スクリプター:竹田宏子
装飾:湯澤幸夫
助監督:隅田靖
製作担当:望月政雄
宣伝プロデューサー:杉田薫
製作協力:セントラル・アーツ 東映東京撮影所
出演:嗣永桃子 清水佐紀 安倍なつみ 保田圭 飯田圭織
ヨーロピアンビスタ カラー 70分

小学生の森下真生が学校から帰ると、母・和歌子から打ち合わせで遅くなるという内容の電話が掛かってきた。和歌子は観葉植物などを販売するアクアアンドグリーンの社長で、有機栽培によるこだわりが評価され、マスコミなどの注目されたことで仕事が忙しくなったのだ。その日は夕食後に家族会議が開かれることになっていた。父・祥隆の勤めていた会社が倒産し、森下家は社宅を出なければならなくなった。一刻も早く次の仕事を見つけたい祥隆は前部長の紹介で同じ建設業につくことが出来たが、その勤務先は富山だった。東京での勤務を希望していたが、経験と腕を買ってくれたその会社に決めたのだ。和歌子と話し合った結果、仕事を辞めることが出来ない彼女はマンションを借りて東京に残ることになり、その日の夕食で中学生の兄・和哉と真生をどちらが引き取るかを話し合うことになっていた。だが和歌子が遅くなることを知り、祥隆は先にそのことを子供たちに打ち明けたのだった。二人がショックを受けているところに帰って来た和歌子は、わかって欲しいと言った。それを聞いた真生は、どっちか選べなんて勝手に決めておいておかしいと反発した。

群馬に住む祖父・光造の家で暮らすことになった真生は、転校した学校ではわざとクラスメイトを遠ざけ素っ気ない態度を取った。ある日、コンビニに買い物に行った真生は、同じ学校の野村千香が牛乳を万引きする姿を目撃した。店を出た千香を説得して連れ戻した真生だったが、彼女はお金を持っていなかった。そこで自分の買い物と一緒に代金を支払ったが、万引きの原因が仔犬のためだったことがわかると興味を引かれた。前日、千香は下校時にみかん箱に入れられた仔犬を見つけたが、団地では犬を飼えないため置いて行かざるを得なかった。だがあの仔犬のことが気になってたまらず、日が暮れてから連れ帰ったのだ。口うるさいことで有名な団地の自治会長・古澤常男に見つからないように、千香は駐輪場の脇で誰にも邪魔されないように飼うことにし、「ダン」と名付けた。

真生は牛乳を飲み終えたダンの様子がおかしいことに気付いた。真っ直ぐ歩けないのだ。通り掛った中学生から目が見えないのではないかと言われショックを受けた千香は暗くなっても世話を続けた。翌日になるとダンが住民に見つかりそうになり、困った千香は荷物に見せかけて学校に連れてきたのだった。それを知った真生は学校の帰りに彼女を神社へ連れて行き、神様に願い事をした。『どうかダンに飼い主をお授けください』。二人だけで世話をすることはもう無理だと真生は諦めていたのだ。神様なら何とかしてくれる。そう信じて境内にダンを置いて帰った。だが仔犬のことが頭から離れず二人はまた神社に戻って行った。

真生は学校の帰りにダンと会うことを毎日楽しみにしていた。いつものように駐輪場の脇に立ち寄ると、紐が絡まって苦しそうにしていたため解き放ってあげた。そのときやってきたのは自治会長の古澤だった。保健所に電話をして処置するように言われ困った真生は、知り合いのコンビニ店員で古澤の娘の弥生に相談した。ダンには新しい飼い主を見つけてあげる方が幸せだと考えていた弥生は、千香の弟が通う幼稚園の先生・西田香と協力して里親さがしを始めた。

屋台的映画館

コント55号 宇宙大冒険

  • posted at:2013-08-09
  • written by:砂月(すなつき)
こんとごじゅうごごううちゅうだいぼうけん
東宝
配給:東宝
製作年:1969年
公開日:1969年12月20日 併映「巨人の星 行け行け飛雄馬」「ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃
監督:福田純
製作:奥田喜久丸 寺本忠弘 浅井良二
脚本:ジェームス三木
音楽:広瀬健太郎
撮影:逢沢譲
美術:育野重一
録音:牛窪秀夫
照明:下村一夫
整音:エコースタジオ
監督助手:根本順善
編集:大橋冨美子
現像:東京現像所
製作担当者:村上久之
特殊技術:真野田陽一 豊島睦 金子勝治 三瓶一信 小川昭二 池渕剛治
製作協力:株式会社エコー
出演:萩本欽一 坂上二郎 川口浩 高橋紀子 由利徹
シネマスコープ カラー 72分

文久二年、京。芸者・小菊に惚れ込んでいた勤王党共斗派の坂本桂馬は、幕府を倒した暁には晴れて夫婦になろうと告白した。そこに現れたのは桂馬同様、小菊に心底惚れ込んでいる新撰組第四機動隊の芹沢角だった。だが小菊にとって客は客、勤皇も佐幕も関係なかった。騒動を避けるために彼女は月水金を角、火木土を桂馬に割り振ってスケジュールを組んでいたのだが、新撰組に休みなどないという角が土曜日に乗り込んできたことで話がややこしくなったのだ。二人は話し合い刀で決着をつけることにしたが、互角の勝負は果てしなく続いた。その様子を見ていた虚無僧は、二人の愛に挟まれた小菊が苦しみのあまり髪を切り尼寺へ向かったことを告げた。それはもったいないと考えた桂馬たちは、虚無僧から山奥にある尼寺に案内された。彼らが目撃したのは銀色をした円盤状の構築物だった。奇妙な尼寺だ、そう思いながらも中へ入ると、室内は一面金属で張り巡らされていた。四苦八苦して開けた自動扉の先には縄で縛られた小菊がいた。角め、さては計ったな。黙れ、なるほどここが勤皇のアジトか。二人がそんな会話を続けているうちに、尼寺は空に浮かび上がった。その構築物は空飛ぶ円盤だった。円盤は京の夜空を横切り、宇宙へと消えて行った。

虚無僧姿の男は深編笠を脱ぐと、私はパラド星人で、ドはドーナッツのド、グはグリコのグ、マは麻雀のマのドグマと呼んでくださいと言った。銀河系の中心辺り、いわゆる銀河銀座にパラド星があり、そこに住むパラド星人は平和を愛するが故に極端に揉めごとを嫌う。そのパラド星人が絶滅の危機に瀕しているため、三人に救世主として来て欲しいというのだ。宇宙空間を進むということは時間の中を進むということであり、高速で進めば同時に余計に歳をとってしまう。そのためには細胞の新陳代謝を穏やかにするタイムピルという薬を飲まなければならなかったが、奇妙な薬を口に入れることに三人は抵抗した。だが一日で一年分の歳を取ることを説明されると小菊が最初に陥落した。毒薬だと警戒する角だったが、小菊と死ぬのも良かろうと桂馬が言うとあっさりと意見を変えた。心の優しいドグマに影響を受けた小菊は日本髪と着物を捨て、ショートヘアーに洋服姿でゴーゴーを踊るまでになっていた。我慢ならない桂馬と角は小菊を横取りするつもりかと制裁を加えたが、私のために戦うのなら死ぬと言われ刀を捨てた。

地球を離れてから半年後、円盤は宇宙船用のエネルギーステーションに接近した。ドグマは着陸のための交信を行おうとしたが、六時間送信しても連絡がなかった。そこで強制的に着陸することになったが、地表は変わり果てた姿になっていた。何者かに襲撃を受け、抵抗する術を知らないパラド星人の居住圏は破壊されたのだ。落胆するドグマに小菊は嘆く前に敵を見つけてやっつけなくっちゃと声を掛けた。その言葉に賛同した角が四股を踏むと、足下が崩れて桂馬とともに落ちて行った。そこは居住ドームの屋根だった。この星を占領していたのは、美女だらけのハーレムを作ろうと目論む青髯という名の女好きだった。桂馬と芹沢角は勇敢に立ち向かったが、青髯が持つ杖で氷づけにされてしまった。それを知った小菊は、二人を助けるために野球拳で勝負することにした。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

フリーエリア

 

P R