たかしまただおのぼんぼんまかりとおる
富士映画
配給:新東宝
製作年:1958年
公開日:1958年8月17日 併映「強奪された拳銃」
監督:近江俊郎
企画:小野澤寛
脚本:松井稔 杉本彰 近江俊郎
撮影:杉本正二郎
照明:守田芳彦
録音:深尾昌司
美術:朝生治男
音楽:小澤秀夫
編集:民野吉太郎
助監督:松井稔
製作主任:曽我益也
出演:高島忠夫 高倉みゆき 天知茂 坊屋三郎 由利徹
シネマスコープ モノクロ 79分
就職のために大阪から上京することになった水島光一。列車の座席で横になってひと眠りする光一は着ていた背広を窓の横の帽子掛けに引っ掛けていたが、その懐に入った財布を狙っていたのは背後の席に座る二人組だった。手前の男が手を伸ばそうとしているのに気づいたのは光一の向かいに座る女性で、周りに気遣った彼女は光一を揺り動かすと目配せした。最初は何のことかわからなかったが、それが意味することを理解すると財布の中身を確認して大丈夫だと合図した。盗みに失敗した男たちは女性をデッキに連れて行きヤキを入れようとするが、そこに割って入った光一は女性に車両へ戻るように言うと、二人には拳で話をつけた。座席に戻るとお礼を言う彼女に名前を聞くが、次の横浜駅で降りますからと言って話をそらし荷物をまとめ始めた。
田園調布駅を出た光一は美宝堂という化粧品会社の社長を務める大友の屋敷を訪ねた。大友は光一の父親が社長を務めていた会社の従業員だったこともあり、預かったからには坊ぼんの彼を超一流の社員の育てるとともに、屋敷に下宿させて生活面でも面倒を見ようとしたのだ。光一と大友が談笑しているとそこにあの女性が部屋に入ってきた。彼女は大友の長女のみゆきだった。
翌日、出社した光一は販売課に案内された。育ち柄、思ったことを口に出す彼はそこでも容赦なく意見し、最古参の大宅曽次だろうがお構いなく化粧品会社のセールスマンなら身だしなみを整えなければダメだと注意した。仕事が終わると光一は大宅たちから歓迎会に誘われた。この会社では新入社員があるとその課の者たちだけで歓迎会を開くことになっていた。だが限りある積立金で行うため派手に出来ないと嘆くと、光一はそんなの構わないからパアッと景気良くやりましょうと言った。キャバレー・モナミで歓迎会を行っている最中に光一は大友家次女のマリがダンスフロアで踊っていることに気づいた。その隣にいたのは大友の囲碁仲間・古川の一人息子の進であり、あんたのような学生がくるところじゃないと注意するとマリは腹を立てて帰って行った。自分の席に戻った光一は帰り支度を始める大宅たちを制し、僕が払いますからまだまだ飲みましょうと胸を叩いた。
屋台的映画館
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