さまよえるのうずい
ヒーロー=シネマパラダイス=エクセレントフィルム
配給:ヒーロー
製作年:1993年
公開日:1993年12月4日
監督:萩庭貞明
製作:末吉博彦 夏山静香 石山真弓
企画:末吉博彦
プロデューサー:伊藤秀裕 内田貴夫
原作:逢坂剛
脚本:こがねみどり
音楽:板橋文夫
撮影:安藤庄平
照明:松井博
録音:小高勲
整音:山本逸美
美術:古谷良和
装飾:矢野貴章
編集:菅野善雄
記録:岡田真理
助監督:北川篤也
製作担当:宮川健治
プロデューサー補:木戸田康秀 夏山昌一郎 新井正勝
キャスティング協力:畠中鈴子
出演:神田正輝 高島礼子 北見敏之 光石研 大杉漣
アメリカンビスタ カラー 102分
捜査四課の海藤兼作刑事は同僚とともに麻薬取引現場となっているプールバーで張り込みを行っていたが、踏み込んだ際に逃げた犯人ともみ合いになり階段から転げ落ちた。その時に頭を強く打ったことが原因で極度の頭痛に襲われることがあるため、捜査に支障が出ると考えた上層部は彼を防犯総務課に異動させた。海藤の相談相手は婚約者で精神神経科医の南川藍子だった。
追分知之という中年の男がテニスの練習中に隣のコートにいた女性に突然襲い掛かり首を絞めたためその場で取り押さえられた。暴行傷害の現行犯として逮捕された彼を担当することになった藍子は、一枚の絵を見せて物語を作らせる検査を行い言語表現を分析して思考過程の推定することにした。追分はベッドに横たわる母親が時折発作を見せ、それを息子が寝かせつけたことでホッと額の汗をぬぐっている絵だと言った。そして精神異常だと判断されれば僕は無罪になるのでしょうかと尋ねると、藍子はこの検査が精神異常の有無を調べる物ではなく事件を起こしたときに正常な心理状態だったか調べるだけだと説明した。それを聞いた追分は、何故犯行に及んだのかや相手が誰かすら覚えていないと言った。そしてそれが嘘かどうか判断するのは先生の仕事でしょと言うと、藍子は仮に異常と診断され収監を逃れたとしても病院へ収容されるかもしれないと釘を刺した。
藍子が食堂で食事をしていると脳神経外科医の丸岡庸三が話し掛けてきた。MR検査に異常がないことを確認した丸岡は、心因性の精神病は一般的に考えられている程多くなく、精神分析や心理療法よりも外科的に脳の病巣を取り除く方が遥かに有効な場合もあると言った。精神鑑定の度に一々頭蓋骨を開く時代が来たら大変だと藍子が嫌味を言うと、脳は胃や腸と同じ臓器でありそこを外科的に治療するのが僕の仕事だと胸を張った。そして麻酔なしで大脳に電極を差すのは患者と対話を行うからだと言った。その日の夜、帰宅した藍子が留守番電話の音声を聞いていると、ボイスチェンジャーを使った不気味な声が入っていた。
屋台的映画館
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