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新書 忍びの者

  • posted at:2006-07-22
  • written by:砂月(すなつき)
しんしょしのびのもの
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1966年
公開日:1966年12月10日 併映「大魔神逆襲」
監督:池広一夫
企画:藤井浩明
脚本:高岩肇
音楽:渡辺岳夫
撮影:田中省三
録音:海原幸夫
照明:加藤博也
美術:太田誠一
編集:菅沼完二
擬斗:楠本栄一
助監督:溝口勝美
製作主任:今村喬
出演:市川雷蔵 安田道代 富士真奈美 伊藤雄之助 石山健二郎
シネマスコープ モノクロ 91分

戦国時代が頂点に達していた頃、甲斐の武田信玄は乱波 (らっぱ)による情報収集と神出鬼没の戦法を駆使して着々と勢力圏を拡大し、京の地に風林火山の旗印を翻すべく虎視眈々とその機会を狙っていた。その行く手に立ちはだかる徳川家康は、織田信長の庇護の下にようやく戦国大名としての第一歩を踏み出した。

二十年前、霞小次郎は人里離れた小屋で火薬の製造を行っていた父・勘兵衛を、火薬を盗みに来た三人の男たちに殺された。その後、流れ忍者に育てられたが、密書を運ぶ乱波を助けられなかったことで力の差を痛感した。復讐の機会を狙う小次郎は更なる腕を磨くために甲斐の黒戸左太夫に弟子入りすることにしたが、まずは佐太夫捜しから始めなければならなかった。京の町に入った小次郎は、研ぎ屋で変わり鎌を目撃した。父を殺した物に似ていると感じた小次郎は、それを受取りに来た遊女千歳の後をつけた。勘兵衛は隠れている小次郎の目の前で片腕を切り落とされ、のた打ち回りながら死んで行った。死骸の傍らに笑いながら立つ男の顔と血に染まった鎖鎌が彼の目の奥に焼き付いて離れなかったのだ。小次郎は千歳を問い詰め、鎌を渡した男は信長につく矢伏の猪十で、姉川に向かったことを知った。

天下統一の執念に燃える信長はその達成を阻むもの全ての抹殺を謀った。それはたとえ妹・お市の方を嫁がせた浅井長政ですら一片の容赦もなく家康との連合軍で討ち果たした。その夜、家康のもとに現れた斑夜叉丸は将軍足利義昭から信玄宛てに信長追討の密書が届けられたことを報告した。その頃、信長のもとへ急ぐ猪十の前に現れたのは先回りした小次郎だった。対決した小次郎は、父が受けた仕打ちと同じように猪十の片腕を斬り落し、最初の復讐を成し終えた。密書を奪い取ろうとした小次郎だったが、受けた傷が悪化して意識を失った。小次郎はある男によって一命を取り留めた。密書を誰に届けるのだと男が問うと、小次郎はこれを手土産にして甲斐の黒戸左太夫様が率いる乱波の勢に加えて貰うのだと答えた。すると男は、黒戸左太夫は私だと言った。

屋台的映画館
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新 忍びの者

  • posted at:2006-07-19
  • written by:砂月(すなつき)
しんしのびのもの
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年12月28日 併映「悪名一番」
監督:森一生
製作:永田雅一
企画:伊藤武郎
原作:村山知義
脚本:高岩肇
撮影:今井ひろし
音楽:渡辺宙明
録音:林土太郎
照明:伊藤貞一
美術:太田誠一
編集:谷口孝司
装置:川口隆
擬斗:楠本栄一
音響効果:倉島暢
助監督:大洲斉
製作主任:田辺満
出演:市川雷蔵 若尾文子 東野英治郎 三島雅夫 成田純一郎
シネマスコープ モノクロ 86分

豊臣秀吉の暗殺に失敗した石川五右衛門は、京三条河原において釜煎りの極刑に処せられた。煮えたぎる油の中から仁王立ちになった五右衛門は、貴様の面は忘れぬぞと役人を睨み付けた。するとその役人は三日三晩熱に犯され、ついに発狂したのだ。その後、五右衛門の首は六角の辻に晒されたが十日経っても人だかりは一向に減らなかった。ある夜、五右衛門の首が何者かによって持ち去られ、すぐ後に役人の家に泥棒が入った。泥棒は供養料として五百両を持ち出し書付を残した。翌日、五百両は無縁仏に供えられていたが、驚いたのは檀家や住職たちだった。その騒動を町人たちは胸の空く思いで語り合った。泥棒の名は石川五右衛門。釜の前に立つ五右衛門の周りに煙幕を張った服部半蔵は、役人たちが慌てる隙を狙って身代わりとすり替えたのだった。誰の手も借りずに秀吉を殺そうと考えていた五右衛門は世間を騒がせながら時を待っていたが、それは徳川家康の策略どおりだった。

明智光秀討伐の戦功を足掛かりにして一挙に天下の覇者となった秀吉は、天下統一を果たした翌年の天正十九年、後継者に指名していた鶴松が病死したことで、甥の秀次を養子に迎えた。そして関白職を譲ると太閤として実権を握った。だが翌々年の文禄二年に側室の淀殿が秀頼を産むと、秀吉は秀頼の方を寵愛するようになった。この事態を知った秀次は動揺を隠せなかった。秀吉は諸大名を参集し秀頼を披露し、何者にも変えがたい余の宝であるねねと秀頼の二人に指一本たりとも指すことは罷りならんと言い放った。そして、日本国内の統一は成り国威は隆盛の一途を辿っているこの機に乗じて民国、朝鮮を制覇すると宣言した。

侍に囲まれ御輿に乗った秀頼の姿を見た五右衛門は、忍者狩りに殺された我が子吾平の姿と重ね合わせていた。そして七度生まれ変わって秀吉を八つ裂きにし豊臣一族を根絶やしにしてやる、そう心に誓った。その頃秀吉は、秀次に国内の政を任せて朝鮮に出陣しようとしていた。五右衛門が京の町を荒らし回ったのは秀吉への果たし状だったが、相手は全く気付いていなかったのだ。そこで五右衛門は忍者狩りから逃れた名張の犬八とともに秀頼強奪を実行した。

屋台的映画館

続 忍びの者

  • posted at:2006-07-15
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくしのびのもの
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年8月10日 併映「座頭市兇状旅」
監督:山本薩夫
製作:永田雅一
企画:伊藤武郎
原作:村山知義
脚本:高岩肇
撮影:武田千吉郎
音楽:渡辺宙明
録音:大角正夫
照明:山下礼二郎
美術:内藤昭
編集:宮田味津三
装置:川口隆
擬斗:楠本栄一
音響効果:倉島暢
助監督:鍋井敏宏
製作主任:小沢宏
出演:市川雷蔵 山村聡 藤村志保 坪内ミキ子 城健三朗
シネマスコープ モノクロ 93分

天正九年九月、織田信長は大軍を率いて伊賀を奇襲し、忍者の組織は壊滅した。天正十年、忍者の恐ろしさを知る信長は守り本尊である敢國神社を封じ込めて息の根を止めようとしたが、先回りをしていた伊賀忍者の残党たちに襲われた。織田信雄らの活躍で逃げ延びた信長は、城下に忍者の死体を磔にして晒した。そして在処を知らせた者には賞金を出すと通達した。

百地三太夫に操られた挙句、信長の追っ手から命を狙われることになった石川五右衛門は山奥で妻マキと静かに暮らしていたが、忍者狩りに居場所を嗅ぎ付けられ愛児吾平を失った。悲しみに暮れる五右衛門は、マキの故郷である紀州雑賀に妻と逃れ、百姓として身を隠した。そして鈴木孫一を頭とする雑賀党に参加し、党員たちに忍術を伝授した。孫一は、打倒信長に燃える五右衛門を機会は必ず来ると言って抑え続けた。海運が古くから行われている雑賀の里は種子島との間でも取引が行われていた。そしてついに梵天丸が到着し、港に鉄砲が運ばれて来たのだった。

里を散歩する五右衛門の前に突如現れたのは、徳川家康の隠密服部半蔵だった。伊賀を捨てて家康に仕官した者の話など聞きたくはないと五右衛門は吐き捨てたが、半蔵は構わずに話し始めた。信長は武田軍を滅ぼし、残党が逃げ込んだ恵林寺を取り囲んだ。快川和尚が他の僧と山門に逃げ込んだことを知った信長は火を掛けよと命じたのだ。それを聞いた明智光秀は寛大な計らいをと願い出たが、それが信長の逆鱗に触れた。光秀は追放され、恵林寺は快川和尚とともに火に包まれたのだった。信長を仕留める手立てはあるのかと五右衛門が聞くと、半蔵はあると頷いた。光秀は文武に優れ誠実一途だが、口下手で世辞追従など言える人物ではなかった。気紛れで天性の我侭者である信長とはうまく行くはずがなく、その二人の食い違いに拍車を掛けたのが羽柴秀吉だった。秀吉は常に信長の心中を読み取り先手を取って動き回った。いくら温厚冷静な光秀でも内心にはただならぬ波風が騒いでいるに相違ないと考えた半蔵は、その波風を嵐にまで掻き立てればいいと五右衛門に提案した。そうすれば自らの手を汚さずに目的を果たすことが出来るからだ。半蔵は既にくの一のタマメを安土城内に入り込ませていた。信長は甲州からの凱旋の際、駿河に立ち寄ることになっていたが、それは家康に己の威風を誇示するためであることは明白だった。最後まで話を聞いた五右衛門は静かに考え込んだ。

屋台的映画館

忍びの者

  • posted at:2006-07-09
  • written by:砂月(すなつき)
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1962年
公開日:1962年12月1日 併映「風神龍神」
監督:山本薩夫
製作:永田雅一
企画:伊藤武郎 土井逸雄
原作:村山知義
脚本:高岩肇
撮影:竹村康和
音楽:渡辺宙明
録音:奥村雅弘
照明:加藤博也
美術:内藤昭
編集:宮田味津三
装置:川口隆
擬斗:宮内昌平
邦楽:中本敏生
音響効果:倉嶋暢
助監督:西沢鋭治
製作主任:橋本正嗣
出演:市川雷蔵 藤村志保 伊藤雄之助 小林勝彦 城健三朗
シネマスコープ モノクロ 104分

天正元年夏。全国制覇の野望に燃える織田信長は、朝倉義景、浅井長政の連合軍を北近江の地で撃破した。大敗を喫した義景は越前まで逃げ延びたが、宿所としていた六松賢松寺を裏切った朝倉景鏡の手勢に包囲され自刃した。本拠の小谷城に篭城した長政も羽柴秀吉の軍勢による急襲で戦力を分断され、自害に追い込まれた。織田軍の勝利は忍者たちの暗躍に支えられていた。伊賀忍者は上忍三家(服部家、百地家、藤林家)で統括され、信長は百地三太夫の活躍ぶりを高く評価していた。だが主従関係を持たない三太夫は信長の全国制覇を快く思っていなかった。信長は比叡山に火を放ち、千体の尊像を一挙に灰燼としただけでなく千六百人もの僧侶たちを皆殺しにした。忍術は、天智天皇の時代に修験道の開祖と呼ばれた呪術者・役行者小角(えんのぎょうじゃこずね)の影響を受けた天台、真言両密教の山伏たちが仏法を広め守るために始めた術だった。天台宗の活動拠点である延暦寺に火を放つことは尊い仏法に、そして印を結び呪を唱える忍者に弓を引くことと同じだった。藤林家の当主・長門守は砦に一同を集め、信長討つべしとの言明を下していた。それを知った三太夫は、仇敵である信長の首を我らの手で挙げるのだと下忍に命じた。投げの与八らが信長討伐に燃える中、三太夫は石川村の五右衛門に砦に残るように言った。帳付けの一切を歳の離れた妻・イノネに任せていたが、女一人には荷が重すぎた。そこで計数に明るいに彼に手伝って欲しいというのだ。五右衛門は身に余る光栄と快く引き受けた。ついに下忍の暮らしから抜け出せると考えたからだった。

長門守は一向一揆の本拠である伊勢長島に信長が必ず襲い掛かると考えていた。その頃、岐阜稲葉山城には各地から武将が参集していた。ただならぬ気配を感じた長門守の腹心の部下である大炊の孫太夫は、信長急襲の気配ありという矢文を誓願寺に放った。長門守はくノ一のタモを民衆に紛れ込ませて時を待ったが、勢いに乗る信長を止めることは出来なかった。朝廷に強制して自ら内大臣となった信長に三太夫は恐れを抱いていた。今のうちに息の根を止めて置かなければ忍者の将来が危ないと考えていた三太夫は、毒の使い手である九度兵衛と手裏剣の名手である投げの与八を派遣した。

ある日、イノネは五右衛門に自分のことをどう思うかと聞いた。三太夫は輿入れ以来、イノネの手すら触れようとはしなかったのだ。冷たい仕打ちを受けるイノネと若い五右衛門は深い恋に落ちて行った。だがそれは全て三太夫の計略だった。イノネを殺された五右衛門は身の危険を感じて逃げたが、その先で三太夫は待っていた。問い詰められ観念した五右衛門に三太夫は生かすための条件を出した。一つ目は信長を殺すことだったが、もう一つは機会を待つ間に盗賊を働くことだった。五右衛門が仕損じた場合、信長が里へ攻めてくる可能性があった。そのための莫大な軍資金が必要だったのだ。盗みは忍者の御法度だと弁明したが、イノネのことを持ち出されると五右衛門は断わることが出来なかった。

屋台的映画館

黒い乳房

  • posted at:2006-07-04
  • written by:砂月(すなつき)
くろいちぶさ
新東宝
配給:新東宝
製作年:1960年
公開日:1960年6月4日
監督:土居通芳
製作:大蔵貢
脚本:杉本彰
企画:島村達芳
撮影:森田守
音楽:松村禎三
美術:加藤雅俊
録音:沼田春雄
照明:秋山清幸
編集:笠間秀敏
助監督:大貫正義
製作主任:川口倫二
出演:小畑絹子 池内淳子 高宮敬二 菅原文太 川喜多雄二
シネマスコープ カラー 78分

塚本によって仲間に引き込まれた村田桂子は、昼は闇ドル買い、夜はキャバレー勤めという生活を強いられていた。桂子は塚本に常に監視されていたため、逃げ出すことは出来なかった。ある日、彼女の母・まさ江が交通事故に遭い、知らせを聞いた桂子は病院に駆けつけた。重体のまさ江は心の奥にしまっておいた秘密を桂子に告白した。行方不明ということになっている桂子の父親は殺人の罪で網走刑務所に服役中で、妹・芳子の父親は小野重工業の社長だというのだ。まさ江は後から病室に入ってきた芳子の顔を見ると安心したように息を引き取った。

桂子の悩みはいつも付きまとう塚本の存在だった。そこで彼女はドル買いの現場を警察に密告した。自由の身となった桂子は、芳子に母親の遺言を伝えた。二人は異父姉妹で、桂子の父親は大会社の社長、そして芳子の父親は殺人犯だと。財産の横領を画策する桂子は、興信所を使って社長・小野正憲の身辺を調べ上げた。戸籍は戦災で焼け、親戚や知人が他にいないなど彼女にとって都合が良いことばかりが揃っていた。正憲の夫人はすでに亡くなり、子供がいないことから常務で甥の早川隆彦が相続人として予定されていた。そして正憲自身は心臓病を患って入院していた。

桂子は正憲が不在の会社を訪れた。応対した社長秘書・谷口弘は、後日連絡すると言って自ら調査に乗り出した。いくつもの不審な点が見受けられたが、証拠となる指輪と生命保険の証書を差し出されると実子である可能性を否定できなかった。谷口は芳子と会って話を聞くことにした。そして彼は芳子の人柄を信用し、桂子を正憲に会わせても良いと判断した。手術当日、谷口は正憲にこれまでに起こった出来事を報告した。そして早く会いたいという社長の希望を叶え、桂子を病室に招き入れた。正憲は娘との会話を楽しみ、やがて来る手術への覚悟を決めた。手術が始まり、成功を願う桂子と失敗を願う早川との思惑が交差した。

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