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助太刀屋助六

  • posted at:2006-04-21
  • written by:砂月(すなつき)
すけだちやすけろく
日活=フジテレビジョン
配給:東宝
製作年:2001年
公開日:2002年2月16日
監督:岡本喜八
製作総指揮:中村雅哉
プロデューサー:石丸省一郎 西村維樹 藤倉博
協力プロデューサー:能村庸一 福島聡司 浅田恵介
製作:豊忠雄 宮内正喜
企画:西岡善信 岡本みね子 猿川直人 森知貴秀
原作:生田大作
脚本:岡本喜八
音楽:山下洋輔
撮影:加藤雄大
照明:中岡源権
録音:横野一氏工
調音:神保小四郎
美術:西岡善信
編集:川島章正
助監督:武内孝吉
製作担当:丹羽邦夫
製作協力:映像京都 喜八プロダクション
出演:真田広之 鈴木京香 村田雄浩 仲代達矢 小林桂樹
アメリカンビスタ カラー 110分

その男は少しばかり変わっている。十七歳のときに故郷・上州を飛び出し江戸へ向かったが、その途中ひょんなことから仇討ちに巻き込まれ助太刀した。それ以来、侍がこの自分に頭を下げ、手にズシリとしたものを握らせるというなんとも言えない感じが忘れられず、病みつきになった。江戸へ行くことも忘れ、仇討ちを探し回って全国を流れた。

自称・助太刀屋の助六は、七年ぶりに上州に帰ってきた。まず最初の彼が向かったのは母親の墓だったが、そこには一輪の野菊が供えられていた。父親の顔さえ知らない助六にとって身寄りと呼べる人間は一人もいなかった。宿場町には人っ子一人いなかった。助六は家に向かって大声で話しかけてみたが、誰も答えようとはしない。そこを通りかかった番太で幼なじみの太郎に事情を聞くと、今まさに仇討ちが始まろうとしているらしい。元八州取締出役が酒を喰らって仲間二人と口論になり、刀を抜いたときにはもう斬られていたというのだ。兄の仇を討とうとしているのは、脇屋新九郎と妻木涌之助だった。助六は太郎に助太刀を申し出るが、既に二人いるから無用だと断られてしまった。おまけに久しぶりにお前と一杯やりたいと言っても、太郎は仕事が終わるまではダメだと頑なに拒んだ。元造り酒屋だった居酒屋は仇討たちの休憩室となっていたが、酒が飲みたくて仕方がない助六は場の空気を読まずに入って行き、そこで極悪非道の仇がいる場所を聞き出した。

宿場外れにある棺桶屋・桶甚には主人と孫のタケノ、そして侍が座っていた。タケノは侍に逃げればいいのにと心配したが、侍は逃げるのにはもう飽いたと言った。そこへやってきたのは暇を持て余した助六だった。助六が今日は書入れ時だってと聞くと主人は動揺した。すると侍は、その一つには私が入ると言った。侍の名は片倉梅太郎、言わずと知れた仇だった。片倉は、死ぬ前になって一つだけ未練が残っていることに気付いたと助六に溢した。

屋台的映画館
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のど自慢

  • posted at:2006-04-17
  • written by:砂月(すなつき)
のどじまん
シネカノン=東宝=日活=ポニーキャニオン
配給:東宝=シネカノン
製作年:1999年
公開日:1999年1月15日
監督:井筒和幸
エグゼクティブプロデューサー:李鳳宇
プロデューサー:石原仁美
コ・プロデューサー:根岸洋之
ラインプロデューサー:佐々木裕二
脚本:安倍照男 井筒和幸
音楽:藤野浩一
音楽プロデューサー:石川光
・・・:「上を向いて歩こう」のど自慢シンガーズ
撮影監督:浜田毅
録音:井上宗一
照明:渡邊孝一
美術:中澤克巳
編集:冨田功
助監督:日垣一博
出演:室井滋 大友康平 尾藤イサオ 伊藤歩 松田美由紀
アメリカンビスタ カラー 112分

群馬県桐生市にNHKのど自慢がやってくる。1月10日の予選会が近づくにつれ、街全体がソワソワしていた。工事現場やタクシーの車中など至る所で練習する歌声が響いていた。

不器用な中年男・荒木圭介は家族を養わなくてはならない身。経営していたラーメン屋が火災に遭い、人生の再起を賭けて焼き鳥ピーコちゃんの販売研修を受けていた。土曜日の試験に合格すれば、店長として独立することができる。ところが、圭介は同じ日に行われる予選会に出場することになっていた。

スナックを経営する母親と姉の三人で暮らしている高橋里香の夢は歌手になることだ。そのステップがのど自慢に出場することだった。ある日、家に帰ると母親と姉が大ゲンカしていた。姉が不倫の末に妊娠してしまったというのだ。受験も控えているというのに彼女はまた苛立ちの種を抱え込んでしまった。

隣町で椎茸の栽培をしている耕太郎は、息子夫婦から登校拒否の孫・康太郎を預かっていた。息子の耕次から電話が掛かり、何事かと思えばサンパウロへの転勤が決まったというのだ。孫との別れは寂しいが、彼を元気付けるためにのど自慢に出場することにした。

芸能プロダクション社長兼マネージャーの須貝は、専属演歌歌手・赤城麗子とともに彼女の出身地である桐生市を訪れた。ここなら手売りでもCDは売れるだろうと高を括っていたが、見事に当てが外れてしまった。翌日、麗子は父親が営む床屋に顔を出した。すると常連客の小林と娘の佳織がケンカしていた。のど自慢の予選に通ったら番組を利用して家具屋の息子に告白するというのだ。結婚に反対している小林は娘から予選会出場の葉書を取り上げたのだった。その夜、再び床屋にやってきた小林はうろたえていた。脅しだろうと思っていた佳織が本当に家を出て行ったのだ。ろくなことがねえなあと小林が葉書を丸めて捨てると、歌手としての自身を失いかけていた麗子はそれをこっそり拾った。

屋台的映画館

君を忘れない

  • posted at:2006-04-11
  • written by:砂月(すなつき)
きみをわすれない
「君を忘れない」製作委員会(日本ヘラルド映画=ポニーキャニオン=デスティニー)
配給:日本ヘラルド映画
製作年:1995年
公開日:1995年9月23日
監督:渡邊孝好
製作:古川博三 伊地知彬
企画:小滝祥平 遠谷信幸
エグゼクティブプロデューサー:坂上直行 田中迪
プロデューサー:市村朝一 藤田義則 馬越勲
脚本:長谷川康雄
音楽プロデューサー:鎌田俊哉
音楽:長岡成貢
撮影:高間賢治
照明:上保正道
美術:金田克美
録音:橋本文雄
編集:奥原好幸
装飾:松本良二
監督補:森谷晁育
俳優担当:前島良行
製作担当:福島聡司
特撮監督:徳永徹三
出演:唐沢寿明 木村拓哉 松村邦洋 袴田吉彦 反町隆史
アメリカンビスタ カラー 116分

1945年。海軍の若きエリート大尉・望月晋平は、海軍302特別飛行隊の隊長として九州南部の蓑屋航空基地に着任した。爆弾を装着した飛行機を敵艦に体当たりさせるという非道な特攻作戦が軍総司令部の方針として決定したが、望月は当初その作戦が受け入れられなかった。だがその考え方を改めて組織の隊長を志願したのだ。特別飛行隊を編制し、自らも含めて最大の成果が挙げられる組織に鍛え上げることが上官である父・望月昌平への唯一の抵抗だった。望月のもとに集まったのは、整備兵上がりで飛行機好きの森誠一飛曹、肥満体で高所恐怖症の高松岩男一飛曹、東京帝大出身で反戦主義者の早川乙彦少尉、ジャズをこよなく愛する佐伯正義少尉、輝かしい戦績を挙げながらも心に傷を持ち続ける三浦草太少尉、望月の後輩で何かと不和を煽ろうとする上田淳一郎少尉という個性的な面々だった。彼らが海軍のパイロットに志願した理由は、「マフラーが巻ける」、「髪が伸ばせる」、「女にモテる」のいずれかもしくは全てだった。

翌日から厳しい飛行訓練が始まったが、上田と三浦以外の操縦技術は素人同然だった。だが訓練を重ねていくことで連帯感が深まって行った。早速、連帯感が発揮されたのはその日の夜だった。食い物の対する嗅覚が敏感な高松が備蓄室を見つけ、下士官の部屋で酒盛りを始めた。その騒動を聞きつけた上官との喧嘩に割って入った上田は、出撃を控えて気持ちが昂っているから察して欲しいと鎮めたのだった。その様子を建物の外から見ていた望月は、固い絆が芽生えていることを確信した。

上田は早川に何故帝大出身のお前が飛行機乗りになったのかと聞いた。すると彼は、空中戦の戦法をあれこれ考えてグラマンとやり合うつもりだったが、失敗だったと答えた。戦況は切迫しており、敵機と勝負する時期は既に終わっていた。次に尋ねられた佐伯は、飛びさえすれば一人になれると言った。ある日、森が出撃しようとしたところ、佐伯が滑走路に飛び出し大声で叫んで停めた。整備し直した結果、燃料管からネジが発見されたのだ。絶対音感の持ち主である佐伯は即座に機体の異音に気付いたのだった。整備士から褒められると、彼は照れくさそうにして逃げた。

ある日、上田は腹の中にある思いを望月にぶつけた。彼は望月が特攻隊員として二度出撃し二度とも生きて帰ってきたことを、命が惜しくて前線から逃げ出したのだと考えていたのだ。別れた恋人の志津子を不憫に思う上田は、いつもあなたの身勝手さに振り回されてみんな傷付いて行くんだと叫んだ。だが望月は理由を答えようとはしなかった。

屋台的映画館

居酒屋ゆうれい

  • posted at:2006-04-04
  • written by:砂月(すなつき)
いざかやゆうれい
サントリー=テレビ朝日=東北新社=キティ・フィルム
配給:東宝
製作年:1994年
公開日:1994年10月29日
監督:渡邊孝好
製作:稲見宗孝 古川吉彦 中川眞次 伊地智啓
プロデューサー:椋樹弘尚
原作:山本昌代
脚本:田中陽造
撮影:藤澤順一
照明:上田なりゆき
録音:紅谷愃一
美術:稲垣尚夫
編集:鈴木晄
助監督:冨樫森
キャスティング:阿部敏信
製作担当:黒田晃司
音楽:梅林茂
ミュージシャンマネジメント:内田音楽事務所
音楽プロデューサー:向井達也
主題歌:「あなたのいない休日」平松愛理
提供:アルゴ・ピクチャーズ
出演:萩原健一 山口智子 室井滋 三宅裕司 西島秀俊
アメリカンビスタ カラー 110分

居酒屋「かづさ屋」を一人で切り盛りする壮太郎。店舗兼家屋の2階では妻のしず子が床に臥せっていた。彼女は知っていた。もうすぐ自分が死を迎えることを。どうせ死ぬのならせめて家で死なせたいと病院から引き取るなんて壮太郎なら考えそうなことだ。彼は違うと否定するがそんな嘘などお見通しだ。しず子は壮太郎のことが好きで好きでたまらなかった。結婚のアプローチをしたのは彼女からだった。今夜が最後の別れとなると、心配になるのは壮太郎の行く末だった。死んだらきっと別の女と一緒になる。そう考えると居ても立っても居られなかった。すると壮太郎はそんなに俺が信用出来ないかと言った。そして万が一の場合は一生独りでいるし所帯を持つ気もないと約束すると、しず子はそれが嘘だったら化けて出るよと言った。壮太郎はしず子がいつもの自分らしさを取り戻したことで安心したが、朝早く目覚めると彼女は息を引き取っていた。

葬式が終わり忌が明けると壮太郎は店を再開した。彼を心配する常連客が次々と訪れ、またいつもの日常が戻った矢先に兄の豊造がやってきた。その要件とは見合いだった。しず子との約束を破るわけにはいかないと考えていた壮太郎は断るつもりでいたが、豊造が置いて行った写真の女性を見て心がグラついた。それ以来、行く先々で姿を見掛けるようになったが偶然にしてはわざとらしかった。一度会うだけならいいかと兄が経営する料亭で会食するが、好きになってしまったからあのような行動を取ってしまったと告白されたことで壮太郎の心は決まった。

新妻となった里子がやってくるとかづさ屋は花が咲いたように明るくなり、常連客たちも一目見ようと押し寄せ店は活気づいた。店が終わると里子は独り身となった理由を話し始めた。夫は死んだのではなく遠い所へ行ったことが原因だと告白するが、壮太郎は気にも留めずにいいよと言った。里子があまりのうれしさに抱きつくと、部屋の中に突然風が吹き抜け、テレビの画面が乱れ、家が軋んだ。違和感を覚えた壮太郎が顔を上げると傍らでしず子が睨んでいた。

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20世紀ノスタルジア

  • posted at:2006-03-29
  • written by:砂月(すなつき)
にじゅっせいきのすたるじあ
Office Shirous
配給:大映
製作年:1997年
公開日:1997年7月26日
監督:原将人
企画:佐々木史朗 井上義久
製作:西村隆 佐藤美由紀
プロデューサー:梨木友徳
脚本:中島吾郎 原将人
音楽:原将人
撮影:馬場順一
ビデオ撮影:広末涼子 圓島努 余貴美子 根岸吉太郎 馬場順一 粂田剛 原将人
美術:丸尾知行
照明:金子高士
録音:浦田和治
編集:宮島竜治
衣装デザイン:小川久美子
ヘアメイク:佐藤光栄
スクリプター:生田透子
助監督:佐藤英明 粂田剛 押田興将
音響効果:岡瀬晶彦
ネガ編集:三陽編集室
タイミング:山岡秀雄
製作調整:澤井克一
製作主任:金子堅太郎
出演:広末涼子 圓島努 余貴美子 多田亜沙美 根岸吉太郎
アメリカンビスタ カラー 93分

桜木高校2年の放送部員・遠山杏は、大慌てで放送室に駆け込んだ。昼休みの時間を利用して校内に流す「桜木高校ニュース!」の内容が予定と違っていたからだ。杏は直ちに放送を中断した。担当の部員が内容をチェックせずに流したそのビデオは、杏が夏休みを利用して同級生の片岡徹と一緒に撮影した未完成の映画素材だった。その映像を面白がって観ていた放送部顧問の北村嘉代先生は映画を完成させるようにと杏に言った。徹が突然オーストラリアへ旅立ってしまったため、部室のロッカーには録画済のビデオテープが山のように詰まれていた。

夏休みを使ってビデオカメラの練習をしていた杏は、清洲橋の上で風景を撮影していた。そこに話しかけてきたのが徹だった。徹はニューヨークからきた天才ビデオアーティストということで転入時に学校中の話題になったが、人との付き合いを苦手にしていたため周りの生徒は彼を避けていた。

自称未来からやってきた宇宙人の徹は、エーテル体の宇宙人=ポルックス第7惑星宇宙生命文化研究所の調査員「チュンセ」がボディ・ジャックし、地球の文化についてレポートしていると杏に言った。そして徹の体の中では分裂が始まっており、彼女にもう一人の宇宙人のための体を貸して欲しいと言った。杏は半信半疑ながら両手を差し出し徹の手に触れると、彼女の体の中に「何か」が入り込んできたような気がした。その宇宙人の名前は「ポウセ」と言った。「ポウセ」は、「チュンセ」と徹が共同で作ろうとしているSF映画の手伝いをすることになった。

あれから数ヶ月が経った清洲橋の上で、杏は再び撮影を始めた。

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