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続 忍びの者

  • posted at:2006-07-15
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくしのびのもの
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年8月10日 併映「座頭市兇状旅」
監督:山本薩夫
製作:永田雅一
企画:伊藤武郎
原作:村山知義
脚本:高岩肇
撮影:武田千吉郎
音楽:渡辺宙明
録音:大角正夫
照明:山下礼二郎
美術:内藤昭
編集:宮田味津三
装置:川口隆
擬斗:楠本栄一
音響効果:倉島暢
助監督:鍋井敏宏
製作主任:小沢宏
出演:市川雷蔵 山村聡 藤村志保 坪内ミキ子 城健三朗
シネマスコープ モノクロ 93分

天正九年九月、織田信長は大軍を率いて伊賀を奇襲し、忍者の組織は壊滅した。天正十年、忍者の恐ろしさを知る信長は守り本尊である敢國神社を封じ込めて息の根を止めようとしたが、先回りをしていた伊賀忍者の残党たちに襲われた。織田信雄らの活躍で逃げ延びた信長は、城下に忍者の死体を磔にして晒した。そして在処を知らせた者には賞金を出すと通達した。

百地三太夫に操られた挙句、信長の追っ手から命を狙われることになった石川五右衛門は山奥で妻マキと静かに暮らしていたが、忍者狩りに居場所を嗅ぎ付けられ愛児吾平を失った。悲しみに暮れる五右衛門は、マキの故郷である紀州雑賀に妻と逃れ、百姓として身を隠した。そして鈴木孫一を頭とする雑賀党に参加し、党員たちに忍術を伝授した。孫一は、打倒信長に燃える五右衛門を機会は必ず来ると言って抑え続けた。海運が古くから行われている雑賀の里は種子島との間でも取引が行われていた。そしてついに梵天丸が到着し、港に鉄砲が運ばれて来たのだった。

里を散歩する五右衛門の前に突如現れたのは、徳川家康の隠密服部半蔵だった。伊賀を捨てて家康に仕官した者の話など聞きたくはないと五右衛門は吐き捨てたが、半蔵は構わずに話し始めた。信長は武田軍を滅ぼし、残党が逃げ込んだ恵林寺を取り囲んだ。快川和尚が他の僧と山門に逃げ込んだことを知った信長は火を掛けよと命じたのだ。それを聞いた明智光秀は寛大な計らいをと願い出たが、それが信長の逆鱗に触れた。光秀は追放され、恵林寺は快川和尚とともに火に包まれたのだった。信長を仕留める手立てはあるのかと五右衛門が聞くと、半蔵はあると頷いた。光秀は文武に優れ誠実一途だが、口下手で世辞追従など言える人物ではなかった。気紛れで天性の我侭者である信長とはうまく行くはずがなく、その二人の食い違いに拍車を掛けたのが羽柴秀吉だった。秀吉は常に信長の心中を読み取り先手を取って動き回った。いくら温厚冷静な光秀でも内心にはただならぬ波風が騒いでいるに相違ないと考えた半蔵は、その波風を嵐にまで掻き立てればいいと五右衛門に提案した。そうすれば自らの手を汚さずに目的を果たすことが出来るからだ。半蔵は既にくの一のタマメを安土城内に入り込ませていた。信長は甲州からの凱旋の際、駿河に立ち寄ることになっていたが、それは家康に己の威風を誇示するためであることは明白だった。最後まで話を聞いた五右衛門は静かに考え込んだ。

屋台的映画館
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忍びの者

  • posted at:2006-07-09
  • written by:砂月(すなつき)
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1962年
公開日:1962年12月1日 併映「風神龍神」
監督:山本薩夫
製作:永田雅一
企画:伊藤武郎 土井逸雄
原作:村山知義
脚本:高岩肇
撮影:竹村康和
音楽:渡辺宙明
録音:奥村雅弘
照明:加藤博也
美術:内藤昭
編集:宮田味津三
装置:川口隆
擬斗:宮内昌平
邦楽:中本敏生
音響効果:倉嶋暢
助監督:西沢鋭治
製作主任:橋本正嗣
出演:市川雷蔵 藤村志保 伊藤雄之助 小林勝彦 城健三朗
シネマスコープ モノクロ 104分

天正元年夏。全国制覇の野望に燃える織田信長は、朝倉義景、浅井長政の連合軍を北近江の地で撃破した。大敗を喫した義景は越前まで逃げ延びたが、宿所としていた六松賢松寺を裏切った朝倉景鏡の手勢に包囲され自刃した。本拠の小谷城に篭城した長政も羽柴秀吉の軍勢による急襲で戦力を分断され、自害に追い込まれた。織田軍の勝利は忍者たちの暗躍に支えられていた。伊賀忍者は上忍三家(服部家、百地家、藤林家)で統括され、信長は百地三太夫の活躍ぶりを高く評価していた。だが主従関係を持たない三太夫は信長の全国制覇を快く思っていなかった。信長は比叡山に火を放ち、千体の尊像を一挙に灰燼としただけでなく千六百人もの僧侶たちを皆殺しにした。忍術は、天智天皇の時代に修験道の開祖と呼ばれた呪術者・役行者小角(えんのぎょうじゃこずね)の影響を受けた天台、真言両密教の山伏たちが仏法を広め守るために始めた術だった。天台宗の活動拠点である延暦寺に火を放つことは尊い仏法に、そして印を結び呪を唱える忍者に弓を引くことと同じだった。藤林家の当主・長門守は砦に一同を集め、信長討つべしとの言明を下していた。それを知った三太夫は、仇敵である信長の首を我らの手で挙げるのだと下忍に命じた。投げの与八らが信長討伐に燃える中、三太夫は石川村の五右衛門に砦に残るように言った。帳付けの一切を歳の離れた妻・イノネに任せていたが、女一人には荷が重すぎた。そこで計数に明るいに彼に手伝って欲しいというのだ。五右衛門は身に余る光栄と快く引き受けた。ついに下忍の暮らしから抜け出せると考えたからだった。

長門守は一向一揆の本拠である伊勢長島に信長が必ず襲い掛かると考えていた。その頃、岐阜稲葉山城には各地から武将が参集していた。ただならぬ気配を感じた長門守の腹心の部下である大炊の孫太夫は、信長急襲の気配ありという矢文を誓願寺に放った。長門守はくノ一のタモを民衆に紛れ込ませて時を待ったが、勢いに乗る信長を止めることは出来なかった。朝廷に強制して自ら内大臣となった信長に三太夫は恐れを抱いていた。今のうちに息の根を止めて置かなければ忍者の将来が危ないと考えていた三太夫は、毒の使い手である九度兵衛と手裏剣の名手である投げの与八を派遣した。

ある日、イノネは五右衛門に自分のことをどう思うかと聞いた。三太夫は輿入れ以来、イノネの手すら触れようとはしなかったのだ。冷たい仕打ちを受けるイノネと若い五右衛門は深い恋に落ちて行った。だがそれは全て三太夫の計略だった。イノネを殺された五右衛門は身の危険を感じて逃げたが、その先で三太夫は待っていた。問い詰められ観念した五右衛門に三太夫は生かすための条件を出した。一つ目は信長を殺すことだったが、もう一つは機会を待つ間に盗賊を働くことだった。五右衛門が仕損じた場合、信長が里へ攻めてくる可能性があった。そのための莫大な軍資金が必要だったのだ。盗みは忍者の御法度だと弁明したが、イノネのことを持ち出されると五右衛門は断わることが出来なかった。

屋台的映画館

黒い乳房

  • posted at:2006-07-04
  • written by:砂月(すなつき)
くろいちぶさ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年6月4日
監督:土居通芳
製作:大蔵貢
脚本:杉本彰
企画:島村達芳
撮影:森田守
音楽:松村禎三
美術:加藤雅俊
録音:沼田春雄
照明:秋山清幸
編集:笠間秀敏
助監督:大貫正義
製作主任:川口倫二
出演:小畑絹子 池内淳子 高宮敬二 菅原文太 川喜多雄二
シネマスコープ カラー 78分

塚本によって仲間に引き込まれた村田桂子は、昼は闇ドル買い、夜はキャバレー勤めという生活を強いられていた。桂子は塚本に常に監視されていたため、逃げ出すことは出来なかった。ある日、彼女の母・まさ江が交通事故に遭い、知らせを聞いた桂子は病院に駆けつけた。重体のまさ江は心の奥にしまっておいた秘密を桂子に告白した。行方不明ということになっている桂子の父親は殺人の罪で網走刑務所に服役中で、妹・芳子の父親は小野重工業の社長だというのだ。まさ江は後から病室に入ってきた芳子の顔を見ると安心したように息を引き取った。

桂子の悩みはいつも付きまとう塚本の存在だった。そこで彼女はドル買いの現場を警察に密告した。自由の身となった桂子は、芳子に母親の遺言を伝えた。二人は異父姉妹で、桂子の父親は大会社の社長、そして芳子の父親は殺人犯だと。財産の横領を画策する桂子は、興信所を使って社長・小野正憲の身辺を調べ上げた。戸籍は戦災で焼け、親戚や知人が他にいないなど彼女にとって都合が良いことばかりが揃っていた。正憲の夫人はすでに亡くなり、子供がいないことから常務で甥の早川隆彦が相続人として予定されていた。そして正憲自身は心臓病を患って入院していた。

桂子は正憲が不在の会社を訪れた。応対した社長秘書・谷口弘は、後日連絡すると言って自ら調査に乗り出した。いくつもの不審な点が見受けられたが、証拠となる指輪と生命保険の証書を差し出されると実子である可能性を否定できなかった。谷口は芳子と会って話を聞くことにした。そして彼は芳子の人柄を信用し、桂子を正憲に会わせても良いと判断した。手術当日、谷口は正憲にこれまでに起こった出来事を報告した。そして早く会いたいという社長の希望を叶え、桂子を病室に招き入れた。正憲は娘との会話を楽しみ、やがて来る手術への覚悟を決めた。手術が始まり、成功を願う桂子と失敗を願う早川との思惑が交差した。

屋台的映画館

毎日が夏休み

  • posted at:2006-06-26
  • written by:砂月(すなつき)
まいにちがなつやすみ
パイオニアLDC=サンダンス・カンパニー
配給:KUZUIエンタープライズ
製作年:1994年
公開日:1994年6月11日
監督:金子修介
製作:藤峰貞利
企画:サンダンス・カンパニー
製作総指揮:青木雅美
プロデューサー:真木太郎 酒井良雄 藤田義則
共同プロデューサー:平田樹彦 木村典代
プロダクションスーパーバイザー:冷泉さとし 加藤克行 増田雄二
原作:大島弓子
脚本:金子修介
撮影:柴崎幸三
音楽:大谷幸
音楽プロデューサー:高桑忠男
主題歌:「時間のない街」鈴木トオル
美術:及川一
照明:吉角荘介
録音:林大輔
編集:冨田功
スクリプター:坂本希代子
助監督:猪腰弘之
俳優担当:寺野伊佐雄
製作担当:藪下隆
スタイリスト:清水美樹子 左吉リサ
出演:佐野史郎 佐伯日菜子 風吹ジュン 高橋ひとみ 益岡徹
アメリカンビスタ カラー 94分

郊外の新興住宅地に住む林海寺家は夫婦そろって再婚同志、いわばスクラップ家族だった。良子の連れ子、中学2年生のスギナは近所でも有名な優等生、ということになっていたが、本人はいつも登校拒否をして公園などで時間を潰す毎日を送っていた。その日も公園で早弁をしていると、同じように早弁をしていた義父・成雪とバッタリ出会ってしまった。エリート街道を歩んでいた成雪は最近次長に昇格したが、向いていないという理由で突然会社を辞めたのだ。今まで親子らしい会話を交わしたことがないことに気付いた成雪は、お互いの気持ちを知るために話し合うことにした。

良子は英会話教室と美容院に出掛けようとしていたが、突然二人が帰ってきたことに驚いた。しかもその理由が退社や登校拒否であれば尚更だった。成雪は、会社と方針が合わなくなり従属関係が崩れてしまったため会社を辞めた。一方、スギナはいじめられた友達を味方したことで立場が逆転し、いじめられるようになったことが登校拒否の原因だった。しかもそのいじめられていた友達はいじめる側に加わっていたのだ。

成雪は、明日から友人、知人の会社をスギナと回って再就職をすると良子に宣言した。一緒に働くことで娘の成長を見守るというのが彼の論理だった。その論理についていけない良子は部長と会って辞表を撤回してもらおうとしたが、成雪は辞めたんだから止めてくれと言った。そしてこの苦しみを乗り越えてこそ人生に真の輝きが訪れるんだと良子を抱きしめながら言った。翌日、彼女を心配させまいと考えた成雪は前言を撤回して会社訪問に出掛けた。彼の得意先だった企業を訪れたが、当然のことながら「子連れの就職」を容認するはずがなかった。そこで成雪が「土下座」というパフォーマンスを繰り出すと、困った企業は彼に「御車代」を手渡したのだった。スギナは驚いたが、成雪は清々しい表情をしていた。彼は別の企業でも同じことを繰り返して「御車代」をせしめたが、これ以上新しい可能性が得られないと悟った。

もしも自分が成雪の立場だったらパーッと派手に遊んでパーッとビルから飛び降りるだろうな。スギナがそう考えていたとき、成雪がパーッとやらないかと言った。成雪がスギナをレストランに連れて行くと、料理に手を付けない彼女は「夏の日差しに出来る影って濃くて深いよね。人生も濃くて深い影があれば、その裏には眩しい光がある。絶対にあるんですよ」と泣きながら言った。それを聞いた成雪はスギナにハンカチを渡し「人生は意外と何回もやり直しのきくゲームなんだ」と言った。そして彼は家族経営の「なんでも屋」を起業することにした。

屋台的映画館

お引越し

  • posted at:2006-06-20
  • written by:砂月(すなつき)
おひっこし
讀賣テレビ放送
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画=アルゴプロジェクト
製作年:1993年
公開日:1993年3月20日
監督:相米慎二
製作:伊地智啓 安田匡裕
プロデューサー:椋樹弘尚 藤門浩之
企画:岡野晋一 吉野俊太郎 堀井博次 大木達哉
企画協力:河野洋範 松尾修治 和田幸雄 山崎隆明
原作:ひこ・田中
脚本:奥寺佐渡子 小此木聡
音楽:三枝成彰
撮影監督:栗田豊通
美術監督:下石坂成典
照明:黒田紀彦
録音:野中英敏
美術デザイナー:山崎秀満
衣装デザイナー:小川久美子
編集:奥原好幸
記録:河辺美津子
助監督:橋本匡弘
製作担当者:丹羽邦夫
プロデューサー補:朝倉千代子 田辺順子
宣伝プロデューサー:関根房江
出演:中井貴一 桜田淳子 田畑智子 須藤真里子 田中太郎
アメリカンビスタ カラー 124分

京都に住む小学校6年生の漆場レンコは母・ナズナと二人暮らしを始めた。両親が離婚を前提に別居することになり、父・ケンイチが出て行ったからだ。ケンイチの引越しの当日、学校の昼休みを使って家に帰ってきたレンコは、父親と最後の時間を過ごした。やがて別れがやってきたが、レンコは発車したトラックに飛び乗り新居のマンションまでついて行ってしまった。空のクローゼットで遊んでいたレンコは、あるとき突然こことあたしの部屋の押入れが超常現象で繋がってしまうんやとケンイチに言った。その日の夕方、ケンイチは不要なものを空き地で燃やしていたが、レンコはそれを見て驚いた。慌てて火の中から取り出したものは、家族三人で写った思い出の写真だった。

ナズナはレンコを二人の門出と称してレストランに連れて行った。そしてそこで初めて元の姓に戻すことを打ち明けたが、レンコは家が二つでええやんかと言った。ナズナは新生活を始めるために「2のための契約書」を作った。それはお互いの出来事を包み隠さず話したり家事を分担するという家庭内の憲法だった。この中の「お父さんのこと」という項目がレンコは気に入らなかった。そこには「ナズナの許可なくお父さんのところへ行ってはいけない。母ナズナとケンカしたときお父さんのところへは逃げないこと」と書かれてあった。

ある日の昼休み、先生から作文の宿題を出されたことで生徒たちは何を書こうかと相談していた。レンコはお父さんのことを聞かれたため、最近会社に行くようになり、休みの日は夫婦で映画館に行ったりお母さんがお父さんの散髪をしたりすると答えた。すると転校生のサリーが気持ち悪いと言った。それがきっかけで二人は大ゲンカになり、仲裁に入った大木ミノルも巻き添えを食った。ミノルはいつもレンコのことを気に掛けていた。サリーは仲直りをするためにレンコと会った。彼女の両親は離婚していたが、レンコも自分と同じような境遇であることが一目でわかったのだ。

夏のある日、レンコが学校から帰るとテーブルの上に手紙が置かれていた。そこには契約違反だが洗濯物を干して欲しいと書かれていた。彼女は指示に従ったが、その代わりに壁に貼ってある契約書を破ると自転車でケンイチのマンションへ向かった。

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